この記事の要点
- 廃車の重量税還付は「納付額×車検の残り月数÷車検の有効期間」で決まります(国税庁の式)
- 残り12か月の還付額は、普通車(0.5〜2t以下)・軽の13年未満と18年経過までで3,300〜25,200円です。条件は2年車検・エコカー減税なし・2026年5月1日以降の税額表で、編集部算出です(2026年10月時点)
- 残り月数は「確定日の翌日から満了日まで」を月単位で数え、1か月に満たない端数は切り捨てます。残り1か月未満は還付がありません
- 1t超1.5t以下・13年未満の普通車(2年車検)では、廃車日を1か月遅らせると1,025円ずつ減ります(編集部算出)
- 売却・下取り・輸出・二輪車は還付がなく、一時抹消登録だけでは申請できません
廃車の重量税還付は、車検証に書かれた「納付額」と「有効期間の満了日」の2つが分かれば、自分で計算できます。この記事では国税庁の式に当てはめて、普通車・軽・13年経過・18年経過・新車3年分の早見表を作りました。
還付額は「納付額×残り月数÷有効期間」で決まり、2年車検で残り12か月なら納付額の半分が戻る
廃車の重量税還付とは、解体を事由とする永久抹消登録申請(または解体届出)と同時に申請すると、納付済みの重量税のうち車検の残り月数分が戻る制度のことです。普通車も軽自動車も対象で、式は国税庁が示しています。
還付額=納付された自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間
納付額は車検証に記載されています。2年車検なら有効期間は24か月なので、残り12か月は納付額の12÷24、つまり半分です。ここでいう「還付額」は重量税の戻りだけで、自動車税(種別割)・自賠責保険・リサイクル料の戻りは含みません。
国税庁の計算例(公表値)は、納付額24,600円・車検残存期間5か月・2年車検(24か月)で、24,600円×5か月÷24か月=5,125円です。
- 車検証で「納付額(重量税)」と「有効期間の満了日」を見る
- 廃車の手続きごとの確定日から、残り月数を数える(次々項)
- 納付額×残り月数÷有効期間(2年車検なら24)で計算する
残りが1か月に満たない場合は、還付を受けられません。重量税を含む車検費用の全体像は車検 費用 込み込み 相場で確認できます。
自分の車の行を引けば、残り12・6・3か月の還付額が分かる
納付額を車検証で確認できる場合は、前項の式にそのまま入れてください。ここでは納付額が分からない場合や、年式・軽・新車3年分の違いを見たい場合の早見表を示します。
2026年5月より前に納付した場合は、表の額ではなく車検証の納付額を前項の式に入れてください。 表は令和8年(2026年)5月1日から2028年4月30日までの継続検査時の税額表(国土交通省)にもとづく、編集部算出です。
普通車(乗用・自家用)・13年未満・2年車検
| 車両重量 | 納付額(2年分) | 残り12か月 | 残り6か月 | 残り3か月 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5t以下 | 8,200円 | 4,100円 | 2,050円 | 1,025円 |
| 0.5t超1t以下 | 16,400円 | 8,200円 | 4,100円 | 2,050円 |
| 1t超1.5t以下 | 24,600円 | 12,300円 | 6,150円 | 3,075円 |
| 1.5t超2t以下 | 32,800円 | 16,400円 | 8,200円 | 4,100円 |
軽自動車(検査対象・自家用)・13年未満・2年車検
| 区分 | 納付額(2年分) | 残り12か月 | 残り6か月 | 残り3か月 |
|---|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 6,600円 | 3,300円 | 1,650円 | 825円 |
年式が古い車(13年経過・18年経過)・残り12か月・2年車検
初度登録年月から12年10か月以後に車検証の交付等を受けると、普通車は「13年経過」の税額になります。検査対象軽自動車は、初度検査年から13年を経過した年の11月以後に車検証の交付等を受けた場合です。13年経過・18年経過の車は、同じ重量でも納付額が高くなります。13年超の車にかかる別の税については自動車税 13年超を参照してください。
