この記事の要点(令和8年(2026年)10月5日時点)
- 動かない車の廃車方法は、引取業者へ引き渡す → 解体報告記録を待つ → 抹消を出すの順です。期限の15日以内は、引渡日ではなく「解体報告記録がなされたことを知った日」から数えます。
- 令和8年(2026年)4月1日以降の登録手数料は、普通車の永久抹消登録が0円、一時抹消登録が窓口500円・OSS(ワンストップサービス)450円です。この「0円」は国に払う法定手数料だけで、引取・運搬の費用は含みません(その費用は別記事で扱います)。
- 仮ナンバーで自走して解体業者へ持ち込む方法は、枚方市・吹田市が許可しないと案内しています。動かない車は積載車で運ぶのが基本です。
- 税は抹消の月で変わります。普通車は翌月から月割(東京都の案内)、軽自動車税は還付なし(賦課期日は4月1日。八尾市・柏市の案内)、重量税は車検残が1か月以上で戻ります。
この記事は、道路運送車両法・使用済自動車の再資源化等に関する法律・国土交通省(関東運輸局)・軽自動車検査協会・国税庁・自治体・保険会社の公開情報を整理したものです。筆者が実車を廃車にした記録ではありません。金額は条件つきで書き、編集部が計算した値には「編集部算出」と付けています。引取・運搬・業者手数料などの費用相場は、不動車 廃車 費用 相場で扱います。
動かない車の廃車は、引取業者へ引き渡して解体報告を待ち、永久抹消(軽は解体返納)を出す順番で進む
動かない車でも、手続きは書類の上で進みます。自走できないことは、抹消の条件ではなく「どう運ぶか」の問題です。
動かない車の廃車とは、引取業者に使用済自動車として引き渡し、解体報告後に永久抹消登録(軽は解体返納)を出して完了する手続きのことです。
流れは3ステップです。
- 引取業者へ引き渡す。自動車の所有者は、使用済自動車を引取業者に引き渡さなければなりません(使用済自動車の再資源化等に関する法律 第8条)。引渡し先は、都道府県知事または保健所設置市の登録を受けた引取業者で、引渡し時に引取証明書が発行されます。
- 解体報告記録を待つ。引取業者は、使用済自動車を引き取ったら速やかに解体業者などへ引き渡します(同法 第10条)。解体が終わると解体報告記録がなされ、軽自動車は引取業者から解体完了の連絡(解体報告)が来ます。
- 抹消を申請する。普通車は永久抹消登録、軽は解体返納を、解体報告記録を知った日から15日以内に出します。
自分の車をこの記事に当てはめるときは、次の4つを手元で確認します。
- 普通車か軽か(ナンバーと車検証で分かります)
- 今すぐ解体するか、いったん置いておくか
- 抹消したい月(税の損得が変わります)
- 車検証の有効期間満了日(残り1か月以上あるか)
なお、そもそも直すか手放すかで迷っている場合は、前段の軽 修理 20万 直すか 乗り換えかで判断してから戻ってください。
普通車は永久抹消か一時抹消、軽は解体返納か検査証返納届で、解体するかどうかで手続きと2026年4月以降の手数料が決まる
解体するなら永久抹消登録(軽は解体返納)、解体せず置いておくなら一時抹消登録(軽は自動車検査証返納届)です。手数料は、令和8年(2026年)4月1日に改定されました。
令和8年(2026年)4月1日改定後の手続き選択表(令和8年4月1日以降の法定手数料)
| 車 | 解体するか | 手続き名 | 窓口 | 手数料 | 旧額(令和8年3月31日まで) |
|---|---|---|---|---|---|
| 普通車 | 解体する | 永久抹消登録 | 運輸支局等 | 0円(OSS・窓口とも) | −(無料) |
| 普通車 | 置く | 一時抹消登録 | 運輸支局等 | 窓口500円 / OSS450円 | 窓口・OSSとも350円 |
| 普通車 | 置いたあと解体した | 一時抹消後の解体届出 | 運輸支局等 | 0円(OSS・窓口とも) | −(無料) |
| 軽 | 解体する | 解体返納 | 軽自動車検査協会 | 0円 | −(無料) |
| 軽 | 置く | 自動車検査証返納届(一時使用中止) | 軽自動車検査協会 | 検査証返納証明書交付 450円(窓口申請) | 350円 |
- 普通車の窓口は、運輸支局等です。軽の窓口は軽自動車検査協会です。
- 軽の「解体届出」の手数料は、今回確認できた公表資料の表にありません。表にない金額は書いていません。窓口で確認してください。
