このページの要点
ニュージーランドに「ガーディアン制度」という単独の制度はなく、法令が定めるのは18歳未満の滞在先の要件です。
- 法令の線引きは10歳:10歳以上18歳未満は、親または法的保護者と同居しないなら居住保護者(residential caregiver)のもとで暮らすことが条件(3か月を超えない引率付きグループは例外)。10歳未満は親・法的保護者との同居か学校の寮に限られます。
- 「13歳以下が義務」は要注意:日本語の留学サイトで広く見かけますが、国の規則の原文は10歳を境にしています。高校生のお子さんも対象です(学校が独自に年齢条件を置いている場合は別の話です)。
- 3つの「ガーディアン」が混在:①法令上の居住保護者 ②保護者が同伴するビザ ③民間の有料サポート。契約の前にどれの話かを確かめます。
ニュージーランドの高校留学を調べると「13歳以下はガーディアンが義務」という説明に行き当たります。しかし国の規則(Code of Practice 2021)の原文が定めているのは、10歳以上18歳未満の留学生を、親または法的保護者と同居しない限り居住保護者のケアのもとに置くこと。つまり高校生のお子さんも制度の対象です。この記事では規則の原文とニュージーランド移民局の情報から、年齢の線引き・学校が負う義務・保護者が確認すべきことを整理します。全体像はニュージーランド高校留学ガイドにまとめています。
本記事の制度・要件は、ニュージーランドの教育大臣が定めた「Education (Pastoral Care of Tertiary and International Learners) Code of Practice 2021」の原文(教育省が公開している2023年4月改正版)、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand)、NZQA、Study Complaints の公開情報を2026年10月26日に確認して記載しています。一次情報ではない記述には、その都度「当サイト調べ」「当サイトの整理」と明記しています(費用のレンジ、民間サービスの役務内容、学年暦、および各表の「高校留学での実際」「向いている家庭」「確認しておくこと」「保護者からの質問の例」「誰が決める・手配するか」「お金」「滞在先の扱い」「論点との関係・金額の目安」の各列)。規則もビザ要件も改定されます。出願・渡航の前に、受け入れ校と各公式サイトで必ず最新の内容をご確認ください。
結論:「ガーディアン」と呼ばれる3つの別物を切り分ける
POINT
日本語で「ガーディアン」と呼ばれているものには、法令上の立場・ビザの種類・民間サービスの3つが混ざっています。まずどれの話をしているのかを決めると、手配すべきものがはっきりします。
留学生の受け入れを定めた国の規則にも、移民局のビザ制度にも、「ガーディアン制度」という名前で一つにまとまった制度はありません(規則の原文に guardian の語は「legal guardian(法的保護者)」としてしか現れず、制度名としては登場しません)。国の規則が定めているのは、18歳未満の留学生が誰のもとで暮らすかという滞在先の要件です。その役割を担う人を規則は「residential caregiver(居住保護者)」と呼びます。一方、留学エージェントが「ガーディアンサービス」として販売しているのは、空港送迎や学校との連絡を代行する有料のサポートです。さらに、保護者本人がお子さんに付き添って滞在するためのビザも「Guardian」の名を持ちます。この3つは目的も費用も手配先も違います。
「ガーディアン」と呼ばれる3つの別物(2026年10月時点)
| 呼ばれ方 | 正体 | 誰が決める・手配するか | お金 |
|---|---|---|---|
| ①居住保護者(residential caregiver) | 法令上の立場。18歳未満が親と同居しない場合に必要な、生活の場を提供しケアする人。ホームステイ先の家主、寮の管理者、親が書面で指名した親族、または親しい友人などが該当する | 受け入れ校が適格性を確認し承認する(学校に法的義務がある) | 滞在費(ホームステイ代・寮費)として発生。立場そのものに料金があるわけではない |
| ②保護者同伴のビザ(Guardian Visitor Visa) | ビザの種類。保護者がお子さんと一緒にニュージーランドで暮らすための訪問ビザ | 保護者本人がニュージーランド移民局に申請する | 申請料(NZ$441から)+生活費の証明が必要 |
