旅行のキャンセル料はいつから発生する?予約の種類別に確かめる
パッケージツアー(募集型企画旅行)の取消料は、国内なら旅行開始日の前日から数えて20日目(日帰りは10日目)以降にかかります。ただし宿もJRのきっぷも、これとは別の規定で決まります。
この記事は、標準旅行業約款(最終改正 令和8年3月9日、令和8年4月1日適用)などの原文で確かめた内容です(取得日 2026年10月22日)。予約の確認画面や旅行条件書を手元に開き、自分の予約でいつから取消料がかかるかを確かめる使い方を想定しています。航空券単体・レンタカー・体験予約は扱いません。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1取消料がかかり始める日は、ツアー・受注型・手配旅行・宿・JRなど予約の種類で別の規定が効く
- 2パッケージツアー(募集型)は国内は20日目(日帰りは10日目)、海外は30日目(ピークは40日目)以降。ただし約款の率は上限で、実際は契約書面が優先
- 3「かかり始める日」は無料の最終日ではない。自分の書面で金額・起算・支払期日を確かめる手順がわかる
まず自分の予約がどの種類かを確かめる
取消料は「何を予約したか」で効く規定が変わります。表のどれに当たるかを先に引き当ててから、該当の節を読んでください。
| 予約の種類 | 効く規定 | 読む節 |
|---|---|---|
| パッケージツアー(募集型企画旅行) | 標準旅行業約款 募集型の別表第一(率は上限) | 国内=3、海外=4 |
| オーダーメイド・団体など(受注型企画旅行) | 標準旅行業約款 受注型の別表第一。企画料金が書面にあれば別の扱い | 5 |
| 個別手配(手配旅行) | 運送・宿泊機関等の取消料そのもの。ツアーの表は当たらない | 5 |
| ダイナミックパッケージ(航空便+宿の組み合わせ) | 会社の旅行条件書(例: ANA X は航空便の取消料が別にかかる) | 5 |
| 宿泊のみ | 宿が定める宿泊約款・プラン(雛形はモデル宿泊約款) | 6 |
| JRのきっぷ | 各社の払戻手数料の規定 | 7 |
約款に書かれている取消料の率は「以内」、つまり上限です。実際の金額は契約書面(旅行条件書など)に明示され、そちらが優先します。(出典:国土交通省・観光庁・消費者庁「標準旅行業約款」別表第一備考、令和8年4月1日適用)
日数の数え方:「かかり始める日」は無料の最終日ではない
標準約款の取消料は「旅行開始日の前日から起算してさかのぼって○日目に当たる日以降」に解除する場合にかかります。(出典:標準旅行業約款 別表第一)
つまり前日を1日目と数えます。旅行開始日から20日引いた日が20日目で、その日の当日から取消料の対象です。「20日前の日まではまだ無料」と読み違えやすい点に注意してください。
計算例(国内のパッケージツアー・日帰りでない場合。旅行開始日を2026年12月10日とした編集部算出)は次のとおりです。
- 前日の12月9日が1日目
- 20日目は11月20日。この日以降に解除すると取消料がかかる
- 無料で取りやめられる最終日は、その前日の11月19日
宿やJRでは日数だけでなく時刻でも区切られます。宿は、連絡なしで宿泊当日の施設が定める所定の時刻になっても到着しないと、解除したものとみなされることがあります(出典:観光庁「モデル宿泊約款」第6条第3項)。JRの指定席は、出発日の前日から出発時刻までで手数料が変わります(第7節)。
パッケージツアー(国内)の取消料
募集型企画旅行・国内旅行の取消料は、旅行代金に対して次の率以内です。(出典:標準旅行業約款 募集型 別表第一、令和8年4月1日適用)
| 解除する時期 | 取消料(旅行代金に対する率) |
|---|---|
| 20日目(日帰りは10日目)以降 | 20%以内 |
| 7日目以降 | 30%以内 |
| 旅行開始日の前日 | 40%以内 |
| 旅行開始当日 | 50%以内 |
| 旅行開始後の解除・無連絡不参加 | 100%以内 |
これより前の時期は、この表には取消料がありません。ただし貸切船舶を利用する旅行は、その船舶の取消料の規定によります。(出典:同上)
パッケージツアー(海外)の取消料とピーク時
募集型企画旅行・海外旅行(出国時または帰国時に航空機を利用。貸切航空機を除く)は、次のとおりです。(出典:標準旅行業約款 募集型 別表第一、令和8年4月1日適用)
| 解除する時期 | 取消料(旅行代金に対する率) |
|---|---|
| 40日目以降(旅行開始日がピーク時の場合のみ) | 10%以内 |
| 30日目以降 | 20%以内 |
| 旅行開始日の前々日以降 | 50%以内 |
| 旅行開始後の解除・無連絡不参加 | 100%以内 |
ピーク時は、旅行開始日が次のいずれかの期間にある場合です。(出典:同上 別表第一の注)
- 12月20日から1月7日まで
- 4月27日から5月6日まで
- 7月20日から8月31日まで
貸切航空機を利用する海外旅行は、90日目以降20%、30日目以降50%、20日目以降80%、3日目以降・無連絡不参加は100%(いずれも以内)で、通常の表とは別です。出入国に船舶を利用する旅行は、その船舶の取消料の規定によります。(出典:同上)
ピーク時の40日目・10%の区分があるのは募集型です。受注型の海外旅行の表にはありません(次の節)。(出典:標準旅行業約款 募集型・受注型 別表第一、令和8年4月1日適用)
