このページの要点
米国の主要ボーディング校の寮生学費は中央値で年約7.6万ドル(約1,200万円)。卒業までF-1なら私立校。
- 学費の実額:2026-27年度の寮生の学費は、Phillips Exeter Academy が7万1,797ドル、Phillips Academy Andover が7万9,800ドル。NAISの統計(TABS関連校139校の集計)では、2025-26年度の中央値は7万5,838ドルです。
- ビザの条件:F-1で公立高校に通えるのは通算12か月までで、学区に費用の全額を払う必要があります。卒業まで通うなら、SEVP認証を受けた私立校が前提です。
- 出願は1年がかり:今回確認した4校は、締切が1月15日か2月1日、合否の通知はいずれも3月10日です。秋のうちにテスト・英語試験・面接を済ませる日程になります。
アメリカのボーディングスクール(全寮制の私立高校)は、学校を選んで現地で卒業まで学べる一方、費用は日本の私立高校とは桁が違います。この記事では、各校の公式サイトに載っている2026-27年度の学費、NAISの統計、F-1ビザの法律上の条件、出願の締切と必要書類を、原典をたどって整理しました。円換算は2026年10月12日のレート(1ドル=158.60円)による試算です。最終的な判断の前に、必ず志望校と米国政府の公式情報で最新の内容を確認してください。
本記事の学費・要件は、Phillips Exeter Academy、Phillips Academy Andover、Choate Rosemary Hall、Deerfield Academy の各公式サイト、NAIS(全米独立学校協会)の「2026 Facts at a Glance」、米国国土安全保障省の Study in the States、米国移民・関税執行局(ICE)、米国の法令(8 U.S.C. §1184、22 CFR 22.1、Public Law 119-21)、SSATを運営する E3n、TOEFLを運営する ETS の公表情報を、当サイトが2026年10月13日に取得して整理したものです。学費・手数料・出願要件は毎年改定され、学校ごとに異なります。 円換算は欧州中央銀行の参照レート(2026年10月12日)から算出した1ドル=158.60円による当サイトの試算で、実際の支払額は為替と送金手数料で変わります。
結論:判断の早見表
POINT
アメリカのボーディングスクールを検討するときに、保護者が最初に押さえておきたい事実は4つです。費用の水準、ビザで通える学校の範囲、出願の時期、奨学金の扱いです。
アメリカのボーディングスクール 判断の早見表(2026年10月13日時点の公式情報)
| 論点 | 確認できた事実 | 保護者が確認すること |
|---|---|---|
| 学費の水準 | NAISの統計(TABS関連校)で寮生(週7日寮)学費の中央値は年7万5,838ドル(2025-26年度・12年生)。2026-27年度の名門4校は7万1,797〜7万9,940ドル | 金額に何が含まれるか(教材・PC・保健室・技術費)と、含まれない費用(保険・航空券・休暇中の滞在) |
| ビザ | F-1で公立高校に通えるのは通算12か月まで。私立のSEVP認証校なら在籍期間の上限なし | 志望校がSEVP認証校かどうか(Study in the States の School Search で確認できる) |
| 出願の時期 | 今回の4校は締切が1月15日(Exeter・Choate・Deerfield。Deerfieldは優先締切)か2月1日(Andover)。合否は3月10日 | 入学したい年の前年の秋にテスト・英語試験・面接が終わる日程になっているか |
| 奨学金 | 4校とも留学生も財政援助(need-based aid)を申請できる。ただし合否への影響の扱いは学校で異なる | 援助の申請が合否に影響するか(need-blind かどうか)、締切がいつか |
アメリカ高校留学の全体像、つまり交換留学(J-1)と私費留学(F-1)のどちらを選ぶかは、アメリカ高校留学ガイドで比較しています。本記事は、その中でも私費で私立の全寮制高校に入るという選択肢に絞り、学費の実額・ビザ・出願・学校選びを掘り下げます。
ボーディングスクールとは:交換留学・公立高校・私立デイとの違い
POINT
ボーディングスクールは、生徒が寮で暮らしながら学ぶ私立の中等学校です。同じアメリカの高校でも、交換留学や公立高校とは、通える期間も費用も、学校を選べるかどうかも違います。
アメリカの高校に通う形は、大きく4つに分かれます。交換留学(J-1ビザ)、F-1ビザで公立高校に通う形、F-1で私立校に自宅や親族の家などから通う形(デイ)、そしてF-1で私立校の寮に入る形(ボーディング)です。違いを決めているのは、ビザの種類と、学校が公立か私立かの2点です。
