このページの要点
高校生の韓国留学は、90日以内なら選択肢が広く、91日以上は原則として韓国の高校か大学付属の語学堂に限られます。
- 90日以内はビザなしで行ける。外務省によると、日本国籍なら観光・語学研修などで90日以内の滞在は無査証です。事前の電子渡航認証(K-ETA)も、2026年12月31日までは免除されています。夏休みの語学研修や学校の交流プログラムはこの範囲に入ります。
- 91日以上は、通える学校が制度で決まっている。韓国法務部の指針では、語学研修のビザ(D-4-1)が出るのは大学付属の語学院で、民間の語学学校は対象外です。語学堂の側も、高麗大学校の韓国語センターのように、正規課程の志願資格を高校卒業(またはそれに相応する力)としているところがあります。
- 韓国の高校に通うなら、入学許可と国内の後援者が関門。韓国の小中高に通う外国人のビザ(D-4-3)には、学校の入学許可書と資金の証明が要ります。法務部の指針(2018年全面改正版)は、高校以下の留学を、国内に後援者がいる場合に限って許可するとしています(親が韓国に住む場合は別の滞在資格になります)。
高校生が韓国で学ぶ方法は、①学校や公的機関の交流プログラム、②夏休みなどの短期語学研修、③大学付属の語学堂、④韓国の高校への留学(交換・編入)の4つに分けて考えると整理しやすくなります(当サイトの整理)。分かれ目は滞在が90日を超えるかどうかです。90日以内ならビザは要りませんが、91日以上になると、民間の語学学校には語学研修のビザが出ず、語学堂は高校卒業を条件にしていることがあります。そのため、高校在学中に長く学ぶなら、韓国の高校に入学許可をもらう形が中心になります。日本の高校の単位をどう扱うかは在籍校が決めるので、行き先を決める前に在籍校へ相談するのが最初の一歩です。
本記事は、外務省 海外安全ホームページ(韓国の安全対策基礎データ・危険情報)、駐日韓国大使館のビザ案内とK-ETAのお知らせ、韓国法務部「外国人留学生 査証発給及び滞在管理指針」(2018年3月全面改正版。2022年に韓国の大学が掲載したもの)、韓国法制処の生活法令情報「外国人留学生」(2026年9月15日基準)、高麗大学校韓国語センターの入学案内、JASSO(日本学生支援機構)海外留学情報サイトの韓国ページ(2024年調査)、文部科学省委託「日韓高校生交流事業」と日韓文化交流基金の募集案内、トビタテ!留学JAPAN第11期【高校生等対象】の募集要項を、当サイトが2026年10月1日に確認して整理したものです。韓国語の資料は当サイトが日本語に要約しており、逐語訳ではありません。ビザの要件や入国の手続きは変わることがあります。手続きの前に、必ず駐日韓国大使館・総領事館と受入先の学校でご確認ください。円換算は「100ウォン=10円」と仮定した当サイトの概算です。
結論:期間と目的で、選べる方法がまったく変わる
POINT
当サイトでは、高校生が韓国で学ぶ方法を4つに分けて整理します。90日以内か91日以上かでビザが変わり、91日以上になると選べる学校の種類が絞られます。まずは期間を決めることが、行き先選びの出発点になります。
高校生が韓国で学ぶ4つの方法(当サイトの整理)
| 方法 | 期間の目安 | ビザ(日本国籍) | 主な申込先 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|---|
| ①交流プログラム(学校・公的機関) | 数日〜1週間程度 | 不要(90日以内) | 在籍校、国立青少年教育振興機構など | 韓国の高校生と交流したい、まず雰囲気を知りたい |
| ②短期の語学研修 | 1週間〜夏休み・春休みの期間 | 不要(90日以内) | 民間の語学学校、留学会社、大学の短期課程 | 韓国語を集中的に学びたい、生活を体験したい |
| ③大学付属の語学堂 | 語学堂の1学期以上 | 91日以上はD-4-1 | 各大学の語学堂 | 韓国語を体系的に学びたい(高校卒業を条件にする語学堂あり) |
| ④韓国の高校への留学(交換・編入) | 1学期〜卒業まで | D-4-3(または親の滞在資格に付随するF-1など) | 在籍校の協定校、交換留学団体(例:YFUは韓国への1学年派遣を公表)、受入れのある韓国の学校 | 韓国の学校生活を経験したい、韓国語で教科を学びたい |
