インターンの振り返りを就活につなげる手順(主目的に照らして残す・外す・保留を決める)
インターンが終わったあと、「何を見返せばいいのか」で止まる人向けの記事です。この記事では、振り返りの物差しを「参加前の主目的」に置き、その企業・業界を「残す・外す・保留」のどれにするかを決めるところまで進めます。型(主目的→3つの出口)は編集部の整理で、振り返りをすると選考に有利になる、という根拠は確認できていません。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1振り返りの物差しは、参加前に置いた主目的
- 2種類(半日・1日か5日以上か)で振り返れる範囲が違う。割合は本人の認識
- 3出口は残す・外す・保留で決め、参加後の案内への対応はそのあとに扱う
1. 結論:振り返りは「主目的に照らして、残す・外す・保留」を決めるために行う
- 物差しは、参加前に置いた主目的です。「何を感じたか」を並べるだけでなく、「目的に対して何が分かったか」を見ます。
- 出口は3つです。残す(次の確認に進む)/外す(理由を志望の軸に反映する)/保留(次に確かめる点を決める)。
- 参加後に企業から案内が来ても、出口を決めてから応じるか考えます。順序は編集部の整理です。
- ES・面接への書き方は、出口を決めたあとの1節にとどめます。
2. 振り返りの物差しは、参加前の主目的
参加前の主目的は、参加前の主目的の決め方(目的×種類の判定表)の3択を使います。A は選考に近づきたい、B は自分に合うか見極めたい、C はまだ決まっていない、です。目的ごとに、終わってから見る点は変わります。
| 参加前の主目的 | 終わってから見る点 | 目的を果たせたと言える状態 |
|---|---|---|
| A 選考に近づきたい | 選考の流れや時期、求められる人物像を聞けたか。企業からのフィードバックはあったか | 次の応募・選考に必要な情報が手元にそろった |
| B 自分に合うか見極めたい | 仕事の内容、職場の雰囲気、自分が楽に感じた点・無理を感じた点 | 合う点・合わない点を、事実に基づいて言える |
| C まだ決まっていない | 目的を決めて参加していないので、終わった今、何を知りたかったかを置き直す | 次の1回で確かめたいことが1つ決まった |
主目的を決めずに参加した人は、C として扱い、事後に A か B を仮置きしてかまいません。仮置きでも、見る点が決まるだけで振り返りは書きやすくなります。
3. 参加直後にやる振り返りの手順
手順は4段です。
- 事実:したこと、見聞きしたことを、感想を入れずに書く
- 気づき:その事実で、何を感じたか、何に驚いたか
- 要因:なぜそう感じたか(仕事の内容か、人か、進め方か、自分の得意不得意か)
- 次の行動:残すなら何を確かめるか、外すなら何を軸に反映するか
記憶が新しいうちに書く方が、事実の抜けが少なくなります(編集部の整理で、数値の裏づけはありません)。お礼の連絡などの手続きは、振り返りとは別に、期限のあるものから済ませます。
企業からのフィードバックがある場合は、それを一次材料にします。国の「基本的考え方」では、タイプ3は、職場の社員が学生を指導し、終了後に学生へフィードバックを行うことが要件です。また、募集要項等に記載する項目の1つに「インターンシップにおけるフィードバック」が含まれます。ただし、これはタイプ3の要件で、「インターンシップと呼称されるもの」すべてに当てはまるわけではありません。フィードバックが無い回は、自分の記録だけで振り返ります。
(出典: 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」令和4年6月13日一部改正、別紙2(指導要件・情報開示要件))
振り返りシートは、次の項目を1枚に書き出せば足ります。テンプレートの配布はせず、項目だけ示します。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 主目的 | A・B・C のどれか(未定なら仮置き) |
| 種類 | 日数、就業体験(職場での実務)の有無 |
| 事実 | したこと、見聞きしたこと |
| 気づき | 感じたこと、驚いたこと |
| 要因 | なぜそう感じたか |
| フィードバック | あったか。あれば内容 |
| 出口 | 残す・外す・保留のどれか |
| 次の1手 | 出口ごとに、次にすること1つ |
4. 種類で振り返れる範囲が違う
内閣府の委託調査(対象は大学4年・大学院2年、2025年8月1日時点の回答)では、参加したうち最も長いものについて、効果を聞いています。次の表の数字は「そう思う」の割合で、「どちらかといえば」は含みません。最も長いものが半日・1日の人と5日以上の人の2区分で、1回ごとの割合ではありません。
| 回答 | 最も長いものが半日・1日の人(n=764) | 最も長いものが5日以上の人(n=1,011) |
|---|---|---|
| 業界・業種を理解することができた | 60.2% | 79.9% |
| 仕事の内容を具体的に知ることができた | 50.9% | 74.0% |
