ガソリンと軽油を間違えて入れたら、エンジンをかけずに連絡。対処と費用の実例【2026年10月版】

最終更新: 2026-10-13 ・ 約14分で読めます ・ クルマ生活 編集部

セルフ給油の直後や、走行中にエンストしてから油種の取り違えに気づいたときは、費用より先に「いまエンジンをかけていいのか」「誰に連絡するのか」を決めたいはずです。この記事は、自分の車の燃料(ガソリン車かディーゼル車か)と進行度(未始動・始動後・走行後)の行を引いて、やることと連絡先を確かめ、実在店舗の実額で見積もりの桁を判断するための記事です(2026年10月時点)。

この記事の要点(2026年10月時点)

  • 気づいたらエンジンをかけず、電源もONにしない。JAFか加入中の保険のロードサービスに連絡して、整備工場で抜き替えてもらうのが基本
  • 費用の実例は、実在する整備工場6件の作業実績で14,966円〜111,100円(税込)。これは相場ではなく実例で、車種・始動の有無・レッカーの有無が混在している。条件は後半の「費用の実例」の表で確認する
  • 連絡先は、JAF会員か非会員か・保険のロードサービスが付くか・レンタカーかで変わる。レンタカーは貸主への連絡が先

誤給油に気づいたら、エンジンをかけず電源もONにせず、ロードサービスに連絡する

誤給油に気づいた時点でやることは1つで、エンジンを始動せず、電源もONにしないことです。JAFは、ガソリン車に軽油を入れた場合もディーゼル車にガソリンを入れた場合も、エンジンを始動せず電源もONにしないで、整備工場で抜き替えが必要だと案内しています。

「少しだけ動かして給油機から離そう」「試しにキーを回してみよう」はしない。電源をONにするのも避ける(JAFの案内)。

次の手は、保険やJAFのロードサービスを使って整備工場へ搬送してもらうことです。これはエンジン始動前でも始動後(走行後)でも、トヨタ系ディーラーが案内している手順です。

JAFは、エンジン始動前にすぐ正しい燃料へ入れ替えれば大きな問題はないとも案内しています。そのうえで、誤給油に気づいたらJAFに連絡するなど早急に対処するよう求めています。

自分の車と進行度の行を引けば、やることと壊れ方が分かる

まず自分の車がガソリン車かディーゼル車かを確かめます。給油するときに迷うなら、車検証や取扱説明書の燃料の種類を見ます(JAFの案内)。そのうえで、下の表の「方向」と「進行度」が交わる行を読んでください。

方向進行度出る症状・壊れ方やること
ガソリン車に軽油未始動エンジンをかける前なら、すぐ入れ替えれば大きな問題はないとJAFは案内始動せず電源もONにしない。整備工場で抜き替え
ガソリン車に軽油始動後エンジン不調や停止(JAF)一般的に、燃料の入替・燃料フィルターの交換・燃料配管の洗浄などが必要(JAF)
ガソリン車に軽油走行後(止まった)同上。走行中にエンジンが止まってから気づくことが多い(JAF Mate)できるだけ安全な場所に車を止めてJAFに救援を要請(JAF Mate)
ディーゼル車にガソリン未始動エンジンをかける前の対処は、ガソリン車の場合と同じ始動せず電源もONにしない。整備工場で抜き替え
ディーゼル車にガソリン始動後エンジンが故障する。噴射ポンプなどが故障している可能性がある(JAF)燃料の入替・フィルター交換・配管洗浄などが一般的に必要(JAF。原文はガソリン車・ディーゼル車の始動後に共通の項目)
ディーゼル車にガソリン走行後(止まった)同上安全な場所に車を止めて救援を要請

トヨタの公式FAQも、指定以外の燃料を使った場合は直ちに抜き替えが必要なので、早急に販売店へ相談するよう案内しています。なお、ガソリン車に軽油を入れる行為そのものについても、トヨタは「エンジン関係の故障が発生する可能性があるのでお止めください」としています。