アメリカの高校に通う4つの形(F-1の行のビザ要件は8 U.S.C. §1184(m)・DHS Study in the States による。交換留学〔J-1〕の行は当サイトのアメリカ高校留学ガイドの整理)
| 形 | ビザ | 通える期間 | 学校を選べるか | 費用の考え方 |
|---|---|---|---|---|
| 交換留学(公立が中心) | J-1 | 1年程度のプログラム | 原則選べない(派遣団体が決める) | 授業料・滞在費が原則無償で最も安い |
| 公立高校(私費) | F-1 | 通算12か月まで | 受け入れ校の中から選ぶ | 学区に授業の実費の全額を払う必要がある |
| 私立校・通学(デイ) | F-1 | 上限なし(SEVP認証校) | 選べる | 学費は寮生より安いが、住まいと保護の体制を別に用意する必要がある |
| 私立校・寮生(ボーディング) | F-1 | 上限なし(SEVP認証校) | 選べる | 学費に寮費・食費が含まれ、最も高い |
ボーディングスクールの強みは、学校を選べること、卒業まで在籍できること、生活の場が学校の中にあることの3つです。授業・寮・食事・課外活動が同じ敷地にあります。一方で、学費に寮費・食費が含まれるぶん総額は高くなります。日本国内にも全寮制の学校があり、卒業資格や費用の比較は日本のボーディングスクール一覧で整理しています。英国の寄宿校は国の基準や査察の仕組みが大きく違うため、イギリスのボーディングスクールの選び方を別にご覧ください。
学費の実額:2026-27年度の4校と業界統計
POINT
名門校の寮生の学費は、2026-27年度で7万ドル台です。円にすると1,100万円台から1,200万円台になります。業界統計の中央値も同じ水準にあり、名門校だけが特別に高いわけではありません。
学費を調べるときは、学年度と寮生・通学生の区別を必ず確認してください。各校は毎年学費を改定しており、ウェブ上には前年度以前の金額も多く残っています。以下は、各校の公式サイトで2026年10月13日に確認した2026-27年度の金額です。
主なボーディングスクールの学費(2026-27年度・各校公式/円は1ドル=158.60円での試算)
| 学校(州) | 寮生(Boarding) | 通学生(Day) | 公式ページの注記 |
|---|---|---|---|
| Phillips Exeter Academy(ニューハンプシャー州) | 7万1,797ドル(約1,139万円) | 5万6,077ドル(約889万円) | 教材・文具は別に約900ドル(学校の見積もり) |
| Phillips Academy Andover(マサチューセッツ州) | 7万9,800ドル(約1,266万円) | 6万3,840ドル(約1,013万円) | 学費として表示 |
| Choate Rosemary Hall(コネチカット州) | 7万4,530ドル(約1,182万円) | 5万7,610ドル(約914万円) | 授業料7万3,530ドル+技術費1,000ドルの合計。教材・雑費として別に年1,000ドルの予算を勧めている |
| Deerfield Academy(マサチューセッツ州) | 7万9,940ドル(約1,268万円) | 5万7,850ドル(約918万円) | ノートPC・教科書・保健センターのサービスを学費に含む |
名門校だけが高いのではない:業界統計の中央値
上の4校は全米でも知名度の高い学校です。では、ほかの学校はもっと安いのでしょうか。NAIS(全米独立学校協会)がまとめた「2026 Facts at a Glance」(2025-26年度のデータ)には、業界団体TABS(The Association of Boarding Schools)に関連する139校(NAISのデータに回答した学校)の集計があります。これによると、週7日の寮生の12年生の学費の中央値は7万5,838ドル(約1,203万円)、週7日寮全体の平均は7万6,008ドルでした。週5日の寮(一般に、週末は帰宅する形)の中央値は6万950ドル(約967万円)、通学生は4万6,385ドルです。
つまり、上の4校の水準は業界の中央値とほぼ同じです。週5日の寮は週末に帰る家が必要なので、日本から留学する場合は、基本的に週7日の寮の金額で考えることになります。なお、この統計は2025-26年度の数字で、4校の表は2026-27年度の数字です。年度が1年ずれている点にご注意ください。
確認ポイント:ボーディングスクールは年500〜900万円程度、という円建ての目安を見かけることがあります(当サイトの以前の記載も含みます)が、一次情報とは合いません。上の中央値7万5,838ドルは、1ドル=130円で換算しても約986万円で、900万円を上回ります。円安が進んだ時期でなくても、寮費込みの学費だけで1,000万円前後になると考えてください。学費はドル建ての公式の金額を出発点にし、円換算のレートを明示して試算してください。
