駐車場や出先でエンジンがかからないとき、知りたいのは「自分でジャンプするのか、呼ぶのか」と、それにいくらかかるかです。この記事は、いまの場所・会員状況・手元の道具・車の種類を順に確かめて3つの対処から選び、費用の目安を条件つきで把握するための記事です(料金は2026年10月13日取得、JAFの料金は2024年4月1日改定後)。
この記事の要点(2026年10月13日取得)
- 対処は3択。ロードサービスを呼ぶ、12Vの救援車とブースターケーブルでジャンピングスタートする、ジャンプスターターを使う。高速道路上・条件が確認できない・症状が判断できないときは、自力で作業せずロードサービスに寄せる
- 費用の軸はJAF。会員なら一般道・昼間(8〜20時)の応急始動は0円、非会員は21,700円(税込)。自動車保険に付くロードサービスは契約ごとに回数が違う(ソニー損保の例は保険期間中3回まで無料)
- 道具は、ブースターケーブルが1,980円〜、ジャンプスターターが7,480円〜(オートバックス公式通販のネット販売価格・税込)。ただし救援車が必要、ハイブリッド車は救援車にできない、スターターは電圧・排気量が合う場合だけなど条件がある
- 始動できても終わりではない。バッテリーが寿命だとエンジンを止めると再始動できない場合がある。早めに点検へ
迷ったらロードサービス、条件を確認できる人だけ自力ジャンプを選ぶ
次の順に確かめ、1つでも「分からない」があればロードサービス側に進んでください。症状がバッテリー上がりなのかを自分で断定できないときも、救援を呼ぶのが安全です。
| 確認すること | 「はい」のとき | 「いいえ・分からない」のとき |
|---|---|---|
| 高速道路・専用道路上か | 契約中のロードサービス(JAF・保険付帯)へ。路上での自力作業はしない | 次へ |
| JAF会員、または保険のロードサービスが使えるか | 呼ぶ選択肢が使える(費用は次の章の表) | 非会員料金になる。他の手段と比べて決める |
| 12Vの救援車(ハイブリッド車・24Vのトラックではない)とブースターケーブルがあるか | ジャンピングスタートができる | 救援車が無いならロードサービスかジャンプスターター |
| 12V対応のジャンプスターターが手元にあり、車の排気量が対応範囲内か | ジャンプスターターを使える | 使わない。適合は製品仕様で確認する |
| 自分の車の取扱説明書で、接続先を確認できるか | 取扱書の指定に従って接続する | 自力作業をしない。ロードサービスへ |
JAFのロードサービスは、電気自動車・ハイブリッドカー・燃料電池自動車の救援作業にも対応しています。救援車がない、自信がないという場合はJAFへ、というのがJAFの案内です。
費用は会員区分・道路・時間帯・保険回数・手元の道具で変わる
先に結論です。一般道の昼間(8〜20時)の応急始動は、JAF会員なら0円、非会員なら21,700円(税込)です。下の表で、自分の行を引いてください。これからJAFに入会する場合の費用は当日の選択肢に含めていません。入会と年間コストはロードサービス 費用 JAF 保険 比較で比べています。
表1 呼ぶ場合の費用(JAFは2024年4月1日改定後・税込)
| 条件 | 費用 | 区分・注意 |
|---|---|---|
| JAF会員・一般道・昼間(8〜20時) | 0円 | 公表値。会員証の携帯と現場での提示が必要。作業料は工数0.5まで無料 |
| JAF非会員・一般道・昼間 | 21,700円 | 公表値。基本料15,700円+作業料(JAFの工数表で工数0.5相当の6,000円) |
| JAF非会員・一般道・夜間(20〜8時) | 25,630円 | 編集部算出(基本料19,630円+作業料6,000円)。公表されているのは基本料のみ |
| JAF非会員・高速・専用道路A料金(本線上など)・昼間 | 37,410円 | 編集部算出(基本料31,410円+作業料6,000円)。ロードサービス車両・後方警戒車両の高速道路料金は別途実費で、この額に含まない |
| JAF非会員・高速・専用道路B料金(SA/PA内で作業完了)・昼間 | 25,630円 | 編集部算出(基本料19,630円+作業料6,000円)。高速道路料金は別途実費 |
| 自動車保険のロードサービス(ソニー損保の例) | 保険期間中3回まで無料 | 公表値。1年契約の場合。他社の回数は契約・保険会社ごとに違うため、自分の約款や契約内容で確認する |
