車の名義人が死亡したときの廃車手続きと必要書類(2026年10月時点)

最終更新: 2026-10-26 ・ 約13分で読めます ・ 修理費 編集部

この記事の要点(令和8年(2026年)10月26日時点)

この記事は、関東運輸局・東北運輸局・e-Gov法令検索・軽自動車検査協会の公開情報を整理したものです。筆者が実車を廃車にした記録ではなく、個別の相続について法的判断を示すものでもありません。


名義人が亡くなった車も廃車でき、最初に車検証の所有者欄が故人かを確かめる

名義人が亡くなった車も、相続人による手続きを経て廃車できます。車名や使用者だけで判断せず、まず車検証の「所有者の氏名又は名称」を確認してください。

名義人が亡くなった車の廃車は、車検証の所有者欄が故人の場合、相続人が運輸支局か軽自動車検査協会に申請する手続きです。所有者がローン会社などの第三者なら、運輸局の案内上、その車について故人からの相続は発生しません。

候補となる経路は、次の順で絞ります。

  1. 車検証の所有者欄が故人か、ローン会社などの第三者かを確認します。
  2. 普通車か軽自動車かを確認します。普通車は運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口です。
  3. 相続人が1名か複数か、遺言などがあるかを確認します。相続による移転登録では、遺産分割協議書の扱いがこの条件で変わります。
  4. 車検証の有効期間と、今後すぐ使用する予定があるかを確認します。車検切れの普通車をすぐ使わない場合は、一時抹消登録が案内されています。

相続人の確定や遺産分割の内容、相続放棄や相続税の判断はこの記事の範囲外です。候補を絞ったら、使用の本拠の位置を管轄する窓口に事情を伝え、申請経路と必要書類を確認してください。


普通車は相続と抹消をどう組み合わせるかで3経路を比べ、必要書類と手数料を確認する

普通車は、相続人による永久抹消、相続の移転登録後の抹消、一時抹消と相続の同時申請という3経路を比較します。令和8年(2026年)10月26日時点の関東運輸局の案内を整理すると、違いは次のとおりです。

候補経路主な書類・条件申請部分の手数料
相続人が代理で永久抹消を申請死亡の事実と申請相続人1名を確認できる戸籍謄本または法定相続情報証明書、申請相続人の発行後3か月以内の印鑑証明書、実印または実印を押した委任状、車検証、ナンバープレート前後2枚、移動報告番号永久抹消は無料
相続による移転登録後に抹消死亡の事実と相続人全員を確認できる戸籍謄本または法定相続情報証明書、協議書など条件に応じた相続書類、単独相続人の発行後3か月以内の印鑑証明書、実印または委任状、有効期間内の車検証、証明日より40日以内の車庫証明書など。使用の本拠の位置と新使用者の住所が同一なら車庫証明書は不要移転登録は700円。抹消手続きは別に確認
一時抹消と相続を同時に申請相続用の第1号様式と一時抹消用の第3号様式の2を同時提出。共同相続では相続人全員分の印鑑証明書が必要相続手続き700円+一時抹消500円=合計1,200円(編集部算出)

表の金額は、運輸局で申請する部分の手数料です。解体、書類取得、運搬などの総費用ではありません。また、この3経路は複数の公式ページを企画上並べたものです。どの経路が自分の条件に合うかは、管轄窓口へ確認してください。

相続人の使用の本拠の位置が車検証のナンバーと異なる管轄で、その管轄へ申請する場合は、関東運輸局の「相続人が代理で申請する永久抹消」の案内対象外です。永久抹消では登録の事実を示す証明書も発行されないため、証明が必要なら登録事項等証明書の請求について窓口で確認します。


遺産分割協議書が要るかは、経路・相続人の数・車の価格・遺言の有無で分かれる

遺産分割協議書は、名義人が亡くなった車の廃車で一律に必要とは限りません。令和8年(2026年)10月26日時点の公式案内では、申請経路と相続条件によって扱いが分かれます。

条件公式案内で確認できる扱い
相続人が代理で普通車の永久抹消を申請関東運輸局の当該ページの必要書類欄には、遺産分割協議書の記載がありません。不要とは断定せず、管轄窓口へ確認します
普通車を1名が単独相続して移転登録相続人全員が実印を押した遺産分割協議書が必要です。ただし、相続人が1名のみの場合は不要です
車の査定価格が100万円以下と確認できる査定証または査定価格を確認できる資料の写しなどを添えれば、遺産分割協議成立申立書で代えられます。100万円は査定価格の条件です。この場合、相続する人が相続人だと確認できれば、他の相続人の確認は不要です
遺言書などがある遺言書、調停調書、遺言書情報証明書、審判書、判決謄本のいずれかでも可能です。公正証書以外の遺言書は、家庭裁判所による検認済みのものが条件です
一時抹消と相続を同時に申請関東運輸局の案内は、遺産分割協議書等の欄に「共同相続の場合は不要」と記載しています。解釈を広げず、自分の相続条件を窓口へ伝えて確認します

