このページの要点

イギリスの大学の学費は、大学ごとに学科別の実額が公表されており、本記事の3校では年£25,000〜£70,554でした

  • よく見る年£9,790はイングランドの英国在住者(Home)向け上限額。日本の家庭には原則適用されない
  • イングランドは3年制、スコットランドは4年制。同じ年額でも総額は1年分変わる
  • 入学年の額で在学中固定という大学が多い一方、入学年が1年ずれると提示額自体が上がる

イギリスの大学の学費は、大学と学科によって決まります。本記事が原典を確認した3校(シェフィールド・グラスゴー・ケンブリッジ)では、留学生(Overseas fee status)の公表額は、医学・歯学・獣医学を除く学科で年£25,000〜£46,872、医学・歯学・獣医学で年£37,350〜£70,554でした。ネット上でよく出てくる年£9,790はイングランドの上限額で、英国に定住して3年以上住んでいる人(Home)向けです。日本から進学するご家庭には原則あてはまりません。本記事は大学名と年度を特定した公表額だけを使い、3年制・4年制の総額と、学費より先に出ていくビザ関連の現金まで積み上げます。

この記事の円換算について。税関の週間為替相場(日本関税協会掲載・2026年11月1日〜7日適用)の1英ポンド210.98円を丸め、1ポンド=211円で計算しています。学費・ビザ費用はポンド建てなので、円換算額は為替で動きます。最新のレート・最新の学費は、必ず各大学とGOV.UKの公式ページでご確認ください。

結論:イギリスの大学の学費と総額の早見表

POINT

留学生の学費は学科で決まります。本記事で確認した3校では年£25,000〜£70,554でした。これに「学位が3年か4年か」と「カレッジ費があるか」が掛かって、総額は2,300万円台から4,500万円台まで開きます。

まず全体像です。下の表は、本記事で原典を確認した3つの大学の公表額から、学費・生活費の下限・ビザ関連費だけを積み上げた金額です。出典のある公表額だけで積んだ下限であり、実際の生活費はこれより上に出ます。各行の内訳は後半で1つずつ分解します。

イギリスの大学(学部)の学費と、公表額だけで積んだ総額の目安(1ポンド=211円)

大学・学科学費(年)学位の年数公表額だけの総額
シェフィールド大学(医・歯を除く全課程・2026/27入学)£25,000〜£32,100(約528〜677万円)3年約2,319〜2,768万円
グラスゴー大学 人文・社会科学(2026/27入学)£27,720(約585万円)4年約3,315万円
グラスゴー大学 理工・生命科学(2026/27入学)£33,210(約701万円)4年約3,778万円
ケンブリッジ大学 文系グループ(2027入学)£30,798+カレッジ費£13,000前後(計約924万円)3年約3,509万円
ケンブリッジ大学 理工系グループ(2027入学)£46,872+カレッジ費£13,000前後(計約1,263万円)3年約4,526万円

表の積み方。学費=各大学の公表額×在学年数。生活費の下限=英国政府が学生ビザの資金基準として定める月額(ロンドン以外 月£1,171×最大9か月=年£10,539/約222万円)を下限の代わりに置いたもの×在学年数。ビザ関連費=申請料£558+医療保険追加料金(IHS)£776×付与されるビザの期間分(3年課程なら3.5年分=£2,716前後)。この月額はビザ審査の基準値であって、生活費の見積りではありません。住まい方・都市・12か月滞在するかどうかで実際の支出は上に動きます。出典=各大学の公表ページ、GOV.UK Student visa。

この表からまず読み取ってほしいのは、イギリスの学費は「イギリスだから高い/安い」では決まらないという点です。同じ国の中で、学科グループが1つ違うだけで年300万円以上、学位の年数が1年違うだけで総額700万円以上動きます。国名ではなく「どの大学のどの学科に何年通うか」で見ないと、予算は組めません。国を横断して比べたいときは海外大学の学費は総額で比べる、アメリカとの比較はアメリカの大学の学費と4年間の総額、授業料がほぼかからない国の例はドイツの大学の学費は無料?をご覧ください。

年£9,790が自分に使えない理由——HomeとOverseasの分かれ目

POINT

イギリスの学費は、入学時に「Home」か「Overseas」に判定されてから決まります。イングランドのHome上限額(2026/27開始で年£9,790)は、英国に定住して3年以上住んでいる人向けです。

イギリスの大学の学費を検索すると、必ず「年£9,790」や「年£9,535」という数字が出てきます。UCAS(イギリスの大学出願機構)は2026/27年度開始の課程について「イングランドの学費の上限」として「フルタイムの学生は年£9,790」と公表しています(スコットランド・ウェールズ・北アイルランドのHome feeは別制度です)。バーミンガム大学も「2026年入学のオファーなら初年度の学費は£9,790」と明記しています。ケンブリッジ大学の2027年入学の学費表でも、Home学生は全学科一律で£10,050です。

