このページの要点
ホームステイのお土産は品目から選ばず、「合計金額の枠」と「渡航先に持ち込めるか」の2つを先に決めます。
- 金額:米国では贈り物の免税枠が合計100ドルまで(19 CFR 148.44)。合計がこれを超えると、この免税では通せず課税の対象になります。同じ免税は直前6か月以内に使っていないことが条件です。
- 品目:食品は国ごとに扱いが違います。英国はビスケット・チョコレート・麺類が原則無制限、ナッツ・はちみつ・肉入りは制限。カナダは全食品に申告義務と20kgの上限があります。
- 個数:受入団体の公式ハンドブックは「費用は重要ではない」「一人で運べる量を超えない」「出会う人のために少し余分に」と書いています。高価な1点より、小さなものを数個が実務的です。
ホームステイのお土産について調べると、「喜ばれる日本のお土産20選」のような品目の一覧が並びます。ただ、ご家庭が荷造りの直前につまずくのは品目選びではありません。合計いくらまでなら税金がかからないのか、その食品は空港で止められないのか、ホストファミリーの人数がまだ分からないのに何個買えばいいのか——ここが決まらないと、品目をいくら眺めても買えません。この記事は、米国の関税法令、英国・カナダ政府の持ち込み規定、そして受入団体が留学生に配っている公式ハンドブックをもとに、買う前に決めておく順序を保護者の視点で組み立てたものです。
結論:先に決めるのは「金額」と「品目の可否」
POINT
お土産選びで失敗するのは、好みを外したときではありません。空港で止められるか、課税対象になるか、重くて入らないかの3つです。いずれも品目一覧を見ても防げません。
最初に全体像を置きます。お土産の準備は、次の4つを上から順に決めると迷いが消えます。順序を逆にして品目から選ぶと、買ったあとに持ち込めないと分かることがあります。
ホームステイのお土産|決める順序と判断材料
| 順序 | 決めること | 判断材料 | この記事の該当箇所 |
|---|---|---|---|
| ①金額の上限 | お土産の合計をいくらに収めるか | 米国は贈り物の免税枠が合計100ドル(19 CFR 148.44)。渡航先の免税制度 | 「いくらまで?」の章 |
| ②個数と相手 | ホストの大人・子ども・学校で出会う人の分をいくつ用意するか | 受入団体の公式ハンドブックの記述。家族構成は配属連絡が来てから分かる | 「公式文書が書いていること」の章 |
| ③品目の可否 | その食品・工芸品が渡航先に持ち込めるか | 渡航先の政府機関の規定(米国・英国・カナダ・ニュージーランドを後述) | 「品目×国の早見表」の章 |
| ④重さと体積 | 預け入れに入り、本人が一人で運べるか | 航空会社の重量制限と、本人の体格・乗り継ぎの有無 | 「3つの型」「保護者の段取り」の章 |
品目の一覧から入らず、金額と可否を先に固めるのが、お土産でつまずかないための唯一の順序です。以下、1つずつ具体的な数字で見ていきます。なお、お土産そのものではなく荷物全体の申告のしかた(税関申告書の書き方、検疫での申告漏れの扱い)は高校留学の持ち物で詳しく扱っています。ホームステイという制度そのもの(家庭の選ばれ方、費用の構造、寮との比較)は高校留学のホームステイをご覧ください。
いくらまで?——米国は贈り物の合計100ドルが免税の枠
POINT
米国では、お土産は「身の回り品」の免税に入りません。贈り物には別枠があり、合計100ドルまでが免税です。合計がこれを超えると、この免税では通せず課税の対象になります。上位の解説記事はこの枠に触れていません。
「お土産はいくらまで?」という問いに、多くの記事は「金額より気持ち」と答えます。気持ちの話は本当ですが、制度としての上限は実際に存在します。米国の場合、根拠は連邦規則集(19 CFR)の第148部です。なお、金額の枠は国ごとに別の制度で、本記事が具体的な数字を示せるのは原典を確認できた米国だけです。英国・カナダ・ニュージーランドへ行く場合は、金額については渡航先の税関の公式サイトで確認してください(品目の可否は後述の表で扱います)。ここが保護者にとって重要なのは、金額の目安が分かるからというより、知らずに超えると入国時に税金を払う話になるからです。