注意点は3つです。
- 応急始動の作業料が工数0.5であることは、JAFの料金ページに明記がありません。基本料15,700円と作業料6,000円の合計が、公表されている21,700円と一致することから編集部が推定したものです。夜間・高速の合計はこの推定に基づく編集部算出で、公表値ではありません
- 部品・油脂・燃料代は会員・非会員とも実費です。応急始動だけなら部品代はかかりません
- 自動車保険の無料回数を使い切っていれば、JAF会員でなくても非会員料金になりうる点に注意してください。回数は契約内容で確認します
到着までの時間とJAF条件の詳細はJAF バッテリー 交換 時間にまとめています。
表2 道具を買う場合(オートバックス公式通販・ネット販売価格・税込・2026年10月13日取得)
| 道具 | 価格 | 条件 |
|---|---|---|
| ブースターケーブル AUG 12V/50A/3M I-46 | 1,980円 | DC12V車専用・3.0m・軽自動車〜小型自動車向け。救援車が必要 |
| ブースターケーブル AUG 12V/80A/3.5M I-49 | 2,880円 | ハイブリッド車対応・80A・3.5m(中型車クラスまで)。救援車が必要 |
| ジャンプスターター 5400MAH KD-151(ブラック) | 7,480円 | 対応排気量は未確認。購入前に製品仕様で確認する |
| 大橋産業 BAL エンジンかけ太郎 No.2715 | 11,800円 | DC12V車専用・ガソリン車4,500ccまで・ディーゼル車2,000ccまで |
| BELLOF モバイルバッテリージャンプスターター 7800MAH JSC601 | 11,900円 | 対応排気量は未確認 |
| NOCO GB20 ジャンプスターター | 14,800円 | 対応排気量は未確認 |
| BELLOF モバイルバッテリージャンプスターター 14800MAH JSC701 ブラック | 16,216円 | 対応排気量は未確認 |
| セルスター LJP-9600(セルスター直販・税抜23,455円) | 25,800円 | DC12V車専用。直販価格でメーカー希望小売価格ではない |
非会員の一般道・昼間の応急始動1回(21,700円)との差は、次のとおりです(編集部算出)。
- ジャンプスターターBAL No.2715を買う場合: 21,700円−11,800円=9,900円
- ブースターケーブルAUG I-49を買う場合: 21,700円−2,880円=18,820円
この差は「1回呼ぶ代わりに買った」場合の単純な引き算です。ケーブルは救援車が必ず必要で、ハイブリッド車は救援車になれません。ジャンプスターターは車の電圧と排気量が合わなければ使えません。また、バッテリーが寿命を迎えていると、始動できてもすぐ止まることがあります。差額が出ても、道具があれば必ず自力で解決できるわけではありません。
12V・接続先・ケーブル状態を確認できなければ自力作業をしない
自力作業を始める前に、次の対比で止まるべき場面を確かめます。
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 被膜が破れた・断線した・クリップがぐらつくケーブルを使う | 事前に点検し、問題があれば使わない(JAFの案内) |
| 救援車にトラックを使う | トラックは電圧が24Vで高圧のため救援車に使えない(JAFの案内)。12Vのバッテリー付き救援車を使う |
| ハイブリッド車を救援車にする | ハイブリッド車は構造上、他の車のバッテリー上がりを救援できない(JAFの案内)。別のガソリン車などを探す |
| 取扱書を見ずに接続先を決める | 車種ごとの取扱説明書で接続先を確かめる |
| 押しがけで始動する | トヨタ・アクア(HEV)の取扱書は「押しがけによる始動はできません」としている。ロードサービスを呼ぶ |
トヨタの取扱説明書(アクア2211版・ヴェルファイア3001版)には、ブースターケーブルの接続時に、場合によってはオートアラームが作動してドアが自動的に施錠されるとあります。作業の最初に、電子キーを携帯していることを確認してください。閉じ込みを避けるためです。
