このページの要点
笹川平和財団のスカラシップは、現在「笹川奨学金」という名称の返済不要の給付型奨学金です。
- 名前が変わっています。募集要項の表題は2022年度が「笹川平和財団スカラシップ」、2023年度が「GLOBAL LEADERS SCHOLARSHIP(笹川奨学金)」、2024年度以降が「笹川奨学金」です。現在の公式サイトには旧名称がどこにも書かれていないため、「スカラシップ」で検索すると2024年の募集期間や古い指定校リストのまま止まっているページに当たります。指定大学は2023年度43校・2024年度41校・2025年度以降46校と実際に変わっており、2027年秋入学向けは46校です。
- 支給されるのは「大学に払うお金」が中心です。授業料・食事代を含む寮費・健康保険料などを実費で支給し(募集要項は「原則として授業料の実費関連奨学金の支給金額に上限額はありません」と書いています)、これとは別に定額奨学金が米国年15,000ドル・英国年11,000ポンド。旅費交通費と海外旅行保険料は、入学・卒業時の一時給付奨学金から出す建て付けです。財団が公表している2025年度の最大支給額実績は1人あたり年間で米国 約110,000ドル・英国 約79,000ポンド(1ドル約150円換算で約1,700万円)でした。
- 関門は奨学金ではなく大学側にあります。応募できるのは財団が指定する米英46大学の入学許可を得た人(英国は条件付き合格でも可)だけで、所得制限も年齢制限も専攻の指定もありません。英語スコアの最低基準も示されておらず、スコアの提出自体が任意です。その代わり、延べ応募2,037名に対して合格は105名、財団公表の合格率は5.15%。採用実績は一期生35名から四期生19名へと推移しています。
公益財団法人笹川平和財団が2022年に始めた、日本国籍の高校生等が米国または英国の大学で学士号を取る留学を支援する奨学金です。支援予定人数は2027年度期留学生で最大35名程度。募集は年2回で、2026年度(2027年秋入学向け)の秋期は2026年8月17日正午に締め切られ、残るのは春期A日程(2026年12月17日〜2027年2月8日正午)と春期B日程(2027年3月18日〜4月3日15時)です。ただし春期は進学先大学が確定した人だけが対象で、指定46校のどこからも合格を得ていない場合は応募できません。つまり「奨学金に応募する」より先に「指定46校に合格する」計画が要ります。
この記事の金額・条件・日程は、2026年11月6日に笹川平和財団の公式サイトで確認した「笹川奨学金 2026年度 募集要項」(対象=2027年秋入学)と、同サイトの実績ページ・よくある質問にもとづきます。募集要項は年度ごとに改定され、指定大学・採用予定人数・日程が実際に変わってきました(2023年度の指定校は43校、2024年度は41校、2025年度以降が46校です)。応募を検討する際は、必ず[笹川奨学金の公式サイト](https://scholarship.spf.org/)で最新年度の募集要項をご確認ください。
結論:笹川奨学金を1枚で確認する
POINT
対象は米英の指定46大学に合格した日本国籍の高校卒業予定者・既卒者。所得も年齢も問われない代わりに、採用は最大35名程度で合格率は5.15%です。
まず全体像を1枚で確認します。この制度の特徴は「お金の条件がほとんどない代わりに、進学先の条件が厳しい」という一点に尽きます。家計の年収や保護者の職業で足切りされることはありませんが、応募できるのは財団が名前を挙げた46大学に合格した人だけです。
笹川奨学金の要点(2026年度募集要項・2027年秋入学向け/2026年11月6日確認)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 笹川奨学金(公益財団法人 笹川平和財団)。2022年度の募集要項の表題は「笹川平和財団スカラシップ」 |
| 対象の進学先 | 財団が指定する米国25大学・米国リベラルアーツカレッジ17校・英国4大学の計46校。2027年9月に第一学年へ入学する人 |
| 支給されるもの | 授業料・食事代を含む寮費・健康保険料など(実費関連奨学金)+定額奨学金 米国年15,000ドル/英国年11,000ポンド+入学・卒業時の一時給付奨学金 |
| 支給期間 | 米国の大学は通算4年間、英国の大学は通算3年間(休学中は支給しない) |
| 採用予定 | 2027年度期留学生は最大35名程度 |
| 所得・年齢・専攻 | 募集要項に「年齢制限、所得制限はありません」「専攻分野の指定はありません」と明記 |
| 英語スコア | 最低基準の記載なし。TOEFL iBT・IELTS・SAT等は「保持者のみ」提出で、公式FAQは「提出はオプションです」と回答 |
| 残る応募機会(2027年秋入学向け) | 春期A日程 2026年12月17日〜2027年2月8日正午/春期B日程 2027年3月18日〜4月3日15時(秋期は2026年8月17日正午で終了) |
