このページの要点

日本の番号は「保管」「安いプランで維持」「解約」から選び、現地では現地SIMかeSIMを使うのが基本です。

  • 番号を残すだけなら番号保管サービス(ドコモ月440円・au月409円・ソフトバンク月429円、いずれも税込)。ただしドコモ・auは保管中の通話・通信を使えないと案内しており(auはSMSも明記)、SMSの認証コードも受け取れなくなります。
  • SMSを受け取り続けたいなら、回線を生かしたまま安いプランに移す方法があります(海外でSMSを受け取れるかは各社で確認)。povo2.0は基本料0円ですが、180日間有料トッピングの購入がないと利用停止になることがあるなど、維持の条件があります。
  • 手続きは回線の名義人がします。18歳未満の契約には親権者の同意が必要で、ahamo・LINEMOは18歳未満の名義では契約できません。親名義の回線なら、保管も乗り換えも親の手続きです。

1年前後の高校留学では、日本のスマホ契約を「番号保管」「安いプランでの維持」「解約」のどれにするかと、現地で使う回線(現地SIM・eSIM)の用意を分けて考えます。海外ローミングの定額は1日980円前後のため、数か月以上の滞在で使い続けると高額になります。番号保管は安い一方、ドコモ・auでは保管中にSMSが届かないため、LINEや銀行などの認証を日本の番号で受けている場合は、出発前に認証の手段を切り替えるか、回線を生かしておく必要があります。この記事では、各社の公式ページと総務省・法令の原文をもとに、名義の確認から帰国時の注意まで、保護者が決めることを順番に整理します。

本記事の料金・条件は、2026年10月19日に当サイトが確認した各社の公式ページ(ドコモ・ahamo・au・UQ mobile・povo・ソフトバンク・LINEMO・楽天モバイル・日本通信)、総務省の資料、e-Govの法令データにもとづきます。ahamoは2026年12月1日に、au海外放題は2027年2月1日に料金・仕様の改定が予告されています。申し込む前に必ず各社の公式ページで最新の条件を確認してください。ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルは、海外ローミングの料金に消費税がかからないと案内しています(楽天モバイルは「不課税」と表記)。

結論:日本の回線と現地の回線は分けて決める

POINT

決めることは2つです。日本の番号をどう残すか、そして現地で何につなぐか。滞在が長いほど、日本の回線は「安く残す」、現地は「現地の回線」が基本になります。

留学中のスマホ選びを1つの答えにまとめようとすると、迷いが長引きます。日本の回線は帰国後の生活とLINE・銀行などの認証のために残すかどうかを決めるもので、現地の回線は留学中に毎日つなぐためのものです。役割が違うので、日本の番号の扱いと現地の通信手段を分けて決めると、選択肢がすっきりします。

結論早見表:留学の期間ごとの基本形(各社の公式情報をもとに当サイトが整理)

留学の期間日本の回線現地での通信理由
2週間程度まで(短期・語学研修)そのまま契約を続ける日本の会社の海外ローミング定額(1日980円前後)日数が短ければ定額の合計が小さい。手続きも最小限
1〜3か月(ターム留学)そのまま続けるか、安いプランへ移す現地SIM・eSIM(Wi-Fi中心でも可)1日980円の定額を毎日使うと30日で29,400円(無料日数や長期割のあるプランは別)
半年〜1年(交換留学・私費の1年留学)番号保管、または安いプランで維持現地SIM・eSIM日本の月額を下げつつ、帰国後に同じ番号を使える
3年以上(現地の高校を卒業)番号保管(ドコモ最長6年・au/ソフトバンク最大5年)か、安いプランで維持。使わないなら解約現地の回線保管期間の上限を超える場合は維持か解約を選ぶ

上の表の「1日980円前後」は、ドコモ「世界そのままギガ」の24時間980円、ソフトバンク「海外あんしん定額」の定額国L 980円/日などの案内にもとづきます。この単価で30日使い続けると29,400円です(当サイトの計算)。一方、当サイトのアメリカ・カナダなどの費用記事では、現地SIMの通信費を月2,000〜5,000円(端末代は別)と見込んでいます。数か月以上なら現地の回線が基本になるのはこの差のためです。

留学の準備全体の締切と順序(パスポート・ビザ・在籍校の手続き)は高校留学の準備に、スーツケースに入れる物の判断は高校留学の持ち物にまとめています。この記事は、そのうちスマホの契約だけを掘り下げます。