| 会社の雰囲気を理解することができた | 45.3% | 74.7% |
| 自分の将来設計(キャリアプラン)を考えるのに役だった | 23.9% | 50.9% |
(出典: 内閣府(委託: 株式会社マーケティング・コミュニケーションズ)「令和7年度委託調査事業 学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査 調査結果 報告書」2025年12月12日。インターネット調査、2025年7月10日〜8月11日、大学4年・大学院2年が対象(医歯薬獣医看護学科・留学生を除く)、有効回答4,415件)
この表から言えるのは、半日・1日の回では「業界・業種」を理解できたという回答が中心で、「会社の雰囲気」や「将来設計」まで分かったという回答は5日以上より少ない、ということです。ここから、半日・1日の回は、適性まで言い切らず、確かめられた範囲(業界の様子、仕事の概要)だけを振り返る、という使い方ができます。5日以上の回は、仕事の内容や雰囲気まで、事実に基づいて振り返れる余地があります。どの種類に参加するかを選ぶ話は、参加前の判断表に任せます。
5. 出口を決める:残す・外す・保留、参加後の案内の扱い
振り返りの結果を、3つの出口のどれかに置きます。編集部の整理で、次の表の条件は目安です。
| 出口 | 当てはまる状態 | 次の1手 |
|---|---|---|
| 残す | 主目的に照らして、合う点が事実で言える。無理を感じた点が大きくない | 次に確かめること(選考の流れ、別の部署の話など)を1つ決める |
| 外す | 合わない点が、事実と要因で説明できる | 「何が合わなかったか」を志望の軸として書き残し、他の企業選びに反映する |
| 保留 | 1回では判断できない。種類が短く、確かめられた範囲が狭い | 次に確かめる点を決める(次の説明会、社員の話、別の種類の参加など) |
外す場合も、振り返りが無駄になるわけではありません。合わなかった理由は、次の企業選びの軸になります。
参加後の案内は、この出口を決めてから扱います。内閣府の委託調査(同上)では、次のとおりです。
- 参加した「インターンシップと呼称されるもの」が、採用のための実質的な選考を含んでいた割合は58.6%でした。1人あたりではなく、参加回数ベースの数字です(集計対象者2,519人、累計21,327件)。ここでの「実質的な選考」は、参加が採用面接等を受けるための必須条件になっていたり、結果が内々定の獲得に影響したりすることと、回答者に案内された定義です。
- 参加後に「早期選考の案内」を受けた割合は73.5%でした(複数回答、n=2,519)。
- 最も長いものが半日・1日の人と5日以上の人では、「参加した企業から、その企業の採用選考に関する詳細な情報を聞くことができた」が45.9%/51.6%、「採用試験・面接等の案内があった」が48.6%/52.5%でした(「そう思う」、n=764/1,011。本人の認識)。
(出典: 内閣府委託調査 報告書、同上。大学4年・大学院2年が2025年8月1日時点で回答)
一方、国の「基本的考え方」には、企業が参加で得た学生情報の使い方の取扱いがあります。卒業・修了前年次の2月末までに実施した取組で得た学生情報は、基本は広報活動・採用選考活動に使用できません(趣旨を事前に示したタイプ3は例外)。同3月〜卒業・修了年次5月末は、基本は広報活動に使用できます。同6月以後は使用できます。
(出典: 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「基本的考え方」令和4年6月13日一部改正、別紙2の取扱い表)
実態として、参加後に案内を受ける人は多数います。案内が来てから考えると、参加前の主目的からずれやすくなります。そこで順序は、出口を決める→案内の内容を確かめる→応じるか決める、とします。応募時期や確認項目は、参加後の案内と応募時期の確認リストで確かめます。
6. ES・面接に生かすとき(振り返りの後に)
ES や面接に書くときは、参加した事実だけでなく、何を学び、何をしたかを書く方向になります。ここでは例文は書きません。振り返りシートの「事実」「気づき」「次の1手」は、そのまま材料になります。
制度上は、学生が自ら提出したエントリーシート等に、参加事実やフィードバック結果等を記載することは差し支えない、とされています(令和6年度以降の卒業・修了予定者の取扱いの注記)。これは学生が自ら書く場合の取扱いで、企業が参加で得た情報を使う話とは別です。
(出典: 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「基本的考え方」令和4年6月13日一部改正、別紙2の取扱い表の注記)
7. 迷ったときの確認
- 振り返りが書けない:「事実」の欄だけ先に埋めます。気づきが無ければ、「無かった」ことも事実です。
- 主目的とずれた:参加してみて目的が変わったなら、変わった後の目的を新しい主目的に置いて、出口を決め直します。
- 出口が決まらない:保留にして、次に確かめる点を1つだけ決めます。