- 一時抹消登録は、運行の用に供することをやめたときに申請「できる」手続きで、任意です。解体するなら一時抹消を挟む必要はありません。
- 上位の解説記事に出てくる「一時抹消350円」は、令和8年3月31日までの旧額です。
この表の金額は、国に払う法定手数料だけです。引取業者への引渡しや運搬、業者の代行にかかる費用は含みません。
15日の期限は、普通車は道路運送車両法第15条・第16条、軽は第69条の2で定められ、どれも解体報告記録を知った日から数える
期限はどの手続きも15日以内で、起算日は「引渡日」ではなく「解体報告記録がなされたことを知った日」です。
| 手続き | 対象 | 根拠 | 期限 | 起算日 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|---|
| 永久抹消登録(解体が事由) | 普通車 | 道路運送車両法 第15条第1項 | 15日以内 | 解体報告記録がなされたことを知った日 | 運輸支局等 |
| 一時抹消登録後の解体届出 | 普通車 | 同法 第16条第2項 | 15日以内 | 解体報告記録を知った日 | 運輸支局等 |
| 解体等届出(解体返納) | 軽 | 同法 第69条の2第1項 | 15日以内 | 解体報告記録がなされたことを知った日 | 軽自動車検査協会 |
- 軽の解体返納は、引取業者から解体完了の連絡(解体報告)があった後に申請します。連絡が来る前には出せません。
- 軽の申請先は、車検証を返納していない場合は使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会の事務所です。車検証を返納済みの場合は最寄りの軽自動車検査協会の事務所です。
- 条文は施行2026年4月1日版で確認しました。この記事では、期限があることと起算日だけを書き、期限を過ぎたときの扱いは書きません。心配な場合は窓口に確認してください。
業者に引き渡した日から15日ではありません。解体報告記録を知った日(軽は解体報告の連絡を受けた日)から数え始めます。引取業者から連絡が来たら、その日付を控えておきます。
動かない車は仮ナンバーで自走して持ち込まず、積載車で運ぶのが基本(枚方市・吹田市は解体業者・廃車場へ運ぶだけの仮ナンバーを許可しないと案内)
動かない車は、積載車で引取業者に運んでもらうのが基本です。仮ナンバーで自走する案は、自治体によって許可されない案内があります。
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 仮ナンバーを取れば、動く状態にして解体業者まで運転して行けると思い込む | 積載車(レッカー)を使い、引取業者に引取を依頼する |
| 住所地の自治体の案内を見ないで、仮ナンバーを申請する | 申請の前に、住所地の市区町村に運行目的が許可されるかを確認する |
自治体の案内は次のとおりです(いずれも2026年10月5日に確認)。
- 枚方市: 自動車を単に移動させるためだけの場合(解体業者のところへ持っていく場合など)は、臨時運行許可が許可されません。
- 吹田市: ナンバープレートのない車を単に移動させるとき(廃車場へ持っていくときなど)は、許可できません。
この2市の案内を「どの自治体でも不許可」とは言えません。住所地の市区町村で確認してください。
仮ナンバーが許可される目的でも、条件があります。江東区の案内では次のとおりです。
- 手数料は1件につき750円です(枚方市・吹田市も750円と案内)。
- 許可期間は必要最小限度で、最長でも5日間です。
- 申請に必要な自賠責保険証明書は、仮ナンバーの使用期間中有効な紙の原本のみで、コピーは不可です。
運搬費(積載車・レッカーの費用)は、不動車 廃車 費用 相場で整理しています。
自分で出せるのは抹消の申請だけで、引取業者への引渡しは自分でも業者でも必要なので、窓口に行けて書類が揃うかで分かれる
引取業者への引渡しは、自分で手続きしても必須です。自分でやるかどうかは「抹消の申請」の部分だけの話です。
| 自分で出す | 業者に任せる |
|---|---|
| 運輸支局等・軽自動車検査協会の窓口に行ける時間がある | 平日の窓口に行けない |
| 必要書類を自分で集められる | 書類が揃わない・何が必要か分からない |
| 解体報告の連絡を受けてから、15日以内に自分で出せる | 15日以内に出す段取りを任せたい |