| 実績 | 延べ応募2,037名・合格105名・合格率5.15%(財団公表)。一期生35名→二期生28名→三期生23名→四期生19名 |
| 併給 | 財団の承認制。承認され得るのは、他の給付型が進学先大学の授業料実費より少額で、その額を差し引いて受給する場合のみ |
他の制度と並べるとこの位置づけがはっきりします。柳井正財団の奨学金は家計支持者の所得2,700万円以下という条件があり、江副記念リクルート財団の奨学金は学術部門が理系分野に限られます。笹川奨学金はそのどちらの制限もない代わりに、進学先が46校に固定されています。制度を横断して見比べたい場合は海外大学の返済不要奨学金まとめから入ってください。
「スカラシップ」で検索すると古い情報に当たる理由
POINT
募集要項の表題が年度で変わっており、現行の公式サイトには旧名称が載っていません。旧名称のまま更新を止めた解説ページが検索上に残っています。
「笹川平和財団 スカラシップ」で検索したとき、最初に確かめてほしいのはそのページが何年度の情報かです。この制度は募集要項の表題が年度によって変わってきました。公開されている各年度の募集要項PDFの表題を並べると、次のようになります。
募集要項PDFの表題で確認できる名称の変化
| 年度 | 募集要項の表題 | 読者への影響 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 笹川平和財団スカラシップ 2022年度 募集要項 | 支援予定人数は最大50名程度。現行の35名程度とは条件が異なる |
| 2023年度 | 公益財団法人 笹川平和財団 GLOBAL LEADERS SCHOLARSHIP (笹川奨学金) 2023年度 募集要項 | 英語名と日本語名が併記された過渡期。指定校43校・支援予定人数は最大40名程度 |
| 2024年度以降 | 公益財団法人 笹川平和財団 笹川奨学金 ○○年度 募集要項 | 現行の名称。公式サイトの表記もこちらで統一されている。支援予定人数は最大35名程度 |
問題は、現在の公式サイト(トップ・制度紹介・募集要項・よくある質問)のどこにも旧名称が書かれていないことです。そのため「スカラシップ」という語で検索した人は、公式ではなく、旧名称のまま更新を止めた解説ページへ流れます。実際に今回確認した上位ページのうち、留学コンサルが運営する1本は2024年の募集期間・2025年秋入学の内容のまま、更新日の表示もなく公開されていました。そこに載る指定校の内訳(米国24校・リベラルアーツ12校・英国4校の計40校)は、公式の2023年度(43校)とも2024年度(41校)とも一致しません。公的な奨学金データベースでも、秋期の締切が募集要項より10日早い日付で掲載されている例がありました。
避けたい
検索で最初に出てきた解説ページの「指定校40校(米国24校・リベラルアーツ12校・英国4校)」「応募期間は7月25日〜8月14日」「2025年秋入学」といった記述を前提に、志望校リストや出願スケジュールをつくってしまう。
こうすればOK
ページ内の年度表記と更新日をまず探す。年度が書かれていないページは使わない。校数・金額・締切は必ず財団公式サイトの最新年度の募集要項で突き合わせる。
避けたい
「笹川平和財団スカラシップ」という名前で公式サイトを探して見つからず、制度が終了したと誤解する。
こうすればOK
公式サイトの現行名称は「笹川奨学金」。scholarship.spf.org で現行の募集要項とスケジュールを確認する。
いくら出るのか——支給されるものと、家庭に残るもの
POINT
大学に直接払う費用は実費で支給され、授業料には原則として上限がありません。一方で、生活の細かい支出は定額奨学金の範囲でまかなう設計です。
笹川奨学金のお金は3階建てになっています。1階が「実費関連奨学金」、2階が「定額奨学金」、3階が「一時給付奨学金」です。保護者として大事なのは、どの支出がどの階から出るのかを取り違えないことです。
支給の3階建てと、支給の対象(2026年度募集要項)
| 区分 | 対象になるもの | 金額 |
|---|---|---|
| 実費関連奨学金 | 授業料/食事代を含む寮費(2年次以降に入寮できない場合は家賃と食事代)/健康保険料/大学より直接請求を受け支払う経費で、在学に必要と財団が認めるもの | 実費を勘案して財団が決定。「原則として授業料の実費関連奨学金の支給金額に上限額はありません」 |
| 定額奨学金 | 使途を限定した記載はない(上記以外の生活費にあたる部分) | 米国 年15,000ドル/英国 年11,000ポンド |
| 一時給付奨学金 | 入学および卒業時の準備金。旅費交通費と海外旅行保険料はここから出費されるべきものとされている | 金額は採用後に奨学生へ別途通知(非公表) |