最初に確認:その回線の名義は親か、子どもか

POINT

番号の保管・乗り換え・解約は、回線の名義人(契約者)が行う手続きです。高校生の回線は親名義のことも、本人名義のこともあります。まず契約書類やマイページで名義を確かめてください。

日本では2022年4月1日から成年年齢が18歳になり、民法第4条は「年齢十八歳をもって、成年とする。」と定めています。同第5条は「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」としています。携帯電話の契約もこれに当たるため、18歳未満の子どもが本人名義で契約する場合は親権者の同意書が必要です。高校3年生で18歳になっていれば、同意は要りません。

主な携帯会社の未成年の契約条件(各社の公式ページ・2026年10月19日時点)

会社・ブランド18歳未満が本人名義で契約親名義で子どもが使う形
ドコモできる(親権者の同意書などが必要。小学生以下は親権者名義)できる(利用者として登録)
ahamoできない(契約は18歳以上)できる(親名義で18歳未満を利用者登録)
auできる(親権者の同意が必要。小学生以下は親権者名義)できる(利用者登録は家族割の対象範囲内)
UQ mobile中学進学の3か月前からできる(親権者同意書が必要)小学生以下は親権者名義。利用者登録の可否は公式で確認
povo2.013歳以上ならできる(親権者の同意と同席が必要)できる(親が利用者登録すれば13歳未満も利用可)
ソフトバンクできる(親権者の同意書が必要。12歳未満は親権者名義)12歳未満は親権者名義。利用者登録の可否は公式で確認
LINEMOできない(契約は18歳以上)できる(18歳以上を契約者とし、本人は使用者)
楽天モバイルできる(法定代理人の同意書が必要。18歳未満は「あんしんコントロール」の契約が必須)利用者登録の制度はない(公式コラム)

この表から分かるのは、留学前に安いプランへ移すとき、移り先によっては子ども本人の名義で契約できないということです。ahamoとLINEMOは18歳未満の名義では契約できず、親が契約者になります。povo2.0は13歳以上なら本人名義で契約できますが、未成年の場合は親権者の同意と同席が求められます。auの利用者登録制度も「料金そのほか回線のご利用により発生した債務は、…ご契約者にお支払いいただきます。」と明記しています。料金は契約者に請求されるので、親名義なら留学中の請求は親に届きます。

名義の確認が先なのは、手続きをする人と来店・本人確認の要否が名義で決まるからです。たとえばソフトバンクの番号保管は、本人確認書類を持ってソフトバンクショップで手続きすると案内されています。子ども本人の名義で、手続きに本人の来店が要る会社なら、出発前に本人が行ける日を確保しなければなりません。

日本の番号をどうするか:保管・安いプランで維持・解約の比較

POINT

番号を残す方法は2つあります。保管サービスで「止めて残す」か、安いプランで「生かして残す」かです。止めて残すほうが安く済みますが、ドコモ・auでは保管中にSMSも届かなくなります。

大手3社には、留学や海外赴任で長く使わない間、電話番号を預かるサービスがあります。ドコモは「海外赴任・留学などで長期間利用されない場合に、…電話番号およびメールアドレス(spモード)を最長6年間保管し、ご帰国後などに再利用できます。」と案内しています。

大手3社の番号保管サービス(各社の公式ページ・税込・2026年10月19日時点)

項目ドコモ「電話番号保管」au「一時休止」ソフトバンク「電話番号・メールアドレスお預かりサービス」
月額440円(メールアドレス保管は+110円)409円(ほかにユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料)429円
申込の手数料4,950円(ドコモオンライン手続きなら1,100円)4,950円(My auなら3,850円)公式ページで確認(記載を確認できず)
保管できる期間最長6年。満了で契約解除最大5年。満了で契約解除最大5年。満了で契約解除
保管中に使えるもの使えない(申込の時点で通話・通信が止まる)使えない(電話・ネット・メール・SMSなど)公式ページで確認
注意ahamo・データ専用プランなどは申込不可。予約申込はできない。満了の案内は請求内訳書などで、メールでの通知はない再開の手数料は無料手続きはショップ。特典・割引は解除される。保管中は解約や他社への転出も受け付けない。期間満了の事前通知はない
1年保管した場合(当サイトの概算)約6,380円(オンライン申込1,100円+440円×12か月)約8,758円(My au申込3,850円+409円×12か月)+ユニバーサルサービス料等約5,148円(429円×12か月)+申込の手数料