| 車両重量・区分 | 13年経過の納付額 | 13年経過・残り12か月 | 18年経過の納付額 | 18年経過・残り12か月 |
|---|---|---|---|---|
| 普通車 0.5t以下 | 11,400円 | 5,700円 | 12,600円 | 6,300円 |
| 普通車 0.5t超1t以下 | 22,800円 | 11,400円 | 25,200円 | 12,600円 |
| 普通車 1t超1.5t以下 | 34,200円 | 17,100円 | 37,800円 | 18,900円 |
| 普通車 1.5t超2t以下 | 45,600円 | 22,800円 | 50,400円 | 25,200円 |
| 軽自動車 | 8,200円 | 4,100円 | 8,800円 | 4,400円 |
新車の初回車検まで(3年分を納付)・エコカー減税なし
新車で自家用乗用自動車を登録したときは、初回の車検の有効期間が3年(36か月)で、重量税も3年分を納付します(道路運送車両法第61条。国土交通省令で定める一部の車は除く)。分母は36です。
| 区分 | 納付額(3年分) | 残り24か月 | 残り12か月 |
|---|---|---|---|
| 普通車 1t超1.5t以下 | 36,900円 | 24,600円 | 12,300円 |
| 軽自動車 | 9,900円 | 該当の行なし | 3,300円 |
表は次の条件に限ります。エコカー減税などで税が軽減されている車、2026年5月より前に納付した車は、車検証の納付額を式に入れてください。軽減の見方はエコカー減税 2026 基準にあります。表にない月数は、2年分納付の車なら「納付額÷24×月数」で求められます。なお、月数によっては円未満の端数が出ますが、端数の扱いは国税庁の資料で確認できていないため、表には割り切れる月数だけを載せています。
残り月数は「確定日の翌日から満了日まで、1か月未満は切り捨て」で数える
残り月数は日割りではなく月割りです。確定日の翌日から車検証の有効期間の満了日までを数え、1か月に満たない端数は切り捨てます。確定日は手続きによって変わります。
| ケース | 確定日(起点) |
|---|---|
| 登録自動車・一時抹消登録をしていない(永久抹消登録申請で還付申請) | 永久抹消登録日 |
| 登録自動車・一時抹消登録をしている(解体届出で還付申請) | 一時抹消登録日と報告受領日のいずれか遅い日 |
| 軽自動車・車検証を返納していない(車検証の返納を伴う解体届出) | 車検証の返納日 |
| 軽自動車・車検証を返納済み(解体届出) | 車検証の返納日と報告受領日のいずれか遅い日 |
報告受領日は、通常、引取業者が自動車リサイクル促進センターに報告した日の翌日です。
起点は「確定日の翌日」で、端数の日数は切り捨てです。残りが4か月10日なら4か月、5か月21日なら5か月として計算します。
国税庁の計算例(公表値)は次の4つです。
| ケース | 納付額 | 残り | 還付額 |
|---|---|---|---|
| 登録自動車・一時抹消なし | 24,600円 | 4か月10日→4か月 | 4,100円 |
| 登録自動車・一時抹消登録済 | 24,600円 | 5か月21日→5か月 | 5,125円 |
| 軽自動車・車検証未返納 | 6,600円 | 4か月10日→4か月 | 1,100円 |
| 軽自動車・車検証返納済 | 6,600円 | 5か月21日→5か月 | 1,375円 |
いずれも2年車検(24か月)の例です。
編集部の作例も示します。1t超1.5t以下・13年未満の普通車で、車検の満了日が2027年3月31日、永久抹消登録日(一時抹消なし)が2026年11月15日とします。確定日の翌日は11月16日で、11月16日〜3月15日が4か月、3月16日〜3月31日の16日は切り捨てです。残りは4か月なので、24,600円×4か月÷24か月=4,100円です(編集部算出。日付は仮定)。
廃車日を1か月遅らせると、1t超1.5t以下・13年未満の普通車で1,025円ずつ減る
廃車の時期を迷う場合の目安は、納付額÷24(2年車検の場合)が1か月分です。1t超1.5t以下・13年未満の普通車(2年車検・エコカー減税なし)では、24,600円÷24=1,025円です(編集部算出)。
