2026年10月26日

会社を辞め、祖父母の住むドイツでMBA留学。気づけばミスワールドに挑戦していた1年

―MBAの勉強に、祖父母との暮らし、そしてミスワールド。ドイツで「やりたいこと」に全部挑戦した1年―

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ドイツ ゆりあさん

大きな「MBA × MISS WORLD」の文字と、MBAの名札に入ったゆりあさんの写真、ミスワールドのステージ写真、ドイツ国旗のたすき
留学先
ドイツの大学院(1年間のフルタイムMBAプログラム)
留学時期
日本で会社員として働いたあと、退職して
留学期間
1年(集中型フルタイムMBA)
留学の形
私費のMBA留学。準備開始は入学の約半年前
言語
日本語・ドイツ語・英語のトリリンガル
留学中の出来事
MBAでの学びと並行して、ミスワールドに挑戦

はじめに

今回お話を伺ったのは、日本で会社員として働いたあと、退職してドイツの1年制フルタイムMBAプログラムに留学したゆりあさん。もともと日本語・ドイツ語・英語を話すトリリンガルで、ドイツには祖父母が住んでいます。

MBAを取りに渡ったドイツで、気づけばミスワールドに挑戦していた――。「人生の可能性は、自分が思っている以上に広い」と語るゆりあさんの1年は、社会人になってから留学を迷っている人、「もう遅いかな」と足踏みしている人の背中を押してくれるはずです。

STUDENT PASSPORT

ドイツ MBA留学 経験者・ゆりあさん

ネイビーのドレスで笑顔を見せるゆりあさん

今回はこの方にお話を伺いました!

NAME名前
ゆりあさん
GRADE留学当時
社会人(会社員を経て退職)
DESTINATION留学先
ドイツの大学院(フルタイムMBA)
PERIOD留学期間
1年

JAPANGERMANY

充実していたはずの会社員生活。それでも消えなかった「もう一度海外で」

留学前のゆりあさんは、日本で会社員として働いていました。仕事には真剣に取り組み、毎日はそれなりに充実していた。それでも、心のどこかにずっと引っかかっているものがあったといいます。

心のどこかで「もう一度海外で生活してみたい」「もっと違う世界を見てみたい」という気持ちがずっとありました。ただ、会社員として働いていると、海外赴任などの限られた機会を除いて、長期間海外で生活することはなかなか難しいと感じていて。

このまま今の生活を続けるのも、ひとつの選択肢ではある。でも、一度日本を離れて、自分のやりたいことに挑戦してみたい。その思いは日に日に強くなっていきました。そして、思い切って会社を辞める決断をします。

すでに社会人経験があったからこそ、これまでの仕事で得た知識や経験を、もう一度学問として深めてみたいという気持ちもありました。そして何より、一度社会人になったからといって、その後の人生の選択肢が限られるわけではないと思ったことが大きかったです。

選んだ道は、以前から興味のあったMBA(経営学修士)への挑戦でした。働いた経験があるからこそ、経営の勉強が具体的に自分ごとになる。社会人経験は、留学のハンデではなく武器になったのです。

行き先は最初からドイツ。祖父母の住む国で、1年のフルタイムMBAを選んだ

留学先選びで迷うことは、ほとんどありませんでした。もともとドイツが好きだったことに加えて、ドイツには祖父母が住んでいて、以前からこの国で生活したいという思いがあったからです。

そこで選んだのが、ドイツで学べる1年間のフルタイムMBAプログラム。準備を始めたのは入学のおよそ半年前でしたが、出願から入学までは比較的スムーズに進んだそうです。

秋の木々と大学院の校舎を背に、芝生の上で笑顔を見せるゆりあさん
▲1年間MBAを学んだキャンパスで

仕事を辞めて留学することは大きな決断でしたが、以前からやりたかったことだったので、迷いよりも楽しみな気持ちの方が大きかったです。

ゆりあさんは日本語、ドイツ語、英語を話せるため、言語面での不安はあまりなかったといいます。それでも、日本での生活が長かったぶん、ドイツの生活習慣や文化に改めてなじめるかという心配は少しあったそうです。

実際に生活してみると、ドイツの文化や考え方に共感できる部分も多く、想像していたほど大きなギャップは感じませんでした。最初は慣れないことがあっても、人は意外と新しい環境に順応できるものだと実感しました。

想像以上に忙しい集中プログラム。それでも休日は、祖父母に会いに行った

1年間でMBAを取りきる集中型のプログラムは、授業数が多く、課題やグループワークにも追われる毎日でした。平日は基本的に大学で授業を受け、勉強にかなりの時間を費やしていたといいます。

