自社ローンの仕組み:オートローン・銀行ローンと何が違うのか
2026年10月30日更新
「自社ローン」は通称で、割賦販売法・同施行令・同施行規則にこの語はありません。このページでは、販売店と購入者の2者で結ぶ分割払いを自社ローン、信販会社が間に入る分割払いを信販系のオートローン、銀行からの借入を銀行のマイカーローンと呼び分けます。誰と契約し、誰が審査し、手数料・名義・信用情報の扱いがどう違うかを整理し、どれがよいかは決めません。
3つの方式は「契約の相手」が違う
日本クレジット協会の分類では、分割払いは契約の当事者の数で2つに分かれます。2者間契約は消費者と販売会社、3者間契約は消費者・クレジット会社・販売会社の3者が当事者です(2014年版の資料)。
このページでは、販売店と購入者の2者で結ぶ分割払いを自社ローン、信販会社を通す3者間の分割払いを信販系のオートローンと呼びます。
三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン」(2025年10月1日現在の商品説明書)は、分割払いの契約ではなく、借入金額・借入期間を定める「借入」の商品で、借入資金は返済用口座に入金されたうえで銀行が支払先へ振り込みます。資金使途は自動車等の購入資金と見積書記載の諸費用等で、購入する車の売買契約書の名義が申込人本人であるものに限っています。これは1商品の例で、銀行ローン全般の条件ではありません。
「オートローン」という呼び方は、銀行の商品名にも使われます。東邦銀行は、商品名に「オートローン」を使う融資商品を出しています(2026年10月1日現在のページ)。1社の例で、全銀行に共通とは言えません。
名前ではなく、契約書に書かれた相手が誰かで見分けるのが確実です。
| 見る点 | 自社ローン(販売店との分割払い) | 信販会社が間に入るオートローン | 銀行のマイカーローン(1商品の例) |
|---|---|---|---|
| 契約の当事者 | 消費者と販売会社(2者間) | 消費者・クレジット会社・販売会社(3者間) | 購入者と銀行の借入。売買契約書の名義は申込人本人に限る |
| 審査をする側(協会の分類) | 販売会社 | クレジット会社 | 商品説明書に記載なし(保証会社の保証を利用・保証人は不要) |
| 担保・車検証の所有者 | 割賦販売法の割賦販売にあたる場合、完済までは販売業者に留保されたものと推定(7条。自動車は施行令の指定商品) | (オリコの案内の例)信販会社名義で登録される場合がある | 担保は不要。所有権の扱いは商品説明書に記載なし |
| 費用の示し方 | 割賦手数料の料率(年利建て)を示す | 個別信用購入あっせんの手数料の料率を示す | 借入利率(この商品は変動利率) |
自社ローンとは何か:販売店が代金を分けて受け取る形
販売店との分割払いが割賦販売法の割賦販売(2条1項1号)にあたるのは、代金を2か月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分けて受け取ることを条件に、指定商品を販売する場合です。自動車は、施行令の別表第一(37号)で指定商品に入っています。2回払いや2か月未満の支払いは、この条件に当てはまりません。
同じ自社ローンという名前でも、契約の中身が同じとは限りません。契約書の当事者欄に書かれているのが販売店だけか、信販会社も並んでいるかを、まず確かめます。
審査をするのは誰か
日本クレジット協会の説明では、2者間契約では審査をするのは販売会社、3者間契約では審査をするのはクレジット会社です。
2者間の分割払いを自社ローンと呼ぶこのページの呼び方では、審査をするのは販売店側です。販売店ごとの審査基準や審査の進み方は、編集部の調べでは公的資料で確認できていないため、どの方式が通りやすいかは述べません。
3者間の個別信用購入あっせんは、経済産業省の登録簿に登録を受けた法人でなければ業として営めません(割賦販売法35条の3の23。同条ただし書の団体を除く)。個別方式のクレジットは、自動車や家電製品など高額商品の購入に広く使われています(2014年版の資料)。
信販会社を通す契約では、その会社が登録を受けた事業者かを確かめる手がかりになります。
商品が届かない場合の申し出先は、方式で違います。2者間では販売店に、3者間ではクレジット会社に申し出ます(日本クレジット協会のQ&A)。
トラブル時の動き方は、チェックリストにまとめています。 自社ローンの注意点:中古車の契約前に書面で確かめる項目 →
手数料と金利:「金利0%」と「手数料なし」は別
割賦販売法の施行規則は、割賦手数料を、金利に限らず「何らの名義をもってするを問わず」購入者に支払わせるものの総額と定めています。名目が金利でなくても、割賦販売に伴う手数料は含まれうるということです。
手数料の定義と支払総額の見方は、総額のガイドで詳しく扱います。 中古車の「支払総額」とローンで払う総額は別物 →
