N-BOX CVT 異音 ゴトゴトの 原因|30万円払う前の切り分け方

最終更新: 2026-09-24 ・ 約14分で読めます ・ 修理費 編集部

走行中に「ゴトゴト」「ゴロゴロ」という音が出はじめると、N-BOX(JF1/JF2)のオーナーが最初に疑うのはCVTです。実際、初代N-BOXにはCVT関連の不具合報告があり、その疑いは的外れではありません。

ただし、CVT交換は20〜35万円です。 一方、同じような音が出るハブベアリングの交換は数万円です。

この記事の目的は、CVTだと決めつける前に、他の可能性を潰すことです。 誤診したまま話が進むと、桁が1つ違う出費になります。

先に断っておくと、音だけで原因を断定することはできません。この記事でできるのは、整備工場に持ち込む前に「どこが怪しいか」の見当をつけ、診断を依頼するときに正しい情報を伝えられるようにすることまでです。

この記事の要点


ゴトゴト音の原因を自分で特定する4ステップ診断

まず前提です。CVTとハブベアリングは、どちらも「ゴロゴロ」「ゴトゴト」と表現されます。 音の擬音を聞いただけでは、整備士でも判別できません。だからこそ、順番に条件を変えて反応を見る「切り分け」が必要になります。

以下の4ステップをこの順で試すと、整備工場に持ち込む前に「CVT側かタイヤ側か」の見当がつきます。道具はほとんど要りません。

ステップやること分かること詳細
1走行中にニュートラルへ入れる(惰行テスト)駆動系(CVT)か、タイヤ回転系(ハブ)か下記
2音の種類(擬音)を言葉にするCVT側かハブ側か、どちらの候補に寄るか下記
3カーブで音が変わるか確かめる片側のハブベアリングかどうか、左右どちらか下記
4安全な場所でジャッキアップして確認するハブベアリングのガタ・回転異音の有無下記

ステップ1で大枠(CVT側かタイヤ側か)が決まります。タイヤ側に寄ったら、ステップ3・4でハブベアリングを詰めます。CVT側に寄ったら、音の種類(ステップ2)と車台番号の照会に進みます。

すべて自己判断の材料であり、診断そのものではありません。 最終的には整備工場での確定診断が必要です。


最も確実な切り分け: ニュートラル惰行テスト

道具も費用も要らず、最初にやるべきテストです。

やり方

音が出ている速度で走行中、シフトをニュートラル(N)に入れて惰性で走ります。エンジンの駆動が切れた状態で、音がどう変わるかを聞きます。

判定

結果疑われる箇所
音が変わらない・そのまま続くタイヤ・ハブ系(ハブベアリング等)。CVTではない可能性が高い
音が消える・変わるエンジン・駆動系(CVT側)

理屈は単純です。ニュートラルでは駆動系が切り離されるため、音が続くならタイヤ側から出ていることになります。

安全上の注意


音の種類で見分ける

音の種類は、惰行テストで絞った候補をさらに寄せるための材料です。

CVT側が疑われる音

音疑われる状態
キュルキュル金属ベルトの劣化による滑り
バリバリ・ゴトゴトDレンジでアクセルを踏み込んだ時に振動を伴うなら金属ベルトの可能性。「ゴトゴト」はベルト破断の手前のおそれ
ゴロゴロ・ガラガラベアリングの軌道面剥離。ホンダの保証期間延長の対象症状と一致(後述)
カラカラ車速・エンジン回転に沿って音の速さが変わるなら回転部分、変わらないなら非回転部分の部品のガタつき