教室には、さまざまな国籍と職歴を持つ学生が集まっていました。ドイツ人だけでなく、世界各国から来た学生たちと、日常的に異なる文化や価値観に触れられる環境です。

社会人経験のある学生も多く、それぞれが実際のビジネス経験を持っていたので、授業でのディスカッションもとても刺激的でした。一つのテーマについても、国や業界によって考え方が異なることがあり、自分では思いつかなかった視点を学ぶ機会がたくさんありました。

大学院のロビーで、スーツ姿でそろって写るMBAのクラスメイトたち
▲世界各国から集まったMBAのクラスメイトと

一方で、休日や時間があるときには、祖父母に会いに行くことも多かったそうです。祖父母と過ごす時間を増やしたいというのは、ドイツ留学を選んだ大きな理由のひとつでした。

勉強をしながら家族との時間も大切にできたことは、とても嬉しかったです。

ベーカリーの前で、祖父母と並んで自撮りするゆりあさん
▲休日は祖父母に会いに

留学というと、家族と離れて一人で頑張るイメージがあります。でもゆりあさんにとってのドイツ留学は、学位を取りに行くことと、家族との時間を取り戻すことが、同時に叶う選択でした。

一番予想していなかった出来事は、ミスワールドへの挑戦だった

この1年でいちばん予想外だった出来事を聞くと、意外な答えが返ってきました。ミスワールドへの挑戦です。

もともとMBAを取得することを目的にドイツへ来たので、まさか自分がミスコンの世界に挑戦することになるとは思っていませんでした。でも、これまで社会人として働いてきた経験があったからこそ、自分の考えや伝えたいことを持って、新しい世界に飛び込むことができたのだと思います。

ドイツ国旗とたすきを身に着け、空港でスーツケースを手にポーズをとるゆりあさん
▲ドイツ代表のたすきをかけて、大会へ出発
ミスワールドの大会ステージで、ドイツ国旗を掲げるゆりあさん
▲ミスワールドの世界大会のステージで

挑戦を通して得たものを聞くと、ゆりあさんが真っ先に挙げたのは、そこで出会った人たちの存在でした。

ミスコンを通じて、さまざまな世界大会に挑戦するドイツ代表の女性たちとも出会うことができました。それぞれ違う目標を持ちながら頑張っている女性たちとの出会いは、とても刺激的でした。留学をしていなければ、きっと経験することのなかった出来事なので、こうした予想外のチャンスに恵まれたことに心から感謝しています。

大会の会場で、各国の代表たちと笑顔で自撮りするゆりあさん
▲大会で出会った各国の代表たちと

空気を読まなくていい。意見をはっきり言う文化が、自分には合っていた

生活の中で改めて感じたのは、日本とドイツのコミュニケーションの違いでした。

ドイツでは自分の意見をはっきり伝えることが一般的で、日本のように周囲の空気を読んだり、相手の反応を気にしたりする場面は比較的少ないと感じました。最初はその違いに少し戸惑うこともありましたが、慣れてくると、むしろ自分に合っていると感じる部分も多くありました。

青い照明の壁の前で、手元のカードを持ってステージに立つゆりあさん
▲大学院のイベントでステージに立つ

違いに戸惑って終わるのではなく、そこから「こっちの方が自分には合っている」という発見まで進めたのは、祖父母を通じてドイツにルーツを持ちながら、日本で長く暮らしてきたゆりあさんならではかもしれません。

文化の違いは、必ずしも乗り越えなければならない壁ではなく、自分にとって新しい考え方を発見するきっかけにもなるのだと思いました。

大変だったのは、異国で勉強も生活もひとりで回すこと。乗り越えて「意外と自分で何とかできる」と自信がついた

もちろん、楽しいことばかりの1年ではありませんでした。いちばん大変だったのは、慣れない環境の中で、勉強も日常生活も、すべて自分で管理しなければならなかったことだといいます。

1年間の集中型MBAプログラムは想像以上に忙しく、授業や課題に追われることもありました。日本とは異なる環境の中で、自分自身で判断し、行動しなければならない場面も多かったです。

名札を下げてノートパソコンに向かうゆりあさん
▲授業と課題に追われた毎日

それでも、そうした経験を重ねるうちに、少しずつ自信がついていきました。

最初は難しいと感じていたことも、何度か経験するうちに自然とできるようになり、「意外と自分で何とかできるんだ」と思えるようになりました。今振り返ると、大変だった経験も含めて、自分を大きく成長させてくれたと思います。