実費支給なので、同じ奨学生でも進学先の大学によって受け取る総額は変わります。財団が公表している2025年度の最大支給額実績は、米国が年間約110,000ドル、英国が年間約79,000ポンド。財団はこれを1ドル約150円換算で「最大 約1,700万円」と示しています。この内訳には実費支給の授業料・寮費(食費含む)・健康保険料に加え、一時給付奨学金・往復旅費交通費(1往復のみ)・定額奨学金が含まれる、と注記されています。ただしこれは最大の実績値であって平均ではありません。授業料が低い大学に進学すれば、支給額もそれに応じて下がります。学費そのものの水準はアメリカの大学の学費は4年間でいくらかやイギリス大学の学費で確認してください。
確認ポイント:募集要項は、授業料について「原則として上限額はありません」としつつ、「財団は、授業料の高騰や物価上昇が著しい場合等に、実費関連奨学金の総額または各項目について、上限額の設定を行うことがあります」とも書いています。また寮費・食事代が大学によって複数設定されている場合には上限を定めるとされ、詳細な対象範囲と上限額は採用後に奨学生へ別途通知される仕組みです。「上限なし=いくらでも出る」と単純化せず、採用後の通知で確定する前提で考えてください。実費関連奨学金の対象は「大学より直接請求を受け支払う経費であって在学に必要であると財団が認める費用」と定義されています。この定義からは、ビザ申請料のように大学以外へ支払う費用が含まれるかどうかは読み取れません。教材費なども、大学から一括で請求されるか個人で購入するかで扱いが変わり得ます。個別の費目については財団へ確認してください。
なお、公式のよくある質問は「留学前に自主的に英語学校に通いたい」「日本に居住しながらの留学先のオンラインコースを受講する」といったケースについて、奨学金の支給対象としないこともあると回答しています。休学した場合も支給は停止します。
支給が始まる時期にも注意が必要です。募集要項は奨学金の支給開始時期を「2027年8月下旬(予定)」としており、所定の書類が不備なく提出されたことを確認してから支給日を決める、と書いています。具体的な支給方法は、採用決定後に配布される「奨学金等に係る手引き」で説明されるとされ、募集要項の段階では公開されていません。渡航前にかかる費用をいったんご家庭で立て替える必要があるのかどうかは、採用が決まった段階で財団に確認しておくのが安全です。
最大の関門は指定46大学——リストは年度で変わる
POINT
応募できるのは財団が指定した46校に合格した人だけです。過去の奨学生の進学先には、現在のリストに載っていない大学も含まれています。
2027年度入学の対象大学は、米国の大学25校、米国のリベラルアーツカレッジ17校、英国の大学4校の計46校です。募集要項の別紙に全校名が挙がっています。
- 米国大学(25校):Brown/California Institute of Technology/Carnegie Mellon/Columbia/Cornell/Dartmouth College/Duke/Georgetown/Harvard/Johns Hopkins/MIT/Minerva University/New York University/Northwestern/Princeton/Rice/Stanford/The University of Chicago/UC Berkeley/UCLA/University of Michigan, Ann Arbor/University of Pennsylvania/Vanderbilt/Washington University in St. Louis/Yale
- 米国のリベラルアーツカレッジ(17校):Amherst/Barnard/Bowdoin/Carleton/Claremont McKenna/Davidson/Grinnell/Hamilton/Harvey Mudd/Middlebury/Pomona/Smith/Swarthmore/Vassar/Wellesley/Wesleyan University/Williams
- 英国大学(4校):Imperial College London/University College London (UCL)/University of Cambridge/University of Oxford
リストには注意書きが2つ付いています。ひとつは英国のファウンデーションコースは対象にならないこと。もうひとつは米英以外にある、大学のメインではないキャンパスは対象外ということです。公式のよくある質問も「現時点ではアメリカとイギリスの財団指定の大学のみが対象であり、例外はありません」と明言しています。リベラルアーツカレッジが17校も入っているのはこの制度の特徴で、総合大学との違いはリベラルアーツ・カレッジとはで整理しています。