身の回り品の枠と、贈り物の枠は別
まず押さえたいのは、米国の免税が用途ごとに別の枠になっている点です。自分で使う衣類や身の回り品の免税(§148.42)には「intended only for such use and not as a gift for another person nor for sale(本人の個人使用のためだけで、他人への贈り物でも販売用でもないもの)」という条件が付いています。つまりホストファミリーに渡すものは、この枠では通りません。贈り物は次の別枠で扱われます。
米国に持ち込むお土産|関係する3つの免税枠(19 CFR 第148部 Subpart E の原文より)
| 枠 | 根拠条文 | 内容 | お土産に使えるか |
|---|---|---|---|
| 身の回り品 | §148.42 | 衣類・身の回りの装飾品・洗面用具など。「本人の個人使用のためだけで、他人への贈り物でも販売用でもないもの」に限る | 使えない(贈り物は対象外と明記) |
| 贈り物 | §148.44(a) | 「72時間以上米国に滞在する意図のある到着した非居住者」は「合計100ドルを超えない物品」を、本人が携帯し「bona fide gifts(純粋な贈り物)として処分するもの」として免税で申告できる。酒類と紙巻たばこは含まない | これが本体 |
| 酒類 | §148.43(a) | 1リットルまで免税。ただし「an adult nonresident(成人の非居住者)」が「his personal use(本人の個人使用)」で持ち込む場合に限り、「not ... to be given to another person(他人に与えるためではない)」 | 使えない(成人限定・贈与不可) |
「直前6か月以内に使っていないこと」という条件
もう一つ見落としやすい条件があります。§148.44(b) は「The exemption for gifts may be allowed only if the nonresident has not claimed the exemption within the immediately preceding 6 months.(贈り物の免税は、直前6か月以内にこの免税を使っていない非居住者にのみ認められる)」としています。1回目にこの免税を使っていた場合、1年の留学で一度帰国して再入国するときや、短期留学を半年以内に続けて行うときは、2回目に同じ100ドルの枠を当てにできないということです。条件は「渡航したかどうか」ではなく「この免税を使ったかどうか」です。
この100ドルという数字は、受け入れる側も学生に明示しています。米国の受入団体 Youth For Understanding USA(YFU USA)が留学生に配る学生用ハンドブック(Passport to the USA・2025年版)のGiftsの項には、「If the total value of your gifts is more than $100, you will have to pay an import tax (“duty”) to US Customs when you enter the country.(お土産の合計額が100ドルを超える場合は、入国時に米国税関へ輸入税=関税を払うことになります)」とあります。法令と受入団体の案内が同じ数字を指しているので、ここは目安ではなく基準として扱ってよい部分です。
円換算の目安(2026-10-29時点):100ドルは約1万5,800円です(欧州中央銀行の2026年10月28日の参考相場 EUR/JPY 175.86・EUR/USD 1.1133 から算出したクロスレート 1ドル≒157.96円で換算)。為替は毎日動くため、渡航直前にご自身で換算し直してください。また上限は「合計額」なので、1点あたりの値段ではなく、袋に入れた全部の合計で考えます。免税枠を超えたときの税率や実際の課税額は本記事では扱いません(品目ごとに異なり、確認できていないため)。