| ③ガーディアンサービス | 民間の有料サポート。空港送迎、学校との連絡、保護者への定期報告、緊急時対応などを代行する契約 | 家庭がエージェント・現地業者・学校の紹介先と契約する | 事業者ごとの料金。契約前に範囲と追加料金を確認する |
混乱が起きやすいのは、③のサービス提供者が同時に①の居住保護者を兼ねるとは限らないためです。サービスを契約しても、お子さんが寝起きする家の提供者が別にいるなら、法令上の居住保護者はその家の側になります。見積書を読むときは「滞在先の確保」と「生活サポートの代行」を別の行として数えてください。費用の全体像はニュージーランド高校留学の費用で詳しく扱っています。
年齢の線引きは「13歳」ではなく10歳と18歳
POINT
国の規則は10歳と18歳の2か所に線を引いています。日本語サイトで広く見かける「13歳以下が義務」という説明は、この原文とは一致しません。
ニュージーランドで留学生を受け入れる学校は、ニュージーランドの教育大臣が定めた「Education (Pastoral Care of Tertiary and International Learners) Code of Practice 2021」に署名した機関である必要があります。この規則は Education and Training Act 2020 の第534条にもとづくもので、2022年1月1日に施行されました。学校向けの規定は第7部に置かれています。なお規則は監督者を「code administrator(規則の所管機関)」と呼ぶだけで、それがどの機関かを特定していません。その役割を実際に担っているのがNZQAです(NZQAの公開情報・2026年10月26日確認)。
年齢別の滞在先の要件(Code of Practice 2021 第7部 Outcome 18 より。第3列「高校留学での実際」は当サイトの補足)
| お子さんの年齢 | 法令が求めていること | 高校留学での実際 |
|---|---|---|
| 10歳未満 | 親または法的保護者と同居すること。ただし学校の寄宿舎(school hostel)に入る場合を除く | 小学生年代。保護者の同伴か寮が前提になる |
| 10歳以上18歳未満 | 親または法的保護者と同居しない場合は、居住保護者のケアのもとにあること。または3か月を超えない引率付きのグループで学ぶこと | 中高生はここ。ホームステイ、寮、親が指名した親族、または親しい友人のいずれかになる |
| 18歳以上 | 上記の滞在先要件の対象外。ただし学校が提供・手配した滞在先なら安全と状態の確認・問題発生時の是正の義務が残り、自分で手配した場合は賃貸の権利義務に関する情報提供に限られる | 卒業留学で在学中に18歳になる場合、扱いが変わる時期を学校に確認する |
原文は「not enrol an international school learner 10 years or older but under 18 years who does not live with a parent or legal guardian unless ...」(親または法的保護者と同居しない10歳以上18歳未満の、学校に在籍する留学生を、次のいずれかに当たらない限り在籍させてはならない)と定めています。
例外として挙げられているのは2つだけです。3か月を超えない引率付きのグループで学ぶ場合(a properly supervised group of learners whose educational instruction is not for more than 3 months)と、居住保護者のケアのもとにある場合(in the care of a residential caregiver)です。10歳未満については「live with a parent or legal guardian, unless they are accommodated in a school hostel」と定められています。
この条項は、学校向けの第7部に置かれているものです(高等教育機関向けの第6部にはほぼ同じ文言の条項が別に存在するため、引用の際は条項の所在を確認しています)。ニュージーランド移民局が承認教育機関向けに示している説明も、10歳未満と10歳〜17歳という同じ区分になっており、2つの経路で同じ線引きを確認できました。