ただし、この額は英国政府が上限を規制している「Home fee status」の学生に適用されるもので、日本から進学するご家庭には原則あてはまりません。ケンブリッジ大学の学費表(2027-28年度版)は、判定基準をこう書いています。「もしあなたが英国に定住しており(最も一般的には英国市民、または無期限残留許可の保持者)、課程開始前の9月1日までの直近3年間を英国に居住していたなら、Home fee status になる可能性が高い。そうでなければ Overseas fee status になる可能性が高い」。グラスゴー大学も、International fee status になる条件として「出願時点でEEA域外に通常居住していること」「EEA域外での居住が3年間であること(ただしEEA域外の居住が一時的なもので6年未満の場合を除く)」を挙げています。

HomeとOverseasで何が変わるか(出典=UCAS・各大学の公表ページ)

Home fee statusOverseas fee status(日本から進学する場合)
判定の軸国籍・英国の在留資格・居住歴(定住+直近3年の英国居住が典型)上記に当てはまらない場合
学費の額政府が上限を規制。イングランドは2026/27開始で年£9,790(約207万円)。他の3地域は別制度大学が独自に設定。本記事が確認した3校では学科により年£25,000〜£70,554
額の決まり方大学は「政府が認める上限額を課す」方針が一般的大学の裁量。エディンバラ大学は「大学の裁量で設定し、各大学が独立に決める」と明記
在学中の推移政府の上限引き上げに合わせて毎年上がるのが一般的入学年の額で固定する大学が多い(次章)
学費ローン英国の授業料ローン(Tuition Fee Loan)の対象対象外。英国の生活費ローン(Maintenance Loan)も対象外

ここを取り違えると予算が3倍ずれます。年£9,790なら3年で約620万円ですが、Overseasの£30,798なら3年で約1,950万円です。なお、ケンブリッジ大学は「規則には多くの例外がある」と注記し、教育歴・家族の経歴・保護者の就労・直近の居住歴などの情報提出を求めたうえで判定するとしています。グラスゴー大学も「多くの出願者にとって fee status は現在の居住国と同じだが、すべてがそう単純なわけではない。出願時に提供された情報をもとに判定し、出願後に通知する」としています。ご家庭に英国との接点(保護者の英国駐在歴など)がある場合は、自己判断せず、出願先の大学に fee status の判定を依頼してください。判定は大学が行い、オファー(合格通知)に記載されます。

避けたい

検索で出てきた「イギリスの大学の学費は年9,790ポンド」をそのまま家計の前提に置く

こうすればOK

その額がHome fee status向けかどうかを先に確かめ、日本から進学するならOverseasの公表額で組み直す

避けたい

「留学生の学費は年£15,000〜22,000」のようなレンジだけを見て予算を決める

こうすればOK

志望する大学・学科の公表ページで、入学年度のOverseas額をそのまま拾う(レンジではなく実額が公表されている)

大学が公表している留学生の学費の実額

POINT

イギリスの大学は、留学生の学費を学科グループごとに公表しています。レンジで探すのではなく、志望校の公表額をそのまま拾うのが正確です。

イギリスの大学の学費は、ほとんどの大学が入学年度ごとに公表しています。ここでは原典を確認できた3校の公表額を、そのまま並べます。学費の「相場」ではなく、実際に請求される額の公表値です。

ケンブリッジ大学(2027年入学・学科グループ別)

ケンブリッジ大学・学部の学費(2027年入学・Overseas fee status。カレッジ費は別途)

学科グループ主な学科年額(カレッジ費を除く)
グループ1考古学、経済学、教育学、英文学、歴史、法学、言語学、哲学、HSPS(人文社会政治)、古典、アジア中東研究など£30,798(約650万円)
グループ2数学£34,356(約725万円)
グループ3建築、デザイン、地理、音楽£40,296(約850万円)
グループ4化学工学・バイオテクノロジー、コンピュータサイエンス、工学、経営学、製造工学、自然科学、心理行動科学£46,872(約989万円)
グループ5医学・獣医学£70,554(約1,489万円)

シェフィールド大学(入学年度ごとに幅で公表)

シェフィールド大学・学部の学費(留学生。同大学が入学年度ごとに公表している幅)

入学年度医学・歯学を除く全課程医学歯学
2026/27£25,000〜£32,100(約528〜677万円)£47,575(約1,004万円)/5年間£50,925(約1,075万円)/5年間
2027/28£27,650〜£34,670(約583〜732万円)£51,380(約1,084万円)/5年間£55,000(約1,161万円)/5年間

グラスゴー大学(スコットランド・学位は4年制)

グラスゴー大学・学部の学費(EU・留学生。スコットランドのため学位は4年制。同大学はいずれの年度も expected tuition fee rates として公表)

区分2026/272027/28
人文・社会科学£27,720(約585万円・見込み額)£28,275(約597万円・見込み額)
理工・看護・医学生命科学系£33,210(約701万円・見込み額)£33,708(約711万円・見込み額)
獣医学(BVMS)£37,350(約788万円)£38,670(約816万円)
歯学(BDS)£58,500(約1,234万円)£60,255(約1,271万円)
医学(MBChB)・臨床系£62,730(約1,324万円)£67,112(約1,416万円)