予算の考え方としては、合計100ドル(約1万5,800円)が「超えると手続きが発生する線」で、実務的にはその手前で収めるのが無理のない設計です。上位の解説記事にある「1点1,000〜3,000円ほど」という目安も、点数を4〜5点に抑えれば概ねこの枠に収まります。ただし、この「1点1,000〜3,000円」という数字は出典の示されていない記述でしたので、当サイトでは根拠のある合計額の枠から逆算する形をおすすめします。
受入団体の公式文書は「金額ではない」と書いている
POINT
何を買うか以上に効くのが「何個、誰に」です。交換留学の受入団体が学生に配っている公式ハンドブックには、高価な1点ではなく小さなものを数個、という考え方が明記されています。
お土産の「正解」を知っているのは、実際に受け入れている側と、長年その受け入れを運営している団体です。ここでは、米国の受入団体 Youth For Understanding USA(YFU USA)が留学生に配っている公式ハンドブック(Passport to the USA・2025年版)の記述を引きます。上位の解説記事はこの種の公式文書を1本も引いていませんでした。
- 費用は重要ではない:「The cost is not important; it is your thoughtfulness in bringing something from your country that is important.(費用は重要ではありません。自国から何かを持ってくるという、あなたの心づかいが大切です)」
- 出会う人のために少し余分に:「You may want to include a few extra gifts for other people you meet.(出会う人のために、いくつか余分な贈り物を入れておくとよいでしょう)」
- 大きさと重さを考える:「When choosing gifts, consider their size and weight. They must be packed in your luggage.(贈り物を選ぶときは大きさと重さを考えてください。荷物に詰めなければならないのですから)」
- 一人で運べる量を超えない:「Do not bring more than you can carry alone.(一人で運べる以上のものを持ってこないこと)」
- 高価な贈り物は米国の習慣ではない:別の章では「It is not customary in the US to give expensive gifts or big parties to thank someone.(米国では、感謝を示すために高価な贈り物をしたり大きなパーティーを開いたりするのは習慣的ではありません)」とし、代わりに「笑顔」「“Thanks, Mom” と言うこと」「家の仕事を進んで手伝うこと」「お礼の手紙を書くこと」「特別な料理を作ること」を挙げています。
ここから実務的に出てくる結論は2つです。1つ目は、予算を1点に集中させないこと。ホストの大人へ1点、子どもがいれば1人1点、そして学校やご近所で親しくなった人に渡す分を2〜3点——という配分にすると、合計額を抑えながら「渡すものがない」場面を避けられます。2つ目は、重さと体積で先に落とすこと。ハンドブックが「大きさと重さを考えて」「一人で運べる量を超えない」とわざわざ書いているのは、毎年そこで困る学生がいるからです。
なお、ホストファミリーの構成(大人の人数、子どもの年齢、ペットの有無、食事の制限)は、配属が決まる連絡が来てから分かります。米国の交換留学では出国前に受入家庭を確定させる規則がありますが(高校留学のホームステイ)、連絡が届く時期や、到着後に一時的な家庭から本配置へ移るかどうかは団体・国によって異なります。そのため、連絡が来る前に買うものと来てから買い足すものを分けておくのが現実的です。連絡が来たら、次の3点だけは確認しておきます。
- 1食物アレルギーと宗教上の食事の制限:ナッツ・小麦・乳・卵・えび・かになどのアレルギー、豚肉やアルコールを含むものを避ける必要があるか。食品を贈る場合はここが最優先です。
