失業給付(基本手当)はいくら・何日もらえる?自己都合退職の給付額・期間・給付制限
自己都合で退職したら、失業給付は何日分・いくらもらえて、最初のお金が入るまでに何日かかるのか。
自己都合退職の給付制限について「2か月」「3か月」と聞いたことがある人は多いと思いますが、原則は2025年4月の改正で1か月に短縮されています。この記事では、改正後の制度にもとづいて、受給資格・待期と給付制限・1日あたりの金額・所定給付日数・総額の目安・手続きの流れを順に整理します。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1自己都合の給付制限は原則1か月(2025年4月改正。旧2か月。5年間に受給資格決定を2回以上受けている人は3か月)
- 2所定給付日数は自己都合で被保険者期間に応じて90〜150日。1日あたりは年齢別の上限・下限の範囲内で賃金に応じて決まる
- 3全部でいくらかは日額×所定給付日数が上限の目安(編集部算出)で、支給は認定を受けた失業の日の分だけ。最初の認定まで約45〜60日(編集部算出・目安)、振込は認定の約7日後
失業給付(基本手当)とは
失業給付とは、雇用保険の基本手当のことです。就職が内定・決定していない失業の状態にある人に支給されます。
この記事で分かるのは次の4点です。
- 受給できる条件(被保険者期間と、転職先が決まっている場合の扱い)
- 退職から支給までの待期・給付制限の日数
- 1日あたりの金額と、何日分もらえるか(総額の考え方)
- ハローワークでの手続きの流れと、最初のお金が入る時期
受給できる人・できない人
被保険者期間の条件
| 離職の区分 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 一般(自己都合退職など) | 離職の日以前2年間に通算12か月以上 |
| 特定受給資格者・特定理由離職者(倒産・解雇など) | 離職の日以前1年間に通算6か月以上 |
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当について」
特定受給資格者・特定理由離職者に当たるかどうかは、ハローワークが判断します。
転職先が決まっている場合は受給できない
基本手当は、雇用の予約や就職が内定・決定していない失業の状態にある人にのみ支給されます。求職の申込み(受給資格決定)の前から採用が内定している事業主に雇用された場合は、受給できません。
出典:厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
前の会社の被保険者期間は通算できるか
転職を挟んでいる場合、前の会社の被保険者期間が算定されるかは次の2つで決まります。
- 前回の受給がある場合: 過去に基本手当(再就職手当等を含む)または特例一時金の支給を受けたことがあれば、その支給を受けた後の被保険者期間のみが算定されます
- 受給していない場合: 前の会社を退職してから雇用保険(再就職手当等の就職促進給付を含む)を受給せず、1年以内に次の就職先に就職して雇用保険に加入したときは、前の会社の被保険者期間も通算されます
出典:厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
待期7日と給付制限
待期7日(全員共通)
求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して7日に満たない間は基本手当が支給されません。これを待期といい、自己都合・会社都合を問わず全員に適用されます。求職の申込みをした日を含めて数え、就労した日など失業していない日は数えません。
出典:e-Gov法令検索「雇用保険法」第21条、ハローワーク(厚生労働省)「雇用保険の具体的な手続き」
自己都合退職の給付制限
自己都合退職(正当な理由なし)の場合は、待期が終わった翌日から給付制限が始まります。この間は基本手当を受け取れません。2025年4月1日施行の改正(令和6年法律第26号)で、原則の給付制限は2か月から1か月に短縮されました。退職日が令和7年4月1日以降の場合が対象です。
| 状況 | 給付制限 |
|---|---|
| 自己都合退職(原則) | 1か月(改正前は原則2か月) |
| 自己都合退職(退職日から遡って5年間に、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を2回以上受けている=今回が3回目以上) | 3か月 |
| 会社都合退職(特定受給資格者) | なし(待期のあとに支給開始) |
出典:厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」、厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
離職の日前1年以内または離職後に、自ら教育訓練給付金の対象となる教育訓練などを受講した場合は、給付制限が解除されます。
出典:厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
1日いくらもらえるか(基本手当日額)
計算のしかた
賃金日額は、離職前6か月間に支払われた賃金(賞与を除く)の合計を180で割った額です。基本手当日額のおよその式は次のとおりです。
基本手当日額 ≒ (離職前6か月の給与の総支給額の合計 ÷ 180) × 給付率
給付率は原則およそ50〜80%で、賃金が低いほど高くなります。60〜64歳は45〜80%です。