3校を並べると、よく見かける「文系£15,000〜22,000」という下限は、少なくともこの3校には当てはまらないことが分かります。本記事が確認した3校では、医学・歯学を除く課程でも£25,000(約528万円)以上で、ケンブリッジの文系は£30,798です。なお、これは3校を確認した結果であり、イギリス全体の下限ではありません。志望校が決まっているなら、レンジを探すより公表ページの該当学科の行を見るほうが早く、しかも正確です。

臨床系の注意。グラスゴー大学は、医学・歯学など臨床課程の留学生について「NHSの教育費負担(Overseas levy)が学費に内包されており、別払いは不要」としつつ、「スコットランド政府がOverseas levyを変更した場合は学費が改定されることがある」と注記しています。医学系を志望する場合は、学費が改定される条件があることまで確認してください。

ケンブリッジは「授業料+カレッジ費」の二段構え

POINT

ケンブリッジの留学生は、大学の授業料に加えて毎年「カレッジ費」を払います。2027-28年度の公表額はカレッジによって£12,500〜£15,950(約264〜337万円)です。

ケンブリッジ大学は、大学とカレッジ(学寮)の二重構造をとっています。同大学の学費表は、留学生についてこう明記しています。「Overseas fee status のすべての学生は、通常、大学の授業料に加えて年額のカレッジ費を払わなければならない」「留学生は総額を計算するときに追加のカレッジ費を足す必要がある」。つまり、前章の£30,798は1年に払う額の全部ではなく、約7割にあたる数字です。

カレッジ費は各カレッジが独立に決めるため、同じ学科でもカレッジによって額が違います。2027-28年度の公表額は下の幅に収まります。

ケンブリッジ大学のカレッジ費(留学生・2027-28年度の公表額から抜粋)

カレッジ年額円換算(1ポンド=211円)
Christ's£13,000約274万円
Saint John's£13,700約289万円
Newnham£13,800約291万円
Girton£13,900約293万円
King's£14,291約302万円
Churchill£14,862約314万円
Murray Edwards£15,950約337万円

この表は抜粋です。ケンブリッジは2027-28年度のカレッジ費を全カレッジぶん公表しており、公表額の幅は£12,500〜£15,950です。£13,000を下回るのは Darwin(£12,500)・Clare Hall(£12,750)・Queens'(£12,885)の3つです。カレッジ費にも固定の扱いがあり、Magdalene は「最初の3年間のみ固定」、Trinity は£21,063に30%の給付を適用した純額£14,745を「学部に在籍する期間は固定」と公表しています。志望カレッジの額は必ず最新の公表文書で確認してください。

したがって、ケンブリッジの文系(グループ1)を目指す場合、年間の学費相当は、カレッジ費がいちばん安いDarwinの£12,500で見ても£30,798+£12,500=£43,298(約914万円)、本文の表に挙げたChrist'sの£13,000なら£43,798(約924万円)になります。理工系(グループ4)なら£46,872+£13,000=£59,872(約1,263万円)です。「ケンブリッジの文系は年650万円」という理解で予算を組むと、カレッジ費がいちばん安いカレッジでも3年間で790万円以上足りません。

なお、ケンブリッジは留学中(year abroad)の扱いも公表しており、留学生が在学中に学外へ出る年は「年間のOverseas学費の50%」を負担するとしています。Home学生は15%です。交換留学を組み込んだ課程を検討する場合は、この差も予算に入れてください。

学費は在学中に上がるのか——大学ごとの公式規定を読む

POINT

留学生の学費は「入学年の額で在学中固定」とする大学が多数です。ただしこれはイギリス全体のルールではなく、大学が個別に決めた方針で、例外も明記されています。

アメリカの大学は学費が毎年上がるのが普通で、4年間の総額を出すときは値上げを織り込む必要があります(アメリカの大学の学費と4年間の総額で扱っています)。イギリスは逆で、留学生については入学年の額で固定するという大学が多いのが特徴です。ただし、これは法令や政府の規制ではなく、各大学が自分の方針として公表しているものです。文言を並べると差が見えます。

留学生の学費が在学中に上がるかどうか(各大学の公式規定・2026-11-01時点)

大学公表されている方針明記されている例外
ケンブリッジ大学「Overseas fee status の留学生の学費は、課程の全期間この額で固定される」学科(Fee Group)を変更した年/6タームを超えて連続休学して復帰した場合/当初の課程年数を超えて在籍する場合は、その時点の額
バーミンガム大学「初年度に払った学費は、課程の全期間、物価上昇による引き上げなしで一定に保たれる」International Foundation Programme と臨床系課程は除く
エディンバラ大学「国際学費レートと判定され、複数年にわたりフルタイムで学ぶ場合、年次の学費引き上げに対する例外が現在のところ存在する」=年次引き上げの影響を受けず、入学時期に基づく固定額が課される「現在のところ存在する例外」という書き方であり恒久的な保証ではない。継続学生の引き上げ上限は「RPI(物価指数)+5ポイント以内」と別途規定
シェフィールド大学「初年度に払う学費は、課程の各年度で同額になる」同じコースに在籍し続ける場合のみ。コースを変更すると、以降の年度で高いレートが適用されることがある
グラスゴー大学固定するという明示はない。公表しているのは「ここに挙げた学費は新入生向けで、継続学生には別の学費が適用されることがある」という注記臨床系はスコットランド政府のOverseas levyが変わると改定されることがある
(参考)Home fee status の学生ケンブリッジは「政府が認める上限額を課し、政府が承認した引き上げに合わせて翌年度以降も引き上げる」方針を明記政府の上限は物価見通しに連動して毎年改定される