- 2子どもの有無と年齢:渡すものの性質が変わります(折り紙や文房具が効くのは年齢によります)。
- 3すでに持っているもの:留学生を何度も受け入れている家庭では、箸・扇子・招き猫のような定番がすでに何組もあることがあります。
外れにくいお土産の3つの型
POINT
品目を30個覚える必要はありません。規制を通りやすく、軽く、好みに左右されにくいという条件を満たす型は3つに整理できます。受入団体のハンドブックが挙げている例もこの3つに収まります。
YFUのハンドブックがお土産の例として挙げているのは、①自国・地域の地理や歴史的な場所、都市と田舎の風景を見せる写真集、②地域や国の特別な食品や飲料(ジャム・キャンディーなど。ただし「US law prohibits bringing fresh meat, fruit, plants, or other living things into the US.(米国の法律は生の肉・果物・植物その他の生き物の持ち込みを禁じています)」という但し書き付き)、③地域や国の手工芸品の3つです。この分類は、持ち込み規制と重量の両方に素直です。
外れにくいお土産の3つの型|性質と注意点
| 型 | 具体例 | 強み | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| ①軽くて平たい紙・布のもの | 日本の風景の写真集、手ぬぐい、風呂敷、折り紙の紙、和柄のカード、日本の文房具 | 規制にほぼかからず、軽く、場所を取らない。食事の制限とも無関係 | 手ぬぐいや風呂敷は「使い方が分からない」で終わることがあるため、用途を一言添える |
| ②個包装の菓子(茶・乾物は国別に確認) | 個包装のせんべい、クッキー、チョコレート、抹茶の菓子、緑茶(茶葉) | 分けて配れる。家族の人数が分からなくても調整しやすい | 国ごとに可否が違う(次章の表)。肉エキス入り・乳原料の多いものは要注意 |
| ③小さな手工芸品 | 小ぶりの陶器、だるま、こけし、ちりめん細工、和紙の小物 | 記念として残る。1点で成立する | 木製・竹製はニュージーランドなどでリスク品の扱い。重い・割れるものは避ける |
迷ったら①を主軸に、②を配る用として足すのが、いちばん失敗の少ない構成です。①は規制をほぼ気にせずに済み、軽く、合計額も抑えられます。②は「全員に行き渡る」という点で優秀ですが、品目の可否を確認してから買う必要があります。③は1点だけ、荷物に余裕があれば、という位置づけで十分です。
重さの感覚としては、お土産全体で2〜3kg以内に収まっていれば、預け入れの重量制限も本人が運ぶ負担も現実的な範囲です。これは制度上の上限ではなく、ハンドブックの「一人で運べる量を超えない」という指示を荷造りの言葉に置き換えたものです。短期の滞在で荷物が少ない場合は、高校生の短期留学のように持ち物全体が小さくなるため、さらに絞る前提で考えてください。
買う前に引く:品目×国の持ち込み可否早見表
POINT
食品のお土産は、買う前に渡航先の規定で引くのが正解です。同じ菓子でも国によって扱いが違い、英国で無制限のものがニュージーランドではリスク品になります。
ここが本記事の核です。上位の解説記事は、持ち込み規制を「肉や生ものは禁止する国が多い」という一般論か、オーストラリア1国の事例でしか扱っていませんでした。実際には国ごとに規定の設計そのものが違います。英国は「無制限に持ち込めるもの」を品目名で列挙する方式、カナダは「全食品に申告義務+数量上限」という方式、ニュージーランドは「あらゆる食品をリスク品として申告させる」方式です。下の表は、各国政府の規定を品目に当てはめたものです。
品目別・4か国の持ち込み可否
お土産にしやすい品目×国|持ち込みの扱い(米国=USDA APHIS・CBP/英国=GOV.UK/カナダ=CFIA/ニュージーランド=MPI。2026-10-29時点)
| 品目 | アメリカ | イギリス(GB) | カナダ | ニュージーランド |
|---|---|---|---|---|