学費以外にかかるお金
学費のほかにも、ご家庭で別に用意するお金があります。Choateは、教材・雑費として年1,000ドルの予算を勧め、医療保険への加入と、米国のデータ通信プランを契約した携帯電話の所持を求めています。また、学校が閉まる長期休暇の帰省・移動費も予算に入れるよう案内しています。Exeterは教材・文具を約900ドルと見積もっています。逆に、Deerfieldはノートパソコン・教科書・保健センターのサービスを学費に含めています。同じ「学費」でも含まれる範囲が学校で違うため、比べる前に費目を揃えてください。
- ビザ関連:F-1ビザの申請料185ドル(22 CFR 22.1)とSEVIS費用350ドル(ICE)で、計535ドル(約8.5万円)。
- 出願関連:出願料はExeterが一律60ドル、Andoverは留学生が125ドル、Deerfieldは米国外に住む生徒が125ドル。財政援助を申請する場合は、申請システムClarityの手数料65ドル(Exeter・Andover・Deerfieldで確認)。
- テスト:SSATを海外で受ける場合は339ドル(E3n公式)。英語試験の受験料も別にかかります。
- 入学時:Choateは、入学契約書に記載された期日に学費の10%を返金不可のデポジットとして支払う仕組みです。
- 渡航・保険・休暇中の滞在:航空券、留学保険、学校が閉まる期間の滞在先の費用。目安はアメリカ高校留学の費用で整理しています。
4年間通う場合の学費は、4校の2026-27年度の寮生の学費をそのまま4倍すると、約28万7,000〜32万ドル(約4,555万〜5,071万円)です。実際には毎年学費が改定されるため、卒業までの総額はこれより上振れする前提で資金計画を立ててください。
F-1で入れる学校の条件:公立は12か月まで、私立はSEVP認証校
POINT
高校で卒業まで学ぶなら、ビザはF-1、学校はSEVP認証を受けた私立校が前提です。これは学校の方針ではなく、米国の法律で決まっています。
米国の移民国籍法(8 U.S.C. §1184(m)、移民国籍法214条(m))は、F-1ビザで公立の中等学校に通う条件として、在籍が通算12か月を超えないことと、学校を運営する学区に、補助のない1人あたりの教育費の全額を払い戻したことを示すことを定めています。米国国土安全保障省の Study in the States も、この12か月には生徒が通うすべての公立校が含まれ、1年ごとに別の公立高校へ移ることはできないと説明しています。
一方、私立校についてはStudy in the Statesが、私立のSEVP認証校にはF-1の在籍期間の上限が規則上ないと明記しています。SEVPは、留学生を受け入れる学校を認証する米国政府のプログラムです。認証を受けた学校だけが、F-1ビザの申請に必要な入学許可書(Form I-20)を発行できます。
- 1志望校がSEVP認証校か確認する:Study in the States の School Search で、学校名・所在地から検索できます。私立校であっても、認証がなければF-1で入学できません。
- 2資金証明を出す:学校はI-20を発行する前に、学費と滞在費を払えることを示す資金の証明を受け取る必要があります(Study in the States)。
- 3SEVIS費用を払う:I-20を受け取ったら、SEVIS費用(I-901)350ドルを支払います。
- 4ビザを申請する:申請料185ドルを払い、在日米国大使館・領事館でF-1ビザを申請します。
もう一つ見落としやすいのが、途中で学校を変えるときの条件です。同じ条文の(m)(2)は、私立校に通うためにF-1を得た人が、その学校をやめて公立の中等学校に移った場合(12か月と全額払い戻しの条件を満たす場合を除く)、F-1の資格に違反したものとみなされ、ビザが無効になると定めています。私立から別の私立のSEVP認証校へ移ることはできますが、手続きは移る前に学校の担当者(DSO)と進める必要があります。
確認ポイント:2025年7月に成立した米国の法律(Public Law 119-21 第100007条)は、非移民ビザの発給時に Visa Integrity Fee(ビザ保全手数料)を徴収すると定めています。金額は2025会計年度に250ドル以上で、以後は物価に連動して改定されます。ビザの条件を守って期限内に出国した場合などには払い戻しの規定もあります。ただし、当サイトでは2026年10月13日時点で、日本で実際に徴収されているかを米国政府の公式ページで確認できませんでした。申請前に在日米国大使館の案内で最新の手数料を確認してください。
出願の実務:テスト・英語試験・面接・共通出願
POINT
