はじめに
今回お話を伺ったのは、社会人になってから初めての留学で、ソウルの慶熙(キョンヒ)大学校の語学堂に2か月半通ったMisatoさん。フリーランスのアイリストとして働きながら、2026年3月末に渡韓しました。
もともとK-POPやドラマが入口だったわけではありません。韓国人の友達ができて、旅行で通ううちに「いちばん好きな国」になった。そんなMisatoさんが選んだのは、3か月のビザなし滞在で語学堂に通い、そのあと1年のワーキングホリデーに出るという二段構えの計画です。取材の時点で出発はもう目の前。1度目の留学で何を感じ、2度目はどんな気持ちで向かうのか。社会人からの留学やワーホリを考えている方に、とくに読んでほしいお話です。
韓国 語学堂留学 経験者・Misatoさん

今回はこの方にお話を伺いました!
- NAME名前
- Misatoさん
- GRADE留学当時
- 社会人(フリーランスのアイリスト・28歳)
- DESTINATION留学先
- 慶熙大学校 国際教育院(韓国・ソウル)
- PERIOD留学期間
- 約2か月半(2026年3月末〜6月ごろ)
JAPANSEOUL
K-POPではなく「人」から始まった、韓国への興味
韓国留学と聞くと、K-POPやドラマが好きで、という入口を思い浮かべる人が多いかもしれません。Misatoさんの場合は少し違いました。
K-POPとか、そういうのはあんまり興味がなかったんです。韓国人の友達ができて、それで3〜4年くらい前から韓国旅行に行くようになって。そこからハマって、しょっちゅう旅行に行くようになりました。
最初にあったのは、文化やコンテンツへの憧れではなく、人とのつながり。旅行で通ううちに、ご飯屋さんで知り合った人、遊びに行った先で仲良くなった人と、少しずつ現地の友達が増えていきました。
Instagramでつながっているから、何かのタイミングでまたDMして、「今度行くから遊ぼう」みたいな感じで会う友達が何人かいて。
こうしてできた友達は、のちに留学生活を支えてくれる存在にもなります。そして旅行を重ねるうちに、韓国は「遊びに行く国」から「言葉を覚えて、もっと深く知りたい国」へと変わっていきました。
独学から教室へ。「ワーホリに行く」と決めてからの準備
韓国語の勉強を始めたのは、取材の時点から1年半ほど前。最初は独学で、留学もワーホリも、まだ考えてはいませんでした。
最初に始めたときは、留学に行きたいとか、ワーホリに行きたいとか、そういうのはなかったんです。行こうと決めたタイミングで、韓国語教室に通い始めて、7か月くらい通ってから留学しました。
通ったのは、韓国語教室の「K Village」。この教室には留学のエージェント機能もあり、語学堂への入学手続きはほとんど代行してもらえたそうです。入学にあたって試験のスコアなどの要件は特になく、入学前にオンラインで簡単なレベルテストと会話のチェックがあり、その結果でクラスが分かれるという流れでした。
手続きとかも、結構代行でやってくれて。K Villageのサポートが本当にすごかったです。
社会人の場合、仕事をどうするかは大きな問題です。Misatoさんは会社勤めを経て、フリーランスの業務委託としてアイリストの仕事をしていたため、スケジュールの融通が利いたといいます。働き方を自分で決められる状態にしておいたことが、「行く」と決めてから動き出すまでの早さにつながっていました。
12人のクラスに日本人は2人。語学堂は小さな世界地図だった
通ったのは、慶熙大学校の国際教育院。大学のなかにある、外国人が韓国語を学ぶための語学堂で、Misatoさんは2026年3月末からの1学期、2か月半を過ごしました。クラスは12人ほど。そのうち日本人はMisatoさんを含めて2人だけでした。