重要:この46校は固定ではありません。過去の募集要項をさかのぼると(以下はいずれも募集要項の年度で、入学はその翌年の秋です)、2023年度は米国大学24校+リベラルアーツカレッジ15校+英国大学4校の43校、2024年度は米国大学25校+リベラルアーツカレッジ12校+英国大学4校の41校で、46校になったのは2025年度(2026年秋入学向け)からです。リベラルアーツカレッジの枠は15校→12校→17校と動いています。財団の実績ページに載る「主な進学先」にも、ウィスコンシン大学マディソン校・ボストン大学・ワシントン大学(米国)、エディンバラ大学・キングス・カレッジ・ロンドン(英国)など、現在の46校に含まれていない大学名が並びます。過去の奨学生の進学先や、他サイトに載っている古いリストを見て「この大学も対象だろう」と判断せず、お子さんが出願する年度の募集要項別紙で必ず確認してください。
ここがこの制度のいちばん大事な点です。所得も年齢も英語スコアも問われない一方で、先に指定46校の合格を取る必要があります。順番としては「奨学金に応募できるか」ではなく「この46校に出願する進路計画が成り立つか」から考えることになります。出願の全体像は海外大学の出願方法を参照してください。
誰が応募できるのか——在学校の範囲は思ったより広い
POINT
全日制の高校だけでなく、通信制高校・高専・専修学校高等課程・インターナショナルスクール・海外の高校の在学者も対象になり得ます。
募集要項は「2027年6月末日までに修了予定、もしくはすでに卒業した者」の対象校をかなり広く列挙しています。ここは上位の解説ページが「高校卒業予定者」と丸めてしまっている部分で、実際にはもっと幅があります。
応募要件の主なポイント(2026年度募集要項)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国籍 | 日本国籍を有し、在学期間中を通じて日本国籍を有すること |
| 在学・卒業の要件 | 2027年6月末日までに、日本国内の高等学校/中等教育学校後期課程/特別支援学校高等部/高等専門学校(3年修了予定または既修了)/専修学校高等課程/これらに準ずる海外の教育機関/インターナショナルスクールの課程を修了予定、または既卒 |
| 進学先 | 財団指定の米英46大学の入学許可を得て、2027年9月に第一学年へ入学すること。第二学年以上への進級・編入は対象外 |
| 年齢・所得・専攻 | 「年齢制限、所得制限はありません」「専攻分野の指定はありません」(募集要項の表記) |
| 保護者の関与 | 応募時点で満20歳未満の場合は、保護者が留学を認めること |
| そのほか | 米国4年・英国3年の受給に合意/出願先大学の出願条件を遵守/留学前研修とコミュニティ構築活動(卒業後を含む)に参加/査証を確実に取得し得ること |
公式のよくある質問は、通信制高校やオンラインスクールに通っている場合についても「アメリカ・イギリスの当財団指定の大学への入学許可を得られるのであれば、本奨学金に応募可能です」と回答しています。海外の高校に在学中でも、日本国籍があり大学入学までに高校を卒業する予定であれば対象です。通信制から海外進学を考えるご家庭は通信制高校の留学も併せて確認してください。
英語スコアに「基準」はない
保護者が最も誤解しやすいのがここです。募集要項の提出書類欄にはTOEFL iBT・IELTS・SAT・ACT・IB・英検などが並びますが、いずれも「保持者のみ」の提出で、公式のよくある質問は「出願する大学へ提出予定のスコアをご提示ください。なお、提出はオプションです」と回答しています。つまり、笹川奨学金そのものには英語スコアの最低基準が示されていません。柳井正財団が予約型でTOEFL iBT90などのスコア要件を設けているのとは対照的です。
ただし、これを「英語力が低くても通る」と読むのは誤りです。応募の前提が指定46校の合格である以上、英語力はそれらの大学の出願基準で先に問われます。奨学金の側で基準を設ける必要がない、というだけの話です。必要な水準の目安はTOEFL iBTとはやIELTSとはで確認してください。
提出する書類は小論文3点が中心
提出書類の中心は小論文3点です。①英語小論文は「出願大学に提出済みまたは提出予定の小論文のうち、最も良く書けていると思うもの」1編(研究論文は不可)。②日本語小論文は「留学を志望する理由と留学を通じてどのような将来を目指すか」を400〜800字。③アピールポイントは「ご自身のアピールポイントあるいはぜひとも伝えたいこと」を200字です。このほか高校在学中のGPA(米国式4.00満点換算・換算根拠を提示)を出します。英国の大学のみに出願する場合はIBまたはAレベルの予測スコアでも構いません。