軽油は「軽」の字が入っていますが、軽自動車用の燃料ではなく、ディーゼルエンジン用の燃料です(JAF)。

気づくのは走行中にエンストしてからが多い。止まったら安全な場所へ寄せて救援を呼ぶ

JAF Mateによると、ロードサービス隊員の現場での聞き取りでは、給油時にその場で入れ間違いに気づくことは少なく、走行中にエンジンが止まってから気づくケースが多いとされています。止まったときは、できるだけ安全な場所に車を止め、JAFに救援を要請するよう案内されています。

場面ごとの動きは次のとおりです。

  • 給油機の前で気づいたとき: エンジンをかけず、電源もONにしない。車を動かさず、ロードサービスへ連絡する
  • 給油後に駐車して気づいたとき: 同じく始動せず、連絡して整備工場へ搬送してもらう
  • 走行中に止まったとき: できるだけ安全な場所に車を止め、JAFなどに救援を要請する。JAFは「エンジン不調や停止」を症状の1つとして挙げている

JAFが出動した「燃料の入れ間違い」による救援は、2022年10月1日〜31日の1カ月間で105件でした(全国・JAF出動分のみ。年間値ではありません)。そのうち状況が判明した分では、ガソリン車に軽油を給油したケースが57件、ディーゼル車にガソリンを給油したケースが39件でした。この2つの合計96件(編集部算出)が、判明分のすべてです。

なお、燃料が単に空になった(ガス欠)場合の救援は、誤給油とは別の対応です。費用はJAF ガス欠 費用、距離ごとの考え方はJAF けん引 距離 費用で整理しています。

連絡先は JAF会員か・保険付帯か・レンタカーかで変わり、レンタカーは貸主が先

連絡先は、あなたの契約によって次のように変わります(2026年10月時点)。

状況連絡先レッカー(けん引)の費用の条件
JAF会員JAF故障車のけん引は20kmまで無料。20kmを超えた分は1kmごとに830円(税込。2024年4月1日改定後)。部品・油脂・燃料代は実費で、会員無料範囲を超える作業は自己負担になる場合がある
JAF非会員JAF一般道・昼間(8時〜20時)の故障車けん引で27,700円〜(税込)。けん引料は1kmごとに830円が別途かかる
保険のロードサービス付き加入中の保険会社保険会社ごとに条件が異なる。一例として、東京海上ダイレクト(旧イーデザイン損保)の契約車は、当社指定の最寄り修理工場までなら距離制限なし、お客さま指定の修理工場や自宅までなら100kmまで無料でけん引。クレーン作業などの特殊作業費・重作業費、48時間を超える保管料は自己負担
レンタカーレンタカー会社(速やかに)レッカー代や修理代が自己負担になるかは、レンタカーの保険の補償範囲次第。休業補償を求められることもある

注意点が3つあります。

  • 誤給油の作業がJAF会員の無料範囲に入るかは、JAFの公式ページに明記がありません。無料かどうかは断定せず、連絡時にJAFへ確認してください
  • 保険の例は1社の条件です。付帯の有無や距離は約款で確認します。車両保険で誤給油が補償されるかも契約・約款で異なるので、保険会社に確認してください
  • レンタカーの行は保険会社が示した一般的な案内で、各レンタカー会社の約款の値ではありません。借りた会社の指示に従うのが先です

JAFの会員・非会員の料金のしくみはJAF レッカー 費用 非会員、JAFと保険のどちらを呼ぶかの判断はロードサービス 費用 JAF 保険 比較にまとめています。

費用は実在店舗の実例6件で14,966〜111,100円。車種・始動・レッカーの有無で桁が変わる

実在する整備工場が自社の作業実績として公開している費用を6件集めました。これらは相場ではなく、各店舗の1件ごとの実例です。車種・燃料の方向・始動の有無・レッカーの有無・作業の中身が違うので、同じ土俵で平均はできません。6件の最小は14,966円、最大は111,100円です(いずれも税込総額)。