表のとおり、①と②は90日以内に収まるので、ビザの心配はほとんどありません。難しくなるのは③と④です。③の語学堂はビザの上では高校在学中の生徒も対象ですが、語学堂の側が入学資格として高校卒業を求めていることがあり、在学中の高校生は入れないことがあります。④の韓国の高校は、受け入れてくれる学校を見つけ、入学許可書をもらうところから始まります。
ここから分かるのは、「半年くらい韓国で語学を勉強したい」という希望が、高校在学中には実現しにくいということです。90日を超えて語学だけを学ぶ形は、高校を卒業してから語学堂に通うほうが組み立てやすくなります。高校在学中に長く行きたいなら、④の韓国の高校で学ぶ形か、②を夏と春に分けて重ねる形が現実的な選択肢です。
避けたい
「韓国語を半年学びたい」と聞いて、民間の語学学校の半年コースを申し込む
こうすればOK
90日を超える滞在で、民間の語学学校に通うための語学研修のビザ(D-4-1)は出ません。半年なら、韓国の高校への留学か、卒業後の語学堂を検討します
避けたい
行き先と期間を決めてから、日本の高校に「留学します」と伝える
こうすればOK
単位を認めるかどうかは在籍校が決めます。行き先を決める前に、どの形なら単位や出席の扱いがどうなるかを在籍校に確認します
90日以内の短期留学:ビザは不要、ただしK-ETA免除には期限がある
POINT
夏休みや春休みの語学研修、学校の交流プログラムは、日本国籍ならビザなしで参加できます。ただし電子渡航認証(K-ETA)の免除は2026年12月31日までと期限付きなので、2027年以降の渡航は最新情報を確認してください。
外務省の海外安全ホームページは、観光・商用・語学研修などを目的とした90日以内の短期滞在なら、韓国には無査証で入国できると案内しています。韓国の生活法令情報でも、90日以下の語学研修は短期のビザ(C-3)の扱いとされており、日本国籍の場合はこの範囲を査証免除で入国する形になります。夏休みの3〜4週間の語学研修や、1週間ほどの交流プログラムは、ビザを取らずに参加できます。
注意したいのは、出発前に行う電子渡航認証(K-ETA)です。K-ETAは2022年11月から必要になった制度ですが、韓国政府は日本を含む22か国・地域について、2023年4月1日から一時的に免除しています。駐日韓国大使館は2025年12月24日に、この免除を2026年12月31日まで延長すると案内しました。2027年1月以降の扱いは、本記事の確認時点(2026年10月1日)では発表を確認できていません。年明けの春休みに渡航する計画なら、出発前にK-ETAの公式サイトと駐日韓国大使館のお知らせを確認してください。K-ETAを取る場合の手数料は1万ウォンと案内されています。
入国の際は、到着前にオンラインで入国申告(e-Arrival card)ができる仕組みもあります。また外務省によると、外国人は入国審査で指紋と顔の情報の提供を求められますが、17歳未満の人などは除かれます。高校1・2年生だと対象外の場合もあるので、旅程表と一緒に確認しておくと当日に慌てません。
公的な交流プログラムという選択肢
留学会社のプログラムのほかに、国や公的な団体が運営する日韓の高校生交流があります。期間は短いものの、韓国の高校などを訪れて同年代と交流する内容で、「まず韓国の学校を見てみたい」という段階に向いています。
公的な日韓の高校生交流(2026年度の例・当サイトが2026年10月1日に確認)
| 事業 | 運営 | 2026年度の日程 | 対象・申込みのしかた |
|---|---|---|---|
| 日韓高校生交流事業(派遣) | 文部科学省の委託で国立青少年教育振興機構が実施(2004年度から) | 2026年9月7日〜11日(ソウル市内など) | 韓国語を第2外国語として勉強する日本の高校生 |
| 高校生訪韓団(第1〜2団) | 公益財団法人 日韓文化交流基金 | 2026年11月1日〜7日(6泊7日) | 基金が「参加事務局」を募集する形(2026年度は6月19日締切)。生徒個人ではなく、学校などの単位で参加する仕組みとみられます |
どちらも2026年度の募集は終わっています。次年度に参加したい場合は、春から初夏にかけて両団体のサイトと在籍校の掲示を確認しておくと安心です(当サイトの目安。2026年度の日韓文化交流基金は6月19日締切)。特に日韓文化交流基金の訪韓団は学校などの単位で参加する仕組みとみられるため、在籍校が応募しているかどうかを先生に尋ねるところから始まります。なお同基金は、職業系の高校生を対象にした訪韓団(2026年度は10月18日〜24日)も実施しています。