窓口に行けて書類が揃うなら、自分で出して足ります。行けない・書類が揃わないときは、業者に任せるほうが足ります。どちらの場合も引取業者は関わるので、業者を避ける選択ではありません。
車検証の所有者がローン会社・ディーラーの場合は、車 ローン残 廃車 できるで所有者欄と残債を確認する順序を確かめてください。
所有者が亡くなっている場合は相続人が申請する別の経路になるため、車 名義人 死亡 廃車 手続きで必要書類と窓口を確認してください。
| 対象 | 必要書類 |
|---|---|
| 軽(解体返納) | 車検証原本、ナンバープレート、移動報告番号(使用済自動車引取証明書に記載)、解体届出書(軽第4号様式の3)が必要です。 |
| 普通車(永久抹消登録) | 申請先は運輸支局等です。必要書類は、運輸支局で確認してください。この記事では書類を列挙しません。 |
業者に任せるときの費用や、車種ごとの廃車買取の相場は、不動車 廃車 費用 相場・N-BOX 廃車 いくら・タント 廃車 いくら・ハスラー MR31S 廃車 費用・スペーシア MK53S 廃車 費用にあります。
抹消する月で税の損得が変わり、普通車は翌月から月割で戻り(東京都の案内)、軽は戻らず(八尾市の案内)、重量税は車検残1か月以上で戻る
戻るお金は3種類あり、抹消する月と車検残で変わります。表の自治体名・会社名は、その案内の例です。全国の制度として読まないでください。
| 項目 | 戻るか | 条件・起算 |
|---|---|---|
| 普通自動車税(東京都の案内) | 戻る(月割) | 抹消登録した月の翌月から月割で減額。別途還付申請は不要(都から還付通知が届く) |
| 軽自動車税(八尾市の案内) | 戻らない | 月割制度がなく、年度の途中で廃車・譲渡しても還付はない。賦課期日は4月1日で、4月2日以降の廃車でも当年度分は全額(柏市も同じ案内) |
| 自動車重量税(国税庁の案内) | 戻る(条件つき) | 車検残が1か月以上。輸出抹消と1か月未満は戻らない。永久抹消登録・解体届出と同時に申請 |
| 自賠責保険(損保ジャパンの案内) | 戻る(条件つき) | 解約日から満期日まで1か月以上残っている場合 |
普通車の自動車税: 抹消した月の翌月から月割(東京都の例)
東京都の案内では、6月に抹消登録すると4月〜6月の3か月分が課税され、7月〜翌3月の9か月分(納付済みの場合)が還付の対象です(9か月は編集部算出: 12か月−3か月)。
「廃車した日」は、業者に引き渡した日ではなく、運輸支局等で実際に抹消登録した日です。引渡しが早くても、抹消が遅れれば月割の起点も遅れます。
軽自動車税: 還付なし。4月1日をまたぐかが境目(八尾市の例)
軽自動車税の賦課期日は4月1日です(地方税法第449条。総務省の制度概要も同じ)。市町村が、その所有者に課税します(同法第443条第1項)。八尾市の案内では、月割制度はなく、年度の途中で廃車しても還付はなく、4月2日に譲渡しても当年度分は課税されます。柏市の案内も、月割での還付はできず、4月2日以降に廃車手続きをした場合は、その年度の軽自動車税は全額納めるとしています。軽自動車検査協会の案内も、4月1日現在の検査証の名義の方に課税されるとしています。
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 4月2日以降に廃車して、当年度分を全額払う | 手続きの完了日が4月1日の前か後かを、引取りを依頼するときに業者へ伝えて日程を決める |
| 3月末に引渡しだけして、解体報告が間に合うかを確かめない | 解体報告の連絡を受けてから申請するので、余裕をもって引き取りを依頼する |
重量税: 車検残が1か月以上あるか
還付される額は、納付された自動車重量税額 × 車検残存期間 ÷ 車検有効期間です。車検残存期間は、確定日の翌日から車検証の有効期間の満了日までで、1か月に満たない端数は切り捨てます。
還付額 = 納付された重量税額 × 車検残存期間(か月) ÷ 車検有効期間(か月)
国税庁の令和3年の計算例(登録自動車・有効期間 令和元年10月1日〜令和3年9月30日の24か月・納付額24,600円・永久抹消登録日 令和3年5月20日・残4か月と10日を切り捨てて4か月)は、24,600円 × 4か月 ÷ 24か月 = 4,100円です。これは国税庁が示した計算例で、ご自身の額ではありません。