| 個包装のせんべい・クッキー・ビスケット | 申告のうえ通るのが一般的(APHISは「すべての農産物を申告」と求めている。肉を含まないもの) | 無制限(「biscuits」を明記) | 申告必須。肉を含まないこと+20kg/20Lの上限 | リスク品として申告(「あらゆる食品」が対象) |
| チョコレート・抹茶の菓子 | 同上。YFUのハンドブックも「candy」をお土産の例に挙げている | 無制限。ただし「未加工の乳原料を多く含むもの」は除く | 申告必須。肉を含まないこと+20kg/20Lの上限 | リスク品として申告 |
| インスタント麺・袋麺 | 肉エキス・肉を含むものは避ける(多くの肉類と動物性製品が禁止・要申告) | 無制限。ただし「肉と混ぜた・肉を詰めたもの」は除く | 申告必須。米国以外からの肉は加熱済み・常温保存可・密封容器のものだけ | リスク品として申告 |
| インスタント味噌汁・粉末だし | スープ類はCBPが申告を義務づける列挙に含まれる。肉・魚由来の原料に注意 | 無制限(「包装スープ・ストック・調味料」を明記) | 申告必須 | リスク品として申告 |
| 緑茶・抹茶(茶葉) | 申告のうえ数量無制限(「茶葉のみで構成された製品はいかなる量でも制限なく持ち込める」) | 一覧に茶の明記なし=要確認(加工包装された植物性製品に当たるかは政府サイトで確認) | 申告必須+20kg/20Lの上限 | リスク品として申告 |
| ナッツ・乾物(干し椎茸など) | 申告のうえ、ナッツは加熱・焙煎などの処理済みなら可。乾燥香辛料は柑橘の葉・種と多くの野菜果実の種を除き可 | 制限あり(ナッツ・種は制限対象) | 申告必須+20kg/20Lの上限 | リスク品(乾燥きのこ・スパイス・ナッツを明示) |
| はちみつ | 申告のうえ、個人消費向けなら一般に可(巣蜜・ローヤルゼリー等) | 制限あり(動物性製品) | 申告必須+20kg/20Lの上限 | リスク品(はちみつを明示) |
| 肉入りの食品(レトルト・ジャーキー等) | 避ける。「多くの生・乾燥・一部の缶詰の肉と肉副産物は輸入禁止」(FMD・BSE等のため) | 制限あり(肉・動物性製品) | 米国以外からは加熱済み・常温保存可・密封容器のものだけ | リスク品として申告 |
| 生の果物・野菜・種・植物 | 持ち込まない(YFUも「生の肉・果物・植物その他の生き物は米国の法律で禁止」と明記) | 制限あり(果物・野菜・ナッツ・種) | 申告必須(品目ごとに条件) | リスク品として申告 |
| 木製・竹製の工芸品(箸・扇子など) | 食品ではないが要確認(当サイトでは原典を確認できていません) | 一覧に明記なし=要確認(木材は別の規定) | 要確認(当サイトでは原典を確認できていません) | リスク品(木製品・竹・籐の工芸品を明示) |
| 日本酒・梅酒などの酒類 | 高校生のお土産には使えない。免税枠は「成人の非居住者」の個人使用限定で、贈与も対象外 | 要確認(酒類は別の免税制度) | 要確認(州・準州ごとの制度) | 要確認(酒類は別の制度) |
この表の読み方と限界。 「無制限」は英国政府が品目名を挙げて「制限なく持ち込める」としているもの、「リスク品として申告」はニュージーランドのように申告義務の対象になるもの、「要確認」は当サイトが原典を確認できていないものです。オーストラリアはこの表に入れていません。オーストラリアの農業・水産・林業省(agriculture.gov.au)とオーストラリア国境警備隊(abf.gov.au)のページは当サイトの環境から取得できず、高校留学の持ち物でも同じ結果が記録されています。未確認の数値や可否は書かない方針のため、オーストラリアへ行く場合は必ず同省の travelling のページでご自身の品目を確認してください。韓国・フィジーなど他の渡航先も同様です。また、英国の列はグレートブリテン(イングランド・スコットランド・ウェールズ)の規定です。英国政府は北アイルランドには別のルールがあると明記しているため、渡航先が北アイルランドの場合は GOV.UK の該当ページで個別に確認してください。そして、制度は改定されます。買う前に「国名+biosecurity/quarantine/customs declaration」で政府ドメイン(`.gov`・`.gov.uk`・`.gc.ca`・`.govt.nz`・`.gov.au`)のページに当たるのが確実です。