民間の短期プログラムを選ぶときの確認点
- 授業はどこで受けるか:大学の短期課程か、民間の語学学校か。どちらも90日以内ならビザは要りませんが、授業時間や修了証の有無が違います。
- 対象年齢:大学の短期課程には年齢や学歴の条件があることがあります。高校生が参加できるかを募集要項で確認します。
- 滞在先と門限:寮・ホームステイ・シェアハウスのどれか。未成年の滞在先に、夜間の連絡体制と門限があるか。
- 引率と緊急時の対応:日本人スタッフが同行するか、現地に24時間連絡がつく窓口があるか。
- 料金に含まれないもの:航空券、海外旅行保険、現地での交通費・食費、空港送迎が別料金になっていないか。
高校生の短期留学の選び方そのものは、国を問わず共通の部分が多くあります。期間別の比較は高校生の短期留学ガイド、夏休みの時期の組み方は高校生の夏休み留学で詳しく扱っています。
91日以上は、ビザの種類で通える学校が決まる
POINT
91日以上滞在するには事前にビザが必要で、ビザごとに通える学校の種類が決まっています。語学研修のビザは大学付属の語学院だけが対象で、民間の語学学校は含まれません。韓国の高校に通うには別のビザ(D-4-3)を取ります。
JASSOの韓国ページは、留学の種類に関係なく、91日以上韓国に滞在する場合は事前にビザを申請する必要があると案内しています。どのビザを取るかは、通う学校の種類で決まります。高校生に関係するものを並べると次のとおりです。
高校生の韓国留学に関係するビザ(韓国法務部の指針・生活法令情報をもとに当サイトが要約)
| ビザ | 通える学校 | 高校生の場合 | 主な提出書類 |
|---|---|---|---|
| なし(90日以内) | 制限なし(短期の語学研修など) | 夏休み・春休みの研修はここに入る | パスポート(K-ETAは2026年12月31日まで免除) |
| D-4-1(韓国語研修) | 大学付属の語学院(平生教育施設・民間の語学学校は対象外) | ビザ上は高校以下の学校の在学生も対象。ただし語学堂の入学資格で高校卒業を求める例あり | 入学または在学を証明する書類、資金の証明(場合により身元保証書)(生活法令) |
| D-4-3(小中高への留学) | 韓国の小学校・中学校・高等学校、外国人学校など | 韓国の高校への交換・編入はここ | 入学許可書、在学証明書または卒業証明書、資金の証明(生活法令)。韓国の行政書士事務所の解説では、ほかに後見保証書などが求められるとされる |
| F-1・F-3など | (親の滞在資格に付随) | 親が韓国で働く・暮らす場合 | 親の在留資格による |
表の2行目が、高校生にとっていちばんの落とし穴です。法務部の指針は、語学研修のビザの対象を大学(専門大学以上)の付属語学院に限り、平生教育施設(日本の生涯学習施設に近いもの)や私設の語学学校は対象外と明記しています。2026年9月時点の韓国の生活法令情報も、D-4-1を大学付属の語学院で語学を学ぶ学生の区分として案内しています。つまり、民間の語学学校に91日以上通う目的では、語学研修のビザは出ません。
一方で、同じ指針はD-4-1の対象者を、高校以下の学校の在学生、または高校卒業以上の学歴がある人としており、ビザの上では高校在学中でも対象になります。ところが、語学堂の入学資格は大学ごとに決まります。たとえば高麗大学校の韓国語センターは、正規課程の志願資格を「高校を卒業した者あるいはそれに相応する修学能力のある在外同胞および外国人」としています。語学堂を考えるときは、ビザより先に、志望する語学堂が高校在学中の生徒を受け入れるかを募集要項で確かめてください。
91日以上滞在する場合は、入国日から90日以内に、住む地域を管轄する出入国管理事務所で外国人登録をする必要があります(駐日韓国大使館)。滞在先を変えたときは14日以内に届け出ます。寮やホームステイ先が変わる可能性がある計画では、手続きを誰が手伝うかを事前に決めておくと安心です。
避けたい
「語学堂ならビザが出る」と聞いて、高校在学中のまま語学堂の長期課程に申し込もうとする
こうすればOK
ビザの要件と語学堂の入学資格は別です。志望する語学堂の募集要項で、高校在学中の生徒を受け入れるかを先に確認します
避けたい
現地の知人の家に泊まりながら、民間の語学学校に通う計画を立てる
こうすればOK
