自賠責保険が切れた車を運転すると、自動車損害賠償保障法違反で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、違反点数6点の対象です(2026年10月時点)。
この記事の要点
- 切れていると気づいたら、その車はまだ動かさない。罰則の対象になるのは、保険契約がない状態で運行した場合
- 切れたまま走ると、法第86条の3により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。違反点数は6点で、即座に免許停止の扱い
- 切れていた間に事故が起きても、被害者は政府保障事業で救済され、国が加害者等に求償する
- 24か月契約・離島以外(沖縄除く)の料率は、2026年11月1日の改定で自家用乗用+910円、軽自動車(検査対象)+1,120円。ただし改定のために走らせて待つ理由にはならない
自賠責が切れていたら、動かさずに窓口で再加入してから走る
自賠責が切れていたら、その車は動かさず、窓口で再加入して証明書を受け取ってから走ります。期限が切れた自賠責は、未加入と同じ扱いです。
切れたまま公道を走ると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。違反点数は6点で、即座に免許停止の処分になります(国土交通省の案内、2026年10月時点)。
- 車を動かさない。まだ運転していないなら、罰則の対象になる「運行」はしていない状態です
- 自賠責保険証明書とステッカー(標章)で満期日を確認する。車検証と車検ステッカーの期限とは別物です
- 窓口を選んで再加入する。動かせない車なので、来店できるか(家族の送迎や公共交通で行けるか)と、車を持ち込まずに手続きできるかを、先に電話で窓口に聞いておく
- 加入後に、新しい証明書が手元に出たことを確認してから走行を再開する。保険期間がいつから始まるかは、加入するときに窓口か保険会社で確認する
再加入できる窓口は、車の種類で決まります。
| 窓口 | 対象 |
|---|---|
| 販売店・代理店 | 自賠責保険・共済の再加入窓口の一つ(国土交通省の案内) |
| 各損害保険会社 | 同上 |
| 共済協同組合・農業協同組合 | 同上 |
| 一部のコンビニ・インターネット | 250cc以下のみ。四輪は上の窓口で |
必要書類は窓口によって案内が違う可能性があるため、持っていくものは来店前に窓口へ確認してください。
いまの状況で次の行動が変わる:動かしていない・走った・事故があった・車検も切れている
状況ごとの次の行動は、次の表で引けます。切れてから何日たったかによる猶予は、国土交通省の案内には書かれておらず、この記事でも断定しません。
| いまの状況 | 罰則の対象か | 次の行動 | 読む節 |
|---|---|---|---|
| まだ動かしていない | 罰則は「運行した場合」に対するもの。動かさなければ運行にはならない | 動かさずに窓口で再加入する | 前の節 |
| 切れたまま走った・取締りを受けた | 運行した場合に当たり、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、6点の対象 | 以後は動かさず、すぐ再加入する。取締り後の手続きは警察・裁判所の案内に従う | 次の節 |
| 切れている間に事故があった・起こした | 無保険運行の罰則に加え、賠償の負担が問題になる | 警察への届出など事故対応をしたうえで、保険会社に連絡する | 事故の節 |
| 車検も切れている | 自賠責の罰則に車検切れの扱いが重なる | 公道を走らせず、車検切れ側の対処も同時に進める | 最後の節 |
なお、もう乗らない車は、再加入せずに廃車する選択もあります。その場合の自賠責の扱いは廃車 費用 自分で 手続きで確認してください。
罰則は無保険運行・証明書不備・ステッカーで条文が別で、車種区分によって引く行が変わる
自賠責に関する罰則は、条文ごとに別です。自分の車が「車検のある車」か「標章を貼る車」かで、引く行が変わります。区分は、車検証があり車検を受けている車なら左の列、原付など車検のない車なら右の列です。迷ったら、窓口に車種を伝えて確認してください。
| 違反の内容(条文) | 罰則 | 車検のある普通車・軽自動車(検査対象) | 原付など標章を貼る車 |
|---|---|---|---|
| 契約のない自動車の運行(法第5条・第86条の3) | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。違反点数6点 | 対象 | 対象(原付を含む) |
| 自賠責保険証明書の備付なし(法第8条・第88条) | 30万円以下の罰金 | 対象 | 対象 |
| 自賠責ステッカーを貼らずに運転(法第9条の3・第88条) | 30万円以下の罰金 | 標章の表示義務はない | 対象 |
| 有効期限切れのステッカーを表示(法第9条の3・第89条) | 20万円以下の罰金 | 標章の表示義務はない | 対象 |
(2026年10月時点。出典: e-Gov法令検索の自動車損害賠償保障法、国土交通省、神奈川県警察の点数一覧)
- 標章(自賠責ステッカー)の表示義務があるのは、検査対象外軽自動車・原動機付自転車・締約国登録自動車です。普通車と検査対象の軽自動車には義務がなく、車検ステッカーとは別のものです
