N-WGN JH3のCVT故障は、修理か買い替えかを決める前に、初度登録年月・走行距離・延長保証の加入で決まる保証の位置を確かめ、自己負担額を出すことが先です。
この記事の要点(令和8年(2026年)10月13日時点)
- 対象は2019年8月9日発売(Honda公式発表)の新型N-WGN/N-WGN Custom(JH3系)です。旧型JH1/JH2とは別の車です
- メーカー保証は、初度登録(新車登録)から一般保証が3年または6万km、特別保証が5年または10万kmで、どちらか早い方で終わります。「7年」は延長保証マモルに入っている人だけの期間です(長期コース、または新車コース・車検コースのあとに継続コースを足した場合)。
- 発売直後(2019年8月)に初度登録した最も早い個体なら、特別保証は2024年8月以降、マモル長期コースは2026年8月以降に満了しています(編集部算出)
- 自己負担が0円なら比較は要りません。自己負担が出るときだけ、自己負担額(X)と現状のまま売る額(Y)を並べます
JH3のCVT故障は、保証・リコールの確認が先で、見積の比較はその後です
CVTの異音・ジャダー・警告灯は、CVT以外が原因のこともあります。まず販売店や整備工場で診断を受け、見積書に「どの部品が原因か」を書いてもらってください。
手元に用意するのは次の4つです。
- 車検証(初度登録年月)
- 保証書(延長保証に入っていれば契約書面も)
- 修理の見積書
- 走行距離計の数字
この記事は、この4つを次の順で使います。
- 判定表で保証の位置を引く(次の章)
- 車台番号でリコールを確認する(4つ目の章)
- 見積に自己負担額まで書いてもらう(5つ目の章)
- 自己負担額と売却額を並べて決める(最後の章)
初度登録年月・走行距離・延長保証の加入で、JH3の保証の位置は表で引けます
先に確かめるのは、車検証の「初度登録年月」です。製造年月とは別で、保証の数え始めはこちらです。保証の期間は、保証書に記載の期間と条件に従います。
令和8年(2026年)10月13日時点で、Honda公式に載っている期間は次のとおりです。
表1 メーカー保証の期間(初度登録=新車登録日から)
| 保証 | 期間 | 終わる条件 |
|---|---|---|
| 一般保証 | 3年間または走行距離6万km | どちらか早い方 |
| 特別保証 | 5年間または走行距離10万km | どちらか早い方 |
さらに延長保証「マモル」(乗用車コース)に入っている場合は、期間が伸びます。N-WGN(軽乗用)が乗用車コースに当たるかは、契約書面か販売店で確認してください。
表2 延長保証マモル(乗用車)の期間と加入期限
| コース | 保証期間 | 加入期限 |
|---|---|---|
| 新車コース | 初度登録日から5年後の同月日前日まで(60ヵ月) | 新車購入時。初度登録日から6ヵ月後の前日まで |
| 長期コース | 初度登録日から7年後の同月日前日まで(84ヵ月) | 新車購入時。初度登録日から6ヵ月後の前日まで |
| 車検コース | 初度登録3年後から5年後の同月日前日まで | 初度登録日から2年6ヵ月〜3年後の同月日前日まで |
| 継続コース | 各コースの保証終了後から2年間 | 初度登録日から4年6ヵ月〜5年後の同月日前日まで(新車コースまたは車検コース加入者のみ) |
新車購入時の加入期限(6ヵ月)は、最も早い個体ではとうに過ぎています。ただし車検コースと継続コースは、経過年数によっては今も加入できる場合があるため、「加入期限が過ぎた」と一括りにはできません。ここで確かめるのは、故障が出る前に入っていたかどうかです。加入の有無は、契約書面で確かめます。
次の表は、延長保証に入っていない場合のメーカー保証を、登録からの経過年数と走行距離で引くものです。「登録から3年・5年・7年を過ぎたか」と、距離の3区分で見ます。
表3 メーカー保証の判定表(令和8年(2026年)10月13日時点の制度で見た区分)
| 初度登録からの経過 | 6万km未満 | 6万〜10万km | 10万km以上 |
|---|---|---|---|
| 3年以内 | 一般保証・特別保証とも期間内 | 一般保証は距離で終了。特別保証は期間内 | 一般・特別とも距離で終了 |
| 3年超〜5年以内 | 一般保証は年数で終了。特別保証は期間内 | 同左 | 一般・特別とも終了 |
| 5年超 | 一般・特別とも年数で終了 | 同左 | 同左 |
表3の「期間内」は、保証期間の中にいるという意味です。CVTが無償になるとは限りません。次の章のとおり、対象かどうかは保証書で確認します。
延長保証に入っている人は、次のように読み替えます。
- 5年を過ぎて7年以内: マモル長期コース、または継続コース(新車コース・車検コースの終了後2年間)に入っていれば、保証が残っている可能性があります
- 7年を過ぎた: 長期コースの期間(7年後の同月日前日まで)も終わっています。継続コースに入っていれば、別に確認します