日本語の留学情報サイトでは「13歳以下はガーディアンが義務」という記述が複数見られますが、確認できた範囲では出典が示されていません。この表記だけを読むと、高校生のお子さんをお持ちのご家庭は「うちは対象外」と受け取ってしまう可能性があります。国の規則の原文は10歳を境にしており、高校生も滞在先の要件の対象です。なお「13」という数字の出所としては、移民局が公開している失効済みの旧学生ビザ指示(ページに「This is not current policy」と明記されています)には、学校のYear 1〜8に在籍する生徒と、それ以外の教育機関に在籍する13歳以下の生徒について、法的保護者とニュージーランドで同居する場合にのみ学生ビザを発給する、という趣旨の記述があり、これが由来と考えられます(寮や事前承認プログラムなどの除外規定も付いていますが、ここでは「13」という数字の出所を示す目的で省略しています。また日本語サイトがこの指示を参照したという確証までは確認できませんでした)。現在の受け入れ基準である Code of Practice 2021 が学校の在籍要件として定めている線引きは10歳で、13歳ではありません。学校の入学規定として独自に年齢条件を設けている場合もあるため、法令の要件と学校ごとの規定は分けて確認してください。
居住保護者の型と、親族を指名するときの注意点
POINT
居住保護者にはいくつかの型があり、どれを選ぶかで費用も、学校が負う責任の範囲も変わります。とくに親族、または親しい友人を指名する型は、学校の責任が外れる点に注意が必要です。
規則は居住保護者を、ホームステイの受け入れ家庭、認可された学校寄宿舎の管理者など、designated caregiver(親が書面で指名した保護者)、一時的な滞在における引率者などと定義しています(このほか高等教育機関の学生寮の管理者も挙げられていますが、高校留学では該当しません)。ニュージーランドは寮のある学校が少なく、高校留学ではホームステイが中心になります。
居住保護者の型と、選ぶときの判断材料
| 型 | どういう人か | 向いている家庭 | 確認しておくこと |
|---|---|---|---|
| ホームステイの受け入れ家庭 | 留学生が寝起きする一般の家庭。手配したのが学校でもエージェントでも、法令上のホームステイに当たれば学校の安全確認の対象になる。規則上のホームステイは、受け入れる国際生が4人以下(no more than 4 international learners)の住居を指す | 現地に頼れる人がいない、最も一般的な選択 | 同時に何人の留学生を受け入れているか。食事と洗濯の範囲。変更を希望する場合の手続き |
| 認可された学校寄宿舎 | Education (Hostels) Regulations 2005 にもとづく認可を受けた寄宿舎の管理者 | 寮のある学校を選べる場合 | 寮が認可を受けているか。週末や長期休暇の滞在先はどうなるか |
| designated caregiver(指名された保護者) | 親または法的保護者が書面で指名した親族、または親しい友人 | 現地に信頼できる親族、または親しい友人がいる家庭 | 学校の承認が必要。日常のケアの責任は学校から外れるが、安全確認・家庭訪問などの義務は残る(下記) |
| 一時的な滞在の引率者 | 短期プログラムなどで留学生のケアに責任を持つ引率者 | 短期・グループでの渡航 | 期間と、引率者が帯同しない時間帯の扱い。規則の定義上の引率者で、ニュージーランドに居住しておらず、就学期間中の監督のために生徒に帯同している場合に限り、日常のケアについて同様の書面同意が求められる一方、照会確認・警察による身元照会・面談・リスク評価は適用されない(3つすべてを満たす場合) |
注意したいのが designated caregiver です。現地に親族がいるご家庭は、費用を抑えられるこの型を選びたくなります。しかし規則は、この型を使う場合、その親族が学校の承認に服することと、その親族の監護下にある間は学校が日常のケアに責任を負わないことについて、保護者が書面で同意していることを学校に確認させています。ただし、責任が丸ごと移るわけではありません。規則は「念のため(to avoid doubt)」と断ったうえで、居住保護者が designated caregiver であっても学校はこの条項の要件を満たし、生徒の安全・健康・福祉を確保しなければならないと定めています。つまり安全確認も、同居者の確認も、書面の合意も、家庭訪問と本人面談も、滞在先で問題が起きたときの是正責任も、親族を指名したからといって消えるわけではありません。外れるのは日常のケア(day-to-day care)の責任という1点です。費用の面で親族を選ぶなら、残るほうの義務を学校に確認するのが正しい順番になります。
避けたい
現地の親戚に預けるから、学校のサポートもそのまま受けられると考える
こうすればOK