1年保管の概算は、申込の月や再開の月の扱い(日割りなど)を含めない単純計算です。ドコモとソフトバンクは、保管中も端末代の分割払い(機種代金の残り)は続くと案内しています。なおahamoは「電話番号保管(休止や一時停止)は提供しておりません。」としています。ahamoの回線で番号を残したい場合は、保管ではなく、回線を使える状態のまま残す方法を考えることになります。

回線を生かしたまま安く残す方法としては、次のようなプランがあります。いずれも海外での利用条件が会社ごとに違うので、表の右端の列を必ず見てください。

回線を生かしたまま安く残す主な選択肢(各社の公式ページ・2026年10月19日時点。楽天モバイルは税込、日本通信は公式ページの表示額)

プラン月の基本料維持の条件・注意海外での利用
povo2.00円180日間有料トッピングの購入などがないと利用停止になることがあり、その後30日間も購入などがなければ契約解除。国内の通話・SMSなどの従量料金が180日で税込660円を超える場合などは対象外通話+データの契約は海外ローミングを利用可(データは海外データトッピングを購入)。データ専用プランは利用不可
楽天モバイル(Rakuten最強プラン)3GBまで税込1,078円データ量に応じて料金が上がる海外の対象107の国と地域で高速データ2GBまで(プラン料金に含む)。超過後は最大128kbps(1GBあたり500円のデータチャージで高速通信を追加できる)。渡航前に日本で楽天モバイルの回線に接続しておく必要がある
日本通信「合理的シンプル290プラン」290円(公式ページの表示)長期間使わない月がある人向けと案内。未成年の契約条件は公式で確認海外の滞在国で通話とSMSが利用可(料金は国・地域で異なる)

povo2.0の条件は誤解されやすいので補足します。公式の仕様ページは「180日間以上有料トッピングの購入等がない場合、利用停止、契約解除となることがあります。」と明記しており、利用停止や契約解除の前にはメールアドレスかSMSに通知が届きます。判定は、その日から遡った180日間に購入があるかどうかなので、どの日から数えても直前180日以内に購入がある状態を保つ必要があります。出発の直前に買った場合、1年の留学なら留学中に約5か月(150日)ごと、遅くとも前回の購入から180日以内に、目安として2回の購入が必要です(当サイトの計算。6か月は181〜184日あり180日を超えるので、「6か月ごと」では間に合いません。たとえば留学1か月目にもう1回買っただけでは、その約6か月後に180日の空白ができます)。利用停止の間は回線を使えないので、SMSの認証コードも受け取れなくなります。海外にいる間にアプリから購入できるか、支払いのカードが使えるかは、出発前にpovoの公式サポートで確かめておくと安心です。キャッシュバックなどで実質無料になるトッピングは、購入として扱われないことがあるとも書かれています。

解約を選ぶのは、帰国後に同じ番号を使う必要がない場合や、保管期間の上限(ドコモ6年、au・ソフトバンク5年)を超える長い留学の場合です。他社へ番号を移すMNPの手数料は、総務省のガイドライン改正(2021年4月1日)で原則無料になりました。総務省は「利用者が負担する料金の額は、無料です。」としたうえで、対面や電話でMNP予約番号を発行する場合は千円以下の額に消費税を加えた額がかかりうると説明しています。ウェブで手続きすれば転出の手数料は無料です。ただし総務省は、移り先の会社と新たに契約する際に「契約事務手数料が必要となる場合がございます」とも説明しているので、移り先の料金表で確認してください。

番号を止める前に:LINEと銀行のSMS認証を確認する

POINT

番号保管を選ぶ場合に一番の落とし穴になるのが、SMSによる本人確認です。ドコモ・auの保管中は認証コードが届かない(auはSMSも使えないと明記、ドコモは通話・通信が止まりdアカウントのセキュリティコードも受信できないと明記)ので、出発前に認証の手段を切り替えておきます。

LINEのアカウントは電話番号と結びついています。LINEのヘルプは、電話番号を変更すると「新しい番号でLINEアカウントの認証が行われます。」「認証はSMSの受信で行えます。」と説明しています。さらに、他国の番号への変更について、案内の対象を日本・台湾・タイ・香港・韓国の番号とし、「※上記以外の国の電話番号に変更/登録することはできません」としています。アメリカやカナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドの現地番号は、LINEの登録番号には使えません。同じページの他国番号への変更手順の中には、アカウントを引き継ぐときのログインについて「※現在の利用国が日本⋅台湾⋅タイ⋅香港⋅韓国以外の場合は、メールアドレスのみ入力できます」という注記もあります。ここから、留学先でLINEを引き継ぐ場面ではメールアドレスとパスワードが頼りになると考えておくのが安全です(当サイトの読み方)。