表を見ると、「個包装の菓子類」は4か国いずれでも扱いが比較的素直で、逆にナッツ・はちみつ・肉入り・生鮮は国をまたぐと一気に難しくなることが分かります。これが、前章で型②を「個包装の菓子」中心に置き、茶と乾物には国別の確認を付け、ナッツやはちみつを例に挙げなかった理由です。
主要な渡航先で共通して効く原則は「申告する」
そして、ここで挙げた渡航先に共通して効く原則が1つだけあります。それは「持ち込まない」より「申告する」です。多くの国は可否の判断の前に申告の義務を置いており、罰せられるのは申告しなかったことです。ニュージーランドは申告する物がなくても全員が申告書を提出する設計で、申告漏れには定額の罰金があります。米国は申告漏れの民事罰を「非商業的な数量の初回で最大1,000ドル」としています。申告の具体的な手順と、ニュージーランドの罰則の詳細は[高校留学の持ち物](/prep/koukou-ryuugaku-mochimono)で扱っています。お土産を入れたら、本人が「何が入っているか」を言える状態にしてください。
これは避ける:よくある選び方の落とし穴
POINT
避けたいお土産は「不人気なもの」ではなく、規制・年齢・重量で詰むものです。上位の記事が推奨している品目のなかにも、高校生には向かないものがあります。
避けたい
日本酒や梅酒を「日本らしいお土産」として持たせる(上位の解説記事が実際に推奨しています)
こうすればOK
酒類は外す。米国の酒類の免税枠は「成人の非居住者」が「本人の個人使用」で持ち込む場合に限られ、「他人に与えるため」は対象外と条文に明記されています(19 CFR 148.43(a))。米国の飲酒可能年齢は21歳です。高校生が贈り物として持つ前提が制度上成り立ちません。
避けたい
お土産を1点の高価なものに集中させる
こうすればOK
小さなものを数個に分ける。受入団体のハンドブックは「費用は重要ではない」「米国では高価な贈り物は感謝の示し方として習慣的ではない」とし、出会う人のために余分を数個持つことを勧めています。合計100ドルの枠にも収まりやすくなります。
避けたい
合計額を数えずに「1つ3,000円くらいなら大丈夫」と積んでいく
こうすればOK
合計で管理する。米国の贈り物の免税枠は1点あたりではなく「合計100ドルを超えない」です(約1万5,800円/2026-10-29時点)。レシートを1枚にまとめ、合計を控えておきます。半年以内に同じ免税を使っていないことも条件です。
避けたい
肉エキス入りのインスタント麺やレトルト食品を「日本の味」として入れる
こうすればOK
原材料表示を見て肉由来を外す。米国は多くの肉類・肉副産物を家畜の病気のため輸入禁止としており、英国も「肉と混ぜた・肉を詰めた麺類」を無制限の対象から除いています。同じ袋麺でも、肉エキスの有無で扱いが変わります。
避けたい
ホストファミリーの構成が分からないまま人数分を推測で買う
こうすればOK
配属連絡を待つ分を残す。連絡が来たら、アレルギーと宗教上の食事制限、子どもの有無と年齢、すでに持っている定番品を確認します。留学生を何度も受け入れている家庭では、箸や扇子がすでに何組もあることがあります。
確認ポイント:使い捨てカイロやヘアスプレーのような発熱体・エアゾール類を贈り物に入れる場合、機内持込・預け入れの可否は航空会社ごとに扱いが違います。当サイトは国土交通省の該当する別表を取得できなかったため、本記事では可否を断定しません。ご利用の航空会社の危険物のページで、品目名を指定して確認してください。モバイルバッテリーなど近年ルールが変わった品目については高校留学の持ち物で扱っています。
保護者の段取り:いつ買い、どう渡すか
POINT
お土産は保護者が買い、本人が運び、本人が渡すものです。買う人と渡す人が違うので、中身の共有を忘れると空港と初日の両方でつまずきます。