読み方のポイントは2つあります。1つ目は、固定されるのは「自分が入学した年の額」であって「公表額そのもの」ではないこと(次章)。2つ目は、エディンバラ大学のように「現在のところ例外として固定している」という書き方をする大学があることです。4年通う前提で総額を出すなら、志望校の学費方針ページで「固定」と書いてあるか、それがどういう条件つきなのかを読んでおくべきです。

避けたい

「イギリスは留学生の学費が固定だから、年額×年数で総額が出る」と考える

こうすればOK

志望校の学費方針ページで固定の有無と例外(学科変更・休学・課程延長・ファウンデーション・臨床系)を確認してから、年額×年数で積む

避けたい

休学や課程延長の可能性を予算に入れない

こうすればOK

ケンブリッジのように「長期休学後の復帰は復帰時の新しい額」と明記する大学がある。延長・休学時にどうなるかを事前に読む

入学年が1年ずれると、提示される学費自体が上がる

POINT

在学中の額が固定でも、入学年が1年ずれれば提示額は上がります。上げ幅は大学によって大きく違い、確認した2校では年+1.5〜2.0%と+8.0〜10.6%でした。

ここは競合記事がまったく扱っていない論点です。前章のとおり多くの大学は「入学年の額で固定」としていますが、エディンバラ大学は同じ方針ページで「年次の学費レートは、各年度の新入生に対して上がる」と明記しています。つまり、浪人・ギャップイヤー・ファウンデーション1年をはさんで入学が1年後ろにずれると、固定される出発点そのものが高くなります。

どれくらい上がるのかは、2つの年度の公表額を並べれば実測できます。確認した2校では差が大きく出ました。なお、シェフィールド大学は年度ごとの学費を幅で公表しているため、下の表は下限同士・上限同士を比べたものです。同じコースの値上げ率とは限らない点にご注意ください。

入学年が1年ずれたときの学費の上げ幅(各大学の公表額から算出)

大学・区分2026/27入学2027/28入学上げ幅
シェフィールド大学 医・歯を除く(下限)£25,000£27,650+£2,650(+10.6%)
シェフィールド大学 医・歯を除く(上限)£32,100£34,670+£2,570(+8.0%)
グラスゴー大学 人文・社会科学£27,720£28,275+£555(+2.0%)
グラスゴー大学 理工・生命科学£33,210£33,708+£498(+1.5%)

3年分に換算すると、シェフィールドの下限コースで1年入学が遅れると学費だけで£7,950(約168万円)増えます。グラスゴーの人文系なら4年で£2,220(約47万円)です。同じ「1年遅れ」の金銭的な重さが、大学によって3倍以上違うということです。ファウンデーションをはさむかどうかを検討しているご家庭は、「ファウンデーションの学費」だけでなく「学部の学費が1年ぶん高い年度から始まること」も計算に入れてください。

この上げ幅は過去2年度の公表額から出した実測値で、将来の上げ幅の予測ではありません。グラスゴー大学も「ここに挙げた学費は新入生向けで、継続学生には別の学費が適用されることがある」「印刷時点では正しいが、入学時点で自分の課程に適用される学費レベルを確認してほしい」と注記しています。志望校を2年度ぶん見比べるだけで、その大学の値上げ傾向はご家庭でも確認できます。

3年制と4年制——スコットランドは1年分多い

POINT

イングランド・ウェールズ・北アイルランドの学士は3年が一般的、スコットランドのオナーズ学位(honours degree)は4年です。年額が同じでも総額は1年分変わります。

イギリスの大学が「アメリカより総額を抑えやすい」と言われる最大の理由は、学士課程が3年で終わることです。ところが、イギリスの中にも4年制の地域があります。エディンバラ大学の学部プログラム(2027年入学)は、学位の情報欄に「Duration of study: 4 years」と明記し、「4年にわたって科目を履修する」「あなたの honours years(3年目と4年目)」と説明しています。スコットランドのオナーズ学位は4年が標準で、これは留学生にも同じく適用されます。

学位の年数が総額にどう効くか(学費のみ・公表額ベース)

年額年数学費の総額
シェフィールド大学 医・歯を除く(イングランド・下限)£25,000(約528万円)3年£75,000(約1,583万円)
グラスゴー大学 人文・社会科学(スコットランド)£27,720(約585万円)4年£110,880(約2,340万円)
グラスゴー大学 理工・生命科学(スコットランド)£33,210(約701万円)4年£132,840(約2,803万円)
ケンブリッジ大学 文系(授業料+カレッジ費)£43,798(約924万円)3年£131,394(約2,772万円)

年額で見るとグラスゴーの人文系(£27,720)はケンブリッジの文系(£43,798)の6割強ですが、4年と3年の差で総額は£110,880対£131,394まで接近します。年額の安さは、年数で打ち消されることがあるということです。さらに4年制は、生活費もIHSも1年分多くかかります。