もう1つ注意したいのが、解約した番号の扱いです。LINEのヘルプは「解約済みや変更した電話番号をLINEに登録したままにしていると、突然LINEが使えなくなることがあります。」とし、理由を「電話番号を解約して一定期間が経過した後、古い電話番号が他の方に再割り当てされ、その方がLINEを利用した場合に起こります。」と説明しています。日本の番号を解約するなら、出発前にLINEへメールアドレスとパスワードを登録しておくことが欠かせません。

日本の番号の扱いごとに、SMSで受ける認証がどうなるか(当サイトの整理)

日本の番号の扱い留学中にSMSを受け取れるか出発前にやること
そのまま契約を続ける(ローミング)海外ローミングの設定と各社の条件による海外でSMSを受け取れるか各社の海外利用の案内で確認
安いプランで維持プランの海外利用条件による(日本通信の290プランは通話とSMSが利用可と案内)移り先で海外ローミングが使えるかを確認。povoはデータ専用プランだと利用不可
番号保管ドコモ・auは受け取れない(通話・通信が止まる)。ソフトバンクは申込前に確認LINEにメールアドレスとパスワードを登録。銀行・証券などのSMS認証を、アプリ認証など別の手段に切り替え
解約受け取れない。番号は将来ほかの人に割り当てられうる上に加え、各サービスに登録した電話番号を変更・削除

携帯会社自身のアカウントも同じです。ドコモは、dアカウントのセキュリティコードの送信先を電話番号にしている場合、「「電話番号保管」中はセキュリティコードを受信できません。」と明記しています。銀行・証券・クレジットカード・行政のオンラインサービスなど、ログインや取引の確認にSMSを使うサービスは少なくありません。どのサービスが何で認証しているかは家庭ごとに違うので、子どもが使っているサービスを親子で一緒に書き出し、SMS以外の認証手段(認証アプリやメール)に切り替えられるかを各サービスで確認してください。留学中に仕送りや学費の支払いで使う口座は、とくに先に確認しておきます。

避けたい

出発当日に空港で番号保管を申し込み、そのまま搭乗する。

こうすればOK

ドコモの番号保管は申し込んだ時点で止まるので、LINEや銀行の認証を切り替え終えてから、出発直前に申し込む。

避けたい

日本の番号を解約し、LINEはそのまま使えると思い込む。

こうすればOK

解約の前にLINEへメールアドレスとパスワードを登録し、引き継ぎの手段を確保しておく。

避けたい

povo2.0を0円で放置し、1年後に帰国したら番号が使えなくなっていた。

こうすればOK

どの日から数えても直前180日以内に有料トッピングの購入がある状態を保つ。1年なら留学中に約5か月(150日)ごと(目安2回)の購入日を家族のカレンダーに入れ、海外からの購入方法を出発前に確かめておく。

現地で何につなぐか:ローミング・現地SIM・eSIM・Wi-Fi

POINT

数か月以上の留学では現地SIMかeSIMが基本です。そのためには端末のSIMロックが解除されている必要があります。2021年10月以降に発売された端末と、2023年10月以降に販売された端末は、原則として最初からSIMロックがかかっていません。

現地での通信手段の比較(各社の公式情報と総務省資料をもとに当サイトが整理)

手段向いている期間費用の目安注意点
日本の会社の海外ローミング定額数日〜2週間程度1日980円前後(ドコモ・ソフトバンクの定額など)ahamoは海外でデータ通信した日から15日を過ぎると最大128kbpsに制限
現地SIM(物理SIM)1か月以上月2,000〜5,000円程度(当サイトの費用記事の目安・端末代は別)SIMロック解除が前提。購入や開通に本人確認が要る国がある
eSIM旅行〜長期までプランによる端末がeSIMに対応しているかを設定画面で確認
現地で端末を買う・現地の携帯会社と後払い契約長期(卒業留学など)会社・プランによる18歳未満が本人名義で後払い契約できるかは各社の規定による。契約に求められる身分証明・支払い方法も各社で確認。帰国後に日本で使うなら技適マークの確認が必要(下の「帰国するとき」の章)
ポケットWi-Fi(レンタル)短期の補助レンタル会社の料金による端末と充電器を持ち歩く必要がある。長期では割高になりやすい
Wi-Fiのみ滞在先と学校にWi-Fiがある場合の補助滞在先の環境による外出先で連絡がとれない。緊急時の連絡手段を別に確保する