自分の車に当てはめるときは、車検時の領収書で納付額を、車検証で満了日を確認し、上の式に入れます(編集部算出になります)。還付申請書の提出から支払いまでは、おおむね2か月半程度かかります。
車検が切れている動かない車は、車検残が1か月に満たないので重量税は戻りません。
自賠責保険: 解約日は書類の受理日
損保ジャパンの案内では、解約日から満期日まで1か月以上残っていれば、手続き後に保険料が戻ります。解約日は、同社が必要書類を受理した日(またはone-jibaiで必要書類をアップロードのうえ申請した日)です。自賠責の費用や値上げは、自賠責 値上げ 2026 軽自動車 車検費用にまとめています。
すぐ解体できないなら、一時抹消(軽は検査証返納届)で置いておく選択肢があり、解体したらそこから15日以内に解体届出を出す
すぐ解体しないなら、一時抹消(軽は検査証返納届)で置けます。ただし、置いたままにしないよう、解体時の期限だけ覚えておきます。
| 項目 | 一時抹消(普通車)・検査証返納届(軽) | 解体してから抹消 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 任意の手続き(「できる」規定) | 解体したときの手続き |
| 解体したとき | 一時抹消後の解体届出を、解体報告記録を知った日から15日以内に出す(普通車) | 解体報告記録を知った日から15日以内に永久抹消(普通車)・解体返納(軽) |
| 軽の期限 | 解体等届出は解体報告記録を知った日から15日以内 | 同左 |
| 手数料 | 2章の表を参照 | 2章の表を参照 |
- 軽は、4月1日現在の名義人に軽自動車税が課税されます(軽自動車検査協会の案内)。賦課期日は4月1日です(地方税法第449条)。
- 重量税の還付申請は、解体を事由とする永久抹消登録申請書または解体届出書の提出と同時に行います。
一時抹消で置く場合の普通車の課税や、一時抹消だけの場合の重量税は、この記事では書いていません。公式の案内で確認が取れた範囲だけを載せています。
廃車にする前に、修理代10万円の負担を月額に直して比べたい場合は 車 修理代 10万 払えない を参照してください。
よくある質問
Q1. 動かない車の廃車は、永久抹消と一時抹消のどちらを出せばいいですか
解体するなら、永久抹消登録(軽は解体返納)です。令和8年(2026年)4月1日以降の登録手数料は、永久抹消が0円、一時抹消が窓口500円・OSS450円です。一時抹消は、運行をやめたときに申請できる任意の手続きで、解体するなら挟む必要はありません。
Q2. 仮ナンバーで解体業者まで運転して持っていけますか
枚方市は、解体業者のところへ持っていく場合などの「単に移動させるためだけ」の運行を許可しないと案内しています。吹田市も、廃車場へ持っていくときは許可できないと案内しています(2026年10月5日確認)。ほかの自治体は別の運用かもしれないので、住所地の市区町村で確認してください。動かない車は積載車で運ぶのが基本です。なお、許可される目的でも、江東区の案内では最長5日間・手数料750円・自賠責保険証明書は紙の原本のみです。
Q3. 15日はいつから数えますか
引渡日ではなく、解体報告記録がなされたことを知った日から数えます。普通車の永久抹消登録(第15条)・一時抹消後の解体届出(第16条)・軽の解体等届出(第69条の2)のいずれも、15日以内です。
Q4. 車検が切れている動かない車でも重量税は戻りますか
車検残存期間が1か月に満たない場合は、重量税の還付を受けられません。車検が切れている車は、残りがないので戻りません。車検残が1か月以上あれば、永久抹消登録または解体届出と同時に還付申請すると戻ります。
Q5. 軽自動車は3月中に廃車すると得ですか
八尾市の案内では、軽自動車税は4月1日現在の所有(登録)者に課税され、年度の途中で廃車しても還付はありません。賦課期日は4月1日で、4月2日以降に廃車しても当年度分は全額です(柏市の案内)。解体報告の連絡を受けてから申請するので、引き取りは余裕をもって依頼してください。自治体ごとの運用は住所地で確認してください。
Q6. 廃車すると自賠責の保険料は戻りますか
損保ジャパンの案内では、解約日から満期日まで1か月以上残っていれば、手続き後に保険料が戻ります。解約日は、同社が必要書類を受理した日です。ほかの保険会社も同趣旨とは限りません。契約している会社に確認してください。