逆に言えば、スコットランドの4年制は「1年目から専門を固めなくてよい」という設計上の利点があります。エディンバラ大学は3年目・4年目をオナーズ学年(honours years)と呼び、1・2年目は幅広く履修できる構造だと説明しています。費用が1年分増えることと、進路を決める猶予が1年増えることを、ご家庭でどう評価するかという判断です。進路の決め方そのものに迷いがある場合は海外大学と日本の大学、どちらを選ぶかも合わせてご覧ください。

日本の高校卒業だけでは1年目に入れない大学が多い

POINT

日本の高校は12年制、イギリスの大学は13年の教育を前提にしています。そのため日本の高校卒業証明書だけでは学部1年に直接入れず、ファウンデーション(進学準備課程)を1年はさむよう求める大学が多数あります。

費用の面でこれがいちばん効きます。日本から進学する場合、学部3年ではなく4年(ファウンデーション1年+学部3年)の費用を見込む必要があるかもしれないのです。大学公式の文言を2つ引きます。

  • マンチェスター大学(日本の出願者向けページ):「日本と英国の教育制度の違いにより、高等学校卒業証明書(Kotogakko Sotsugyo Shomeisho)を取得した出願者は、学部課程に入る前に、大学が認めるファウンデーション・プログラムを修了する必要があります」。一方で「A-levelまたは国際バカロレア(IB)を学んでいる場合は、学部1年目への直接出願ができます」とし、目安をA-level A*AA〜ABB、IB 34〜38点(HLで7,6,6〜6,5,5)としています。
  • バーミンガム大学(日本の出願者向けページ):「日本で学んだ多くの学生は12年の教育制度を経ています。学部課程への入学について、バーミンガム大学はすべての出願者に13年の教育を求めており、したがって学部課程を始める前にファウンデーション・イヤーを受ける必要があるかもしれません」。IBは「ほとんどの学部課程で32点」と明記しています。

2つの大学が、別々に同じ構造(12年制と13年制の差)を公表しています。したがって「日本の高校を卒業してイギリスの大学に出願する」という前提で費用を考えるなら、次の3つのどれになるかを志望校ごとに確認するのが先です。

日本の高校生がイギリスの学部に入る3つのルートと費用への影響

ルート求められるもの費用への影響
A-levelまたはIBで直接入学マンチェスター大学の例でA-level A*AA〜ABB、IB 34〜38点(大学・学科で異なる)学部の年数ぶんだけ(追加の1年なし)
大学が認めるファウンデーションを1年はさむ高校の成績(マンチェスター大学の提携課程の例で全体80%以上)ファウンデーション1年分の学費+滞在1年分が追加
学部にファウンデーション・イヤーが組み込まれた課程マンチェスター大学の理工系の例で全体80%以上、数学・物理も80%以上同じく1年分追加。ただし大学内で接続されるので入学手続きは1回

ファウンデーションの学費額は本記事では示しません。大学直営のものと提携校(例:INTO)のものがあり、額は課程ごとに別建てで公表されるため、確認した公表額がないからです。確実に言えるのは、滞在が1年増える分だけ生活費とIHSが増えることで、ロンドン以外ならビザ基準額ベースの生活費£10,539(約222万円)とIHS£776(約16万円)が上積みになります。ファウンデーションの学費は、志望校の該当課程ページで必ず実額を確認してください。なお、バーミンガム大学は「International Foundation Programme は学費固定の対象外」と明記しています。

逆に、お子さんが国内のIB認定校に通っている、あるいはこれから検討する段階なら、イギリス進学の費用は1年分軽くなる可能性があります。日本国内のIB校については国際バカロレア(IB)の高校を選ぶ前にで整理しています。高校段階からイギリスに行く選択肢と比べたい場合はイギリス高校留学の仕組みと費用もご覧ください。

「すべての大学で必要」とは書いていません。本記事が原典で確認したのは上記2大学です。大学・学科によっては日本の高校卒業+評定・英語力で直接出願を受け付ける場合もあります。志望校の「country-specific information(国別の入学要件)」ページで、日本の資格がどう扱われるかを必ず確認してください。

学費より先に出ていくお金——ビザ・IHS・資金の見せ方

POINT

学生ビザの申請料£558と医療保険追加料金(IHS)は申請時に払います。IHSは年£776で、課程の長さに応じて全期間分を一括で払う計算です。生活費の資金証明は、日本国籍なら原則として提出不要です。ただし求められることがあるため、学費1年分も含めて基準を満たせる形で準備しておきます。

イギリス進学で見落とされやすいのが、入学前に出ていく現金です。GOV.UKの学生ビザのページから、金額に関わる部分を整理します。

学生ビザで必要になるお金(出典=GOV.UK・2026-11-01時点)