SIMロックについて、総務省はガイドラインを改正し、「SIMロックを原則禁止とし、2021年10月1日以降発売される携帯電話端末については、…SIMロックが設定されていない端末を販売することが義務付けられている」と整理しています。同じ資料は、2023年10月1日以降に販売される全ての端末もSIMロックなしで販売するとしています。総務省のQ&Aが「2021年10月以降も、それ以前に「発売」されたスマートフォンが「販売」されています。」と注意しているのは、2023年9月以前に販売された旧機種や、中古で手に入れた端末に当てはまる話と読めます(当サイトの読み方)。2021年9月以前に発売された機種を、2023年9月以前に買った場合は、各社のマイページなどでSIMロックの有無を確認し、かかっていればウェブで解除してください。総務省のガイドライン改正の資料は、2023年10月1日以降は全ての端末について申出に応じていつでも全てのチャネルで無料解除と整理していますが、総務省のQ&Aには「電話や店舗では3,300円かかる場合もあります。」との記載も残っているため、ウェブで解除するのが確実です(Q&Aもウェブでの解除は無料としています)。

現地のSIMを子どもが自分で契約できるかは、国と通信会社によって違います。成年年齢は、イギリス(イングランド・ウェールズ)が18歳、カナダはオンタリオ州が18歳・ブリティッシュコロンビア州が19歳と、同じ国の中でも州で異なります。アメリカは州ごとに異なります(当サイトは各州の原文を確認していません)。後払い(ポストペイド)の契約を18歳未満が本人名義で結べるかは各社の規定によるため、当サイトは国ごとに一律の基準を示す公的な資料を確認できていません。高校生の場合は、プリペイドSIMやeSIMを選ぶか、ホストファミリーや学校、留学の手配先が案内する方法に従うのが現実的です。

プリペイドでも本人確認が必要な国があります。オーストラリアでは、通信事業者はプリペイドの携帯サービスを開通する前に、規則に定める方法で利用者の本人確認をしなければなりません(Telecommunications (Service Provider — Identity Checks for Prepaid Mobile Carriage Services) Determination 2017)。本人確認に使える書類にはパスポートが含まれているので、到着後にSIMを買う場合はパスポートを手元に用意しておきます。

現地SIM・eSIMの入手ルートと、用意するもの(当サイトの整理。具体的な商品・店舗は渡航先と時期で変わるため各社の案内で確認)

入手ルートいつ・どこで用意するもの開通の注意
日本で事前に用意する(eSIM・プリペイドSIM)出発の1か月前〜直前に、日本で購入SIMロック解除済み・eSIM対応の端末(eSIMの場合)、物理SIMなら端末に合うサイズ(多くのスマホはnanoSIM)、支払いのカードeSIMはQRコードなどで設定。到着後すぐ通信できる一方、使える期間と容量に上限があることが多い
到着後に空港や通信会社の店舗で買う到着した空港、または街の通信会社の店舗パスポート(本人確認が要る国がある)、SIMロック解除済みの端末(SIMのサイズかeSIMかを店頭で伝える)、支払いの手段店頭で開通まで済ませると安心。手動の設定(APN)が要る場合は店員に確認する
学校・ホストファミリー・手配先の案内に従うオリエンテーションや到着後の生活案内案内された書類・端末学校が回線や機種を指定する場合や、家族のプランに加わる形をとる場合がある

どのルートでも、日本で最後にやっておきたいのはSIMロックの解除とeSIM対応の確認です。到着後に買う場合は、空港にWi-Fiがあっても、滞在先までの移動中は日本の回線のローミングか事前に用意したeSIMがないと連絡がとりにくくなります。到着日の連絡手段だけは日本で決めておくと、空港での待ち合わせで困りません。

学校の側から現地の回線を求められることもあります。当サイトのアメリカのボーディングスクールの記事で紹介しているように、米国のデータ通信プランを契約した携帯電話の所持を求める学校もあります。ホームステイの場合は、家庭ごとにスマホの使用時間やWi-Fiの使い方にルールがあることも多いので、高校留学のホームステイもあわせて確認してください。交換留学の派遣団体や学校が独自のルールを定めていることもあるので、配布される規則や説明会の資料を先に読んでおきます。

