この記事の前提を最初に書きます。筆者はJA11を所有しておらず、ミッションオーバーホールを依頼したことも、作業したこともありません。 本記事は、ミッションOHの費用について、整備工場・専門店・リビルト販売店が公開している工賃や価格を集めて整理した公表値の集計記事です(2026年10月5日時点)。
この記事の要点
- 整備工場1社の工数式では、ミッションOHの工賃は55,250円(脱着26,350円+分解・組付等28,900円・部品代別)。これはJA22Wを入庫した整備工場1社の工数式による試算(OHの実作業ではない)で、JA11の値ではない
- 部品代(シンクロ・ベアリング等)の公表実額は見つからなかった。見積書の「部品代」の行は、品名と上限額を聞いて確かめる
- JA11V用のリビルト現品修理は116,600円(税込・ミッション本体のみ・半年保証)。見積書の(分解・組付工賃+部品代)をこの額と並べて決める
- 「41,620円」はオイルシール交換の実例で、OHではない。クラッチの状態も、降ろすなら同時に見るかを先に決める
ミッションOHの費用は「脱着+分解組付+部品代」で、工数式の例では工賃55,250円に部品代が加わり、部品代の公表実額は見つからなかった
結論は、見積書を3行に分けて見ることです。以下の工数式は、JA22W(E-JA22W・H8年式・MT・約20万km)を入庫した整備工場1社の試算で、JA11の実測ではありません。
ミッションオーバーホールとは、ミッションを車から降ろして分解し、シンクロナイザーリングやベアリング等の消耗部品を交換して組み直す作業のことです。
| 行 | 脱着 | 分解・組付等 | 部品代 | 工賃合計 | 条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 整備工場の工数式(軸) | 26,350円(3.1時間) | 28,900円(編集部算出) | 公表値なし | 55,250円(6.5時間×8,500円) | JA22W。実作業ではなく「シンクロのへたり等があれば」の試算。レバーレートの税込/税別は記載なし。2023年11月 |
| 専門店の標準工賃(参考値) | 含むか不明 | 含むか不明 | 工賃表に記載なし | 52,500円 | ジムニーの標準工賃・税込表示・時点不明(消費税5%時代の端数が並ぶ)。車両や作業内容で異なる旨の注記あり |
- 脱着26,350円は3.1時間×8,500円、合計55,250円は6.5時間×8,500円で、整備工場の公表値です。28,900円は55,250円から26,350円を引いた編集部算出です
- 専門店の52,500円は、脱着を含むか分からず時点も不明なので、工数式の55,250円とは並べて「近い」とも「範囲」とも言いません
- 他の目安として、車種を特定しない整備士の記事(2018年7月)は「8万円〜30万円程度」と書いていますが、内訳はありません。ATの「20万円〜」(2025年8月更新)はAT前提で、JA11のMTには当てはめません
OHを考えるのは特定のギヤが極端に入りにくい・入らない段階で、オイル漏れだけならシール交換で止まる
OHの時期の目安は、整備士の記事(車種非特定・2018年)によると「どこかのギヤが極端に入りにくくなってきた時やまったく入らなくなった時」です。オイル漏れだけの段階は別で、シール交換で済む例があります(H2-4)。
- 入庫車両(JA22W)の走行距離は約20万kmで、JA11の走行距離の目安ではありません
- 異音・入らないといった症状の原因は、OHの前に切り分けます。入らない場合の確認順は JA11 ミッション 入らない にまとめています
- 切り分け前に売却や載せ替えを決める必要はありません。ミッション・クラッチがJA11でどれくらい出る不具合かは JA11 持病 弱点 で見られます
クラッチが滑っているだけなのに、ミッションを疑って高い見積りを取る、という取り違えは避けたい点です。クラッチ側の確認は H2-6 で触れます。
整備工場1社(JA22W)の工数式では、OH6.5時間のうち脱着が3.1時間を占め、費用の核は脱着工賃になる
結論は、ミッションを降ろすだけで工賃の約半分(26,350円)が出るということです。これは同じ整備工場の工数式の中での比率で、他店でも同じとは限りません。
- 工数は日整連の作業点数をもとに同社が算出したと書かれており、レバーレートは1時間8,500円(税込/税別の記載なし)