出願の中身は、成績証明書、推薦状、エッセイ、テスト、英語試験、面接の組み合わせです。何が必須かは学校で違うため、志望校ごとに一覧にしておくのが確実です。
今回確認した4校は、いずれもGateway to Prep Schoolsという共通出願システムを使っています。最初にこのサイトでCandidate Profile(基本情報)を提出すると、各校の出願ポータルの案内が届き、そこから面接の予約やエッセイの提出に進む流れです(Choateは、エッセイと保護者の文書をGatewayのPart 2で提出し、面接は問い合わせフォーム〔Inquiry Form〕の提出後に案内されます)。推薦状は、現在の英語と数学の先生に依頼するよう求める学校が多く、成績証明書は英語での提出を求められることがあります(Exeterは学校か公認の翻訳者から英語で送るよう案内。推薦状などの扱いは学校で異なります)。日本の学校に英文の書類を頼むことになるので、在籍校への依頼は早めに動いてください。
4校の出願要件(2027年秋入学の出願・各校公式で2026年10月13日に確認)
| 学校 | 締切 | 合否通知 | テスト | 英語試験 | 面接 |
|---|---|---|---|---|---|
| Exeter | 1月15日 | 3月10日 | 9年生出願はSSATかISEEのUpper Levelが必須 | 必須ではないが強く推奨 | 必須・1回・対面/オンライン/録画回答から選ぶ・1月15日まで |
| Andover | 2月1日 | 3月10日 | 必須(SSAT・ISEE・PSAT・SAT・ACTのいずれか) | 英語で授業をしない国外校の生徒に求める | 必須の記載なし(出願を補う位置づけ)・キャンパス・オンライン・録画から1つ・1月末まで実施 |
| Choate | 1月15日 | 3月10日 | 任意(test optional) | 強く推奨 | 強く推奨・オンラインのみ・45分 |
| Deerfield | 1月15日(優先締切) | 3月10日 | 必須(9・10年生出願はSSATかISEE) | 英語が主言語でない家庭などは必須(日本の学校に通う生徒の多くが該当すると当サイトは判断) | 必須・対面かオンライン |
SSAT:海外で受けるなら会場と日程を先に押さえる
SSATは、アメリカの私立中学・高校の入学試験として使われる共通テストで、現在は非営利団体のE3nが運営しています。高校の出願に使うUpper Levelは、現在8〜11年生の生徒が対象です。受験の形は紙の試験、自宅受験(SSAT at Home)、テストセンター(Prometric)の3つですが、自宅受験は米国とカナダでしか受けられず、どの形で受けられるかは試験当日にいる場所で決まります。日本から受ける場合は紙の試験かテストセンターになるため、受けられる会場と日程をE3nの公式サイトで先に確認してください。海外での受験料は339ドル(E3n公式、2026年10月13日時点)です。
テストの有効期間にも注意が必要です。Exeterは、SSATやISEEの結果を出願締切(1月15日)の1年前以降に受けたものに限っています。Deerfieldは受験の時期として10〜12月を勧め、1月の試験でも審査はするものの、結果が届いてからになると説明しています。逆算すると、入学する前年(2027年9月入学なら2026年)の夏から秋にかけて1回目を受け、必要なら年内にもう1回という日程が現実的です。
英語試験:TOEFLは2026年1月から点数の表し方が変わった
英語試験の扱いは、学校によって「必須」「条件付きで必須」「強く推奨」と分かれます(Deerfieldの条件は英語を主な授業言語・家庭の言語としない生徒などで、日本の学校に通う生徒の多くが該当すると当サイトは判断しています)。Andoverは、合格する留学生の多くがTOEFL iBTで100点以上、IELTSで7.5以上、Duolingo English Testで135以上だと目安を示しています。ChoateはTOEFL 100、IELTS 7、Duolingo 130を求める水準として挙げています。
ここで混乱しやすいのが、TOEFL iBTのスコアの表し方が2026年1月21日に変わったことです。ETSは0〜120点の表示から1〜6の段階評価に切り替え、移行期間の2年間は旧方式の換算点も成績表に載せるとしています。ETSの対応表では、新方式の5は旧方式の95〜106点に当たり、旧方式で100点を求めていた学校には5を設定するよう勧めています。実際、Deerfieldはすでに新方式で5.0以上が望ましいと示しています。志望校の要件がどちらの方式で書かれているかを確認してください。TOEFLの仕組みはTOEFL iBTとはで詳しく解説しています。
面接:本人が英語で話す場