請求は親に届く:高額請求とフィルタリングへの備え

POINT

親名義の回線なら、海外での通信料は契約者である親に請求されます。また、18歳未満が使う回線のフィルタリングは日本の携帯会社に課された義務で、現地の回線に切り替えた後のことは家庭で決めておく必要があります。

海外での使い方による高額請求は以前から相談が寄せられています。総務省の資料「具体的な相談事例の公表とその対処法」(2011年作成)には、「渡航先の米国で日本から持参した携帯電話を使ったが、帰国後、通話料とパケット通信料金 5 万円の請求があった。」「海外で携帯電話をパソコンに接続して、8時間使用したら 50 万円近く請求された。」といった例が並びます。2016年作成の同名の資料には、海外で知らない間にアプリの更新が行われて高額になった例や、旅行中の子どもが携帯電話をなくしたという相談も載っています。いずれも10〜15年前の事例ですが、定額サービスを申し込まずに使ったときや、定額の対象外の使い方をしたときに、使った分の請求が後から届くという点は、出発前に家族で確認しておきたいところです。

  1. 1出発前に、日本の回線の海外ローミングを使うかどうかを決める。使わないならスマホの設定でデータローミングをオフにし、現地SIMに切り替える手順を子どもと一緒に確認する。
  2. 2使う場合は、定額サービスの対象国と申し込み方法を確認する。ドコモ「世界そのままギガ」のように国内プランのデータ量を使う仕組みもあれば、au海外放題のように24時間単位で料金がかかるものもある。
  3. 3紛失・盗難のときの連絡先を控えておく。回線を止める手続きは名義人が行うので、親が各社の窓口を把握しておく。

フィルタリングについては、青少年インターネット環境整備法が18歳未満を「青少年」とし、携帯会社に対して、契約の相手方や使用者が青少年かどうかを確認する義務(第13条)、フィルタリングの必要性を説明する義務(第14条)、保護者が利用しない旨を申し出た場合を除きフィルタリングの利用を条件として提供する義務(第15条)を課しています。ドコモは「法令等により、18歳未満の青少年が利用する場合、原則「フィルタリングサービス」へご加入いただき、機種販売時に設定を行うことが義務付けられております。」と案内しています。

この義務を負うのは、法律が対象とする携帯会社(携帯電話インターネット接続役務を提供する電気通信事業者)で、日本の携帯会社はこの法律にもとづいてフィルタリングを提供しています(現地の通信会社に同じ義務がかかるとは考えにくい、というのは当サイトの読み方です)。留学先で現地の回線に切り替えた後も日本と同じフィルタリングが働く、とは考えないでください。端末側の保護者向け機能(スクリーンタイムなど)をどう使うか、使用時間や課金の決まりをどうするかは、出発前に親子で話し合っておくのが確実です。ホストファミリーや学校のルールがある場合は、そちらに合わせます。留学中の安全面の備えは高校留学の安全対策にもまとめています。

帰国するとき:番号の再開と、現地で買ったスマホの技適

POINT

帰国したら保管していた番号を再開します。現地で新しいスマホを買った場合は、日本で使えるかどうか(技適マークの有無)を確認してください。

番号保管からの再開は、ドコモ・auとも手数料は無料と案内しています。保管期間の上限(ドコモ最長6年、au・ソフトバンク最大5年)を過ぎると契約が解除されるので、留学が延びたときは期限を確認してください。

注意したいのが、留学中に現地で買ったスマホを日本に持ち帰って使う場合です。総務省の電波利用ポータルのQ&Aは、海外向けのスマートフォンについて「技適マークが付いていない場合は、電波法違反(※)になります。ただし、海外から訪日観光客等が短期間持ち込む場合の特例があります。」と説明し、違反は「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象」としています。特例の案内は訪日観光客等を対象にしたもので、日本に帰国して暮らす留学生がこの特例で使い続けられるとは書かれていません。総務省の案内では、携帯電話として使う場合の特例は「日本の携帯電話等事業者とローミング協定を結んでいる海外の通信事業者において契約されている端末」などが条件で、Wi-Fi(無線LAN)などの使用は「入国から90日以内に限る」とされています。現地で端末を買うなら、日本でも使える技適マークのある機種かを購入前に確認するか、日本から持っていったスマホを使い続けるのが安全です。

出発前の逆算スケジュール:保護者がやること

POINT

スマホの準備は、名義の確認から始めて、番号保管の申し込みを最後にします。ドコモの番号保管は申し込んだ時点で止まるので(ほかの会社も保管中は使えない前提で考えます)、順番を逆にすると認証の切り替えができなくなります。