上位の解説記事は4本すべてが留学する本人に向けて書かれていました。しかし実際に店を回って支払うのは、多くのご家庭で保護者です。買う人と渡す人が違うという前提に立つと、やることが2つ増えます。
時期別にやること
お土産の準備|時期別にやること
| 時期 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 出発の1〜2か月前 | ①の型(写真集・手ぬぐい・文房具など規制にかかりにくいもの)を先に確定。合計額の管理表を作る | 配属連絡を待たずに買えるもの。直前の値段や在庫に左右されない |
| 配属連絡が来たら | アレルギー・宗教上の食事制限・子どもの年齢を確認し、②の食品を買い足す | 食品は相手の制限を確認してからでないと決められない |
| 荷造りのとき | 本人と一緒に中身を確認し、何が入っているかを言える状態にする。レシートの合計を控える | 税関では本人が答える。申告の責任は荷物を持つ本人にある |
| 到着後の早いうち | 落ち着いたタイミングで渡す。配る用は学校や近所で出会った人に少しずつ | 初日は移動と手続きで慌ただしい。全部を初日に出し切らない。足りなければ現地で買い足せるので、日本で買いすぎない |
荷造りでいちばん大事なのが3つ目です。税関や検疫で質問に答えるのは本人で、親が持たせたものの中身を本人が把握していない状態がもっとも危ないからです。ニュージーランドの規定には、罰金を避ける方法として「自分の荷物と、同行する18歳未満の人の荷物の中身を把握しておくこと」という一文があります。保護者が同行しない高校留学では、この把握を出発前に本人へ引き継いでおく必要があります。入れたものをメモにして、本人のパスポートケースに一緒に入れておくだけでも違います。
渡し方と、お土産のあとに続くもの
渡し方については、受入団体のハンドブックに「The customs official may ask you to show the gifts you are bringing to the US.(税関職員が、持ってきた贈り物を見せるよう求めることがあります)」という記述があります。取り出しやすい場所にまとめて入れておくと、空港で荷物をかき回さずに済みます。渡すタイミングは、到着して落ち着いたころが現実的です。ハンドブックが挙げている感謝の示し方——笑顔、お礼を言うこと、家の仕事を手伝うこと、お礼の手紙、特別な料理——は、お土産を渡したあとに続く部分です。お土産は関係づくりの入口で、本体ではありません。
なお、滞在が始まってから家庭との関係で困ったときの対処はホームステイが合わないときの対処で、出発までに締切のある手続き(パスポート・ビザ・予防接種・在籍校の許可)は高校留学の準備で扱っています。交換留学の場合は派遣団体が学生用のハンドブックを配布していることが多いので、団体から配られた資料にお土産の記述があれば、それが最優先です(交換留学の仕組み)。
まとめ:品目より先に、金額と可否を決める
ホームステイのお土産は、品目の一覧を眺めるより、合計金額の枠と渡航先に持ち込めるかを先に決めたほうが早く決まります。米国なら贈り物の免税枠は合計100ドル(約1万5,800円・2026-10-29時点)で、直前6か月以内に同じ免税を使っていないことが条件です。身の回り品の免税は贈り物に使えません。食品は国ごとに扱いが違い、英国で無制限のビスケットやチョコレートが、ニュージーランドでは申告の対象になります。
そのうえで、受入団体の公式ハンドブックが言っていることは明快です。費用は重要ではなく、一人で運べる量を超えず、出会う人のために少し余分に。高価な1点ではなく、軽くて規制にかかりにくいものを数個。ご家庭でやることは、合計額を数えること、配属連絡が来たらアレルギーと食事の制限を確認すること、そして荷造りの中身を本人と共有して、本人が説明できる状態にすることです。
本記事の情報は2026年10月29日時点のものです。免税の金額、品目ごとの可否、数量の上限はいずれも改定されます。渡航前に、渡航先の政府機関の公式サイトでご自身の品目を必ず確認してください。当サイトは特定の商品・販売店・エージェントの紹介や斡旋は行っていません。