面接は、ExeterとDeerfieldでは必須、Choateでは強く推奨されます。Andoverは必須とは書いておらず、出願を補うものとして、キャンパス・オンライン・録画の3つから1つを選んで受けられます。Exeterは全応募者に面接を求めており、対面・オンラインのほか、指定された質問への録画回答を提出する方法も選べます。Choateの面接はオンラインのみで45分、最初の20〜25分は面接官と生徒が1対1で話します。Deerfieldのオンライン面接は1時間で、保護者が面接官と話す時間もあります。面接の枠は1月に混みやすいため(Deerfieldは1月は面接枠が限られると案内)、秋のうちに予約しておくのが安全です。
出願スケジュールの逆算:締切の約1年前から動く
POINT
アメリカの学年は9月に始まり、出願の締切は入学する年の1月から2月(入学の約7〜8か月前)です。テスト・英語試験・面接が締切前の秋に集中するため、準備は締切の約1年前(入学の約1年半前)から始まります。
2027年9月の入学を例に、4校の公式情報から逆算したスケジュールです。学校によって締切や手続きの時期は違うため、志望校ごとに日付を置き換えてください。
2027年9月入学の逆算スケジュール(例・4校の公式情報をもとに当サイトが作成)
| 時期 | やること | 根拠・注意 |
|---|---|---|
| 2026年春〜夏 | 学校の情報収集。SEVP認証校かの確認。英語試験・SSATの日程を確認 | Gatewayの出願の受付は7月1日に始まる(Deerfieldの案内) |
| 2026年9月〜12月 | Gatewayで出願を開始。SSAT・英語試験の受験。面接の予約と実施。在籍校に英文の成績証明書と推薦状を依頼 | DeerfieldはSSATの受験を10〜12月に勧める。財政援助の申請(Clarity)は9月から受付(Deerfield) |
| 2027年1月15日 | Exeter・Choate・Deerfieldの出願締切。財政援助の申請締切(Exeter・Choate・Deerfield) | Deerfieldの海外在住家庭は、所得の証明書類も1月15日までに提出 |
| 2027年2月1日 | Andoverの出願締切・財政援助の申請締切 | Choateは1月15日までに出願していれば、遅れた書類も2月1日までに届けば3月10日に判定 |
| 2027年3月10日 | 合否の通知(4校とも)。財政援助の結果も同日(Andover・Choate・Deerfieldで確認) | Deerfieldの財政援助の受諾期限は4月10日 |
| 2027年4月〜8月 | 入学契約とデポジットの支払い。I-20の受け取り。SEVIS費用の支払いとビザ面接。学費の支払い | Choateは一括払いの場合6月1日まで、2回払いなら7月15日と11月15日。Deerfieldは8月1日(2回払いは8月1日と12月1日) |
この表から分かるのは、中学生のうちに準備が始まるということです。9年生(高校1年目)から入る場合、出願する時期は日本の中学2〜3年生にあたります(どの学年に入るかで変わります)。中学3年生の冬に出願する場合は、合否が出る3月10日が日本の高校入試の時期と重なります。日本の高校の受験・入学手続きをどうするか、併願するのかも、ご家庭で早めに決めておく必要があります。
学年の合わせ方:9年生か10年生か、学年を下げて入るか
POINT
アメリカの高校は9〜12年生の4年制です。日本の学年とは始まりの月が違うため、どの学年に入るかで、在学年数も卒業後の進路の時期も変わります。
アメリカの学年は9月始まりで、高校は9年生から12年生までの4年間です。日本の学年(4月始まり)とは半年ずれるため、同じ年齢でも、誕生日と学校の基準によってどの学年に当たるかが前後します。当サイトの目安として、9年生の秋に入学する生徒は、おおむね日本の中学3年生と同じ年代です。
学年を1つ下げて入る選択肢もあります。Choateは、出願時に入学したい学年を選べ、現在の学年をもう一度やり直す形(reclassify)での出願を認めています。その理由として、成熟度や学力に合った学年に揃える、学校に慣れる時間を長く取る(新入の10年生ではなく9年生をやり直す)、大学出願の前にキャンパスで過ごす時間を増やす、といった例を挙げています。学年を下げても、数学や語学はクラス分けのテストで、他の科目はそれまでの成績から履修が決まるため、同じ内容を繰り返すわけではないとしています。
一方で、学年を下げると高校卒業が1年遅れます。日本の大学に戻る可能性があるなら、帰国生入試の出願資格(卒業時期や年齢の条件)にどう影響するかも確認が必要です。学年の受け入れ方は学校で異なるため、出願前に志望校へ、どの学年で出願できるかを直接確認してください。日本の高校を休学・留学扱いにして途中から行く場合の学年の考え方は、高校留学は何年生がいい?で整理しています。
奨学金(財政援助):留学生も対象になるが、合否への影響は学校で違う
POINT