- 同じ整備工場のシール交換の実例では、分解は1.5時間(12,750円・編集部算出)、工賃合計は39,100円でした
- 前述の整備士の記事では、中古ミッションへの載せ替えが現場で一番多い選択で、工賃はクラッチOHと同じくらいと書かれています(車種非特定・2018年)
エンジン側のOH工賃の見え方は JA11 エンジンオーバーホール 費用 でも比べられます。
「OH」の費用は作業範囲で変わり、41,620円の実例はオイルシール交換でありOHではない
結論は、見積書の作業範囲をまず聞くことです。同じ「ミッションの修理」でも、シールだけと、シンクロ・ベアリングまで替えるのでは別の作業になります。
| 作業範囲 | 費用の公表値 | 条件・注記 |
|---|---|---|
| オイルシール交換のみ | 41,620円(部品代2,520円+工賃39,100円) | 実例1件・JA22W・MTオイル込み。OHではない。予算の都合でオイル漏れのみの修理を選んだ例 |
| シンクロ・ベアリング等の交換 | 公表値なし | 専門店のJA11の作業例(持ち込み・予算の都合で全シンクロリング・ハブスリーブ・ベアリングのみ交換して再組立)は、費用の記載なし |
| ケース・ギヤの損傷 | 価格が変わる | リビルト現品修理の販売店は、ケース交換・ギヤ交換が必要な特別な場合は価格が変わり、修理不可・再見積もあると記載 |
| トランスファー・デフ | 別作業(専門店の標準工賃: トランスファーOH 36,750円〜、デフOH 1か所31,500円・税込・時点不明) | ミッション本体のOHには含まれない前提で見積書を見る |
41,620円はオイルシール交換の合計で、ミッションOHの金額ではありません。OHの相場として覚えないでください。シール交換だけの費用は JA11 オイル漏れ 修理 費用 で詳しく扱っています。
シンクロ・ベアリングの部品代は、事業者公式の実額が見つかりませんでした。見積書に部品代の行があれば、品名と個数を聞いてください。
脱着はOHでもリビルトでも要るので、見積書の(分解・組付工賃+部品代)をリビルト現品修理116,600円(JA11V・税込)と比べて決める
結論は、脱着工賃は両方に要るので比べず、(分解・組付工賃+部品代)の行を現品修理価格と並べることです。
| 選択肢 | 工賃・価格 | 保証 | 向く条件・境界 |
|---|---|---|---|
| OH(分解・組付工賃+部品代) | 工数式の例は分解・組付等28,900円+部品代(公表値なし)。実際は見積書の行 | 記載なし | 部品代の行が小さいうちはOH。ケース・ギヤ損傷なら再見積 |
| リビルト現品修理 | 116,600円(JA11V用・税込・送料無料(全国)・取得日に在庫あり表記) | 半年 | 自分のミッションを預けて修理する方式。基本交換部品はシールキット・シンクロリング・ハブ&スリーブ・ベアリング等。ケース・ギヤ交換は価格変更・修理不可あり |
| 中古ミッション載せ替え | 本体は公表値なし。工賃はクラッチOHと同程度(整備士の記事・2018年) | 記載なし | 現場で最も多い選択だが「載せてみないとわからない」と書かれている |
- 116,600円はミッション本体のみの価格です。4WD車でトランスファが別体の場合は、トランスファを含みません
- 適合の表記はJA11Vのみです。車検証の型式欄を見て一致を確認し、分からなければ販売店に適合を問い合わせてください
- 参考として、整備工場の記事は、リビルト本体の下限を110,000円〜(出所の記載なし・型式指定なし)と置き、脱着工賃26,350円を足した136,350円〜(編集部算出)を示しています
- 計算例の1つとして、116,600円に脱着26,350円を足すと142,950円(編集部試算・脱着は1回と仮定・税込と税別不明が混在・脱着工数はJA22Wの実例)になります。現品修理は脱着が1回ですが、読者の見積書の額とは条件が違うので、判定の線にはしません
避けたい判断: 工賃だけのOH見積りを、部品込みのリビルト価格と比べて「OHが安い」と決める。 こうすればOK: 見積書の(分解・組付工賃+部品代)を、116,600円と同じ範囲で並べる。部品代が「分解後に確定」で空欄なら、交換予定の部品一覧と上限額を聞く。