外れるのは日常のケアの責任だけで、安全確認・同居者の確認・家庭訪問・滞在先の是正責任は親族を指名しても学校に残る。同意書に署名する前に、残る義務のほうを文章で確認する
避けたい
「ガーディアン費用」という一行だけを見て見積りを比較する
こうすればOK
滞在先の費用(ホームステイ代・寮費)と、生活サポート代行の料金を別の行に分けて、含まれる役務を書き出してから比較する
避けたい
高校生なので年齢要件は関係ないと判断する
こうすればOK
国の規則は10歳以上18歳未満を対象にしている。18歳の誕生日を迎える時期と、その前後で滞在先の扱いがどう変わるかを学校に確認する
学校が法的に負っている義務=保護者が確認できること
POINT
規則は学校に対して、滞在先の安全確認を具体的な手順で義務づけています。中身を知っておくと、学校への質問が「安心ですか」から「その確認はいつ実施しましたか」に変わります。
「国の基準があるので安心」という説明は多く見かけますが、その基準が学校に何を義務づけているかまで書いた日本語の記事はほとんどありません。しかし規則が学校に求めている作業は具体的で、保護者が確認できる形をしています。以下は、18歳未満のお子さんが居住保護者のもとで暮らす場合に、学校が実施しなければならないことです。
学校に課されている確認作業と、保護者が聞ける質問(Code of Practice 2021 第7部 Outcome 18 Process 2・5・6 より。第3列「保護者からの質問の例」は当サイトの整理)
| 学校の義務 | 規則が求めている中身 | 保護者からの質問の例 |
|---|---|---|
| 居住保護者の安全確認(safety check) | 本人確認、第三者への照会、警察による身元照会(police vet)、本人面談、これらを踏まえたリスク評価。完了から3年以内であれば有効 | 受け入れ家庭の安全確認はいつ実施しましたか。3年以内ですか |
| 同居者の確認(appropriate check) | 滞在先に住む18歳以上の全員が対象。一時的に住んでいる人も、1か月のうち5泊以上連続して滞在する期間が1回以上ある人(有償・無償を問わない)も含まれる(どちらか一方に当たれば対象)。こちらも3年以内であれば有効 | ご家族以外に同居されている方はいますか。その方の確認は済んでいますか |
| 書面の合意 | 居住保護者との間で、双方の役割と責任を明記した書面の合意を結ぶ | 受け入れ家庭とはどのような取り決めを交わしていますか |
| 面談と家庭訪問 | 滞在の質を確認・見直すため、生徒本人への面談と家庭訪問を十分に行う。生徒の年齢・滞在期間などを考慮する | 家庭訪問と本人面談はどのくらいの頻度で行いますか |
| ケアの引き継ぎ計画 | 在籍中に行われる各引き継ぎと、在籍終了時の引き継ぎについて計画を用意し、各計画を保護者に通知する | 長期休暇で滞在先を離れるとき、引き継ぎはどう記録されますか |
| 担当者の指定と連絡の維持 | 18歳未満の留学生の懸念に先回りして対応する職員を最低1名指定する。保護者・居住保護者と有効な連絡を維持する(この2つは居住保護者の有無にかかわらず18歳未満すべてに適用) | うちの子の担当はどなたですか。日本の家庭への報告はどの頻度ですか |
滞在先で問題が起きたときの扱いも定められています。規則は学校に対し、滞在に関する問題が生じた際に保護者との連絡を維持し、問題の解決に責任を持つこと(当局への報告と、別の適切な滞在先への移動を含む)を求めています。ホームステイ先が合わない場合に「我慢するしかない」わけではない、という根拠になります。ただしこれは学校に是正の責任を課し、別の滞在先への移動をその手段の一つとして挙げた規定であって、申し出れば必ず移れるという権利を定めたものではありません。あわせて、お子さんの健康・安全・福祉に重大な懸念がある場合には、保護者に知らせることも定められています。
民間のガーディアンサービスは何をしてくれるのか
POINT
有料サービスの中身は事業者ごとに違い、料金に含まれる範囲も一定ではありません。法令上の義務と重なる部分があるため、二重に払っていないかを確認します。
現地業者や留学エージェントが提供するガーディアンサービスは、おおむね次のような役務で構成されています(各社の公開情報をもとに当サイトが整理したもので、法令が定める内容ではありません)。これらは法令が定める居住保護者の立場とは別の、契約にもとづくサポートです。
- 到着時の空港出迎えと、学校初日の同行
- ホームステイ先の手配、なじめない場合の相談と変更の調整
- 学校との連絡、保護者面談への出席、成績の受け取りと報告