アメリカの名門ボーディングスクールの多くは、家計に応じた返済不要の財政援助(need-based aid)を持っています。今回の4校はいずれも留学生も対象ですが、援助の申請が合否に影響しうるかどうかは学校で異なります。
Study in the States は、F-1の生徒は米国政府の資金による奨学金の対象にならない一方、私立校は独自の方針で財政援助や奨学金を出すことができると説明しています。つまり、留学生が援助を受けられるかは学校ごとの方針次第です。今回確認した4校の扱いは次のとおりです。
4校の財政援助の扱い(各校公式・2026年10月13日確認)
| 学校 | 留学生の申請 | 合否との関係 | 公表されている方針と規模 |
|---|---|---|---|
| Exeter | 可。米国で納税していない家庭は、自国の所得・納税の書類を提出 | need-blind(家計の状況を合否の判断に使わない)(公式は国内外の区別なく記載。留学生への適用は志望校に確認) | 合格者の必要額の100%を返済不要の給付で満たす。毎年およそ半数の生徒が援助を受けている |
| Andover | 可(留学生の申請を歓迎すると明記) | need-blind(公式は国内外の区別なく記載。留学生への適用は志望校に確認) | 合格者の必要額の100%を満たす。47%の生徒が援助を受け、継続生の平均給付は年4万5,000ドル |
| Choate | 可。米国外の家庭はClarityに加えて留学生用の財政援助の書類を提出 | 学費のページでは合否と援助は独立して決めると書く一方、公式FAQでは応募者全体の必要額が援助予算を超える年は、家計の必要額が合否に影響しうると明記 | 合格者の必要額の100%を満たすと明記 |
| Deerfield | 可。合格すれば留学生も必要額の全額(授業料の100%まで)を満たす | 援助予算に限りがあるため、援助を希望する合格水準の応募者を全員合格にはできない場合があると明記 | 家庭の38%が援助を受け、寮生の平均給付は6万8,235ドル。援助を受ける生徒の14%が留学生 |
注意したいのは、Deerfieldが設けている所得に応じた負担の上限の制度は、米国に住み働いている家庭が対象で、留学生は通常の財政援助の枠で審査される点です。また、財政援助は成績やスポーツの実績ではなく家計で決まり(Deerfieldは実績による援助は出さないと明記)、ChoateとDeerfieldは在学中も毎年審査し直すとしています。ExeterとAndoverは、在学中に援助が必要になりそうなら入学時に申請しておくよう求めています。家計の書類(日本の源泉徴収票・確定申告書など)は英訳が必要になるため、出願と同じ秋のうちに準備してください。
確認ポイント:上の4校は財政援助の予算が大きい学校です。すべてのボーディングスクールが留学生に財政援助を出しているわけではなく、条件や規模も学校で大きく違います。NAISの統計では、TABS関連校で財政援助を受ける生徒の割合の中央値は36.3%でした(2025-26年度)。志望校の公式サイトで、留学生が対象か、need-blindか、締切はいつかの3点を必ず確認してください。
学校の選び方:知名度より先に確認したい5つのこと
POINT
学校選びは、ランキングや知名度から入ると判断を誤りやすくなります。費用・ビザ・生活・出願・進路の順に条件を当てはめると、候補は自然に絞れます。
- 1SEVP認証校か:F-1でI-20を出せるかどうか。私立でも認証がなければ入学できません。
- 2学費に何が含まれるか:寮費・食費・PC・教科書・保健サービス・技術費の扱いを揃えて比べます。4年分の総額と、毎年の値上がりも見込みます。
- 3休暇中と緊急時の体制:学校が閉まる休暇中にどこで過ごすか、急病のときに誰が対応するか。保護者の代わりを務める人(ガーディアン)が必要かどうかも学校に確認します。
- 4留学生の受け入れ方:留学生の割合(Choateは公式FAQで、留学生が生徒の18%・約50か国と公表)、英語の支援の有無、日本人の在籍状況。TABS関連校の留学生比率は15.5%(NAIS、2025-26年度)です。
- 5出願要件と財政援助:テストが必須か任意か、英語試験の基準、面接の形式、need-blindかどうか。家庭の準備できる範囲に合う学校を選びます。
合格の難しさも、学校によって大きく違います。NAISの統計では、TABS関連校の1校あたりの合格率(出願を完了した生徒に対する合格者の割合)の代表値は61.5%でした(2025-26年度)。生徒は複数校に出願するので、これは1人の生徒が合格する確率ではありません。合格の難しさは学校ごとに大きく違い、今回取り上げた名門校だけがアメリカのボーディングスクールではありません。志望校を名門校だけに絞らず、要件と費用の合う学校を複数組み合わせて出願するのが現実的です。
避けたい