91日以上なら、民間の語学学校には語学研修のビザが出ません。90日以内に収めるか、ビザの対象になる学校を選びます
韓国の高校に通う:入学許可と後援者が最初の関門
POINT
韓国の高校に通う外国人は、学校から入学許可書をもらい、D-4-3のビザを取ります。法務部の指針(2018年3月全面改正版)では、高校以下の留学は韓国国内に後援者がいる場合のみ認められます。学年は3月に始まり、日本とは1か月ずれています。
韓国の生活法令情報によると、D-4-3のビザを申請するときは、学校の入学許可書、在学証明書または卒業証明書、資金を証明する書類が必要です。最初に必要なのが入学許可書なので、受け入れてくれる学校を見つけることが出発点になります。外国籍の生徒を受け入れるかどうかは学校ごとに違います。在籍校が韓国の学校と協定を結んでいれば、その協定校への交換留学がいちばん手続きの見通しを立てやすい道です。
次の関門が後援者です。法務部の指針(2018年3月全面改正版)は、高校以下の正規の学校で学ぶ外国人について、国内に父母がいれば父母の滞在資格に付随する資格(F-1・F-3)、国内に後援者(個人または団体)がいればD-4-3としたうえで、高校以下の留学または研修は国内に後援者がいる場合にのみ許可すると定めています。未成年が一人で暮らすことを前提にしない制度だと考えると分かりやすいでしょう。
確認ポイント:後援者(行政書士事務所の解説では후견인=後見人と呼ばれています)に誰がなれるか、高校の寮に入る場合に後援者が不要になるかどうかについては、韓国の行政書士事務所などの解説で、寮に入る高校生は学校長の確認書があれば免除されるとするものがあります。ただし当サイトは、現行の法務部の資料でこの扱いを確認できていません。後援者の要件と必要書類は、受入校と駐日韓国大使館・総領事館に必ず確認してください。
韓国の学年は3月始まり。日本の学年とのずれをどう扱うか
韓国の小中高の学年度は、法律(初・中等教育法第24条第1項)で3月1日に始まり翌年2月末に終わると定められています。1学年を2学期に分け、1学期は3月1日から学校長が定める日まで、2学期はその翌日から2月末までです(同施行令第44条第1項)。高校は3年制です。
日本と韓国の高校の学年(当サイトの整理)
| 項目 | 日本 | 韓国 |
|---|---|---|
| 学年の始まり | 4月 | 3月1日 |
| 学期 | 2学期制または3学期制(学校による) | 2学期制(2学期は1学期終了の翌日から2月末まで) |
| 夏休みの時期 | 7月下旬〜8月 | 1学期と2学期の間(日程は学校が定める・当サイトの整理) |
| 高校の年数 | 3年 | 3年 |
日本の4月始まりとは1か月ずれるため、1年間の留学なら、韓国の2学期(夏休み明け)から翌年の1学期の終わりまでという組み方と、3月から翌年2月までという組み方が考えられます。どちらが良いかは、日本の高校に戻ったときに何年生のどの時期に復帰するかで決まります。復帰後の学年や留年の扱いは高校留学で留年しないためにで詳しく扱っています。
授業は韓国語。準備期間を計画に入れる
韓国の一般の高校の授業は韓国語で行われます。交換留学や編入で受け入れてもらえても、授業についていくには相当の韓国語力が必要です。手配業者の中には、高校への留学の前に数か月の韓国語の準備コースを置くところもあります。準備期間を含めると留学の期間が延び、そのぶん費用と日本の高校を離れる期間も増えます。韓国語をどの程度まで日本で身につけてから行くかを、計画の最初に決めておくと全体の長さが見えます。
日本の高校の単位と、その先の進路を先に確かめる
POINT
日本の高校に籍を置いたまま留学するなら、単位を認めるかどうかは在籍校の校長が決めます。制度上の上限は36単位です。語学学校での学習を認定に含めない学校もあるため、行き先の形によって扱いが変わります。
学校教育法施行規則第93条は、校長が生徒の外国の高校への留学を許可でき、留学先で修得した単位を36単位まで在籍校の単位として認定できると定めています。韓国の高校で学ぶ形(交換・編入)は、この制度の典型的な対象です。一方、第93条の単位認定の対象は外国の高校での履修です。語学学校での学習をどう扱うかは、在籍校に確認してください。制度の仕組みは高校留学の単位認定の仕組み、手続きの進め方は単位認定を確実に受ける手続きにまとめています。
在籍校に相談するときは、次の順に確認していくと話が具体的になります。