- 日本の保護者への定期的な報告(メール・電話)
- 24時間の緊急連絡先、体調不良時の通院の付き添い・医療通訳の手配
- 携帯SIM・交通カード・銀行口座開設などの生活立ち上げの手伝い
- 事業者によっては、お小遣いの管理
ここで見落としやすいのが、保護者への定期報告やホームステイ先の調整は、もともと学校側の義務とも重なる点です。学校が規則にもとづいて行う連絡・家庭訪問と、サービスとして購入する報告が、どう役割分担されているのかを契約前に確かめてください。エージェントの選び方と契約前に確認する項目は高校生の留学エージェントの選び方に、自力で手配する場合の条件はエージェントなしで高校留学はできる?にまとめています。
ガーディアンサービスの料金相場は、事業者・期間・地域によって幅があり、公的に確認できる一次情報がありません。本記事では具体的な金額を示していません。学費のレンジを「当サイト調べ」として載せているのに料金相場は載せないのは、学費が当サイトの既存記事で検証済みのデータであるのに対し、ガーディアン料金は事業者系メディア1社の記載しか見つからず、同じ確度で扱えないためです。見積りを取るときは、期間あたりの料金、含まれる役務、追加料金が発生する条件(2回目以降の送迎、地方都市への訪問など)を、事業者の書面で確認してください。
費目の切り分け(誰に何を払うのか)
POINT
「ガーディアン費用」という一行で比べると判断を誤ります。滞在先への支払いと、サポート代行への支払いは別の費目です。
滞在・監護にかかわる費目の切り分け
| 費目 | 誰に払うか | 論点との関係・金額の目安 |
|---|---|---|
| 授業料 | 学校 | 滞在先の要件とは別の費目。公立の学費は年100万円前後、私立は学費だけで年120〜400万円が目安(当サイト調べ・複数の留学メディアの公開情報、2026年7月時点)。内訳はニュージーランド高校留学の費用を参照 |
| ホームステイ代・寮費 | 受け入れ家庭・寄宿舎 | これが法令上の居住保護者に対する支払いにあたる。居住保護者という立場そのものに料金があるわけではない |
| ガーディアンサービス料 | エージェント・現地業者 | 任意の契約。公的に確認できる相場がないため、本記事では金額を示していない(前節の注記のとおり) |
なお公立の場合、学費・滞在費・諸費用を合わせた総額は1年で約220〜320万円が目安です(当サイト調べ・複数の留学メディアの公開情報、2026年7月時点)。上の表は「誰に払うか」で分けたもので、総額はこれらを足し上げた数字です。見積りを比べるときは、この3つが同じ一行にまとめられていないかを確認してください。とくに「ガーディアン費用込み」と書かれている場合、滞在費まで含むのか、サポート代行だけなのかで金額の意味が変わります。高校留学全体での費目の並べ方は高校留学の費用ガイドにまとめています。
保護者が付き添う選択肢(Guardian Visitor Visa)
POINT
居住保護者を手配する代わりに、保護者がビザを取って一緒に暮らす選択肢もあります。就労が原則できない点が、家計面での最大の判断材料です。
お子さんが学生ビザを持っている場合、保護者はニュージーランド移民局の Guardian Visitor Visa を申請して一緒に滞在できます。親と同居していれば、居住保護者の要件そのものが不要になります。
Guardian Visitor Visa の主な要件(2026年10月26日時点・移民局の公開情報)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる子 | (A)17歳以下、または school years 1〜13 に在籍。かつ(B)有効な学生ビザを持っていること(AとBの両方が必要) |
| 申請できる人 | その子の親または法的保護者 |
| 人数 | 同時に1名のみ。複数のお子さんが留学していても、発給されるのは1名分 |
| 滞在期間 | お子さんの学生ビザが有効な期間。期限前に出国が必要 |
| 生活費の目安 | 月あたりNZ$1,000以上。滞在費を支払い済みの場合は月NZ$400以上 |
| 就労 | このビザでは就労できない。ただし移民局は、海外の雇用主・顧客のためにリモートで働ける場合がある(may be able to)としている。パートタイム就労を希望する場合は、条件変更(variation of conditions)を申請できるか移民局で確認する |
| 就学 | 12か月のうち最大3か月まで |
| 申請料 | NZ$441から |