運輸局の案内では、法定相続人の順位は子、父母、兄弟姉妹の順で、配偶者は常に相続人です。相続人に未成年者がいる場合、遺産分割協議書では特別代理人の押印が必要です。親権行使が利益相反になる場合も、家庭裁判所へ特別代理人の選任を確認します。相続放棄をした人がいる場合は、家庭裁判所の相続放棄申述受理証明書の原本と写しが必要です。被相続人が外国籍の場合は本国法に基づくため、窓口に加えて行政書士・司法書士などの専門家へ相談してください。


軽自動車は協会の窓口で名義変更と廃車を同日に出せるが、書類は協会へ個別確認する

軽自動車は、所有者が死亡した場合でも、親族への名義・住所変更と、一時使用中止または解体返納を同じ日に申請できます。ただし、普通車の相続手続きをそのまま当てはめてはいけません。

確認項目普通車軽自動車
窓口使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所解体返納は使用の本拠の位置、新しい使用者への名義変更は新しい使用者の使用の本拠の位置を管轄する協会の事務所・支所・分室
名義と廃車の扱い相続人による永久抹消、相続の移転登録、一時抹消と相続の同時申請を条件に応じて確認親族への名義・住所変更と、一時使用中止または解体返納を同日に申請可能
相続確認書類経路により、死亡の事実と申請相続人または相続人全員を確認できる戸籍謄本・法定相続情報証明書など所有者の死亡と新所有者が相続人だと確認できる戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図が必要
申請手数料永久抹消は無料。単独相続の移転登録は700円解体返納と名義変更はそれぞれ無料
解体時の注意解体報告記録がなされた日と移動報告番号を申請書に記載引取業者から解体報告の連絡を受けた後に申請し、移動報告番号を記入

軽自動車の相続による名義変更では、死亡診断書は原則として使えません。また、所有者以外が解体返納を申請する場合は申請依頼書が必要です。ただし、所有者が故人の場合の具体的な書類と様式の扱いは、今回確認した協会の公式案内に一覧がなく、コールセンターへの問い合わせが案内されています。書類名を自己判断で決めず、申請前に協会へ確認してください。


車検証の所有者がローン会社などなら相続は発生せず、必要な手続きは所有者欄の会社へ確認する

車検証の所有者欄が故人ではなくローン会社や販売会社などの第三者なら、関東運輸局の案内上、その車について故人からの相続は発生しません。使用者欄が故人でも、まず所有者欄の名称を基準にしてください。

この場合は、所有者欄に記載された会社へ、ローンの状況と廃車を希望していることを伝えます。所有権解除に必要な公式書類の一覧は今回の確認資料では確認できていないため、「必ずこの書類で解除できる」「完済済みならそのまま廃車できる」とは断定できません。会社の案内と管轄窓口の指示に従ってください。


15日の期限は起算日が2つあり、抹消・解体届出と相続の移転登録で別になる

「15日以内」は、すべて死亡日から数える期限ではありません。道路運送車両法では、抹消・解体届出と所有者変更で起算日が異なります。

対象となる手続き期限起算日
普通車の永久抹消登録15日以内解体報告記録がなされたことを知った日
普通車の一時抹消後の解体届出15日以内解体報告記録がなされたことを知った日
検査対象軽自動車の解体届出15日以内解体報告記録がなされたことを知った日
登録自動車の所有者変更に伴う移転登録15日以内所有者変更の事由があった日

移転登録について、法令の条文は「所有者の変更」を定めており、相続を名指ししていません。一方、運輸局は相続による移転登録の手続きを案内しています。相続時にどの日を「事由があった日」と扱うかは、個別事情を伝えて管轄窓口へ確認してください。

重量税の還付も条件を混ぜないようにします。普通車は、抹消登録または報告受領日のいずれか遅い日を起算日として車検残存期間が1か月以上ある場合に還付を受けられ、申請書には申請相続人の預金口座内容の記載が必要です。軽自動車の解体返納では、解体届出と同時に還付を申請し、車検残存期間が1か月以上ある場合に限られます。


車検切れですぐ使わない普通車は一時抹消を確認し、不動車の運搬と税は別記事で確かめる

車検証の有効期間が過ぎた普通車をすぐ使用しない場合、運輸局は一時抹消登録をして、再び使うときに中古新規登録をする流れを案内しています。一時抹消済みの車を解体した場合は、解体の届出が必要です。