12Vのバッテリー付き救援車とブースターケーブルが必要という条件は、同じ取扱書に書かれています。いずれも指定した車種・版の記載です。別の車種や年式では接続先が異なる場合があるので、自分の車の取扱説明書を確認します。
ガソリン車のケーブルはプラス同士からつなぎ、最後を上がった車の金属部へつなぐ
ここはガソリン車の手順です。JAFの案内と、トヨタ・ヴェルファイア(3001版)の取扱説明書の記載に沿っています。車種ごとの取扱書の指定を優先してください。
- 救援車のエンジンを停止してから、ケーブルをつなぎます。電子キーの携帯も、ここで確認します
- ①赤いケーブルを、上がった車のバッテリーの+端子につなぎます
- ②赤いケーブルのもう一方を、救援車の+端子につなぎます
- ③黒いケーブルを、救援車の−端子につなぎます
- ④黒いケーブルのもう一方を、上がった車の−側。端子ではなくエンジンの金属部分など(取扱書の図で指定された箇所)につなぎます
- 救援車のエンジンをかける。AT車はパーキング、MT車はニュートラルにしてサイドブレーキをかけ、アクセルを踏んで回転を少し高く保つ
- トヨタの取扱書(アクア2211版・ヴェルファイア3001版)では、約5分間、自車を充電する
- 上がった車のエンジンをかける
- かかったら、つないだときとは逆の順番でケーブルを外す
つなぐ順番を間違えやすいのは、最後のマイナスです。バッテリーの−端子ではなく、取扱書の図が指す金属部へつなぎます。色の対応は、トヨタの取扱書では、赤は上がった車の+端子と救援車の+端子、黒は救援車の−端子と金属部です。
ハイブリッド車は救援車にせず、上がった側なら車種別の救援用端子を確認する
ハイブリッド車は構造上、他の車を救援できません。一方、自分が上がった側のときは、車種ごとに専用の手順があります。ここではトヨタ・アクア(HEV)の取扱説明書(2211版)の記載を例にします。別の車種や版には、そのまま当てはまりません。
表3 車の種類ごとの救援の可否と確認先
| 車の種類 | 上がった側になったとき | 救援車にできるか | 接続先の確認先 |
|---|---|---|---|
| ガソリン車 | ジャンピングスタートで救援を受けられる | できる(12Vの車の場合) | 車種ごとの取扱説明書(例: ヴェルファイア3001版) |
| ハイブリッド車 | 車種ごとの救援用端子を使う手順がある | できない(JAF・トヨタ取扱書) | 車種ごとの取扱説明書(例: アクア2211版) |
| 24Vのトラック | 救援を受ける場合はロードサービスへ | できない(電圧が24Vのため) | 車両の取扱説明書。自力での接続はしない |
アクア(2211版・HEV)の取扱書にある補機バッテリーがあがったときの手順は、おおむね次のとおりです。
- ボンネットを開け、ヒューズボックスのカバーをはずし、中の救援用端子のカバーを開ける
- 赤ケーブルを、取扱書の図に示す自車の補機バッテリーの+端子側につなぐ
- 救援車のエンジンをかけて回転を少し高め、約5分間、自車の補機バッテリーを充電する
- パワースイッチをいったんONにしてからハイブリッドシステムを始動し、READYインジケーターが点灯することを確認する。点灯しなければトヨタ販売店へ
この救援用端子は、自車を応急的に充電するためのものです。他の車のバッテリーあがりの救援には使えません。また、補機バッテリーがあがるとコンピューターに記憶されている情報が消去されるため、トヨタ販売店で点検を受けるよう案内されています。
上がった側がハイブリッド車で、取扱書で端子の場所を確認できないときは、自力で作業せずJAFや保険のロードサービスを呼んでください。
ジャンプスターターは12V・対応排気量が合う場合だけ選ぶ
ジャンプスターターは救援車がいらない一方、車の電圧と排気量が合うものだけが使えます。価格の安さだけで選ばず、製品仕様を確認します。
仕様の例として、大橋産業のBAL No.2715を挙げます(メーカー公式の製品情報)。
- DC12V車専用
- ガソリン車は4,500ccまで、ディーゼル車は2,000ccまで
- ジャンプスタートの連続使用回数は3回(オートバックス公式通販の商品ページ)
- 価格は11,800円(オートバックス公式通販のネット販売価格・税込・2026年10月13日取得)
ほかの機種は、対応排気量を今回確認していません。また、表示の価格は取得日時点の税込ネット販売価格で、在庫なしの表示の商品を含みます。購入するときは、自分の車の電圧(12V)と排気量が製品の対応範囲に入るか、取扱説明書や製品仕様で確かめてください。適合を確認できない場合は、無理に自分で使わずロードサービスを呼ぶほうが安全です。