就労できないことは、滞在が長くなるほど家計に効いてきます。海外の勤務先のためのリモート勤務も「できる場合がある」という書き方で、無条件に認められるわけではありません。ホームステイ代を払って現地に任せる場合と、保護者が同伴して収入が途切れる場合とで、総額がどう変わるかを比べてください。高校留学全体の費用構造は高校留学の費用ガイドで整理しています。
期間によって要件が変わる(3か月という境目)
POINT
3か月という長さは、滞在先の要件と、お子さん自身のビザの種類の両方に関わります。期間を決めることが、手配の出発点になります。
本記事には「3か月」が3つの別の意味で出てきます。数え方そのものが違うので、下の表で切り分けてください。
記事に出てくる3つの「3か月」
| どの「3か月」か | 数え方 | 根拠 |
|---|---|---|
| お子さんの就学上限(訪問ビザ) | 暦年(1月〜12月の区切り) | 移民局 Visitor Visa「School-aged children can study for up to 3 months in any calendar year」(NZeTA入国時も同様と当サイトは整理) |
| 保護者の就学上限(Guardian Visitor Visa) | 任意の12か月 | 移民局 Guardian Visitor Visa |
| 居住保護者が不要になる引率グループの例外 | プログラムの期間(暦年でも12か月でもない) | Code of Practice 2021 第7部 Outcome 18 |
規則は、10歳以上18歳未満であっても3か月を超えない引率付きのグループで学ぶ場合は、居住保護者のもとで暮らすという要件の例外に当たるとしています。短期の研修プログラムで引率者が同行する形式が、これに当たります。逆に、1ターム以上の留学や卒業留学では、原則どおり居住保護者の手配が必要です。
期間と、18歳未満に必要になる手配
| 期間の型 | 滞在先の扱い | お子さんのビザ | 確認しておくこと |
|---|---|---|---|
| 短期(数週間〜3か月以内・引率付きグループ) | 引率付きグループの例外に当たりうる。個人で参加する場合は居住保護者が必要。なお短期の引率付きプログラムには、①例外として滞在先の要件がかからない経路と、②引率者自身が「一時的な滞在の引率者」=居住保護者になる経路の2通りがあるため、どちらの扱いなのかを主催者に確認する | 移民局 Visitor Visa は「School-aged children can study for up to 3 months in any calendar year」=学齢期の子どもは同一の暦年内で最大3か月まで就学できるとしている(NZeTAで入国する場合も訪問者として同じ条件が及ぶと当サイトは整理。NZeTAのページには暦年の記載がないため要確認)。また2週間を超えて学ぶ場合、受け入れ先はCode of Practice 2021の署名機関である必要がある(=2週間以内の短期なら署名機関でなくても受講できる場合がある。その場合、本記事で説明した学校の義務=安全確認・同居者の確認・家庭訪問・滞在先の是正責任は及びません) | 引率者が同行しない時間帯の扱い |
| 1ターム留学 | 居住保護者(多くはホームステイ)が必要 | 1ターム(約10週間)は3か月以内に収まることが多く、形式上は訪問ビザの就学枠(暦年で最大3か月)に入りうる。ただし同じ暦年に他の就学歴があって合計3か月を超えると学生ビザが必要になるため、出願校と移民局に日程を示して要否を確認する | ニュージーランドは4学期制(当サイト調べ)。学期の区切りと渡航時期 |
| 1年留学・卒業留学 | 居住保護者が必要。在学中に18歳になる場合は途中で扱いが変わる | 学生ビザ | 長期休暇中の滞在先と、ケアの引き継ぎ計画 |
学年の仕組み(Year 9〜13)や学期の区切り、NCEAの評価方法はニュージーランド高校留学ガイドで扱っています。出発までに動かせない締切から逆算する考え方は高校留学の準備が参考になります。
困ったときに保護者が使える窓口
POINT
学校との話し合いで解決しない場合、第三者の窓口があります。家庭の側から申し立てる道があること自体が、契約前に知っておく価値のある情報です。
規則は、まず学校の内部手続きで苦情を扱うことを前提にしています。そのうえで解決しない場合、次の経路があります。
学校の外にある相談・申立ての窓口
| 窓口 | 扱う内容 | 申し立てられる人 |
|---|---|---|