最後にチェック(お土産を買う前・荷造りの前)
お土産でつまずく原因は、金額・品目の可否・重さ・中身の共有の4つに集約されます。買う前と荷造りの前に、次の項目を確認してください。
チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。
Q.ホームステイのお土産は、合計でいくらまでにすべきですか。
米国へ行く場合、贈り物の免税枠は合計100ドルまでです(19 CFR 148.44(a)。2026年10月29日時点で約1万5,800円)。合計がこれを超えると、この免税では通せず入国時に課税の対象になります。1点あたりの値段ではなく全部の合計で見る点と、直前6か月以内に同じ免税を使っていないことが条件である点に注意してください。他の国は免税制度が異なるため、渡航先の税関の公式サイトで確認してください。なお米国の受入団体が留学生に配るハンドブックも同じ100ドルという数字を挙げており、あわせて「費用は重要ではない」と書いています。
Q.自分の荷物として持っていくのだから、お土産も免税の範囲に入りますよね。
入りません。米国の場合、衣類や身の回り品の免税(19 CFR 148.42)には「本人の個人使用のためだけで、他人への贈り物でも販売用でもないもの」という条件が明記されています。ホストファミリーに渡すものはこの枠では通らず、贈り物用の別枠(合計100ドル・§148.44)で扱われます。「自分の荷物なら自由」という理解は、制度上は誤りです。
Q.ホストファミリーへのお土産に、日本のお菓子やインスタント食品を持たせても大丈夫ですか。
国と品目によります。英国はビスケット、チョコレートと菓子、パスタと麺類を「制限なく持ち込めるもの」として品目名で挙げています(ただしチョコレートは未加工の乳原料を多く含むもの、麺類は肉と混ぜた・肉を詰めたものを除く)。一方ニュージーランドは、調理済みから乾物まであらゆる食品をリスク品として申告の対象にしています。カナダは全食品に申告義務があり、個人使用の上限は20kg・20Lです。インスタント麺は肉エキスの有無で扱いが変わるため、原材料表示を見てください。いずれの国でも共通するのは「持ち込まない」より「申告する」が正解だという点です。申告の手順は高校留学の持ち物で扱っています。
Q.日本酒や焼酎は、日本らしいお土産として喜ばれませんか。
喜ばれるかどうかの前に、高校生のお土産としては制度上成り立ちません。米国の酒類の免税枠(19 CFR 148.43(a))は「成人の非居住者」が「本人の個人使用」で持ち込む場合に限られ、条文に「他人に与えるためではない」と明記されています。米国の飲酒可能年齢は21歳です。贈り物の100ドルの免税枠からも酒類は除外されています。お土産の候補からは外してください。
Q.お土産は何個くらい用意すればいいですか。ホストファミリーの人数がまだ分かりません。
人数が分かる前に買えるものと、分かってから買うものを分けるのが実務的です。写真集・手ぬぐい・文房具のように規制にかかりにくく好みに左右されにくいものは先に確定できます。食品は、配属連絡でアレルギーと宗教上の食事制限を確認してから足します。受入団体のハンドブックは「出会う人のために、いくつか余分な贈り物を入れておくとよい」としており、ホストの大人・子ども・学校や近所で親しくなった人の分として、個包装で分けられるものを少し多めに持つ形が無理がありません。
Q.オーストラリアへ行きます。表にオーストラリアが入っていないのはなぜですか。
当サイトがオーストラリア政府の該当ページを確認できなかったためです。オーストラリアの農業・水産・林業省(agriculture.gov.au)とオーストラリア国境警備隊(abf.gov.au)のページは、当サイトの環境から取得できませんでした(高校留学の持ち物でも同じ結果が記録されています)。未確認の数値や可否は書かないという方針のため、本記事ではオーストラリアについて、申告の要否・数量の上限・罰則のいずれも記載していません。渡航前に、同省の travelling のページでご自身の品目を必ず確認してください。