ベトナムの子が4人いて、中国の子が2人。あとはロシア、カザフスタン、ウクライナ、アメリカの子もいたり。結構いろんな国から来ていました。
語学堂は午前と午後のクラスに分かれていて、Misatoさんが通った午前は、国籍がさまざまな顔ぶれ。学校全体では中国からの学生が多かったそうです。韓国語という共通の目標があるからこそ、国籍の違う人たちと同じ教室で毎日を過ごす。英語圏の留学とはまた違う、韓国留学ならではの風景です。
授業は朝9時から13時まで。午後はまるごと自分の時間で、この自由さが語学堂の暮らしを広げてくれました。
午後は本当に自由で。もともとの韓国人の友達とちょっと遠出したり、学校の友達と放課後にご飯を食べに行ったり。週末にひとりで釜山まで遊びに行ったこともありました。
なかでも釜山は、「めちゃくちゃいいです」と即答するほどのお気に入り。ソウルからの週末ひとり旅で、首都とはまた違う港町の空気を楽しんだそうです。
寮ではなくコシウォン。それでも友達は「つながり」で増えていった
住まいは、学校の寮ではなくコシウォン。韓国でよくある、机とベッドが置けるくらいの小さなワンルームです。学校からも少し離れていて、最初は「友達ができるかな」という心配もあったといいます。
寮じゃなかったし、学校からも離れていたし、日本人の友達も誰もいなかったので、大丈夫かなと思っていたんです。
きっかけをくれたのは、同じクラスの日本人の友達でした。その友達が寮に住んでいたため、寮のルームメイトとも知り合い、そこからまた次の人へ。顔を合わせる場所があれば、自然とつながりは広がっていきました。
その子が寮だったから、寮のルームメイトとつながって、そこからまたつながって。本当に「つながり、つながり」でした。クラスメイトも、一緒に時間を過ごしていたら自然と仲良くなれるので、友達はできます。
そしてもうひとつの支えが、旅行時代からの韓国人の友達です。エージェントの役割は出発前の手続きまで。現地に着いてからは自分で動く場面が増えますが、Misatoさんには、旅行で何度も会ってきた友達がすでにいました。
もともと旅行中に仲良くなった友達がいたので、すごく助けてもらいました。よく遊んでくれたり、ご飯に行ったり。
語学堂でできた友達と、旅行時代からの友達。ふたつの輪があったことで、ソウルでの2か月半は、自分のペースで少しずつ広がっていきました。

「行く前が一番怖かった」。着いてしまえば、どうにかなる
初めての留学は、出発前がいちばん不安だった、とMisatoさんは振り返ります。
行く前は不安だったし、「行くのやめようかな」という気持ちも一瞬ありました。なんとなく怖いな、みたいな。でも、行っちゃえばどうにかなるなって。
実際に始まってみれば、クラスには日本人の仲間がいて、街には旅行時代からの友達がいる。2か月半は、思っていたよりずっとスムーズに過ぎていきました。

18歳も、60歳も。語学堂でもらった「年齢は関係ない」という刺激
留学でいちばん印象に残っていることを聞くと、Misatoさんが挙げたのは、授業の内容でも観光でもなく、語学堂で出会った人たちのことでした。
若い子たちがやっぱり多くて。私は今28なんですけど、本当に18歳、19歳みたいな子も来ているんです。その年で一人で海外に出てきているのはすごいなと思ったし、すごく刺激をもらいました。
Misatoさん自身は、学生時代に留学を経験していません。だからこそ、若いクラスメイトを「すごい」と思うのと同じくらい、今の自分の状況も前向きに受け止めていました。
今まで留学に行ったことがなかったので、この年でこういう経験ができているのは、いいなとも思いました。
クラスメイトは年下がほとんど。それでも同じ教室で、同じ目標に向かって机を並べています。一方で、隣のクラスには60歳くらいの日本人の女性もいたそうです。
直接お話はできなかったんですけど、その年齢で来ているというのもすごいなって。
18歳から60歳まで。年齢も国籍もばらばらな人たちが、ひとつの教室で同じ言葉を学んでいる。「留学は学生のうちに」という思い込みを外してくれたこの光景が、Misatoさんの2か月半でいちばんの収穫でした。
帰国して残ったのは、「レールは関係ない」と思えたこと
2か月半の留学を終えて、自分のなかで何が変わったか。Misatoさんの答えは、語学力そのものではありませんでした。