| NZQA(規則の所管機関) | 学校が Code of Practice を守っているかという観点の申し立て。規則は、所管機関が Education and Training Act 2020 第535条にもとづく措置として、学校の署名機関としての資格を取り消しうると定めている | 誰でも(規則は、所管機関が any person から規則違反の苦情・照会を受け取れると定めている)。留学生本人・保護者も含まれる |
| Study Complaints|Ngā Amuamu Tauira | 金銭に関する争い(返金・授業料・補償の請求)、契約に関する争い(就学契約・学校経由で手配された滞在先=寮やホームステイ・プログラムの変更・コースの閉鎖)、およびNZQAの調査で規則違反が認定されたあとの救済請求。無料の独立した紛争解決サービス。家庭が独自に手配した滞在先(親族宅など)が対象になるかは明示されていないため要確認 | 留学生本人のほか、①法的保護者(条件の記載なし)、②親(本人が18歳以上のときに本人の同意を得て、と書かれている)、③その学生に契約上の責任を負う・負っていたケア提供者、または家族(本人の同意を得て。または本人が18歳未満の場合は、親もしくは法的保護者の同意を得て)が申し立てできるとされている |
Study Complaints は Education and Training Act 2020 と Education (Domestic Tertiary Student and International Student Contract Dispute Resolution Scheme) Rules 2023 にもとづいて運営されており、学生側にも学校側にも無料だと説明されています。日本にいる家庭が使える窓口が用意されていることは、契約前に知っておく価値があります。ただし誰が申し立てられるかの条件は細かく、法的保護者には条件の記載がない一方、親について書かれているのは「本人が18歳以上のときに本人の同意を得て」という形です。18歳未満のお子さんの親がどう扱われるかは明示されていないため、実際に使う場面では窓口に確認してください。
出願前に確認しておく順番
POINT
滞在先は「決まってから知らされる」ものではなく、出願前に条件を確認できます。順番を決めておくと、見積りの比較もしやすくなります。
- 1期間を決める(短期・1ターム・1年・卒業留学)。3か月という境目で、滞在先の扱いと、お子さんに必要なビザの種類が変わる
- 2保護者が同伴するかを決める。同伴するなら Guardian Visitor Visa、しないなら居住保護者の手配に進む
- 3居住保護者の型を選ぶ。ホームステイか、認可された寄宿舎か、現地の親族、または親しい友人を指名するか
- 4親族、または親しい友人を指名する場合は、学校の責任範囲を文章で確認する。外れるのは日常のケアの責任だけで、安全確認・家庭訪問などの義務は学校に残る
- 5学校に安全確認の実施状況を聞く。安全確認・同居者の確認が3年以内か、家庭訪問と面談の頻度はどうか
- 6見積りを「滞在費」と「サポート代行費」に分ける。含まれる役務と追加料金の条件を書面で確認する
- 7連絡経路を確認する。担当職員は誰か、日本への報告は誰がどの頻度で行うか
契約前の最終チェック
署名の前に、次の項目を自分の言葉で説明できるか確かめてください。
チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。
この記事で扱っていないこと:必要な英語力とESOL(留学生向けの英語補習)、NCEAの単位と大学入学資格、出願に必要な書類とスケジュール、学校の選び方と学年(Year 9〜13)の決まり方は、ニュージーランド高校留学ガイドで扱っています。費用の内訳はニュージーランド高校留学の費用、出発までの逆算は高校留学の準備をご覧ください。
まとめ:制度の名前ではなく、滞在先の要件として理解する
「ガーディアン制度」という名前で語られているものの正体は、18歳未満の留学生がどこで誰と暮らすかという、法令上の滞在先の要件でした。線引きは10歳と18歳にあり、高校生のお子さんも対象です。そして学校には、受け入れ家庭の安全確認から家庭訪問、ケアの引き継ぎ計画の通知まで、具体的な作業が義務づけられています。
この構造が分かっていれば、学校やエージェントへの質問は「安心でしょうか」ではなく「その確認はいつ実施されましたか」に変わります。中立に比較するための材料は、宣伝文ではなく規則の側にあります。ニュージーランドを含めた進路全体を考える段階であれば、高校留学の先にある海外大学進学という選択肢とあわせて検討してみてください。
Q.高校生(16歳)なので、ガーディアンは必要ないのでは?