- 1留学として許可されるか:行き先が韓国の高校か、語学学校か、交流プログラムかで、留学扱い・休学扱い・欠席扱いのどれになるか。
- 2単位をいくつ認めるか:認定の上限、必要な書類(在籍証明・成績証明・授業時間の記録など)と、その書類を韓国の学校が出してくれるか。
- 3復帰後の学年:帰国後に元の学年に戻れるか、何年生のどの時期に戻るか。
- 4学費の扱い:留学中も日本の高校の授業料がかかるか(留学扱いか休学扱いかで変わることがあります)。
- 5受験への影響:推薦や総合型選抜で、評定や出席の扱いがどうなるか。
その先の進路も、行き先選びに関わります。帰国生入試(帰国子女枠)は、海外での在学期間を2年以上などと定める大学が多く、1年の留学では対象にならないことがあります(帰国子女枠と高校留学)。韓国の高校を卒業まで通う場合は、日本の大学に入る資格として「外国において学校教育における十二年の課程を修了した者」(学校教育法施行規則第150条第1号)に当たるかが論点になります(高校卒業留学)。
高校で韓国に行きたい子の中には、その先に韓国の大学への進学を考えている子もいます。延世大・ソウル大・高麗大の外国人選考は、本人と父母がともに外国籍であることや、高校を卒業する時期を出願資格にしており、日本の3月卒業では春入学に出願できない大学もあります。高校での留学経験そのものが出願資格になるわけではないので、大学進学を見据えるなら韓国の大学に日本人が進学するにはもあわせて確認してください。
費用:総額の相場より「費目」と「証明する額」で考える
POINT
韓国の高校留学の費用は、通う学校の種類と滞在先で大きく変わります。インターネット上の「1年いくら」という総額の相場には、1年分の内訳が示されていないものが多く、費目ごとに積み上げるほうが実態に近づきます。
今回精読した上位の記事には、1年で150万〜300万円といった期間別の総額レンジが載っていました。航空券・学費・滞在費・食費を含むといった注記はあるものの、1年分を費目ごとにいくらで見積もったかの内訳は示されていませんでした。学費は学校ごとに大きく違い、滞在先も寮・ホームステイ・下宿で差が出ます。ご家庭で見積もるときは、次の費目ごとに確かめるのが確実です。
韓国での長期滞在の主な費目(JASSOの2024年調査ほか。円は100ウォン=10円の当サイト概算)
| 費目 | 公開されている目安 | 高校生の場合の注意 |
|---|---|---|
| 学費 | 学校ごとに異なる | 入学許可の段階で、授業料・寮費・入学金を書面でもらう(ビザの資金証明にも使う) |
| 住まい | 下宿:保証金の平均100万ウォン、家賃40万〜50万ウォン(約4万〜5万円)/月(ソウル冠岳区の例) | JASSOの数値は大学生向けの例。未成年は寮かホームステイが基本で、受入校や後援者と相談して決める |
| 食費 | 外食は1食1万ウォン(約1,000円)近く(ソウル・2024年2月) | 寮やホームステイで食事が付くかで大きく変わる |
| 交通費 | 地下鉄1乗車1,400ウォン(約140円・カード) | 通学距離で変わる |
| 健康保険 | JASSOの2024年調査:6か月以上滞在する外国人は加入義務、月11万ウォン(約1.1万円)。留学ビザ(D-2)は半額 | D-4-3の高校生の加入時期と保険料の扱いは、国民健康保険公団で確認する |
| 海外旅行保険 | 日本で長期滞在向けの保険に加入できる | 韓国の健康保険の加入前の期間や、補償の範囲を比べて選ぶ |
| 渡航費 | 時期と出発地で変わる | 一時帰国の回数も見込んでおく |
| 手配・後援の費用 | 業者ごとに異なる | 留学会社に学校手配や後援者の役割を頼む場合の料金と、返金の条件を書面で確認する |
根拠のある実額の例としては、交換留学団体のYFUが、韓国への1学年派遣の参加費を178万円(選考料33,000円は別)と公式サイトで公表しています。含まれる費目と含まれないものの読み方はYFU交換留学の評判と費用で整理しています。保険の選び方は高校生の留学保険で詳しく扱っています。ここで特に大事なのが最後の行です。今回精読した手配業者のページでは、学校手配や後援者の役割を含むサービスの費用の一部として先に払うデポジットについて、「デポジットは返金不可です。」としていました。未成年の長期滞在は、何かあったときに誰が対応するかが費用以上に重要です。契約の前に、サービスに含まれる範囲(学校との連絡、病気のときの対応、24時間の連絡体制)と、途中で帰国する場合の返金の条件を必ず書面で確認してください。