販売店が自社で分割を受ける場合、現金販売価格・割賦販売価格・支払の期間と回数・手数料の料率を示す義務があります(割賦販売法3条1項。カード等を使う方式を除く)。信販会社を通す個別方式でも、販売店には、販売価格と手数料の合計である支払総額と、手数料の料率を示す義務があります(35条の3の2第1項)。
先の銀行の1商品は、「利率」で示されます。短期プライムレート連動長期貸出金利を基準とする変動利率で、借入利率は年2回見直されます。具体的な利率は、契約時点の商品ページで確認する必要があります。
名義(車検証の所有者)の違い
車検証には所有者欄と使用者欄があります。国土交通省の資料では、割賦(ローン)販売で買って所有権が留保される場合、自分で使うが所有者は自分ではなく、信販会社や自動車販売店等になります。
割賦販売法の割賦販売にあたる場合は、7条が、完済までは所有権が割賦販売業者に留保されたものと推定します(自動車は施行令で推定の対象)。ただし7条は帰属の「推定」で、車検証の所有者名義を決める規定ではありません。信販会社の例では、オリコの案内に、所有者名義がオリコで登録される場合があるとあります(1社の案内)。
所有権が留保されている間の売却など、詳しくはチェックリストにまとめています。 自社ローンの注意点:中古車の契約前に書面で確かめる項目 →
信用情報の扱い
信販会社の個別信用購入あっせん業者は、支払可能見込額の調査で、指定信用情報機関が保有する特定信用情報を使わなければなりません(割賦販売法35条の3の3第3項。同条第1項ただし書の例外あり)。CIC は、経済産業大臣が指定した指定信用情報機関の1つです。
CIC に登録されるクレジット情報には、割賦販売法の対象商品の割賦残債額、年間請求予定額、遅延の有無等が含まれます。保有期間は契約期間中と契約終了後5年間で、申込情報は照会日から6か月です。
自社ローンの販売店が信用情報機関に照会・登録するかどうかは、編集部の調べでは公的資料から一律には確認できていません。店ごとに確かめる事項です。
契約の前に、方式ごとに確かめる軸
どの方式がよいかは、車の価格、頭金、返済に回せる月額、審査への不安など、読者の条件で変わります。ここでは決めず、契約の前に書面で確かめる軸だけをまとめます。
- 契約書の当事者欄:販売店だけか、信販会社や銀行も入っているか
- 審査をする側:販売店か、クレジット会社か、銀行(と保証会社)か
- 手数料の料率(年利建て)と、手数料を含む支払総額が、書面に出ているか
- 車検証の所有者欄が誰になるか
- 信用情報機関への照会・登録の有無を、書面で確かめられるか
次に読むもの
契約前の注意点は、チェックリストにまとめています。 自社ローンの注意点:中古車の契約前に書面で確かめる項目 →
大阪府の店舗ごとの条件は、大阪府の比較ページで見られます。 大阪府で自社ローンを扱う中古車販売店 →
よくある質問
自社ローンは法律で決まった言葉ですか。
いいえ。割賦販売法・同施行令・同施行規則に「自社ローン」という語はありません。通称です。
ローンで買った車の車検証は、所有者が自分になりますか。
所有権が留保される場合は、自分で使うが所有者は自分ではなく、信販会社や自動車販売店等になります(国土交通省の資料)。契約ごとに、契約書と車検証で確かめます。
あわせて確かめる
出典と確認日
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「割賦販売法」(2026年10月30日に確認)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「割賦販売法施行令」(2026年10月30日に確認)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「割賦販売法施行規則」(2026年10月30日に確認)
- 一般社団法人日本クレジット協会「クレジット教育実践の手引き(第四版)」(2026年10月30日に確認)
- 株式会社三菱UFJ銀行「ネットDEマイカーローン・同(据置タイプ)商品説明書(2025年10月1日現在)」(2026年10月30日に確認)
- 株式会社東邦銀行「オートローン」(2026年10月30日に確認)
- 株式会社オリエントコーポレーション「オートローン完済時の所有権解除について」(2026年10月30日に確認)
- 一般社団法人日本クレジット協会「クレジットで購入した商品が届かない。どこに相談したらよいのか?」(2026年10月30日に確認)
- 国土交通省 自動車保有関係手続のワンストップサービス「申請画面マニュアル【移転登録(所有者本人による申請)】2026.09版」(2026年10月30日に確認)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)「指定信用情報機関制度」(2026年10月30日に確認)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)「CICが保有する信用情報」(2026年10月30日に確認)