消費期限と賞味期限の違いとは?期限が保証すること・しないこと
消費期限と賞味期限は、どちらも「開封していない状態で、表示された保存方法で保存した場合」の期限です。この記事では、2つの言葉の意味、どんな食品にどちらが付くか、期限を過ぎたときの扱い、年月だけの表示までを、公的資料の記載の範囲で整理します。
開封後や期限切れ後に「何日まで」と言える日数は扱いません。消費者庁と東京都の資料には、その日数が書かれていないためです。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1消費期限は安全性、賞味期限は期待される品質の期限
- 2どちらも未開封・表示どおりの保存が前提で、開封後は別に考える
- 3賞味期限を過ぎてもすぐ食べられなくなるわけではないが、日数の公的な目安はない
一言でいうと:消費期限は安全の期限、賞味期限は品質の期限
食品表示基準は、2つの期限を次のように定めています。
| 消費期限 | 賞味期限 | |
|---|---|---|
| 何の期限か | 安全性を欠くおそれがないと認められる期限 | 期待されるすべての品質の保持が十分に可能と認められる期限 |
| 過ぎたとき | 食べない | 超えても品質が保たれていることがある |
消費期限は「安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限」です。賞味期限は、「期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限」で、「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがある」とされています。
つまり賞味期限は、安全の期限でも、過ぎたら食べられなくなる期限でもありません。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月、取得 2026-10-30)
どんな食品にどちらが付くか
消費期限は、弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、生めん類など、品質が急速に劣化しやすい食品に表示されます。賞味期限は、スナック菓子、即席めん類、缶詰など、品質の劣化が比較的穏やかな食品に表示されます。
期限は、食品を作る事業者(表示責任者)が決めます。消費期限は微生物試験などの安全性の試験・検査の結果を優先して、賞味期限は理化学試験や官能検査などの品質の試験・検査の結果を優先して設定する、というのがガイドラインの考え方です。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月、取得 2026-10-30)
期限は「未開封・表示どおりの保存」の期限
消費者庁の説明では、2つの期限は、いずれも開封していない状態で、表示されている保存方法で保存した場合の期限です。農林水産省も、袋や容器を開けないで、保存方法に表示されている方法で保存した場合の期限と説明しています。
そのため、開封後は期限内でも安全に食べられるとは限りません。開封すると雑菌が混入したり、酸素に触れたりして、品質が急速に劣化することがあります。農林水産省は「一度開けた食品は期限に関係なく早めに食べましょう」としています。
開封後にどれだけ持つかは、東京都によると食品の種類や保存方法で全く違い、単純に何日間とは言えません。「開封後要冷蔵」など、期限表示とは別の保存方法が書かれている食品は、その表示に従います。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月/農林水産省「期限表示について教えてください。」/東京都保健医療局「開封した食品でも、賞味期限内であれば食べられますか?【食品安全FAQ】」、いずれも取得 2026-10-30)
期限を過ぎたらどうなるか
消費期限を過ぎた食品は、食べないでください。消費者庁の説明では、この点について理由や例外は示されていません。
賞味期限を過ぎた食品については、消費者庁は「必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありません」と書いています。そのうえで、食べられるかどうかは消費者自身も確認し、十分に加熱するなど調理法を工夫するよう求めています。これは「過ぎても安全」という意味ではありません。
「何日まで食べられる」という日数は、消費者庁のガイドラインにも、東京都の食品安全FAQ(開封後の食品)にも書かれていません。この記事で言えるのは、この2つの資料を確認した範囲までです。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月/東京都保健医療局「開封した食品でも、賞味期限内であれば食べられますか?【食品安全FAQ】」、いずれも取得 2026-10-30)
賞味期限は「年月」だけのことがある
賞味期限は、製造日から賞味期限までの期間が3か月を超えるものについて、「年月」での表示が認められています。日が書かれていないのは、このためです。消費期限は年月日で表示します。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月、取得 2026-10-30)
よくある誤解を整理する
| よくある見方 | 公的資料の記載 |
|---|---|
| 期限内なら、開封後も安全 | 開封後は期限内でも安全とは限らない。賞味期限の長さと開封後の持ちは関係しない |
| 賞味期限は安全の期限で、過ぎたら食べられない | 品質の期限で、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない。ただし日数の目安は示されていない |
| 期限の後にも、一定の余裕がある | 安全係数は事業者が期限を決めるときの係数。食品ごとに異なる |
| 5日を境に、消費期限と賞味期限を分ける | 平成20年に解消済みで、現在は推奨されていない |
3つ目の「安全係数」について補足します。これは、事業者が期限を決めるときに用いる係数です。ガイドラインは、食品の特性によるものの、安全係数は1に近づけることが望ましいとしています。レトルトパウチ食品や缶詰のように、品質のばらつきが少なく、得られた期限で安全が十分に担保される食品は、考慮する必要がないとされています。期限の後に余裕があることを示す数字ではないので、期限を過ぎた食品を食べてよい理由にはなりません。
4つ目は、かつて「5日」で消費期限と賞味期限を区別する考え方(平成7年の通知)があったことによるものです。この考え方は、平成20年に厚生労働省と農林水産省で解消されています。
なお、ガイドラインは事業者に、賞味期限の表示へ「期限を過ぎても、必ずしもすぐに食べられないということではありません」といった説明を付記することを、望ましいとしています。義務ではありません。
(出典:消費者庁食品表示課「別添 食品期限表示の設定のためのガイドライン」令和7年3月/東京都保健医療局「開封した食品でも、賞味期限内であれば食べられますか?【食品安全FAQ】」、いずれも取得 2026-10-30)
関連する判断:家庭の食品ロスと次に読むもの
食費を考えるうえで、食べ物を捨てる量も無視できません。環境省と農林水産省の推計では、令和6年度(2024年度)の日本の食品ロスは約461万トンで、うち家庭系が約224万トン、事業系が約237万トンです。食品ロスは、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品を指します。
家庭系224万トンの内訳は、直接廃棄が96万トン(43%)、過剰除去が35万トン(16%)、食べ残しが93万トン(41%)です。直接廃棄は、未開封の食品が食べずに捨てられているものです。端数処理のため、内訳の合計が合わないことがあります。ここで示したのは発生量の内訳で、期限表示の誤解との関係を示すものではありません。
期限切れで捨てる前に、食費全体で何を先にするかを考えたいときは、食費の節約は「捨てない」が先かを整理した記事が使えます。
市販品ではなく自分で作った料理の日持ちを知りたいときは、作り置きは何日もつかを整理した記事を読んでください。
(出典:環境省・農林水産省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)の公表について」2026年6月30日公表/環境省「我が国の食品ロスの発生量の推移(令和6年度は約461万トン)」、いずれも取得 2026-10-30)