年500〜900万円程度という円建ての目安で資金計画を立てる
こうすればOK
志望校の公式サイトで、ドル建ての学年度の学費を確認する。寮生か通学生か、何が含まれるかを揃え、レートを明示して円に換算する
避けたい
まず公立高校にF-1で1年通い、気に入ったら同じ学校で卒業まで続けるつもりでいる
こうすればOK
F-1の公立高校は通算12か月まで。卒業まで通うなら私立のSEVP認証校に入る(公立で始めた場合も、続けるには私立のSEVP認証校への転校が必要)
避けたい
日本の高校受験が終わってから、春に出願の準備を始める
こうすればOK
締切は入学する年の1〜2月(9月入学の約7〜8か月前)。中学生のうちに情報を集め、締切の前の秋にSSAT・英語試験・面接を終える
避けたい
奨学金はどの学校でも留学生が使えるはずだと考える
こうすればOK
留学生が対象か、need-blindかを学校ごとに確認する。援助を申請すると合否に影響しうると明記している学校もある
向いている家庭・慎重に考えたい家庭
POINT
ボーディングスクールは、費用だけでなく、子どもが十代のうちに親元を離れて暮らすという選択でもあります。費用・本人の状態・進路の3つで相性を確かめてください。
アメリカのボーディングスクールとの相性
| 観点 | 向いている | 慎重に考えたい |
|---|---|---|
| 費用 | 4年分の学費と値上がり、為替の変動を見込んでも無理がない。または財政援助の条件が合う | 1年分の学費だけで予算を組んでいる。為替が円安に動くと続けられない |
| 本人の意思 | 本人がアメリカで学びたい理由を英語の面接で話せる | 保護者の希望が中心で、本人の動機がはっきりしない |
| 生活 | 寮での共同生活や、自分で予定を管理することに前向き | 初めての海外で、長期の親元離れに大きな不安がある(短期のサマープログラムなどで試す選択も) |
| 進路 | 米国の大学進学を視野に入れている。または日本の大学の帰国生入試の要件を確認済み | 日本の大学の一般入試を前提にしていて、受験科目の準備との両立が見えていない |
迷っている場合は、いきなり4年間を決めずに、交換留学で1年経験する方法もあります(アメリカ高校留学ガイド)。交換留学や公立系との費用の差は、アメリカ高校留学の費用で形ごとに比べられます。
卒業後の進路:米国の大学か、日本の大学か
POINT
ボーディングスクールを卒業すると、米国の大学にそのまま進む道と、日本の大学に帰国生として戻る道があります。どちらを選ぶかで、高校での準備の中身が変わります。
米国の大学に進む場合、Study in the States によれば、F-1で高校を卒業した生徒はSEVP認証を受けた大学に出願でき、SEVISの記録を進学先の大学へ移します。米国の生徒と同じく、高校の卒業よりかなり前から出願を始めるよう勧めています。大学進学の相談を担当する職員(college counselor)を置く学校もあり、出願の準備を学校の中で進められるかは学校選びの確認点になります。大学の種類や費用、出願の仕組みはアメリカの大学進学ガイドで、海外大学全体の選択肢は海外大学進学ガイドで整理しています。
日本の大学に戻る場合は、帰国生入試(帰国子女枠)を使えるかが大きな分かれ目です。多くの大学が海外の学校での一定期間以上の在籍を条件にしていますが、期間や卒業時期の条件は大学・学部ごとに違います。どの入試方式で受けられるかは、志望校の募集要項で必ず確認してください。要件の読み方は高校留学で帰国子女枠は使える?にまとめています。
費用の面では、高校4年間で学費だけでも数千万円規模になり、その後に大学の費用が続くことを忘れないでください。米国の大学の学費は海外大学の学費で確認できます。高校で予算を使い切らないよう、大学までを1本の資金計画として考えるのが現実的です。
まとめ:公式の金額と締切から逆算する
アメリカのボーディングスクールは、寮生の学費の中央値が年約7万6,000ドル(2025-26年度、NAISの統計・TABS関連校)で、2026-27年度の名門4校は7万1,797〜7万9,940ドルでした。1ドル=158.60円で換算すると、1年で約1,139万〜1,268万円です。卒業まで通うならF-1ビザで私立のSEVP認証校に入る必要があり、出願は入学する年の1〜2月に締め切られ、合否は3月10日に出ます。
判断の手順は、①志望校がSEVP認証校かを確認する、②公式サイトでドル建ての学年度の学費と含まれる範囲を確認する、③テスト・英語試験・面接の要件と締切を一覧にする、④財政援助の扱い(留学生が対象か、need-blindか)を確認する、⑤卒業後の進路まで含めて資金計画を立てる、の順です。いずれも学校ごとに違い、毎年改定されるため、最終的には必ず志望校と米国政府の公式情報で確認してください。
Q.アメリカのボーディングスクールの学費は、日本円で年いくらですか?