スマホ契約の逆算スケジュール(当サイトの整理)

時期やること誰が
出発の2〜3か月前回線の名義と、契約中のプラン・端末の分割払いの残りを確認する。日本の番号を「保管」「安いプランで維持」「解約」のどれにするかを決める親子で
出発の2〜3か月前端末のSIMロックとeSIM対応を確認し、必要ならウェブでSIMロックを解除する端末の購入者(多くは名義人)
出発の1〜2か月前安いプランに移す場合は乗り換える(18歳未満の本人名義なら親権者の同意を用意)。留学先・ホストファミリー・学校のスマホのルールを読む名義人・親子で
出発の1か月前海外から各社のサイト・アプリで手続きできるよう、ログイン方法を確認する(ahamoはパスキー認証の設定を渡航前に推奨。ドコモは、保管中にMy docomoへログインするには電話番号保管の前にdアカウントのパスキー認証設定が必要と案内)。LINEにメールアドレスとパスワードを登録。銀行などのSMS認証を別の手段に切り替える。現地SIMの入手方法(到着後に買うか、日本でeSIMを用意するか)を決める子ども(親が確認)
出発の直前番号保管を申し込む(ドコモは申込の時点で止まる)。使わないならデータローミングをオフにする名義人
帰国後番号保管を解除する。現地で買った端末は技適マークを確認してから使う名義人

番号保管と解約はどちらも、出発前の最後の手続きにするのがコツです。とくにドコモは「「電話番号保管」の予約申込みはできません。」としており、日付を指定して後から止めることはできません。ソフトバンクのようにショップでの手続きと案内している会社では、出発前に来店する日を確保しておきます。スマホ以外の渡航準備との兼ね合いは高校留学の準備の逆算表と一緒に組み立てると、締切の重なりに気づけます。

まとめ

高校留学のスマホは、日本の番号の扱いと現地の通信手段を分けて決めます。番号を残すだけなら番号保管(ドコモ月440円・au月409円・ソフトバンク月429円、いずれも税込)が安い一方、ドコモ・auは保管中の通話・通信を使えないと案内しており、SMSも届かなくなります。SMSの認証を続けたいなら、povo2.0や楽天モバイル、日本通信など、回線を生かしたまま安く残す方法を選び、海外でSMSを受け取れるかを含めて各社の海外利用の条件を確かめます。手続きをするのは回線の名義人で、18歳未満の本人名義なら親権者の同意が必要です。現地では現地SIMかeSIMが基本で、2021年10月以降に発売された端末と2023年10月以降に販売された端末は原則SIMロックがありません。親名義の回線なら請求は親に届くので、ローミングの設定とフィルタリング、帰国後に使う端末まで、出発前に親子で決めておきましょう。

出発前の最終チェック(7項目)

スマホの準備で、出発前にこの7点を確認してください。

チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。

Q.1年間の高校留学なら、日本のスマホは解約したほうが安いですか?

解約すれば日本の月額はかかりませんが、帰国後に同じ番号を使えず、LINEや銀行の登録番号の変更が必要になります。番号保管なら1年でドコモ約6,380円(オンライン申込の手数料1,100円+月440円×12か月)、ソフトバンク約5,148円(月429円×12か月、別に申込の手数料)が目安です(当サイトの概算・税込)。SMSを受け取り続けたいなら、povo2.0などで回線を生かして残す方法もあります。

Q.番号保管中に、日本からのSMSや電話は受け取れますか?

ドコモ・auでは受け取れません。ドコモは「「電話番号保管」はお申込みをされた時点で、通話・通信のご利用ができなくなります。」とし、auも一時休止中は電話・ネット・メール・SMSなどが使えないと案内しています。ソフトバンクは保管中に使えるものを公式ページで明示していないため、同社の回線は申し込む前にショップで確認してください。SMSで認証するサービスは、出発前にメールや認証アプリなど別の手段に切り替えてください。

Q.povo2.0を0円のまま留学中ずっと維持できますか?

0円のままでは維持できない可能性があります。povo2.0の仕様ページは、180日間有料トッピングの購入などがない場合、利用停止になることがあり、その後30日間購入がなければ契約解除になると定めています(国内の通話・SMSなどの従量料金が180日で税込660円を超える場合などは対象外)。判定は、その日から遡った180日間に購入があるかで行われるため、出発直前に買った場合、1年の留学なら留学中に約5か月(150日)ごと、遅くとも前回の購入から180日以内に、目安2回の購入が必要です(当サイトの計算)。海外からの購入方法は出発前に確認してください。

Q.高校生が留学先で現地のSIMを契約できますか?