車種・状況始動の記載主な作業税込総額店舗・作業実績の年月
マツダ CX-5(ディーゼル車、2015年初年度登録)にガソリン未始動燃料タンク洗浄(油抜き・洗浄・パイプの分解洗浄・燃料メーターチェックなど)の工賃80,000円と、廃油処理21,000円(ともに税抜)111,100円東伸自動車・2024年1月現在
マツダ アクセラ(ディーゼル車、2017年初年度登録)にレギュラーガソリン数分後にエンジン停止レッカー搬送、タンク内ガソリン除去、燃料処分、燃料フィルター交換など81,961円(消費税8%)石山ボディオートメディカルセンター(山形県山辺町)・2017年8月
スズキ アルトラパン(ガソリン車)に軽油給油後に走行できなくなったタンクに燃料を抜くネジが無く、燃料タンクを脱着して抜取り・ガソリンでゆすぎ洗浄、作業時間6時間60,665円井上自動車販売(愛知県豊田市)・2021年6月
Jeep ラングラー(ガソリン車)に軽油約2km走行後に停止軽油約50Lの抜取り、燃料タンクを取り外して軽油を除去、濡れたプラグの乾燥、作業4時間43,200円(消費税8%)N&S AUTO(岡山市)・2019年5月
ダイハツ ハイゼットカーゴ(ガソリン車)に軽油記載なしタンク脱着(抜取り含む)、プラグ穴の軽油除去、燃料ポンプ分解清掃、作業6時間34,815円市川自動車(愛知県愛西市)・2024年11月
トヨタ プリウス(2007年初年度登録のガソリン車)に軽油走行中に停止し始動不能後席を外した点検口から燃料ポンプを外して抜取り、作業1時間30分。補給用ガソリン18L(2,646円)を含む。同社の代車を貸出中の事例14,966円高森自動車整備工業(三重県津市)・2021年9月

この表から読み取れるのは、次の3点です。

  • ガソリン車に軽油を入れた4件(アルトラパン・ラングラー・ハイゼットカーゴ・プリウス)に限ると、14,966円〜60,665円(編集部算出。車種・構造・時期が違う実例の最小〜最大)
  • 最も高いのはディーゼル車にガソリンを入れたCX-5の111,100円。エンジンをかけていない(未始動)でも、タンクの洗浄と廃油処理で10万円台に届いている
  • 最も安いプリウスは、補給ガソリン代込みで、作業が1時間30分と短く、同社の代車の事例。ご自身の車がそのまま当てはまるわけではない

ラングラーの店舗は「なるべく費用を掛けないように修理」したと書いたうえで、後々フューエルポンプなどの交換が必要になってくると注記しています。見積もりが安いほど、どこまで作業したかを確かめる意味があります。アクセラは2017年、ラングラーは2019年と古い事例で、消費税率も当時の8%です。

自分の地域で見積もりを比べる

実例は車種ごとの値なので、ご自身のぶんは、近隣の整備工場に電話やフォームで見積もりを取って同じ項目で比べてください。

  • 燃料の抜取りだけか、燃料タンクの脱着・洗浄までか
  • 燃料フィルターやポンプの清掃・交換が入っているか
  • 廃油(廃燃料)の処理費が含まれているか
  • レッカー代が別立てか。距離しだいで変わる費用なので搬送先を伝える
  • 表示が税抜か税込か

自分で抜く・試しにエンジンをかけるのは避け、整備工場の抜き替えを待つ

避けたい判断こうすればOK
「少しだけだから」と試しにエンジンをかける始動せず電源もONにしない。整備工場で抜き替えてもらう(JAF)
給油機の前から自走して移動する動かさず、ロードサービスに連絡して搬送を頼む
自分でホースなどで燃料を抜く抜かずに整備工場に任せる。日産は「クルマからガソリンや軽油は抜かないでください」と案内している
気づかないまま走り続ける止まったら安全な場所に寄せて救援を要請する

日産の公式FAQが抜かないよう案内している理由は、ガソリンは静電気などの小さな火種でも爆発的に燃焼するおそれがあること、軽油も火災になった場合に大規模な被害になるおそれがあることです。