見積書の(分解・組付工賃+部品代)が116,600円に近い、または超えるなら、リビルト現品修理と載せ替えの相見積りを取りましょう。載せ替えの考え方は JA11 エンジンスワップ 費用 も参考になります。
ミッションを降ろすなら、クラッチの状態を同時に見るかを先に決める
結論は、クラッチの交換時期が近いなら、脱着の重複計上がないかを見積書で確かめることです。同時作業の割引条件は公表されていません。
- 専門店の標準工賃では、クラッチオーバーホールは31,500円〜(税込・時点不明・下限表記)で、クラッチとの同時作業の割引条件の記載はありません
- クラッチディスクの寿命は、走行距離10万km前後と言われています(車種非特定の記事の伝聞表現。JA11の寿命の公表値ではない)
- 滑りの症状とミッション不具合の見分けは JA11 クラッチ 滑り 症状 確認 に、クラッチ側の費用は JA11 クラッチ交換 費用 にあります
見積書の「部品代」と「脱着」の行を確認し、直す・相見積もり・先に切り分けのどれかを選ぶ
結論は、見積書を3行に分けて聞けば、払う・比べる・先に確かめるが選べるということです。
- 見積書を「脱着」「分解・組付」「部品代」の3行に分ける
- 作業範囲(シールのみ・シンクロ等・ケース・ギヤ)を聞く
- 部品代が空欄なら、交換予定の部品一覧と上限額を聞く
- (分解・組付工賃+部品代)を、リビルト現品修理116,600円(JA11V・税込・本体のみ)と並べる
- クラッチも同時に見るか、脱着の重複計上がないかを聞く
見積りの取り方は JA11 修理 見積もり 高い 対処 にまとめています。修理費が車の価値を超えるときは、売却も選択肢です。切り分けが済む前に売る必要はなく、まず JA11 買取 相場 で車の価値を確かめておくと、次の修理費と比べられます。
この集計の限界
- n: 工数式は JA22W を入庫した整備工場1社の試算(OHの実作業ではない・税込/税別不明)。整備士の相場感は2018年の記事1件。リビルト価格はJA11V用の販売店1社
- 専門店の標準工賃は、更新日が不明で、消費税5%時代の端数が並ぶ表です
- 部品代の公表実額、JA11の型式(4速/5速・前後期)による費用差の公表値は見つかりませんでした
- 時点は2026年10月5日です。リビルト価格・在庫が変わったときは見直します
よくある質問
Q1. ミッションOHの工賃はいくらかかりますか?
整備工場1社の工数式の例では、55,250円(6.5時間×8,500円・部品代別)です。JA22Wの試算で、JA11の値ではありません。専門店の標準工賃は52,500円(税込・時点不明・脱着を含むか不明)で、2つを範囲としては扱いません。
Q2. ミッションOHの部品代はいくらですか?
事業者の公表実額は見つかりませんでした。シンクロナイザーリング・ハブ&スリーブ・ベアリング等は作業範囲で変わるので、見積書に部品の一覧と上限額を書いてもらうのが確実です。
Q3. ミッションをリビルトに載せ替えるといくらですか?
JA11V用のリビルト現品修理は116,600円(税込・ミッション本体のみ・半年保証・自分のミッションを預ける方式)です。これに脱着工賃26,350円(JA22Wの工数式)を足すと142,950円で、編集部試算です。実額は店ごとの見積りで確かめてください。
Q4. オイル漏れだけならいくらで直りますか?
整備工場の実例(JA22W・1件)では、オイルシール交換の合計が41,620円(部品代2,520円+工賃39,100円)でした。これはOHではありません。詳しくは JA11 オイル漏れ 修理 費用 を見てください。
Q5. ミッションを降ろすならクラッチも一緒に交換すべきですか?
一律には言えません。クラッチディスクの寿命は10万km前後と言われています(車種非特定・伝聞)。クラッチOHの専門店標準工賃は31,500円〜(税込・時点不明)で、同時作業の割引条件は公表されていないので、見積書で脱着の重複計上がないかを確認してください。
Q6. 4WD車はトランスファやデフも一緒にOHが必要ですか?
状態によります。専門店の標準工賃では、トランスファーOHは36,750円〜、デフOHは1か所31,500円(いずれも税込・時点不明)で、ミッションとは別作業です。リビルト現品修理の116,600円は、トランスファが別体の4WD車ではミッション本体のみの価格です。なお、ATのOHやATFはこの記事の対象外です。