推薦状は任意で1通まで。募集要項は「提出の有無は選考結果に影響しません」と明記しています。提出する場合は推薦者本人が財団のメールアドレスへ件名「Recommendation letter」でファイルを添付して送る必要があり、応募者本人による代理送信は受け付けられません。締切は応募の締切と同じです。
重要:募集要項は「応募書類の作成にあたり、ChatGPTその他の生成AIの使用は認めておりません。必ず応募者本人が作成してください。生成AIの使用が確認された場合は失格といたします」と明記しています。小論文の下書きや添削に生成AIを使うことも避けてください。あわせて、選考の過程で財団とやり取りした内容(財団からのメールを含む)をSNSやブログに無断で公開することも禁じられており、違反した場合は内定または採用が取り消される可能性があります。
秋期と春期、どちらで出すか
POINT
秋期は大学出願前、春期は進学先が確定した後。春期は合格がないと応募できず、秋期に落ちて春期へ回る場合は小論文を書き直せません。
募集は年2回(春期はA日程とB日程に分かれるため、実質的には年3つの締切があります)。2026年度(2027年秋入学向け)の日程は次のとおりです。
2026年度 笹川奨学金の選考スケジュール(2027年秋入学向け)
| 回 | 応募受付 | 書類審査 | 面接 | 合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| 秋期(終了) | 2026年7月17日〜8月17日正午(JST) | 2026年8月〜9月 | 2026年9月中 | 2026年9月中 |
| 春期A日程 | 2026年12月17日〜2027年2月8日正午(JST) | 2027年2月中旬 | 2027年2月中 | 2027年2月末〜3月初旬 |
| 春期B日程 | 2027年3月18日〜4月3日15時(JST) | 2027年4月初旬 | 2027年4月中 | 2027年4月中 |
募集要項は「日程はあくまで目安です。応募者数その他の理由によって変更する可能性があります」と断っています。書類審査の結果はA日程・B日程とも、遅くとも2027年4月末日までに応募者全員へメールで通知される予定です。
確認ポイント:上の日程は2026年度募集のものです。春期A日程の受付開始(2026年12月17日)は、米国大学の合否発表が続く時期と重なります。財団自身が日程の変更があり得るとしており、「随時、本ページの最新情報をご確認ください」と案内しているため、応募直前に公式の募集要項ページで日付を確認してから動いてください。前年度の日程を載せたままの解説ページが複数あるため、他サイトの日付をあてにしないことも大切です。
どちらで出すかは、お子さんの出願計画で決まります。秋期は大学の合否が出る前に応募する回で、募集要項は「秋期募集に応募の場合、受入れ機関からの受入れ許可は、採用決定後でも構いません」としています。アーリー・ディシジョンなどで早期出願する場合は秋期が合います。一方春期は進学先大学が確定した人が対象で、締切までに指定46校のどこからも合格を得ていない場合は応募できません。英国の大学については、応募時点でConditional Offer(条件付き合格)の段階でも構わない(採用確定は正式合格が条件)と明記されています。ただし秋期には裏側の条件があります。募集要項は「秋期選考にて内定した場合、進学先大学の通知期限を設けます。期限内に所定の方法にて進学先大学の通知を行わなかった場合、内定を取り消す可能性があります」としており、内定後に進学先を期限までに知らせる義務が生じます。
避けたい
「とりあえず秋期に出しておいて、だめなら春期に書き直して出そう」と考える。
こうすればOK
秋期に応募して採用されなかった場合、春期に再応募しても和文小論文・和文アピールポイント・英文小論文は差し替えられません(ポータル上も小論文のタブが表示されません)。更新できるのは進学先大学と学業成績・英語スコアなどに限られます。公式のよくある質問も「秋期での応募は十分に準備が出来ている方、もしくは秋に大学へ早期出願する方にお勧めします」と回答しています。
避けたい
秋期に応募したので、春期にも自動的に審査されると思い込む。
こうすればOK
募集要項は「秋期に応募した場合、自動的に春期にて再度審査することはありません」と明記しています。春期での再審査を希望するなら、春期の応募期間中に改めて応募を提出する必要があります。
面接は1回または2回で、場所と日時は対象者へ別途通知されます。海外在住者はオンラインを予定。録画・録音は禁止で、主に日本語で実施されます。交通費等が支給される場合があります。審査の観点として募集要項が挙げているのは、求める人材像に合うか、そして留学計画について「留学の目的が明確であるか」「目的を達成させるために適切な『留学先』『勉学内容』であるか」「留学で得た成果を将来に生かす計画があるか」「留学に対する情熱が見られるか」の4点です。