変化を実感したのは、以前なら不安に感じていたことを、自然と乗り越えられるようになったと気づいたときでした。周りの目を気にしすぎず、自分の意見や考えを大切にできるようになった。会社員時代には無意識に繰り返していた「同じ日常」から出たことで、当たり前を見直す機会がたくさんあったといいます。

この1年間は、それまでの何年間よりも自分自身が成長したと感じるほど、濃い時間でした。慣れた環境から一歩外に出ることが、こんなにも人を変えるのだと実感しました。

「人生の可能性は、自分が思っている以上に広い」

留学で得たものを一言で言うと、と聞くと、ゆりあさんは迷わずこう答えてくれました。

「人生の可能性は、自分が思っている以上に広い」ということです。社会人になってからでも、仕事を辞めて新しい分野を学ぶことも、海外で生活することも、全く予想していなかったことに挑戦することもできます。人生には決まった正解や順番があるわけではないと実感しました。

ビジューのついたドレス姿で立つゆりあさん
▲ミスワールドの舞台に向けたドレス姿

その実感は、帰国後の生き方も変えています。いちばん大きな変化は、新しいことに挑戦するハードルが下がったことでした。

以前は、何か大きな決断をするときに、リスクや周囲の反応を考えすぎてしまうこともありました。でも、一度仕事を辞めて海外に飛び出し、そこでさまざまな経験をしたことで、思い切って行動することの大切さを実感しました。「自分で選択して、自分の人生を作っていく」という考え方が、今の自分の大きな軸になっています。

振り返って「こうすれば良かった」と思うことを聞いても、返ってきたのは後悔ではなく、これから挑戦する人へのヒントでした。

もっと早く行動しても良かった、ということです。新しいことを始める前は、どうしても不安やリスクを考えてしまいますが、実際に飛び込んでみると、意外と何とかなることも多いと分かりました。今では、やりたいことがあるなら、完璧なタイミングを待ちすぎずに行動することが大切だと思っています。

留学を考えるあなたへ

最後に、これから留学を考えている人へのメッセージをお願いすると、ゆりあさんはこう話してくれました。

迷っているなら、まずは挑戦してみてほしいです。留学は大きな決断に感じるかもしれませんし、仕事や今の生活を離れることに不安を感じる方もいると思います。でも、留学は誰かに強制されてするものではなく、自分で選んで挑戦するものです。もし実際に行ってみて、自分には合わないと感じたとしても、無理をしてそこに居続ける必要はありません。帰国することも、別の道を選ぶこともできます。だからこそ、挑戦する前から失敗を恐れすぎる必要はないと思っています。

挑戦しなければ出会えなかった人、見られなかった景色、そして知らなかった自分がいました。社会人になっていても、何歳であっても、人生の可能性は無限大です。少しでも「海外に行ってみたい」「新しいことに挑戦してみたい」という気持ちがあるなら、ぜひその気持ちを大切にしてほしいです。きっと、行動した先には想像以上の世界が広がっていると思います。

テラスから見たフランクフルトの高層ビル群と緑
▲ドイツで暮らした1年の景色

「合わなければ帰ってきてもいい」という言葉が入っているのが、このメッセージのいいところだと思います。退路を断てと言うのではなく、退路があるから、気軽に挑戦していい。

取材を終えて

取材を通していちばん感じたのは、ゆりあさんの1年がとにかく濃かったということ。1年制MBAの授業や課題に追われながら、思いがけずミスワールドにも挑戦し、「それまでの何年間よりも自分自身が成長した」と言い切れる時間を過ごしていました。

もうひとつ印象に残ったのは、会社員として働いた年数を、留学の「強み」として話していたこと。仕事で得た知識があったからMBAで学び直したいと思えたし、社会人として培った考えがあったから、ミスコンという新しい世界にも伝えたいことを持って飛び込めた。キャリアを中断するのではなく、キャリアを持って留学する。社会人になってから留学を迷っている人にとって、心強い考え方だと思います。

なかでもいちばん心に響いたのは、「人生の可能性は、自分が思っている以上に広い」という言葉です。MBAを取りに渡ったドイツで、ミスワールドに挑戦することになる。1年前のゆりあさん自身も、想像していなかった未来です。年齢やキャリアを理由に「もう遅いかな」と足踏みしている人に、ぜひ読んでほしいお話です。ゆりあさんのこれからの挑戦を、心から応援しています。