- 距離の条件: 現行のマモル公式ページには、走行距離の条件の記載を確認できていません。契約書面で確認してください
最も早い個体(2019年8月に初度登録)の例です(編集部算出)。特別保証の期間は2024年8月以降、マモル長期コースの期間は2026年8月以降に満了しています。今は、最も早い個体のマモル長期コースが切れ始めた時期です。登録がこれより後の個体は、満了もそれだけ後になります。
製作日が令和7年(2025年)5月13日のJH3があることも、Honda公式のリコール情報でわかります。新しい個体は新車保証の期間内にいる可能性が高いので、登録年月を必ず車検証で見てください。
特別保証でCVTが直るかは、一覧の表記だけでは断定できず保証書と販売店で確かめます
特別保証の対象部品一覧で、動力伝達機構の項に載っているのは「トランスミッションケース」「トランスミッション内部主要部品」などです。一覧に「CVT」「無段変速機」という語は見当たりません。しかも対象は「Hondaが指定するもの」に限られます。
「特別保証の期間内=CVTが無償」とは言い切れません。特別保証でCVTが対象になるかは、保証書の記載と販売店への確認で決めてください。
押さえておく点は、ほかに2つあります。
- 一般保証は、消耗部品と油脂類が対象外です
- マモルは、1回の故障につき最高150万円まで保証し、回数の制限はありません(現行の公式ページ)。ただし「部品/用品の交換を伴わない補修または修理」は対象外です
避けたい判断 / こうすればOK
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 「まだ5年以内だから特別保証でタダのはず」と、確認せずに自費の見積に進む | 保証書の記載を見て、車台番号と初度登録年月を販売店に伝え、CVTが対象かを先に聞く |
| 「延長保証に入った気がする」で話を進める | 契約書面でコース名・期間・上限額・除外条件を見る |
| 部品交換を伴わない調整だけの修理を、マモルで通ると思い込む | 修理内容(部品交換の有無)を見積書で確認する |
旧型JH1/JH2の保証期間延長の対象車種表にJH3は載っていません。JH3のCVTリコールは1台です
ネットでは、N-WGNのCVTについて「保証期間が延長されている」という話が出てきます。これは旧型のJH1/JH2の話です。同じホンダ軽でも、JH3は別の車です。
表4 旧型JH1/JH2の保証期間延長とJH3の違い
| 項目 | 旧型JH1/JH2の保証期間延長 | JH3 |
|---|---|---|
| 対象車種表 | DBA-JH1・DBA-JH2が載っている | 表にJH3・JH4の行はない |
| 製造期間 | 平成25年(2013年)11月11日〜平成28年(2016年)12月15日 | 発売は2019年8月9日 |
| 措置 | ドリブンプーリーベアリングの異音が対象。無段変速機を補用品と交換(無償) | 同じ措置の記載なし |
公式が「JH3は対象外」と書いているわけではありません。「対象車種表に載っていない」のが事実です。旧型の延長の中身はN-WGN JH1 CVT 交換 費用で整理しています。旧型のJH1/JH2に当たる人は、そちらを読んでください。
JH3のCVTに関するリコールは、令和7年(2025年)9月4日届出の1台のみです(6BA-JH3・車台番号JH3-1264595・製作日 令和7年5月13日)。インプットシャフトのOリングが組み付けられていないものがあり、クラッチが滑って警告灯が点滅し、加速不良になるおそれがあるというもので、措置は無段変速機の良品交換(無料)です。JH4は対象外です。
大多数のJH3は、このリコールの対象ではありません。次の2つのリコールは、CVTとは別物です。
- 電動パーキングブレーキのリコール(令和元年(2019年)12月12日届出・6BA-JH3/JH4・計9,437台)は制動装置の話です
- 排気ガス再循環装置(EGRパイプの腐食)のリコール(令和7年(2025年)1月31日届出・JH3/JH4の自然吸気)も、CVTとは関係ありません
自分の車が対象かは、車台番号で販売店かHondaのリコール窓口に聞いて確かめます。製造年月と初度登録年月は別です。登録が後でも製造が早い車はあります。保証期間の延長の窓口は、Honda市場措置専用窓口(0120-280524・受付9:00〜17:00・年末年始を除く)です。
同じホンダ軽(N-BOX)での照会の手順は、N-BOX CVT リコール 保証延長 対象にあります。車種が違うので、対象範囲はJH3の分と混ぜないでください。
見積は「保証適用後の自己負担」まで書いてもらうと、比べられる形になります
保証・リコールで直る見込みがなくても、見積書を次の項目で突き合わせると、後の比較が楽になります。この記事にJH3のCVT交換の金額は載せていません(公式の一次情報がなく、第三者の掲示板の数字は使わない方針のためです)。
表5 見積書の確認項目