小学校、中学校、高校、大学と進んで、就職して、というレールがあると思うんですけど。それは関係ないんだな、自由でいいんだなと思えたのが、いちばん大きかったです。
語学堂には、Misatoさんと同じくらいの年齢で、仕事を一度離れて来ている人もいました。
仕事をしていたけど、ちょっと疲れちゃったから一日辞めて、自分の好きなことをしようと思って韓国に来た、という子もいて。人生は本当に自由に生きていいんだなって。もちろん生きていくためにお金を稼がなきゃいけないというのはあるんですけど、人生は一回しかないし、興味があることがあるならやろう、と思いました。
会社員からフリーランスになり、28歳で初めての留学へ。Misatoさん自身がすでに、決まった道から少し外れた選択をしてきた人です。それでも実際に現地で、さまざまな年齢・さまざまな事情の人が同じ教室にいる姿を見たことで、その選択は「正しかった」のではなく「自由でよかった」のだと、腑に落ちたのだといいます。
3か月の留学は、1年のワーホリへの「助走」だった
Misatoさんの計画は、はじめから二段構えでした。目的はワーキングホリデー。ただし、ワーホリのビザで滞在できるのは1年だけです。
ワーホリは1年しかないので、その1年のなかに語学堂の何か月かを入れてしまうと、ちょっともったいないなと思って。3か月だったらビザなしで行けるし、分けて行ったほうが、少しでも長く韓国にいられるかなと。
ビザなしで滞在できる期間で語学堂に通い、ワーホリの1年は丸ごと「暮らす・働く」に使う。ワーホリそのものは、韓国にハマる前からなんとなく憧れていた選択肢でした。かつてはオーストラリアも頭にあったものの、タイミングが合わず見送り。30歳を前に「やっぱり行きたい」と思ったとき、いちばん興味のある国が韓国だった、という流れです。
ワーホリをするなら、あっちで学校にも絶対通ったほうがいいよな、ということで、一旦留学して。
語学堂で過ごした2か月半は、韓国語の土台づくりであると同時に、「3か月住んでみる」というリハーサルでもありました。
次は家も仕事も自分で。不安半分、楽しみ半分の出発前
取材の時点で、1年のワーホリ出発は11月。1度目の留学を経て、不安は少し減りました。それでも1年住むとなると、やることはまるで違います。
一度あっちで3か月住んだので、前よりは不安は少なくなっています。でも1年住むとなると、ちゃんと家の契約をしないといけないし、仕事も見つけないとだし、口座も作らないと。そういう手続きが不安は不安ですね。
賃貸の契約には現地の電話番号が必要らしい、外国人登録証も作らなければいけない。「全然わかっていないです、これから出発なのに」と笑いながらも、旅行時代からの知り合いに不動産関係の人がいるなど、頼れるつながりはすでに持っています。
なんとかなるかな、という感じです。不安と楽しみは、半分半分ですね。
もうひとつの大きな課題は、仕事です。韓国は美容の本場でもあり、旅行で行くたびに現地で施術を受けてきたというMisatoさんにとって、その国でアイリストとして働けるかどうかは、生活の手段であると同時に楽しみのひとつでもあります。
今は、いくつかのサロンにDMを送って、現地で面接を受けてから条件を聞いてみようという段階。日本と韓国では必要な資格が違うかもしれない、という点はまだ調べている段階ですが、「アイリストができなくても、何かしら仕事はあると思う」と前向きです。語学学校に通うかどうかも、生活しながら決めるつもりだといいます。
一旦は考えていなくて、自分で勉強できたらいいかなと。仕事や生活のなかで、あまりにも語学力が足りないと感じたら、途中から通うのもありかなと思っています。
完璧に準備が整ってから出るのではなく、動きながら決めていく。それは1度目の留学で「行っちゃえばどうにかなる」と身をもって知ったからこその向き合い方です。
留学を考えるあなたへ
社会人になってから、しかも28歳で初めての留学。周りを見渡しても、同じ選択をしている人はそう多くはありません。それでもMisatoさんの言葉は、とてもシンプルでした。
やりたいんだったら、絶対やったほうがいいと思います。若いうちなら全然やり直せるし、もし合わなかったら、帰ってくることだってできる。やりたかったらやって、挑戦してみてほしいなと思います。
Misatoさん自身、出発前には「行くのをやめようかな」と思ったこともあったそうです。それでも行くと決めたら、まず動いてから考える。本人も「フットワークは軽いほうだと思います」と話していました。
不安がゼロになる日は、たぶん来ません。Misatoさんのように「不安半分、楽しみ半分」のまま、それでも一歩を出す。語学堂での2か月半は、その一歩がちゃんと着地することを教えてくれました。
取材を終えて
会社員からフリーランスになり、28歳で初めての留学へ。Misatoさんの話を聞いていて印象的だったのは、その入口がK-POPでもドラマでもなく、旅先で知り合った人だったことです。その人たちに会いに何度も通ううちに韓国はいちばん好きな国になり、留学中は頼れる友達として支えてくれました。語学堂への留学も、その先のワーホリも、Misatoさんにとっては「何度も通った街に、今度は住んでみる」という、好きな場所との付き合い方の延長にある選択だったのだと思います。
そして、留学を終えて自分の中に残ったものとしてMisatoさんが挙げたのは、「レールは関係ない、自由でいい」と思えたことでした。そのきっかけになったのは、18歳の学生と60歳の女性が同じ語学堂で韓国語を学んでいた光景です。年齢も国籍も、そこに来るまでの事情も違う人たちが、同じ教室で同じ言葉を学んでいる。18歳と60歳が隣の席で学ぶ教室を思い浮かべると、社会人になってからの留学に感じる「もう遅いかな」という迷いも、少し小さく見えてきます。
11月、Misatoさんは1年のワーキングホリデーに出発します。家の契約も口座も「正直まだわかっていない」と笑いながら、出発の日は決まっていて、語学学校に通うかどうかも向こうで生活してから決めるそうです。長く行きたいなら、まず短く行ってみて、決めきれないことは向こうで決める。ビザなしの3か月で語学堂に通い、そのうえで1年のワーホリに出るという二段構えは、長期の海外生活を考えている人がそのまま参考にできる進め方です。「行ってみたいけど、社会人になってからでは遅いかな」と思っている誰かに、Misatoさんの言葉が届けばうれしいです。
Misatoさんは、韓国での日々をInstagramで、留学やワーホリ、韓国のご飯や美容のことをnoteで発信しています。これから韓国に行く人も、社会人からの留学を考えている人も、ぜひのぞいてみてください。