必要になります。ただし法令が求めているのは居住保護者(residential caregiver)であって、民間のガーディアンサービスの契約ではありません。ニュージーランドの規則が定める滞在先の要件は「10歳以上18歳未満」が対象で、高校生もここに含まれます。日本語の留学サイトで見かける「13歳以下が義務」という記述は、確認できた範囲では出典が示されておらず、規則の原文の区分とは一致しません。親または法的保護者と同居しない限り、居住保護者のもとで暮らすことが条件になります。
Q.現地に親戚がいます。その家に住めば費用を抑えられますか?
親族や親しい友人を、保護者が書面で指名する「designated caregiver」という型があります。ホームステイ代がかからない分、費用は抑えられる可能性があります。ただし規則上、この型を使うには学校の承認が必要で、かつその親族の監護下にある間は学校が日常のケアに責任を負わない旨について、保護者が書面で同意していることが求められます。とはいえ責任が丸ごと移るわけではなく、規則は designated caregiver であっても学校が生徒の安全・健康・福祉を確保しなければならないと明記しています。外れるのは日常のケアの1点だけで、安全確認・同居者の確認・家庭訪問・滞在先の是正責任は学校に残ります。金額だけでなく、残る義務のほうを確認してから決めてください。
Q.ホームステイ先が合わなかったら、変えてもらえますか?
規則は学校に対し、滞在に関する問題が生じたときに保護者との連絡を維持し、問題の解決に責任を持つことを求めています。これには、当局に報告することや、別の適切な滞在先へ移すことが含まれます。ただしこれは学校に解決の責任を課した規定であって、申し出れば必ず移れる権利を定めたものではありません。実際の手続きは学校によって異なるため、契約前に「滞在先の変更を希望する場合、誰にどう申し出るのか」を確認しておくと安心です。
Q.ガーディアンサービスは必ず契約しなければいけませんか?
法令が求めているのは居住保護者のもとで暮らすことであって、民間のサポート契約そのものではありません。ただし学校やプログラムが独自に契約を条件にしている場合があります。また、現地に頼れる人がいない家庭では、通院の付き添いや緊急時の対応を担う相手が実際に必要になります。学校が規則にもとづいて行うことと、サービスとして購入するものの線引きを確認したうえで判断してください。
Q.ガーディアン費用の相場はいくらですか?
公的に確認できる相場はありません。サービスの範囲も料金体系も事業者ごとに異なり、年額制・月額制・都度課金が混在するため、本記事では推測の金額を示していません。見積りを取るときは「期間あたりの料金」「含まれる役務」「追加料金が発生する条件」の3点を書面で揃え、同じ条件で並べて比較してください。なお、ホームステイ代・寮費は滞在先に対する支払いで、サポート代行の料金とは別の費目です。
Q.在学中に18歳になります。何か変わりますか?
規則が定める18歳未満向けの滞在先の要件は、18歳になると対象から外れます。規則は年齢を直近の誕生日時点の年齢で判定すると定めているため(a reference to the age of a person is a reference to the age of the person on their last birthday)、18歳の誕生日を迎えた日から対象外になります。一方で、学校には滞在先についての別の配慮義務が残ります。卒業留学のように在学期間が長い場合は、誕生日の前後で滞在先の契約や費用、学校の関与がどう変わるのかを、出願の段階で学校に確認しておくことをおすすめします。
Q.学校との話し合いで解決しない場合、どこに相談できますか?
まず学校の内部の苦情手続きを使うことが前提ですが、それで解決しない場合は外部の窓口があります。規則を守っているかという観点では所管機関であるNZQAへ、返金・授業料・学校経由で手配された滞在先など金銭や契約に関する争いについては Study Complaints|Ngā Amuamu Tauira へ申し立てる経路が用意されています。Study Complaints は無料の独立した紛争解決サービスです。本人に代わって申し立てられる人として挙げられているのは、法的保護者(条件の記載なし)、親(本人が18歳以上のときに本人の同意を得て)、その学生に契約上の責任を負う・負っていたケア提供者や家族(本人の同意を得て。または本人が18歳未満の場合は、親もしくは法的保護者の同意を得て)です。18歳未満のお子さんの親がどう扱われるかは明示されていないため、使う場面では窓口に確認してください。