トビタテで韓国に行く場合の目安
給付型の奨学金としては、トビタテ!留学JAPANの高校生等対象のプログラムが韓国も対象にしています。第11期の募集要項の奨学金月額表では、韓国はアジア(地域区分②)に当たり、家計基準内なら月額12万円、家計基準外なら月額6万円です。このほか、アジア地域への留学準備金として15万円に6万円を増額した額(計21万円)が示されています。ただし同じ要項は、語学学習のみを行う計画を支援の対象外とし、受入先機関(個人による受入れは不可)があることを要件にしています。韓国語を学ぶだけの計画では応募できず、交流や探究の活動を組み込む必要があります。
第12期の募集要項は2026年10月に公開予定と案内されており、金額や要件は期ごとに変わることがあります。制度の全体像はトビタテ留学JAPAN 高校生コース、計画書の書き方はトビタテ応募の書き方で解説しています。
治安:外務省の情報から、保護者が家庭のルールにしておくこと
POINT
2026年10月1日時点で、外務省は韓国に危険情報を出していません。一方で、安全対策基礎データには、日本人が巻き込まれる詐欺・盗撮・違法薬物の事例が具体的に書かれています。10代の子に関係が深いものを、出発前に家庭のルールにしておきます。
外務省の海外安全ホームページでは、韓国には危険情報も感染症危険情報も出ていません(2026年10月1日確認)。安全対策基礎データは、治安は比較的安定しているとしつつ、韓国警察庁の統計で2022年の犯罪発生総件数が1,482,433件、人口10万人あたりでは詐欺などの知能犯罪(787.5件)が最も多いと紹介しています。注意すべき点は、凶悪犯罪よりも、だまされる・巻き込まれるタイプの被害です。
外務省の安全対策基礎データにある事例と、家庭で決めておきたいこと
| リスク | 外務省の記述(要約) | 家庭のルールの例 |
|---|---|---|
| チケット・投資の詐欺 | ネットで知り合った相手に、アイドルグループのチケット入手などの名目で送金し、連絡が取れなくなる。SNSで知り合った相手から投資に誘われる | チケットは公式の販売経路だけで買う。SNSで知り合った人への送金は、金額にかかわらず親に相談してから |
| 盗撮 | 盗撮が社会問題になっている。公衆トイレや宿泊施設の利用に注意。逆に、路上で女性の後ろ姿を撮影して通報・逮捕された例もある | 公衆トイレや宿泊先では不審な穴や機器がないか気をつける。自分が撮るときは相手と場所に配慮し、撮影禁止の表示がある場所では撮らない |
| 違法薬物 | 2023年にソウル江南区で予備校生らを対象に麻薬入りの飲み物が配られた。少量の所持でも10年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金 | 知らない人から飲み物や食べ物を受け取らない。繁華街での「無料」「試飲」の誘いに応じない |
| 運び屋 | 荷物の運搬を軽い気持ちで引き受け、違法薬物の運び屋にされた例がある。「知らなかった」では罪を免れない | 知人からの頼みでも、中身の分からない荷物を預からない |
| スリ・置き引き | 食事中や手続き中に目を離したすきの置き引き、駅や市場、繁華街でのスリ | 17歳以上は旅券(長期滞在なら外国人登録証)の常時携帯が法律上の義務(違反は100万ウォン以下の罰金)。身体に密着させて持ち、コピーと連絡先カードは別にしておく |
韓国に関心を持つきっかけがK-POPやドラマである子は多く、推し活に関わる詐欺は他人事ではありません。チケットの個人間取引やSNSでの「代行」は、トラブルになっても取り戻すのが難しい分野です。出発前に、どこまでを子どもの判断に任せ、どこからは親に相談するかを話し合っておくと、現地で迷ったときの判断の基準になります。
女の子を留学に出す場合の考え方は高校留学と女子の安全にまとめています。また外務省は、外国人の政治活動は原則禁止されていること、軍事施設などは撮影が禁止されていることも案内しています。デモの現場に近づかない、撮影禁止の表示に従うといった基本も、出発前に一度伝えておくと安心です。
避けたい
「韓国は近いし治安もいいから」と、連絡のルールを決めずに送り出す
こうすればOK
危険情報が出ていない国でも、詐欺や薬物の誘いは身近にあります。送金・荷物・飲み物の3点だけは、出発前に家庭のルールにしておきます