寮生の学費は、2026-27年度でPhillips Exeter Academyが7万1,797ドル、Phillips Academy Andoverが7万9,800ドル、Choateが7万4,530ドル(技術費込み)、Deerfieldが7万9,940ドルです。1ドル=158.60円(2026年10月12日)で試算すると約1,139万〜1,268万円になります。NAISの統計では、TABS関連校の寮生の学費の中央値は7万5,838ドル(2025-26年度)です。このほかに教材費、保険、航空券、休暇中の滞在費がかかります。
Q.F-1ビザで公立高校に通って、そのまま卒業できますか?
できません。米国の法律(8 U.S.C. §1184(m))で、F-1で公立の中等学校に通えるのは通算12か月までと決まっており、学区に教育費の全額を払う必要もあります。卒業まで通うなら、F-1の在籍期間に上限のない私立のSEVP認証校を選ぶ必要があります。私立校から公立校に移ると、条件を満たさない限りF-1の資格違反になる点にも注意してください。
Q.出願の締切と合否の発表はいつですか?
今回確認した4校では、Exeter・Choate・Deerfieldが1月15日(Deerfieldは優先締切)、Andoverが2月1日が出願締切で、合否はいずれも3月10日に通知されます。9月入学なので、たとえば2027年9月に入学するなら、2026年の秋にSSAT・英語試験・面接を済ませ、2027年1〜2月の締切までに出願を終える日程です。締切は学校ごとに違うため、志望校ごとに確認してください。
Q.SSATやTOEFLは必ず受ける必要がありますか?
学校で異なります。SSATなどのテストは、Exeter・Andover・Deerfieldでは必須、Choateは任意(test optional)です。英語試験は、Deerfieldが英語を主言語としない家庭などに必須(日本の学校に通う生徒の多くが該当すると当サイトは判断)、Andoverが英語で授業をしない国外校の生徒に求め、ExeterとChoateは強く推奨という扱いです。TOEFL iBTは2026年1月21日から1〜6の段階評価に変わっており、旧方式の100点はおおむね新方式の5に当たります。
Q.留学生でも奨学金(財政援助)を受けられますか?
学校によります。Exeter・Andover・Choate・Deerfieldはいずれも留学生も財政援助を申請でき、合格者の必要額の全額を満たすとしています。ただし、ExeterとAndoverはneed-blind(家計を合否に使わない)と公式に書いている(国内外の区別なく記載されているため、留学生への適用は確認を)一方、Choateは援助予算を超える年は家計の必要額が合否に影響しうると、Deerfieldは援助を希望する応募者を全員合格にはできない場合があると明記しています。財政援助の締切は出願とほぼ同じ1月15日〜2月1日です。
Q.日本の中学何年生から準備を始めればよいですか?
9年生(高校1年目)から入る場合、出願の締切は入学する年の1〜2月です。当サイトの目安では、同じ年代の9年生に入るなら日本の中学2年生の冬、日本の中学を卒業してから9年生に入るなら中学3年生の冬が締切の時期になります(誕生日と学校の基準で前後します)。後者は同じ年代より1学年下に入る形なので、学年を下げての出願(reclassify)を認めているか、志望校に確認が必要です(ChoateとDeerfieldは公式FAQで認めています)。テストや面接はその前の秋に終える必要があるため、情報収集は締切の1年前、つまり中学1〜2年生のうちに始めておくと安全です。どの学年で出願できるかは、志望校に直接確認してください。