数字で見る難しさ——「最大35名」と実際の採用人数
POINT
財団公表の合格率は5.15%。採用実績は一期生35名から四期生19名へと推移しており、「最大35名」だけを見て併願計画を立てると読み違えます。
募集要項の支援予定人数は「2027年度期留学生については最大35名程度の奨学金支給を予定」です。ただしこの「最大◯名程度」という枠自体も、年度ごとに引き下げられてきました。過去の募集要項を並べると、2022年度は最大50名程度、2023年度は最大40名程度、2024年度以降が最大35名程度です。そして財団が実績ページで公表している実際の採用人数は、その枠をさらに下回っています。
募集要項の支援予定人数と、実際の応募者数・合格者数(財団の各年度募集要項および実績ページ/2026年11月6日確認)
| 年度 | 募集要項の支援予定人数 | 秋期の応募 | 春期の応募 | 実際の合格者数 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度(一期生) | 最大50名程度 | 361名 | 356名 | 35名 |
| 2023年度(二期生) | 最大40名程度 | 270名 | 160名 | 28名 |
| 2024年度(三期生) | 最大35名程度 | 270名 | 188名 | 23名 |
| 2025年度(四期生) | 最大35名程度 | 221名 | 211名 | 19名 |
| 2026年度(2027年秋入学) | 最大35名程度 | 募集終了 | 受付前 | — |
| 累計 | — | 延べ2,037名(秋期・春期の合計) | 105名(財団公表の合格率 5.15%) |
財団は応募者数を年度別に、合格者数を期生別に公表しています(表の年度と期生の対応は本記事の整理です)。延べ2,037名に対して合格105名、およそ19人に1人という水準です。男女比は女性48%・男性51%・その他1%と公表されています。ここで保護者として押さえておきたいのは2点です。第一に、「所得制限も年齢制限もない」は「通りやすい」という意味ではないこと。条件が緩いぶん応募が集まり、選考はその中で行われます。第二に、募集要項の「最大35名程度」は上限であって見込みではないこと。枠そのものが50名程度→40名程度→35名程度と下がってきたうえ、直近の四期生の採用は19名でした。1つの制度に賭けるのではなく、海外大学の返済不要奨学金まとめで複数の制度を並べ、併願する前提で計画を立ててください。
確認ポイント:財団が公表しているのは累計の合格率(5.15%)で、年度ごとの合格率は公表されていません。応募者数の内訳と合格者数の内訳はどちらも公表されていますが、両者を割り算した年度別の倍率は財団が示した数字ではないため、本記事では掲げません。また公式のよくある質問は、秋期・春期それぞれの合格者数について「現段階では、秋期、春期での合格者数は決定していません」と回答しています。「秋期のほうが通りやすい」といった枠の配分は示されていません。
併給は「原則不可」ではなく、財団の承認制
POINT
他の給付型奨学金と同時に受け取れるのは、その額が進学先大学の授業料実費より少なく、かつその分を差し引いて笹川から受ける場合だけです。
ここは条文が長いぶん、要約されると意味が変わってしまう箇所です。募集要項の該当部分は、大きく3つのことを言っています。
- 1同時受給の可否は財団が決める。他の奨学金・支援金を受給予定または受給希望で、笹川奨学金との同時受給を望む場合、可否は財団が決定します。財団の承認なく同時受給することはできません。
- 2申告の対象は給付型だけではない。他の国内外の給付型奨学金に加え、返済義務のある奨学金、さらに「奨学金に該当しない使途の支援金等(研究助成金、企業資金、行政による一時交付金等)」も対象です。出願中の段階でも、応募時に必ず記載しなければなりません。
- 3給付型について承認され得るのは1つの型だけ。募集要項は、他の給付型奨学金については「進学先大学の授業料実費より少ない額の当該給付型奨学金を受給する場合であって、当該給付型奨学金の受給額を差し引いた額の本奨学金を受給する場合を除き、いかなる場合にも、同時受給が認められることはありません」としています。
3つ目を言い換えると、他の給付型を取っても家庭の手取りは増えません。笹川側の支給額がその分減るだけです。したがって「笹川と他の給付型を両方取って上積みする」という設計は成り立たず、考えるべきは「どちらを主軸にするか」です。たとえば柳井正財団の奨学金は国内の他の給付型との併給を原則として認めておらず、江副記念リクルート財団の学術部門も他機関からの受給額を差し引いて支給する設計です。大型の給付型どうしは、原則として重ねられないと考えておくのが安全です。