項目額いつ・どう払うか
ビザ申請料£558(約12万円)英国外からの申請・英国内での延長/切替のいずれも同額
医療保険追加料金(IHS)学生は年£776(約16万円)ビザ申請の一部として支払う。付与されるビザの長さに応じた額
IHSの計算(3年課程の例)£2,716前後(約57万円)1年を超えるビザでは、6か月を超える端数は1年分、6か月以下は半年分として計算される(3年+数か月なら3.5年分)
IHSの計算(4年課程の例)£3,492前後(約74万円)同じ計算で4.5年分
資金の基準額(生活費・ロンドン外)月£1,171×最大9か月=£10,539(約222万円)払うのではなく保有していることを示す額。日本国籍は提出が原則不要(下の注記)
資金の基準額(生活費・ロンドン)月£1,529×最大9か月=£13,761(約290万円)同上
資金の基準額(学費)1学年分(最大9か月分)額はCAS(入学許可確認書)に記載された額

ここで、日本から出願するご家庭にとって重要な例外があります。GOV.UKは「differential evidence requirement(証拠要件の緩和)の対象国の出身者であれば、自分を支える十分な資金があることを証明する必要はない」とし、その国のリストに日本を挙げています。つまり、日本国籍の方は申請時に残高証明などの書類を出さないのが原則です。ただし同じページは「それでも、申請の決定が出る前に、この証拠の提出を求められることがあります」「提出が必要な場合は、申請後にUK Visas and Immigration(UKVI)から連絡があります」とも明記しています。

それでも基準は満たせる形で用意しておく。GOV.UKは資金の保有について「この資金を少なくとも28日間連続で保有していなければならない」「28日間の終了日は申請日から31日以内でなければならない」と定めています。日本国籍は書類の提出が原則不要でも、求められたときに示せなければ結果は同じです。ロンドン以外の大学で学費£25,000のコースなら、£25,000+£10,539=£35,539(約750万円)が基準額になります。

この月額はビザ審査の基準値であって、生活費の見積りではありません。月£1,171・£1,529は最大9か月分までしか問われない水準で、実際には12か月滞在する人もいますし、寮費・食費・交通費は都市と住まい方で大きく変わります。本記事はご家庭ごとの生活費の実額を推定せず、出典のある基準額だけを積んでいます。志望校の公式サイトが公表する生活費の見積りも併せてご覧ください。

スケジュールも確認しておきます。GOV.UKは、英国外からのビザ申請は「課程開始の6か月前から」可能で、審査は「通常3週間以内」としています。学位課程で18歳以上なら「通常最長5年」の滞在が認められます。出願から入学までの全体の流れは海外大学の出願で扱っているので、資金の準備時期と出願スケジュールを重ねて計画してください。

避けたい

学費の支払い時期だけを見て「初年度の夏までに用意すればよい」と考える

こうすればOK

日本国籍は資金の証明書類が原則不要でも、求められたら示せるよう、申請の約1か月前には学費1年分+生活費を動かさずに置けるキャッシュフローを引く

避けたい

IHSを「年16万円だから毎年払う」と考える

こうすればOK

IHSはビザ申請時に全期間分を払う。3年課程なら約57万円、4年課程なら約74万円が渡航前に一度で出る

公表額だけで積んだ総額と、自己負担を下げる手

POINT

学費・生活費の下限・ビザ関連費を足すと、イギリスの学部3年で約2,300万円台から、4年制や理工系では3,300万〜4,500万円台になります。下げる手は奨学金・大学の学費割引・国と年数の選び直しの3つです。

冒頭の早見表の内訳を開きます。すべて公表額の積み上げで、推定値は含みません。

公表額だけで積んだ総額の内訳(ロンドン以外・1ポンド=211円)

学費生活費の下限(ビザ基準額)ビザ関連費合計
シェフィールド大学 医・歯を除く・下限(3年)£75,000(約1,583万円)£31,617(約667万円)£3,274(約69万円)£109,891(約2,319万円)
シェフィールド大学 医・歯を除く・上限(3年)£96,300(約2,032万円)£31,617(約667万円)£3,274(約69万円)£131,191(約2,768万円)
グラスゴー大学 人文・社会科学(4年)£110,880(約2,340万円)£42,156(約890万円)£4,050(約85万円)£157,086(約3,315万円)
グラスゴー大学 理工・生命科学(4年)£132,840(約2,803万円)£42,156(約890万円)£4,050(約85万円)£179,046(約3,778万円)
ケンブリッジ大学 文系+カレッジ費£13,000(3年)£131,394(約2,772万円)£31,617(約667万円)£3,274(約69万円)£166,285(約3,509万円)
ケンブリッジ大学 理工系+カレッジ費£13,000(3年)£179,616(約3,790万円)£31,617(約667万円)£3,274(約69万円)£214,507(約4,526万円)

これは下限です。生活費の行はビザの資金基準額(最大9か月分)を下限として置いたもので、実際の生活費ではありません。航空券・渡航前の費用・海外送金手数料・教科書・帰国時の費用などは含みません。ロンドンの大学ならこの行が年£13,761(約290万円)に上がります。また、学費の行は入学年の額が在学中固定される前提で年数を掛けています。グラスゴー大学は固定を明示しておらず、継続学生に別の学費が適用される可能性を公表している点にご注意ください。ビザ関連費のIHSは課程+数か月でビザが付与される前提の概算で、確定額はCASとビザの決定内容で確認してください。