「ゴトゴト」で振動を伴う場合は、先送りしないでください。 ベルト破断の手前という指摘があり、破断すれば走行不能になります。

ハブベアリングが疑われる音

音特徴
ゴロゴロベアリング内部の摩耗・損傷による振動
ウォンウォン低く唸る音。一定速度で走行中に連続して聞こえる
ゴーッ高速走行時や荷重がかかった状態で目立つ

CVTとハブベアリングは、どちらも「ゴロゴロ」と表現されます。 音の擬音だけでは判別できないため、次のテストを併用してください。


カーブテスト: 左右どちらのハブか

ハブベアリングを疑う場合の追加テストです。

カーブを曲がる際に音が強くなったり消えたりする場合、片側のハブベアリングの可能性が高いとされています。

理屈は荷重移動です。

CVTは車体の傾きで音が変わりません。 カーブで明確に変化するなら、CVTの可能性は下がります。


停車時にできる確認

ジャッキアップできる環境がある場合の確認方法です。安全が確保できない場合は、整備工場に任せてください。

  1. 安全な平坦地に停め、エンジンを停止して輪止めをする
  2. ジャッキアップし、リジッドラック(ウマ)をかける ← ジャッキだけで下に入らないこと
  3. タイヤの上下・左右を手でゆっくり押し引きしてガタつきを確認する
  4. タイヤを手で回し、ゴロゴロという異音や引っかかる抵抗がないか確認する

ガタつきや回転時の異音・抵抗があれば、ハブベアリングの損傷・摩耗の兆候です。


その他に疑うべき箇所

4ステップで絞りきれない場合、次の箇所も候補になります。

症状疑われる箇所補足
ブレーキを踏んだ時に音が出るブレーキ系ハブベアリングとは別要因
音はないが地面に赤茶色のシミデフサイドオイルシールCVTフルードの漏れ。CVT本体の故障ではなく、シール交換で済む
走行中の息継ぎ、加速不良、エンスト低圧燃料ポンプリコール対象なら無償。異音というより症状で判断
発進時に車体が小刻みに震えるCVTフルードの劣化、またはCVT本体初期段階ならフルード交換で改善する場合も
ロードノイズタイヤ摩耗・偏摩耗でも似た音が出る

デフサイドオイルシールは特に重要です。 「CVTから油が漏れている」と聞くとCVT本体の故障を想像しますが、これはドライブシャフト付け根のシール劣化なので、費用の桁が違います。異音を伴わない油漏れなら、まずここを確認してもらってください。


「ゴロゴロ・ガラガラ」なら、先に車台番号を照会する

CVT側だと切り分けられた場合、整備工場に見積もりを頼む前にやるべきことがあります。

ホンダは2019年2月1日付で、旧型N-BOXを含む14車種についてCVTドリブンプーリーベアリングの保証期間を延長しています。不具合の内容は「CVT内部の加工片がベアリングに噛み込み、軌道面が剥離して異音が発生する」というもの。まさにゴロゴロ音の症状です。

さらに、2020年2月27日付で正式なリコール(届出4677)も出ています。こちらはトルコンのダンパースプリング折損によるもので、異音に加えて最悪の場合は発進時にエンストし走行できなくなるおそれがあります。

リコールに期限はありません。 何年経過していても無償です。

照会方法

ホンダの無償修理状況検索(recallsearchp.honda.co.jp)に車台番号を入力すれば1分で分かります。電話ならHondaお客様相談センター 0120-112010。

注意点: 民間の整備工場は他社メーカーの保証延長情報を把握していないことがあります。工場で「CVT交換30万円」と言われても、まず一度はホンダ販売店で診断を受けてください。


診断を依頼するときに伝えること

自己判断には限界があります。同じ異音はタイヤの不具合やドライブシャフトからも発生するため、音だけで断定するのは整備士でも難しいとされています。ベアリングはCVT内部にもホイール側にもあるため、どちらからの音か判別しにくいのが実情です。

最終的には診断に出すことになりますが、以下を整理して伝えると診断が早く、正確になります。


放置するとどうなるか

「音がするだけで走れているから」と先送りしないでください。

いずれも、壊れきってから直すほうが高くつきます。CVTの場合、フルード交換(1〜2万円)で済む段階を過ぎると、本体交換(20〜35万円)しか選択肢がなくなります。


よくある質問

Q1. ゴトゴト音がCVTかハブベアリングか、自分で見分けられますか?