- 旧来の「懲役」という表記は、現行法では拘禁刑です
- 証明書の備付なしと無保険運行は別の条文です。証明書を忘れただけなら無保険運行ではありませんが、その場合も備付義務の違反にはなります
切れていた間の事故は加害者側の賠償になり、被害者は政府保障事業で救済されて国が求償する
自賠責が切れている間の事故は、自賠責では補償されません。被害者は、国土交通省の政府保障事業で救済されます。
政府保障事業の対象は、自賠責保険・共済の対象とならない「ひき逃げ事故」と「無保険(共済)事故」の被害者です。政府が被害者に損害のてん補を行った場合は、国が加害者等に求償することとされています(2026年10月時点)。
自賠責が有効なときの限度額は次のとおりです(国土交通省)。
| 損害 | 限度額 | 条件 |
|---|---|---|
| 傷害による損害 | 120万円 | 被害者1名につき |
| 後遺障害(常時介護を要する場合) | 4,000万円 | 神経系統等の第1級 |
| 後遺障害(介護を要さない場合) | 3,000万円(第1級)〜75万円(第14級) | 等級による |
切れていなければ、ここまでは自賠責が出ます。切れていた間の事故では、この枠が使えず、加害者側の負担になります。任意保険に入っている場合に何が支払われるかは契約ごとに異なるため、事故の連絡と合わせて保険会社に確認してください。
再加入の保険料は2026年11月1日の改定で、24か月契約の場合に自家用乗用+910円・軽(検査対象)+1,120円
2026年11月1日の基準料率改定で、24か月契約の保険料は自家用乗用で910円、軽自動車(検査対象車)で1,120円上がります。
| 車種 | 改定前(現行) | 改定後(令和8年(2026年)11月1日) | 差 |
|---|---|---|---|
| 自家用乗用自動車 | 17,650円 | 18,560円 | +910円(編集部算出。公表値と一致) |
| 軽自動車(検査対象車) | 17,540円 | 18,660円 | +1,120円(編集部算出。公表値と一致) |
(24か月契約・離島以外(沖縄除く)の基準料率。出典: 金融庁 自賠責保険審議会資料(令和8年4月)、2026年10月時点)
どちらの料率になるかは、契約の条件によって変わります。契約月数が24か月以外の場合や、改定日をまたぐ場合の適用の仕方は、加入するときに窓口で確認してください。
この差は数百円から千円余りです。料率差のために、切れたまま走らせたり再加入を先延ばししたりするのは割に合いません。走らせるなら待たずに入り直す、というのが基本の判断になります。
車検の費用全体の中で自賠責がどう入るかは、軽自動車 車検費用 相場 2026や車検 費用 込み込み 相場で確認できます。同じ時期の車検の値上げは車検 手数料 値上げ 2026 いくらにまとめています。
車検も切れているなら公道を走らせず、積載車か仮ナンバーで車検に向かう
自賠責と車検が両方切れている場合は、公道を走らせません。自賠責に再加入する手続きは本記事の内容どおりで、そのうえで、車検場へ向かう方法を別に考える必要があります。
自走が必要な場合は、積載車で運ぶか、臨時運行許可(仮ナンバー)を使う方法があります。手続きは仮ナンバー 取り方 必要書類に、車検切れそのものの罰則や対処は車検切れ 気づかなかった 罰則 対処にまとめています。仮ナンバーを申請する際に自賠責が必要かどうかも、申請先で確認してください。
よくある質問
Q1. 自賠責が1日だけ切れていても罰則の対象になりますか?
契約が締結されていない自動車を運行すると、法第5条の違反になります。この法律に、日数による猶予は書かれていません。1日でも切れている間に走れば、無保険運行にあたる可能性があります。まだ動かしていないなら、そのまま動かさずに再加入してください。
Q2. 自賠責保険証明書を車に積んでいないと違反ですか?
自賠責保険証明書は、自動車を運行の用に供するときに備え付ける義務があります(法第8条)。備え付けないと、30万円以下の罰金の対象です(法第88条)。無保険運行(法第5条)とは別の条文です。
Q3. 原付のステッカーが期限切れのまま貼ってあると?
標章の表示義務があるのは、検査対象外軽自動車・原動機付自転車などです。有効期限切れのステッカーを表示した場合は、20万円以下の罰金の対象です(法第89条)。ステッカーを貼らずに運転した場合は30万円以下の罰金です。普通車や検査対象の軽自動車は、ステッカーの義務の対象外です。
Q4. コンビニで自賠責に再加入できますか?
250cc以下の一部では、コンビニやインターネットでも加入できます(国土交通省の案内)。四輪車は、販売店・代理店・損害保険会社などの窓口を使います。
Q5. 切れている間に事故を起こされた(起こした)場合は?
自賠責の対象にならない無保険事故の被害者は、政府保障事業で救済されます。政府が被害者に損害のてん補を行った場合は、国が加害者等に求償します。任意保険で何が支払われるかは契約ごとに異なるため、保険会社に確認してください。
Q6. 11月1日の値上げ前に入り直した方が安いですか?
24か月契約・離島以外(沖縄除く)では、自家用乗用で910円、軽自動車(検査対象)で1,120円の差です(2026年11月1日の改定)。どちらの料率になるかは窓口で確認してください。差のために走らせる日を延ばすなら、割に合いません。走らせるなら待たずに入り直してください。