では下げる手です。イギリス固有の打ち手から順に挙げます。

  1. 1大学の学費割引を確認する。グラスゴー大学は留学生・EU学生向けのWorld Changers Global Excellence Scholarshipとして、人文・社会科学で年£7,000(約148万円)、理工・医学生命科学系で年£10,000(約211万円)の学費割引を公表しています(同大学は「いくつかの枠がある」としており採用枠は限られます。進級要件つき・在学年数分)。4年分なら£28,000〜£40,000(約591〜844万円)の差です。こうした学内割引は大学ごとに条件と額が違うので、志望校の公表ページを必ず見てください。
  2. 23年制の大学・学科を選ぶ。イングランド・ウェールズ・北アイルランドの3年制は、それ自体が1年分の学費と滞在費を節約する選択です。スコットランドの4年制を選ぶなら、その1年の価値(専門を決める猶予)を納得して選ぶことになります。
  3. 3カレッジ費の有無を知っておく。ケンブリッジは授業料に加えてカレッジ費がかかる構造で、年£12,500〜£15,950が上積みになります。知っていれば他大学との比較の土台がそろいます。オックスフォードについては本記事で公表額を確認できていないため、カレッジ費が別建てなのか公表額に含まれているのかを、必ず大学公式ページでご確認ください。
  4. 4A-levelまたはIBで直接入学する道を検討する。ファウンデーション1年をはさまなければ、学費・滞在費・ビザ要件が丸ごと1年分減ります。
  5. 5返済不要の奨学金に出す。JASSOの海外留学支援制度(学部学位取得型)は、2027年度の募集要項(都道府県推薦枠。在学する高校のある都道府県の推薦を受けて応募する枠です)で英国を区分Aとし、奨学金月額を352,000円(2026年度実績)、新規採用者への渡航支援金を1万円としています。民間財団の制度と合わせて、海外大学の返済不要奨学金まとめで条件と締切を確認してください。
  6. 6国ごとの費用構造を並べて考える。授業料がほぼかからない国もあります。海外大学の費用が安い国で「その数字が誰に適用されるのか」まで含めて比べたうえで、イギリスを選ぶ理由をご家庭で言葉にしておくと、後の判断がぶれません。

JASSOの授業料支援については額を書いていません。本記事が確認した2027年度の募集要項(都道府県推薦枠)には授業料支援の記載を確認できなかったためです。募集枠・年度によって支援内容が変わるため、授業料の支援があるかどうかと上限額は、JASSOの該当年度・該当枠の募集要項で直接ご確認ください。JASSO自身も「支援額は2027年度予算の成立状況により変更する場合があります」と注記しています。

保護者はこの順番で確認する

POINT

確認の順番を間違えると、調べ直しが増えます。fee statusと年数を先に固め、学費の実額、カレッジ費と固定規定、ファウンデーションの要否、ビザの現金、最後に奨学金の順です。

イギリスの学費は情報が散らばっていますが、確認の順番は決まっています。上から順に確定させれば、同じページを何度も見に戻る必要がなくなります。

  1. 1fee statusを確定する。ご家庭に英国との接点がなければOverseas前提で組みます。接点がある場合は自己判断せず、出願先の大学に判定を依頼します。これが決まらないと学費が3倍ずれます。
  2. 2志望校の所在地から学位の年数を確定する。スコットランドなら4年、イングランド・ウェールズ・北アイルランドなら3年が基本です。
  3. 3志望学科のOverseas学費の実額を、入学年度の公表ページで拾う。レンジではなく実額が公表されています。
  4. 4ケンブリッジならカレッジ費を足し、どの大学でも学費の固定規定を読む。「固定」の条件と例外(学科変更・休学・課程延長・臨床系・ファウンデーション)まで確認します。
  5. 5日本の高校卒業で直接出願できるかを、志望校の国別入学要件ページで確認する。ファウンデーションが必要なら、滞在と学費が1年分増える前提で組み直します。
  6. 6ビザで先に出ていく現金を計算する。申請料£558とIHS(3年課程で£2,716前後)は実際に払うお金です。生活費の資金証明は日本国籍なら提出が原則不要ですが、学費1年分も含め、求められたら示せるようにしておきます。
  7. 7最後に奨学金と学内割引を重ねる。多くが高3の春〜秋に締切があり、大学出願と時期が重なります。

イギリスの学費を調べたあとの自己点検

次の7つに「はい」と答えられれば、ご家庭の予算の土台はできています。

チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。

まとめ:イギリスの学費は「国」ではなく「大学・学科・年数」で決まる

イギリスの大学の学費について、本記事で確定できたことを整理します。原典を確認した3校では、留学生の公表額は、医学・歯学・獣医学を除く学科で年£25,000〜£46,872、医学・歯学・獣医学で年£37,350〜£70,554。これに学位が3年か4年か、カレッジ費があるかどうかが掛かって、公表額だけの総額は約2,300万円台から約4,500万円台まで開きます。

そして、検索で最初に出てくる年£9,790はイングランドの英国在住者(Home)向けの数字で、日本から進学するご家庭には原則あてはまりません。ここを取り違えたまま家計の話を進めると、予算が3倍ずれます。まずfee statusと学位の年数を固め、志望学科の公表額を拾い、カレッジ費・学費固定規定・ファウンデーションの要否を確認し、最後にビザで先に出ていく現金を足す。この順番で確認すれば、イギリスの学費は公表値だけでかなり正確に積めます。

費用の全体像を国を横断して比べ直したいときは海外大学の学費は総額で比べる、進学そのものの準備の流れは海外大学進学ガイドから確認できます。学費・制度・ビザの要件は改定が多いため、最終判断の前に必ず各大学とGOV.UKの公式ページで最新の額をご確認ください。

Q.イギリスの大学の学費は、結局いくら見ておけばよいですか?