始動できても完了ではなく、再始動不能に備えて早めに点検する
エンジンがかかっても、原因がバッテリーの寿命や損傷なら、エンジンを止めると再び始動できない場合があります。発電機が不調だと走行中に止まることもあるため、JAFは早めにディーラーや専門店で点検を受けるよう案内しています。
始動成功は応急処置の完了です。「すぐにエンジンを切らず、そのまま点検に向かう」「寿命の目安を超えているなら交換を検討する」が次の行動です。
表4 点検・交換へ進む目安と費用の下限
| 項目 | 内容 | 条件・出典 |
|---|---|---|
| バッテリー寿命の目安 | 2〜5年(3年以上経過すると劣化が進んでいる可能性が高い) | 一般的なガソリン車(JAF) |
| アイドリングストップ車の寿命の目安 | 2〜3年 | JAF |
| 交換の商品代金の下限(バッテリー交換ページの表示) | 4,980円〜(工賃は別) | オートバックス・税込 |
| 交換の目安工賃の下限 | 2,200円〜(作業時間10分〜) | オートバックス・税込。持ち込み品は別料金の場合あり |
| ページ表示の下限どうしの組合せの目安 | 7,180円 | 編集部算出(商品代金の下限4,980円+工賃の下限2,200円)。車種・店舗で上振れする。軽自動車用の標準バッテリー(4,480円〜)なら商品代金はこれより下がる場合がある |
| 軽自動車用バッテリーの価格目安(下限) | 標準用4,480円〜、アイドリングストップ車用11,880円〜 | オートバックス・税込 |
JAFのサービスカーには、バッテリーの販売用在庫があります。サイズが適合すれば、その場での販売・交換も可能です(車種・作業環境により不可の場合あり)。バッテリー代は会員・非会員とも実費です。
バッテリー本体の交換相場と依頼先の比べ方は、バッテリー 交換 費用 相場 ディーラー 工賃で扱っています。放置した日数と再発の条件はバッテリー上がり 放置 何日を参照してください。
よくある質問
Q1. JAF会員ならバッテリー上がりは無料ですか
一般道・昼間(8〜20時)の応急始動作業は、JAF会員なら無料です(会員証の携帯と提示が必要)。JAFの質問箱(2025年7月現在)にも、会員であれば24時間いつでも無料でロードサービスを受けられるとあります。バッテリーなどの部品代は実費です。
Q2. JAF非会員の昼間と夜間はいくらですか
一般道・昼間(8〜20時)の応急始動は21,700円(税込・公表値)です。夜間(20〜8時)の基本料は19,630円で、作業料6,000円を加えた25,630円は編集部算出です(作業料を工数0.5相当と仮定)。高速道路上では料金が上がり、道路料金も別途実費です。
Q3. 自動車保険のロードサービスは何回無料ですか
ソニー損保の例では、バッテリー上がり時のエンジン起動は保険期間中3回まで無料です(1年契約の場合)。他の保険会社の回数は、確認できたものがありません。契約している保険の約款や、保険会社の窓口で確かめてください。
Q4. ハイブリッド車から救援できますか
できません。JAFは、ハイブリッド車は構造上、他の車のバッテリー上がりを救援できないと案内しています。トヨタの取扱書も、救援用端子は他の車の救援には使えないとしています。
Q5. ハイブリッド車が上がった側ならジャンプできますか
車種ごとの手順があります。トヨタ・アクア(2211版・HEV)の取扱書では、ヒューズボックス内の救援用端子を使い、救援車で約5分充電したあと、READYインジケーターの点灯を確認します。ほかの車種や版は、それぞれの取扱説明書を確認してください。分からないときはロードサービスを呼びます。
Q6. 始動後すぐエンジンを切ってもよいですか
勧められません。バッテリーが寿命を迎えていたり損傷していたりすると、エンジンを止めたあとに再び始動できない場合があります。早めにディーラーや専門店で点検を受けてください。
Q7. バッテリー上がりはどれくらい多いですか
JAFの2025年度(2025年4月〜2026年3月)の出動理由で1位が「バッテリー上がり」(過放電と破損/劣化の合計)、997,116件、全出動の43.17%でした(四輪・二輪の合計)。同じ年度の全国の平均現場到着時間は41.2分(全出動種別)です。