申告を怠った場合の扱いも定められています。募集要項は、他の給付型奨学金の受給が確定しているにもかかわらず笹川奨学金を満額受給した場合や、財団の事前の承認なく他の奨学金・支援金を受給した場合を、支給の停止および返還の事由として挙げています。返還を求められたときは、奨学生と保証人が原則5年以内に返還する義務を負うとされています。
確認ポイント:返還の規定に「保証人」という語が出てきますが、保証人の要件や、いつ誰を立てるのかは募集要項に書かれていません。採用後に配布される「奨学金等に係る手引き」で案内されるものと読めます。保護者が保証人になるのかを含め、応募前に気になる場合は財団へ直接確認してください。
採用されたあとに続くこと
POINT
毎学期の成績・出席の報告、留学前の研修・合宿、卒業後まで続くコミュニティ活動への参加が義務として定められています。
この奨学金は「受け取って終わり」ではありません。募集要項は奨学生の義務を8項目挙げています。留学開始前に留学の目標を提出すること、受給期間中は毎学期終了後に出席証明書・成績証明書・留学報告書を提出すること、報告内容が不十分と財団が判断した場合は再提出すること。専攻や住所の変更、生活・健康・学習の著しい変化があったときは変更届が必要で、これは保護者自身の住所・連絡先が変わった場合も含みます。留学終了後は原則2か月以内に、報告書と卒業証書の写しを持参して帰国報告(面談)を行います。
加えて、留学前研修を兼ねた合宿への参加と、卒業後も含むコミュニティ構築活動への参加が応募要件そのものに書き込まれています。財団は広報への協力も求めており、雑誌・新聞の取材を受ける際は事前に報告すること、奨学生の写真や動画を財団の公式サイト・SNS・パンフレット等で無償で使用できること(本人から中止の申し出があれば使用を止める)が定められています。氏名や経歴の使用は事前の承諾を得て行うとされています。
支給が止まる・返還を求められる事由も具体的に列挙されています。指定大学の第一学年に入学しなかった場合、除籍・退学となった場合、成績不良などで所定の期間での卒業が困難と判断された場合、提出書類に虚偽があった場合、承認なく他の奨学金を受給した場合、授業料に充てるべき奨学金を私的に流用した場合などです。指定校以外の大学へ転入を希望する場合は、継続の可否を財団が改めて判断します。
向いているご家庭・慎重に考えたいご家庭
POINT
指定46校を本気で狙う計画があり、所得条件で他制度に出せない家庭に向きます。進学先の幅を残したい家庭には合いません。
応募を主軸に据える判断の目安
| 状況 | 向き・不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 指定46校を第一志望群にした出願計画がすでにある | 向いている | 応募の前提を満たす。所得・年齢・専攻の制限がないため、他制度で弾かれる家庭でも土俵に乗れる |
| 世帯の所得が他制度の基準(例:2,700万円以下など)を超える | 向いている | 募集要項に「所得制限はありません」と明記されている数少ない大型制度 |
| 高専・通信制高校・インターナショナルスクールなどに在学している | 向いている | 対象校の列挙に含まれており、指定大学の入学許可が得られれば応募できる |
| 進学先の候補に指定46校以外(州立大学の多く、カナダ・豪州・欧州大陸など)を広く残したい | 慎重に | 対象は米英の指定46校のみで「例外はありません」とされている。奨学金のために志望校を歪めるのは本末転倒 |
| 英国のファウンデーションコースを経由する進学を考えている | 慎重に | ファウンデーションコースは対象外。ただしファウンデーション在学中に、翌年度に指定大学へ進学する予定で応募することは可能 |
| 他の給付型奨学金を主軸にしたい/すでに受給が決まっている | 慎重に | 併給は財団の承認制で、認められても受給額は差し引かれる。重ねて上積みする設計にはならない |
「慎重に」に当てはまる場合でも、海外進学そのものを諦める必要はありません。給付額が小さくても採用枠の多い制度や、大学独自の奨学金という道があります。国内大学との併願でリスクを抑える考え方は海外大学と日本の大学の併願に、進学全体の流れは海外大学進学とはにまとめています。
まとめ:奨学金より先に、46校の合格を取る計画を立てる
笹川平和財団のスカラシップ、現在の「笹川奨学金」は、所得も年齢も専攻も問わずに授業料と寮費を実費で支える、国内でも数少ない規模の制度です。ただしその入口は、財団が指定する米英46大学の合格に固定されています。保護者として最初にすべきなのは、奨学金の要件を読み込むことではなく、お子さんの志望校リストにこの46校が現実的な選択肢として入るかを確かめることです。
そのうえで、残る応募機会は春期A日程(2026年12月17日〜2027年2月8日正午)と春期B日程(2027年3月18日〜4月3日15時)。どちらも進学先が確定していることが条件です。小論文3点は一度出すと差し替えられないため、準備が整ってから出す。併給は上積みにならないので、どの制度を主軸にするかを先に決める。この3点を押さえておけば、残り数か月の動き方は決まります。