| 確認項目 | 聞くこと |
|---|---|
| 診断の内容 | 原因がCVT本体か、ほかの部位か。診断料はいくらか |
| 修理の方法 | CVTの交換か、内部の修理か |
| 部品の種類 | 新品・リビルト品・中古のどれか |
| 工賃 | 部品代と分けて書いてあるか |
| 修理後の保証 | 期間と範囲(部品のみか、工賃込みか) |
| 保証適用後の自己負担 | 保証・延長保証・リコールで下がる額を引いた、自分が払う額 |
保証が効くか迷う場合は、見積を取る前に、販売店へ車台番号と初度登録年月を伝えます。そのうえで「この症状は保証の対象か」を聞くと、見積の前提が決まります。
費用の例を見たい人のために、別車種の記事を挙げます。同じホンダ軽(N-BOX JF2)の費用記事N-BOX JF2 CVT 交換 費用は、見積項目の例として使えます。ただしJH3の金額としては使わないでください。
JH3の中古部品代の掲載幅と、持込工賃の実例1件を使った試算の式は、N-WGN JH3 CVT 交換 費用で見られます(総額の実例は未確認です)。
自己負担が出るなら、自己負担額と現状のまま売る額の2つで直す・売る・乗り換えを分けます
まず、保証・延長保証・リコールで自己負担が0円になるなら、比較は要りません。そのまま直します。
自己負担が出るときは、次の2つの数字を紙に書きます。
- X: 見積の「保証適用後の自己負担」(直して乗り続けるときに払う額)
- Y: CVTの不調を伝えた、現状のままの売却見込み額
売却見込み額は、買取店への査定依頼で出してもらいます。一括査定は複数社を比べやすい反面、申し込み後に電話が集中することがあります。CVT不調を隠さず伝えて、査定額を取ってください。
表6 比べる相手をそろえた式
| 選ぶ道 | 比べる数字 |
|---|---|
| 直して乗り続ける | 支出 = X |
| 売って乗り換える | 次の車の購入総額 − Y |
| 売って車を手放す | 収入 = +Y |
乗り換えは、次の車の購入総額も見積もったうえで、「直して乗り続ける」の支出Xと並べます。X を払って直しても、売却額が X の分だけ上がるわけではありません。直してから売るのは損になりうるので、売るなら現状のまま査定を取るほうが、比べやすくなります。金額の線引き(「○万円を超えたら乗り換え」のような基準)は、この記事では置きません。JH3の公式な根拠がなく、年式・走行距離・次の車の条件で答えが変わるからです。
決め方の順番
- 保証・延長保証・リコールで自己負担が0円なら、比較せずに直す
- 自己負担(X)が出るなら、現状のままの売却見込み額(Y)を取る
- 直す(X)、売って乗り換える(購入総額 − Y)、売って手放す(+Y)を並べて選ぶ
走行距離と査定の考え方、3つの選択肢の詳しい比べ方は、同じホンダ軽(N-BOX)の記事N-BOX CVT 交換 30万 乗り換えとN-BOX 買取相場 CVT不調にあります。N-BOXの金額はJH3にそのまま使えません。軽全般の考え方は軽 修理 20万 直すか乗り換えかが参考になります。
よくある質問
Q1. 旧型JH1/JH2のCVT保証期間延長は、JH3にも使えますか?
公式の対象車種表に載っているのはDBA-JH1とDBA-JH2で、JH3の行はありません。公式がJH3を「対象外」と書いているわけではないため、自分の車が何かの措置の対象かは、車台番号で販売店かHondaに確かめてください。
Q2. 延長保証マモルに入っていたか分からないときは?
保証書や契約書面(コース名・期間)を探してください。見つからなければ、車台番号と初度登録年月を伝えて販売店に聞きます。なお、新車購入時のコースの加入期限は初度登録日から6ヵ月後の前日までです。
Q3. 走行が10万km未満でも、7年を過ぎたら延長保証は切れますか?
マモル長期コースの期間は、初度登録日から7年後の同月日前日までです。年数で期間が終わる点は、公式ページの記載どおりです。走行距離の条件は、現行ページに記載を確認できていないので、契約書面で確かめてください。
Q4. マモルは、部品を交換しない修理も対象ですか?
対象外です。公式ページに「部品/用品の交換を伴わない補修または修理は保証対象とはなりません」とあります。1回の故障につき最高150万円まで、回数の制限はありません。
Q5. JH3のCVTリコールの対象かは、どう確かめますか?
JH3のCVTリコールは令和7年(2025年)9月4日届出で、6BA-JH3の車台番号JH3-1264595の1台のみです。自分の車台番号がこれに当たるかは、販売店かHondaに問い合わせます。製造年月と初度登録年月は別なので、車検証の登録年月だけで判断しないでください。
Q6. 電動パーキングブレーキやEGRのリコールは、CVTと関係ありますか?
関係ありません。電動パーキングブレーキのリコールは制動装置、EGRのリコールは排気ガス再循環装置のパイプの腐食です。対象かどうかは、それぞれ別に車台番号で確かめます。