音の擬音だけでは見分けられません。CVTもハブベアリングも「ゴロゴロ」と表現されます。ただし、走行中にニュートラルへ入れる惰行テストで、音が続けばタイヤ・ハブ系、消える・変わればCVT側という大枠の切り分けはできます。まず惰行テストから始めてください。

Q2. ニュートラル惰行テストは危険ではないですか?

交通量の少ない平坦な道で短時間だけ行えば大枠は把握できます。ただし下り坂では絶対に行わないでください(エンジンブレーキが効きません)。惰行中はブレーキの効きが変わることがあり、テスト後は速やかにDレンジへ戻します。少しでも不安があれば、このテストは飛ばして整備工場に持ち込んでください。

Q3. 「ゴトゴト」で振動を伴います。急ぐべきですか?

急いでください。Dレンジでアクセルを踏み込んだ時に振動を伴う「ゴトゴト」は、CVT金属ベルトの破断手前という指摘があります。破断すれば走行不能になります。先送りせず、早めに診断を受けてください。

Q4. カーブで音が変わります。どこが悪いのですか?

片側のハブベアリングの可能性が高いです。左カーブで右輪に荷重がかかり音が悪化するなら右側、右カーブで悪化するなら左側が疑われます。CVTは車体の傾きで音が変わらないため、カーブで明確に変化するならCVTの可能性は下がります。

Q5. 切り分けでCVTが疑わしいと分かったら、次は何をすればいいですか?

見積もりを取る前に、車台番号でホンダのリコール・保証延長を照会してください。N-BOX(JF1/JF2)はCVTベアリングの保証延長やトルコンのリコール対象になっており、該当すれば無償です。リコールに期限はありません。照会はrecallsearchp.honda.co.jpで1分です。

Q6. 地面に赤茶色のシミがありますが、CVTが壊れたのでしょうか?

異音を伴わない油漏れなら、CVT本体の故障ではなくデフサイドオイルシールの劣化の可能性が高いです。これはドライブシャフト付け根のシールで、交換で済むため費用の桁が違います。「CVTが壊れた」と早合点せず、まずここを確認してもらってください。


次に読むべき記事

切り分けの見当がついたら、確定後の費用と判断に進みます。この記事は診断「前」までで、費用比較は下記の記事に委ねています。


この記事について

本記事の作成方針と、切り分けを使ううえでの前提を明記します。

出典

  1. ホンダ公式「CVTドリブンプーリーベアリングの保証期間延長」(2019-02-01)。加工片の噛み込みで軌道面が剥離し異音が発生。N-BOX(JF1/JF2)を含む14車種が対象 (取得日: 2026-09-24)
  2. ホンダ公式「N-BOX、N-BOX Customのリコール」(届出4677・2020-02-27)。CVTトルコンのダンパースプリング折損。異音に加え発進時エンストのおそれ。リコールは期限なし (取得日: 2026-07-28)
  3. グーネット「車のCVTとは?故障時の症状と原因」。キュルキュル=ベルト滑り、ゴトゴト=ベルト破断の手前、カラカラ=部品のガタ。速度・回転に音が連動するかで回転部/非回転部を判別 (取得日: 2026-09-24)
  4. グーネット「ハブベアリングの交換時期と費用」。ゴー・ゴロゴロの低い音。カーブ・右左折で音質が変われば前輪ハブベアリングの可能性が高い。1輪あたり15,000〜30,000円 (取得日: 2026-09-24)
  5. 車のトラブル解決ブログ「ハブベアリング初期症状と確認方法」。ジャッキアップしてホイールの上下左右のガタ・手回しでの回転異音を確認する手順 (取得日: 2026-09-24)
  6. Yahoo!知恵袋。速度に連動し駆動を切っても変わらない音は駆動系ではなくタイヤ回転系。Nにしてタイヤを手で回し抵抗・異音を確認 (取得日: 2026-09-24)
  7. くるまLifeHack「N-BOX(JF1)のデフサイドからCVTオイル漏れ」。異音を伴わない油漏れはシール劣化で、CVT本体故障ではない (取得日: 2026-07-28)