韓国の高校留学が向いている子・慎重に考えたい子
POINT
韓国は日本から近く、短期なら始めやすい国です。一方で長期になると、語学の壁と制度の制約が英語圏よりはっきり出ます。目的が「韓国語」なのか「韓国の学校生活」なのか「韓国の大学進学」なのかで、合う形が変わります。
目的別に合う形(当サイトの整理)
| 子どもの目的 | 合いやすい形 | 慎重に考えたい点 |
|---|---|---|
| 韓国語を伸ばしたい | 夏休み・春休みの短期研修を重ねる。本格的には高校卒業後に語学堂 | 高校在学中に91日以上、語学だけを学ぶ形は組みにくい |
| 韓国の学校生活を経験したい | 協定校への交換留学、公的な交流プログラム | 受入校が限られ、後援者と韓国語力の準備が要る |
| 韓国の大学に進学したい | 日本の高校を卒業し、外国人選考で出願する | 出願資格は国籍と卒業時期で決まる。高校での留学経験が出願資格になるわけではない |
| K-POPやダンスを学びたい | 短期のプログラムで体験する | 芸能活動を前提にした長期の計画は、学業・ビザ・契約の確認がより重い |
向き不向きは、韓国が好きかどうかよりも、「何のために行くのか」を子どもが言葉にできるかで見えてきます。「韓国に行きたい」と言われたときの受け止め方は子どもが留学したいと言い出したらで詳しく扱っています。韓国以外の国と比べたい場合は、高校留学の基礎ガイドから国ごとの特徴を確認できます。
準備の段取り:在籍校への相談から逆算する
POINT
韓国の高校留学の準備は、行き先探しより先に在籍校への相談から始めます。長期なら受入校探しと後援者の確保に時間がかかるため、出発の1年前には動き始めるのが目安です(当サイトの目安)。
- 1目的と期間を決める:短期(90日以内)か長期(91日以上)か。この時点で選べる形が絞られます。
- 2在籍校に相談する:留学として許可されるか、単位と復帰後の学年、学費の扱い。協定校や学校単位の交流プログラムがあるかもここで尋ねます。
- 3受入先を探す:公的な交流プログラム → 在籍校の協定校・交換留学団体 → 民間のプログラムの順に検討すると、費用と安全の見通しを立てやすくなります。
- 4長期なら後援者と滞在先を決める:後援者の要件と必要書類を受入校・駐日韓国大使館に確認し、寮かホームステイかを決めます。
- 5ビザを申請する:91日以上なら、入学許可書などをそろえて大使館・総領事館に申請します。
- 6保険と連絡体制を整える:海外旅行保険、韓国の健康保険の加入時期、緊急時の連絡先と連絡の頻度を決めます。
- 7出発前の確認:K-ETAの扱い(2027年以降は要確認)、入国申告、家庭のルール(送金・荷物・飲み物)。
短期の研修なら、準備の中心は在籍校への届け出と保険、家庭のルールづくりになります。長期の場合は、受入校から入学許可書が出るまでの時間が読みにくく、後援者の手配も必要になるため、早めに動くほど選択肢が残ります。トビタテに応募するなら、在籍校での校内選考の締切がさらに前にあることにも注意してください。
まとめ:まず期間を決め、在籍校に相談する
POINT
韓国の高校留学は、90日以内なら選択肢が広く、91日以上は原則として、韓国の高校か大学付属の語学堂に限られます(親が韓国に住む場合などを除く)。長期の留学は、入学許可と後援者が関門です。
- 90日以内は、日本国籍ならビザなしで語学研修に参加できます。K-ETAの免除は2026年12月31日まで。
- 91日以上は、語学研修のビザ(D-4-1)が大学付属の語学院だけを対象にし、民間の語学学校は対象外です。語学堂は高校卒業を入学資格にしていることがあります。
- 韓国の高校に通うには、入学許可書と資金の証明をそろえてD-4-3を取ります。法務部の指針(2018年全面改正版)では国内の後援者が必要です。
- 日本の高校の単位は在籍校が判断し、上限は36単位。語学学校での学習は認定に含めない学校もあります。
- 治安は危険情報なし。ただし詐欺・盗撮・薬物の事例があり、送金・荷物・飲み物のルールを決めておきます。
「韓国に行きたい」という子どもの気持ちを、どの形なら実現できるかに置き換えるのが保護者の役割です。期間を決め、在籍校に相談し、公的なプログラムから順に選択肢を確かめていけば、制度の壁にぶつかる前に現実的な計画を立てられます。
Q.高校生でも韓国の大学の語学堂に通えますか?