プリペイドSIMやeSIMを使えるか、後払いの契約を18歳未満が本人名義で結べるかは各国・各社の規定によります。成年年齢もイギリス(イングランド・ウェールズ)18歳、カナダのオンタリオ州18歳・ブリティッシュコロンビア州19歳と、国や州で異なります。オーストラリアではプリペイドの開通前に本人確認が義務づけられており、パスポートが使えます。ホストファミリーや学校、手配先の案内にも従ってください。

Q.留学先の現地のアプリ(交通・学校のアプリなど)は、日本のスマホに入れられますか?

アプリストアの国・地域の設定によっては入れられないことがあり、その場合は設定の変更が必要です。Appleは国や地域を変更する前に、残高を使い切る、妨げになるサブスクリプションを解約するといった準備を求め、「ファミリー共有グループのメンバーである場合、国や地域を変更できないことがあります」としています。Google Playも、新しい国に居住しその国で使える支払い方法を持っていることを条件とし、ファミリーグループのメンバーは国を変更できず、次の変更まで少なくとも90日待つ必要があると案内しています。親のファミリー共有に子どものアカウントを入れているご家庭は、出発前に扱いを決めておきましょう。

Q.ahamoを使っていますが、留学中も使えますか?

海外でも使えますが、海外でデータ通信した日から15日を過ぎると、日本時間の午前0時以降は最大128kbpsに制限されます。データを追加購入しても解除されず、解除には日本に帰国してデータ通信をする必要があります。ahamoは番号保管(休止)を提供していません。長期の留学では、ドコモの料金プランに変えたうえでの電話番号保管(ドコモの申込条件から当サイトが整理した経路)や、安いプランへの乗り換えを検討します。ドコモは、料金プランの変更を予約している間はオンライン手続きで電話番号保管を申し込めない場合があると案内しているので、プランの変更は出発より十分前に済ませ、手順はドコモに確認してください。なお、ahamoは2026年12月1日に仕様と料金の改定を予告しています。

Q.留学先で買ったスマホを、帰国後に日本で使ってもいいですか?

技適マークがあるかを確認してください。総務省は、技適マークが付いていない海外向けスマートフォンを日本で使うと電波法違反になり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になると説明しています。訪日観光客等が短期間持ち込む場合の特例はありますが、帰国して日本で暮らす留学生がこの特例で使い続けられるとは示されていません。総務省の案内では、携帯電話としての特例は海外の通信事業者で契約されている端末などが条件で、Wi-Fiなどの使用は入国から90日以内に限られています。

出典:総務省(MNPに関するQ&A、携帯電話・PHSの番号ポータビリティのページ、SIMロックガイドライン改正の資料〔2021年〕、携帯電話ポータルサイトの疑問解決Q&A、電波利用ポータルの技適マークのQ&Aと海外から持ち込まれる携帯電話端末・Wi-Fi端末等の利用のページ、具体的な相談事例の公表とその対処法〔2011年・2016年〕)、e-Gov法令検索(民法第4条・第5条、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律、電波法第4条の2)、ドコモ(電話番号保管、世界そのままギガ、来店時の本人確認書類、フィルタリングサービスの各ページ)、ahamo FAQ、au(一時休止、au海外放題、利用者登録制度、FAQ)、UQ mobile(申し込みに必要なもの)、povo(povo2.0サービスの詳細、重要事項説明、FAQ)、ソフトバンク(電話番号・メールアドレスお預かりサービス、海外あんしん定額、ご利用にあたっての注意事項)、LINEMO FAQ、楽天モバイル(Rakuten最強プラン、海外ローミング、未成年の方のお申し込みの流れ、公式コラム)、日本通信(合理的シンプル290プラン)、LINEヘルプ、Appleサポート(Apple Accountの国や地域を変更する)、Google Playヘルプ(Google Play の国を変更する方法)、オーストラリアのTelecommunications (Service Provider — Identity Checks for Prepaid Mobile Carriage Services) Determination 2017、イギリスのFamily Law Reform Act 1969、カナダ・オンタリオ州のAge of Majority and Accountability Act、ブリティッシュコロンビア州のAge of Majority Act。いずれも2026年10月19日に確認。料金・条件は変わることがあるため、申し込む前に各社の公式ページで確認してください。