相続と一時抹消を同時に申請できる経路が自分の条件に合うかは、管轄窓口へ確認してください。車を動かせない場合の運搬や仮ナンバーは動かない 車 廃車 方法、引取・運搬を含む費用や軽自動車税の扱いは不動車 廃車 費用 相場で確認できます。


窓口へ行く前に4条件を確認し、経路ごとの持ち物をそろえる

窓口へ行く前に、所有者欄、車種、相続条件、車検の有効期間と使用予定を確認します。その情報を窓口へ伝え、候補経路が合っているか確かめてから書類を取得すると、経路違いによる準備のやり直しを避けやすくなります。

普通車の相続人代理による永久抹消では、申請相続人の印鑑証明書は発行後3か月以内のものが必要です。実印または実印を押した委任状、車検証、ナンバープレート前後2枚、移動報告番号も経路に応じて確認します。戸籍の状況によっては原戸籍が必要な場合もあります。

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本記事は一般的な手続きの流れをまとめたもので、個別の相続関係を確定するものではありません。最終確認日は令和8年(2026年)10月26日です。相続関係が複雑な場合は、管轄窓口と行政書士・司法書士などの専門家へ相談してください。


よくある質問

Q1. 遺産分割協議書がなくても廃車できますか

経路と相続条件によります。相続人が代理で普通車の永久抹消を申請する関東運輸局のページでは、必要書類欄に遺産分割協議書の記載がありません。一方、普通車を1名が単独相続して移転登録する場合は相続人全員が実印を押した協議書が必要で、相続人が1名のみなら不要です。不要と自己判断せず、管轄窓口へ確認してください。

Q2. 故人の印鑑証明書は必要ですか

相続人が代理で普通車の永久抹消を申請する案内では、申請相続人の発行後3か月以内の印鑑証明書が必要とされ、故人の印鑑証明書は必要書類欄に記載されていません。別の経路では書類が異なるため、故人の名義であることと希望する手続きを窓口へ伝えて確認します。

Q3. 廃車の手数料はいくらですか

令和8年(2026年)10月26日時点で、普通車の永久抹消と軽自動車の解体返納は無料です。普通車の単独相続による移転登録は700円、一時抹消と相続の同時申請は相続700円と一時抹消500円の合計1,200円(編集部算出)です。いずれも申請部分の金額で、解体・運搬・書類取得などの費用は含みません。

Q4. 相続人に未成年者や相続放棄をした人がいる場合はどうしますか

未成年者が相続人にいて遺産分割協議書を使う場合は、特別代理人の押印が必要です。親権行使が利益相反になる場合は、家庭裁判所へ特別代理人の選任を確認します。相続放棄者がいる場合は、家庭裁判所の相続放棄申述受理証明書の原本と写しが必要です。管轄窓口と専門家へ事前に相談してください。

Q5. 軽自動車で死亡診断書は使えますか

軽自動車の相続による名義変更では、死亡診断書は原則として使えません。所有者の死亡と新所有者が相続人であることを確認できる戸籍謄本等、または法定相続情報一覧図を準備します。廃車と同時申請する際の具体的な書類は、軽自動車検査協会へ個別に確認してください。

Q6. 被相続人が外国籍の場合はどうしますか

運輸局は、被相続人が外国籍の場合、相続方法が被相続人の本国法に基づくため注意が必要と案内しています。一般的な日本人の相続書類をそのまま当てはめず、管轄窓口と行政書士・司法書士などの専門家へ確認してください。

出典

  1. 関東運輸局「永久抹消登録 (相続人が代理で申請する場合)」 (取得日: 2026-10-26)
  2. 関東運輸局「単独相続 (相続人のうち一人が相続する場合)」 (取得日: 2026-10-26)
  3. 関東運輸局「一時抹消登録 (相続と一時抹消を同時に手続きする場合)」 (取得日: 2026-10-26)
  4. 関東運輸局「自動車の相続による手続き」 (取得日: 2026-10-26)
  5. 東北運輸局「自動車の登録(永久抹消登録)」 (取得日: 2026-10-26)
  6. e-Gov法令検索「道路運送車両法(昭和26年法律第185号)」第13条・第15条・第16条・第69条の2(API取得) (取得日: 2026-10-26)
  7. 軽自動車検査協会「Q. 3-003 軽自動車の所有者が死亡し、今後使用する予定がないので廃車にしたいのですが、どうすればよいですか。」 (取得日: 2026-10-26)
  8. 軽自動車検査協会「解体返納」 (取得日: 2026-10-26)
  9. 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」 (取得日: 2026-10-26)