語学堂によります。ビザの上では、法務部の指針が語学研修のビザ(D-4-1)の対象に、高校以下の学校の在学生も含めています。しかし語学堂の入学資格は大学ごとに決まり、高麗大学校の韓国語センターのように正規課程の志願資格を高校卒業(またはそれに相応する力)とするところがあります。志望する語学堂の募集要項で、高校在学中の生徒を受け入れるかを確認してください。詳しくは本文の「91日以上は、ビザの種類で通える学校が決まる」を参照してください。
Q.夏休みの1か月だけ韓国の語学学校に通う場合、ビザは必要ですか?
日本国籍なら、90日以内の語学研修は査証免除で入国できます(外務省)。出発前の電子渡航認証(K-ETA)も、2026年12月31日までは免除されています。2027年1月以降に渡航する場合は、K-ETAの公式サイトと駐日韓国大使館のお知らせで最新の扱いを確認してください。
Q.民間の語学学校に半年通うことはできますか?
91日以上の滞在で民間の語学学校に通う目的では、語学研修のビザ(D-4-1)は出ません。法務部の指針は、語学研修のビザの対象を大学付属の語学院に限り、私設の語学学校や平生教育施設を対象外としています。半年学びたい場合は、韓国の高校への留学(D-4-3)を検討するか、90日以内の研修を夏と春に分けるか、高校卒業後に語学堂に通う形を考えます。
Q.親が付き添わずに、子どもだけで韓国の高校に通えますか?
制度上は、国内の後援者がいればD-4-3のビザで通う形があります。法務部の指針(2018年3月全面改正版)は、高校以下の留学を、国内に後援者がいる場合にのみ許可するとしています。高校の寮に入る場合に後援者が不要になるとする解説もありますが、当サイトは現行の公的資料で確認できていません。後援者の要件と必要書類は、受入校と駐日韓国大使館・総領事館に必ず確認してください。
Q.韓国の高校に1年留学すると、日本の高校で留年しますか?
在籍校の判断によります。学校教育法施行規則第93条により、校長が留学を許可すれば、留学先で修得した単位を36単位まで認定できます。認定されれば、留学しても元の学年で進級・卒業できる場合があります。ただし認定の条件や必要書類は学校ごとに違うため、出発前に在籍校で確認してください。詳しくは高校留学で留年しないためにを参照してください。
Q.トビタテの奨学金で韓国に留学できますか?
韓国も対象になります。第11期の募集要項の月額表では、韓国はアジア(地域区分②)に当たり、家計基準内なら月額12万円、家計基準外なら月額6万円です。ただし語学学習だけの計画は支援の対象外で、受入先機関があることも要件です。第12期の募集要項は2026年10月に公開予定と案内されているので、最新の要項で金額と要件を確認してください。
出典:外務省 海外安全ホームページ 韓国「安全対策基礎データ」(更新日2025年7月9日)・「危険・スポット・広域情報」(2026年10月1日確認)、駐日韓国大使館「K-ETA一時免除期間の延長のご案内(2025.12.24)」「一般研修、留学」、韓国法務部「外国人留学生 査証発給及び滞在管理指針」(2018年3月全面改正版。2022年に韓国の大学が掲載したもの)、韓国法制処 生活法令情報「外国人留学生」(2026年9月15日基準)、高麗大学校韓国語センター「正規課程 入学案内」、JASSO 海外留学情報「生活情報(韓国)」「渡航・滞在(韓国)」(2024年調査)、国立青少年教育振興機構「日韓高校生交流事業」、日韓文化交流基金「2026年度 高校生訪韓団 団員募集について」、トビタテ!留学JAPAN 第11期【高校生等対象】募集要項、YFU日本国際交流財団の公式サイト(既存記事の整理を参照)、学校教育法施行規則。二次情報として、韓国の行政書士事務所の解説、当サイトが精読した上位の記事と手配業者のページ(2026年10月1日取得)を参照しています。ビザ・入国手続き・奨学金の要件は変更されることがあります。必ず各機関の最新の情報でご確認ください。