次回は給油前にノズル色と車検証の燃料欄を確認すれば防げる

給油前に確かめることは2つです。

  • ノズルの色: JAFは、セルフ式スタンドのノズルはレギュラーガソリンが赤、ハイオクガソリンが黄、軽油が緑で見分けるよう案内しています。色の確認をJAFは勧めています
  • 燃料の種類: レンタカー、シェアカー、初めて乗る車に自分で給油するときは、必ず車検証や取扱説明書で燃料の種類を確認するよう、JAFが呼びかけています

「軽油」の「軽」の字は軽自動車とは関係なく、軽油はディーゼルエンジン用の燃料です。

よくある質問

Q1. 軽自動車に軽油を入れてしまったらどうすればいいですか?

軽油は軽自動車用の燃料ではなく、ディーゼルエンジン用の燃料です(JAF)。ガソリン車に軽油を入れるとエンジン不調や停止の症状が出ます。エンジンをかけず、電源もONにせず、JAFか保険のロードサービスに連絡して、整備工場で抜き替えてもらってください。

Q2. 少し入れただけ・エンジンをかけてしまったときはどうなりますか?

量が少ないか多いかで安全になるかどうかは、今回確認した公式情報には書かれていません。JAFは「エンジン始動前にすぐ正しい燃料を入れ替えれば大きな問題はない」と案内しています。エンジンを始動してしまった場合は、燃料の入替・燃料フィルターの交換・燃料配管の洗浄などが一般的に必要になります。どちらの場合も、早めにJAFや整備工場に連絡してください。

Q3. ディーゼル車にガソリンを入れたらどうなりますか?

JAFは「軽油車(ディーゼル車)にハイオク・レギュラーを入れた場合はエンジンが故障します」と案内しています。エンジンを始動した場合は、噴射ポンプなどが故障している可能性があります。未始動なら、始動せず電源もONにしないで整備工場で抜き替えます。費用の実例は、エンジン未始動のCX-5で111,100円、数分後にエンジンが停止したアクセラで81,961円でした(条件は「費用は実在店舗の実例6件」の節の表)。

Q4. 誤給油を防ぐにはどうすればいいですか?

給油前に、車検証や取扱説明書で燃料の種類を確認します。セルフ式スタンドでは、JAFが案内するノズルの色(レギュラーは赤、ハイオクは黄、軽油は緑)を確認してから給油してください。

Q5. レンタカーで入れ間違えたら誰に連絡すればいいですか?

速やかにレンタカー会社に連絡して、指示を仰いでください。レッカー代や修理代が自己負担になるかどうかは、レンタカーの保険の補償範囲次第で、休業補償を求められることもあると、保険会社は案内しています。具体的な金額は借りた会社の契約で決まるので、契約書や会社の案内で確認してください。

出典

  1. JAF「燃料を入れ間違えた場合の対処方法」 (取得日: 2026-10-13)
  2. JAF「「軽自動車には軽油?」要注意! 燃料の入れ間違い、1カ月で100件越え!」(2022-12-26) (取得日: 2026-10-13)
  3. JAF Mate Online「「軽油」って軽自動車用じゃないの!? 走行不能になるケースもある油脂類の入れ間違い」(2026.03.30) (取得日: 2026-10-13)
  4. JAF「セルフスタンドでの給油の注意点について」 (取得日: 2026-10-13)
  5. トヨタ自動車「お問い合わせ・よくあるご質問(ガソリン車に軽油)」 (取得日: 2026-10-13)
  6. トヨタ自動車「お問い合わせ・よくあるご質問(スタンドで燃料を間違えた)」 (取得日: 2026-10-13)
  7. 日産自動車「クルマからガソリンや軽油を抜いても大丈夫か教えて。」 (取得日: 2026-10-13)
  8. 群馬トヨタ自動車 前橋大友店「【燃料入れ間違え】うっかり燃料を入れ間違えてしまったときの対処方法とは?」 (取得日: 2026-10-13)

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