応募を検討する前に、ご家庭で確認すること
財団公式サイトの最新年度の募集要項を開きながら確認してください。
チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。
Q.笹川平和財団スカラシップと笹川奨学金は別の制度ですか。
同じ制度です。募集要項の表題が、2022年度は「笹川平和財団スカラシップ」、2023年度は「GLOBAL LEADERS SCHOLARSHIP(笹川奨学金)」、2024年度以降は「笹川奨学金」と変わってきました。現在の公式サイトは「笹川奨学金」で統一されており、旧名称の記載はありません。そのため「スカラシップ」で検索すると、旧名称のまま更新を止めたページに当たりやすい点に注意してください。
Q.倍率はどれくらいですか。
財団が公表しているのは累計の数字で、延べ応募2,037名に対して合格105名、合格率5.15%です(2026年11月6日時点の実績ページ)。およそ19人に1人という水準になります。年度ごとの合格率は公表されていません。採用人数は一期生35名・二期生28名・三期生23名・四期生19名と推移しており、募集要項の支援予定人数も最大50名程度(2022年度)→最大40名程度(2023年度)→最大35名程度(2024年度以降)と引き下げられてきました。「最大35名程度」は上限であって見込みではない点に注意してください。
Q.TOEFLやIELTSのスコアは必須ですか。
笹川奨学金自体には英語スコアの最低基準がありません。募集要項の提出書類欄はTOEFL iBT・IELTS・SAT・ACT・IB・英検などを「保持者のみ」としており、公式のよくある質問も「提出はオプションです」と回答しています。ただし応募の前提は指定46大学の入学許可を得ていることなので、英語力は大学側の出願基準で先に問われます。奨学金の側で基準を設ける必要がない、というだけです。
Q.所得制限が本当にないのであれば、世帯年収が高くても応募できますか。
募集要項に「年齢制限、所得制限はありません」と明記されているため、世帯の所得を理由に応募できないということはありません。所得基準のある柳井正財団などで対象外になるご家庭にとっては、数少ない選択肢になります。ただし、選考で家計を一切考慮しないとまでは書かれていません。制度の趣旨には、経済的な理由などで留学を選択肢にしてこなかった若者に可能性を拓く、という記述があります。
Q.他の奨学金と一緒に受け取れますか。
同時受給の可否は財団が決定する承認制です。承認なく同時に受給することはできません。他の給付型奨学金については、その額が進学先大学の授業料実費より少なく、かつその受給額を差し引いた額を笹川から受け取る場合に限って認められる、と募集要項に書かれています。つまり他の給付型を取っても手取りは増えません。返済義務のある奨学金や研究助成金・企業資金・行政の一時交付金なども、受給予定・受給希望・出願中の段階で応募時に申告する必要があります。
Q.大学の合格発表より奨学金の発表のほうが先になりませんか。
秋期については、募集要項が「秋期募集に応募の場合、受入れ機関からの受入れ許可は、採用決定後でも構いません」としています。合格前に応募し、採用が決まってから入学許可を示す形です。一方、春期は進学先大学が確定した人が対象で、締切までに指定46校のどこからも合格を得ていない場合は応募できません。英国の大学については、応募時点でConditional Offer(条件付き合格)でも構いませんが、採用の確定は大学からの正式な合格が条件になります。
Q.採用されれば、家庭の負担はゼロになりますか。
ゼロにはなりません。支給されるのは、授業料・食事代を含む寮費・健康保険料など大学に直接払う費用(実費関連奨学金)と、定額奨学金(米国年15,000ドル/英国年11,000ポンド)、入学・卒業時の一時給付奨学金です。旅費交通費と海外旅行保険料は一時給付奨学金から出す建て付けとされています。そのうえで、留学前に自主的に英語学校へ通う費用などは支給対象としないこともある、と公式のよくある質問に記載があります。日々の個人的な支出は定額奨学金の範囲でまかなう設計だと考えてください。
Q.秋期に不採用だった場合、春期に出し直せますか。
応募し直すことはできますが、自動的に再審査されるわけではないため、春期の応募期間中に改めて提出する必要があります。その際、和文小論文・和文アピールポイント・英文小論文は差し替えられず、秋期に提出した内容がそのまま再審査されます。更新できるのは進学先大学と学業成績・英語スコアなど一部の項目です。公式のよくある質問も「秋期での応募は十分に準備が出来ている方、もしくは秋に大学へ早期出願する方にお勧めします」と回答しています。