同じ条件で残りを比べると、12か月が12,300円、6か月が6,150円、3か月が3,075円です。先ほどの作例の4,100円(残り4か月)から残り3か月になると、3,075円で1,025円減ります。月が切り替わる日をまたぐと、残り月数が1つ減ると考えてください。
他の車種区分は、自分の納付額÷24を1か月分として読み替えます。
ただし、残りが1か月に満たなくなると還付はゼロです。満了日が近い車を待つ判断は避け、期限は余裕を持って確認してください。ここでは還付額だけの損得を扱っており、自動車税などほかの事情は含めていません。
売却・下取り・輸出・二輪と、一時抹消だけで済ませた場合は戻らない
重量税の還付は、自動車リサイクル法に基づき適正に解体され、解体を事由とする永久抹消登録申請または解体届出と同時に申請した場合の制度です。次のケースは戻りません。
| ケース | 還付 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| 売却した場合 | 戻らない | 国税庁の説明で、売却は還付の対象外 |
| 買い替えで下取りに出した場合 | 戻らない | 同上(下取りも対象外) |
| 盗難の場合 | 戻らない | 同上 |
| 輸出した場合 | 戻らない | 輸出は還付を受けられない |
| オートバイ(二輪車) | 戻らない | 自動車リサイクル法の対象外 |
| 車検の残りが1か月未満 | 戻らない | 残存期間1か月以上が条件 |
| 一時抹消登録だけで済ませた場合 | 申請できない | 解体を事由とする手続きと同時の申請が条件。解体後の解体届出と同時に申請する |
| 永久抹消登録・解体届出のあとに還付申請だけを後日する | 原則できない | 同時申請が条件 |
売却や下取りに出す場合は、重量税の還付はありません。 売却や下取りの判断は下取り 買取で比べてください。
還付を受けるのは、使用済自動車の最終所有者(引取業者に引き渡した時点の所有者)で、重量税を実際に納付した人かどうかは問いません。ローンなどで所有権が販売会社に留保されている場合は、その販売会社が還付を受けます。エコカー減税などで納付額が軽減された車は、0円と決めつけず、車検証の納付額を式に入れて計算してください。
還付はおおむね2か月半後で、口座振込かゆうちょ窓口で受け取る
還付申請書を運輸支局等に提出してから、所轄税務署から還付金が支払われるまでは、おおむね2か月半程度かかります(国税庁)。
- 申請: 解体されたと引取業者から連絡を受けた日から15日以内に、永久抹消登録申請または解体届出を行い、そのとき還付申請を同時に行う
- 提出先: 登録自動車は使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車は軽自動車検査協会の事務所
- 受取方法: 預貯金口座への振込み、またはゆうちょ銀行・郵便局の窓口での受取り
口座振込は、申告者本人名義の口座に限ります。インターネット専用銀行は、特定の銀行を除いて振込みができません。還付申請書は永久抹消登録申請書・解体届出書と一体の様式で、税務署にはありません。
必要書類や費用など手続き全般は廃車 費用 自分で 手続きで確認してください。自動車税(種別割)や自賠責保険の戻りは、重量税とは別の制度で、計算も別です。この記事では扱いません。
よくある質問
Q1. 車検の残りが1か月に満たないと重量税は戻りますか
戻りません。国税庁は、車検残存期間が1か月未満の場合は還付を受けられないとしています。
Q2. 一時抹消登録だけして、還付の申請を後日するのは可能ですか
原則できません。解体を事由とする永久抹消登録申請または解体届出と同時に申請する必要があり、国税庁は、後日、還付申請のみを行うことは原則できないとしています。一時抹消登録をした車は、解体後の解体届出と同時に申請します。
Q3. 車を下取りに出した場合や買取に売った場合も重量税は戻りますか
戻りません。国税庁は、自動車を売却した場合や、買い替えで下取りに出した場合、盗難の場合は還付を受けられないとしています。
Q4. 重量税の還付金はいつ戻りますか
還付申請書を運輸支局等へ提出してから、おおむね2か月半程度かかります(国税庁)。
Q5. 車検の残り月数は日割りで数えますか
日割りではなく月割りです。確定日の翌日から満了日までを数え、1か月に満たない端数は切り捨てます。