約款の表とずれる種類:受注型・手配旅行・ダイナミックパッケージ
受注型企画旅行
国内の受注型は、20日目(日帰りは10日目)以降20%、7日目以降30%、前日40%、当日50%、開始後100%(いずれも以内)で、率は募集型と同じです。海外(航空機利用)は30日目以降20%、前々日以降50%、開始後100%(以内)で、ピーク時の10%の区分は表にありません。(出典:標準旅行業約款 受注型 別表第一)
違いは企画料金です。契約書面に企画料金の金額が明示されている場合は、表の期日の区分に当たらない時期に解除しても、企画料金に相当する金額がかかります。表の期日より前でも取消料が出うる点が、募集型との差です。(出典:同上)
手配旅行
手配旅行を旅行者の都合で解除すると、運送・宿泊機関等にすでに支払った、またはこれから支払う取消料・違約料等に加え、旅行会社所定の取消手続料金等を負担します。ツアーの別表第一の表は当たらず、手配した先の規定がそのまま効きます。(出典:標準旅行業約款 手配旅行契約の部 第13条第2項)
ダイナミックパッケージ
ダイナミックパッケージは会社ごとの旅行条件書で決まります。ここでは、ANA X の国内ツアー/ダイナミックパッケージの例(取得日 2026年10月22日)で見ます。
- 旅行取消料: 旅行開始日の20日前〜8日前は旅行代金の20%、7日前〜2日前は30%、前日は40%、当日は50%、開始後・無連絡不参加は100%
- 航空便の取消料(旅行取消料とは別): 契約した時点から搭乗日の55日前までは往路・復路それぞれ500円(小児375円)、54日前〜21日前は2,000円(小児1,500円)
(出典:株式会社ANA X「取消料がいつからかかるか教えて【国内ツアー/ダイナミックパッケージ】」、ページに更新日の記載なし)
取消料の前に、そもそも変更できない運賃かどうかも確かめたい場合は、ANAの「シンプル」運賃の変更条件と、JRの料金が動く仕組みに整理しています。
宿泊単体:宿の約款とプランで決まる
宿だけを予約した場合は、宿が定める宿泊約款とプランの表示に従います。観光庁のモデル宿泊約款は雛形で、実際の区分と率は施設の約款・プランが決めます。モデル宿泊約款では、宿泊客は宿に申し出て契約を解除でき、宿泊客の責めに帰すべき事由による解除は別表第2の違約金がかかるとされています。(出典:観光庁「モデル宿泊約款」第6条、最終改正 令和5年12月13日)
モデル宿泊約款の別表第2は、ホテル用と旅館用で日数の区分が違います。率の欄は空欄で、施設が決める形です。(出典:同上 別表第2)
| 種類 | 日数の区分 |
|---|---|
| ホテル用 | 不泊・当日・前日・9日前・20日前 |
| 旅館用 | 不泊・当日・前日・2日前・3日前・5日前・6日前・7日前・8日前・14日前・15日前・20日前・30日前 |
具体的な日数と率は、予約したプランの表示や宿の約款で確かめてください。連絡なしで所定の時刻を過ぎると、解除扱いになることがある点は第2節のとおりです。
新幹線・JRのきっぷ:払戻手数料の仕組みが違う
JRのきっぷは、使用開始前の払い戻しに手数料がかかります。JR東海・JR西日本の規定(取得日 2026年10月22日)で確認した額は次のとおりです。(出典:JR東海「きっぷの払いもどし(使用開始前)」、JR西日本「【2026年10月号】きっぷのルール」p.60)
| きっぷ | 払戻手数料 |
|---|---|
| 指定席特急券・指定席グリーン券・寝台券など | 列車出発日の2日前まで340円。出発日の前日から出発時刻までは30%(最低340円) |
| 普通乗車券・急行券・自由席特急券など(使用開始前で有効期間内) | 220円 |
| 出発日またはその前日にいったん変更した指定券(立席特急券を除く) | 30% |
他のJR会社は、各社の規定で確かめてください。航空券単体・レンタカー・体験予約は、この記事では扱いません。
取消料なしで解除できる場合と、支払期日の落とし穴
募集型企画旅行では、重要な契約内容が変更されたときや、天災地変・戦乱・運送宿泊機関等のサービス提供の中止・官公署の命令などで旅行の安全かつ円滑な実施が不可能、または不可能となるおそれが極めて大きいときは、旅行者は取消料なしで解除できます。(出典:標準旅行業約款 募集型 第16条第2項)
自分の予約の条件を確かめる手順
取消料の金額と起算は、契約書面に明示されます(出典:標準旅行業約款 別表第一備考)。なお消費者契約法第9条第1項第1号は、解約料の条項のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効とします(出典:e-Gov法令検索 消費者契約法、取得日 2026年10月22日)。個別の予約でこれに当たるかは、この記事では判断しません。
- 予約が上の表のどの種類かを特定した
- 契約書面(旅行条件書・予約確認メールなど)で、取消料の金額と起算の日を見た
- 「かかり始める日」の前日、つまり無料で取りやめられる最終日をカレンダーに控えた
- ダイナミックパッケージは、航空便の取消料がかかり始める日も控えた
- 宿は、プランに表示された区分と所定の到着時刻を見た
- 旅行代金の支払期日を確かめた
- わからない点は、予約した会社に問い合わせた