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当について」、厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
上限と下限
計算結果が上限を超えるときは、年齢区分ごとの上限日額が適用されます(令和8年8月1日現在)。
| 年齢区分 | 上限日額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当について」(令和8年8月1日現在)
下限は全年齢共通で2,562円/日です(令和8年8月1日以降)。賃金日額の下限3,203円に0.8を掛け、1円未満を切り捨てた編集部算出の値です。
出典:厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」
月額の目安
離職前の平均月額給与(総支給額・賞与を除く)別の、1か月あたりの支給額の目安は次のとおりです。
| 離職前の平均月額給与 | 支給額の目安(月額) |
|---|---|
| 15万円 | 11.2万円程度 |
| 20万円 | 13.9万円程度(60〜64歳は13.5万円程度) |
| 30万円 | 17.3万円程度(60〜64歳は14.6万円程度) |
出典:厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
これらは参考値です。正確な金額は離職票にもとづいてハローワークが決めます。
何日分もらえるか(所定給付日数)
一般(自己都合退職など)
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 90日(※) |
| 1年以上5年未満 | 90日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
※1年未満の欄は、特定理由離職者(離職以前1年間に被保険者期間が6か月以上で受給資格)が対象になる欄です。
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当の所定給付日数」
特定受給資格者(会社都合など)
年齢5区分と被保険者期間5区分で決まります。
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当の所定給付日数」
この表は、特定理由離職者の一部にも適用されます。
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当の所定給付日数」
障害者手帳の所持者など就職が困難な方には、別の表があります。この記事では扱いません。
受給期間の上限
基本手当を受け取れるのは、原則として離職した日の翌日から1年間です(所定給付日数330日の人は1年と30日、360日の人は1年と60日)。この期間を過ぎると、給付日数が残っていても受給できません。
出典:ハローワーク(厚生労働省)「基本手当について」、東京都産業労働局「雇用保険の失業等給付(基本手当)の詳細」
全部でいくらもらえるか(総額の目安)
総額の上限の目安は、次の式で考えます。
総額の上限の目安 = 基本手当日額 × 所定給付日数
日額は「1日いくらもらえるか」の節で、日数は「何日分もらえるか」の節で、自分の条件に当てはめて読んでください。支給されるのは、失業の認定を受けた日の分だけで、受給期間内に限られます。
出典:厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」(「所定給付日数を限度として支給を受けることができます」)
最初のお金が入るまで
自己都合退職(給付制限1か月)の場合の流れです。
- 離職票を持ってハローワークで求職の申込みをする(待期は申込日から数えます)
- 待期7日
- 給付制限1か月(待期満了の翌日から)
- 失業の認定(原則4週に1回、住居所を管轄するハローワークへ来所)
- 認定日の約7日後に、受給手続時に指定した口座へ振込
最初の認定までは、約45〜60日が目安です(編集部算出・目安)。振込は認定日の約7日後ですが、個々の振込日は公式に案内がないため、これも目安です。
出典:厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
会社都合退職や、教育訓練を受講して給付制限が解除された場合は、給付制限の分だけ短くなります。
読者が持ち込みやすい誤解3つ
転職の判断と次のステップ
退職後の収入の空白は、待期7日と給付制限、認定を経て最初の振込までの期間と、日額×所定給付日数が上限の目安という2点で見通せます。自分の被保険者期間と年齢を当てはめて、資金計画に使ってください。
転職そのものをするか迷っている場合は、転職するか迷ったときに確認したいことで判断材料を整理できます。
次にやること
出典
- ハローワーク(厚生労働省)「基本手当について」
- 東京都産業労働局「雇用保険の失業等給付(基本手当)の詳細」(令和6年3月1日時点・PDF)
- 厚生労働省・職業安定分科会雇用保険部会「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」(令和6年法律第26号・資料PDF)
- 厚生労働省「雇用保険に関するQ&A(基本手当・再就職手当)」
- 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」(参考資料PDF)
- ハローワーク(厚生労働省)「基本手当の所定給付日数」(delta追加)
- ハローワーク(厚生労働省)「雇用保険の具体的な手続き」(delta追加)
- 法令(e-Gov法令検索)「雇用保険法」第21条(待期)