大学と学科で決まります。本記事が原典を確認した3校(シェフィールド・グラスゴー・ケンブリッジ)では、留学生の公表額は、医学・歯学・獣医学を除く学科で年£25,000〜£46,872、医学・歯学・獣医学で年£37,350〜£70,554でした。1ポンド211円なら年約528万〜1,489万円です。これに学位の年数(イングランドは3年、スコットランドは4年)を掛け、生活費とビザ関連費を足すのが最低ラインです。本記事の試算では、医学・歯学を除く学部3年で約2,319万円からでした。志望校が決まっているなら、レンジではなくその大学の公表額を拾ってください。

Q.ネットで見た「年9,790ポンド」は使えないのですか?

原則使えません。その額は英国政府が上限を規制しているHome fee status向けです。ケンブリッジ大学の公表文書は、Homeになるのは「英国に定住しており(最も一般的には英国市民または無期限残留許可の保持者)、課程開始前の9月1日までの直近3年間を英国に居住していた」場合が典型で、そうでなければOverseasになる可能性が高いとしています。ただし規則には多くの例外があり、英国との接点があるご家庭は出願先の大学にfee statusの判定を依頼してください。

Q.留学生の学費は在学中に毎年上がりますか?

入学年の額で固定するとしている大学が多数です。ケンブリッジ大学は「Overseasの学費は課程の全期間この額で固定される」、バーミンガム大学は「初年度の学費が課程の全期間、物価上昇による引き上げなしで一定に保たれる」と公表しています。ただしこれはイギリス全体の規制ではなく大学ごとの方針で、エディンバラ大学は「現在のところ例外として固定している」という書き方です。学科変更・長期休学・課程延長・臨床系・ファウンデーションが例外として挙げられている大学もあるので、志望校の学費方針ページを読んでください。

Q.浪人やギャップイヤーで入学が1年遅れると、学費はどれくらい上がりますか?

大学によって大きく違います。シェフィールド大学の公表額では、医学・歯学を除く課程の下限が2026/27入学の£25,000から2027/28入学の£27,650へ+10.6%、上限が£32,100から£34,670へ+8.0%でした。一方グラスゴー大学の人文・社会科学は£27,720から£28,275へ+2.0%、理工系は£33,210から£33,708へ+1.5%です。3年分に換算するとシェフィールドの下限コースは約168万円増、グラスゴーの人文系は4年で約47万円増になります。志望校の2年度ぶんの公表額を並べれば、ご家庭でも傾向を確認できます。

Q.ケンブリッジは、公表されている学費だけ払えばよいのですか?

いいえ。ケンブリッジ大学は「Overseas fee statusのすべての学生は、通常、大学の授業料に加えて年額のカレッジ費を払わなければならない」と明記しています。2027-28年度の公表額はカレッジによって£12,500〜£15,950で、£13,000を下回るのは Darwin・Clare Hall・Queens' の3つです。文系グループなら、カレッジ費£13,000のカレッジで£30,798+£13,000=£43,798(約924万円)が年間の学費相当になります。カレッジ費を入れずに予算を組むと、いちばん安いカレッジでも3年間で790万円以上足りません。

Q.日本の高校を卒業すれば、イギリスの大学の1年生に入れますか?

入れない大学が多数あります。マンチェスター大学は「日本と英国の教育制度の違いにより、高等学校卒業証明書を取得した出願者は、学部課程に入る前に大学が認めるファウンデーション・プログラムを修了する必要があります」と公表しています。バーミンガム大学も「学部入学には13年の教育を求めており、12年制を経た学生はファウンデーション・イヤーが必要かもしれない」としています。A-levelやIBを持っていれば直接出願できる大学があり(マンチェスターの目安はA-level A*AA〜ABB、IB 34〜38点)、その場合は1年分の費用が不要になります。ただし本記事が確認したのは2大学で、すべての大学に当てはまるとは断定できません。志望校の国別入学要件ページでご確認ください。

Q.ビザのために、渡航前にいくら現金を用意すればよいですか?

実際に払うのは、ビザ申請料£558(約12万円)とIHS(学生は年£776、3年課程なら£2,716前後=約57万円)で、どちらも申請時に支払います。資金については、GOV.UKが日本を「differential evidence requirement」の対象国に挙げており、日本国籍なら自分を支える資金(生活費)についての証明は原則不要です。ただし「決定が出る前に提出を求められることがある」とも明記されているため、基準(学費1年分+ロンドン以外なら生活費£10,539=約222万円を、28日間連続で保有し、その終了日が申請日から31日以内)を満たせる形で用意しておくのが安全です。英国外からの申請は課程開始の6か月前から可能で、審査は通常3週間以内です。