留学したいけど不安。行くか迷ったときに考えたい5つのこと
留学してみたい。でも、英語が通じなかったら? 授業についていけなかったら? 現地で友達ができなかったら? 留学に興味があっても、こうした不安から一歩を踏み出せない人は少なくありません。
大切なのは、不安をすべてなくすことではなく、何が不安なのかを分けることです。出発前に調べて減らせる不安もあれば、現地で経験しないと分からない不安もあります。この記事では、不安の種類ごとに確かめることを整理し、行く・準備を続ける・今回は見送るのどれに近いかを決めて、次に調べることを1つ選べるようにします。
ラグザスグループのメディア GLOBAL進路ナビ(運営: 株式会社フォーティファイヴ)が留学経験者に話を聞いた独自取材も、実例として紹介します。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
不安は「確かめて減らせるもの」と「行ってみないと分からないもの」に分けられる
不安を全部なくしてから決める必要はありません。出発前に確かめられることは調べて潰し、現地でしか分からないことは「困ったときに頼れる先があるか」で判断します。
| 不安の種類 | 出発前に確かめられること | 現地でしか分からないこと |
|---|---|---|
| 英語 | 参加条件に語学要件があるか、授業で英語をどう使うか、留学先に語学・学習面のサポートがあるか(留学先・在籍大学の案内で確かめる) | 授業の速さや議論についていけるか |
| 友達・孤独 | 留学生向けの交流の場(交流会・サークル等)や相談窓口があるか(留学先・在籍大学の案内で確かめる) | 友達ができるか、教室でなじめるか |
| ホームシック・心身 | 通院中なら主治医に相談する。留学先の相談窓口を調べておく | 自分がどのくらい日本を恋しく思うか |
| 費用・期間・将来 | 別のページで金額や進路から確かめる | 滞在中に何が起きるか |
留学には、学位や資格の取得を目的とするものと、外国語の学習を目的とする語学留学など、目的の違う種類があります(JASSO「はじめての留学」)。どの種類を考えているかで、確かめることも変わります。
1. 英語に自信がなくても留学できる?
「英語が得意ではない」という感覚と、「参加条件に届かない」という状態は別の問いです。
交換留学や派遣留学では、在籍大学と留学先が語学要件を定めています。たとえば東北大学の交換留学は、留学希望大学が語学要件を定めている場合はそれを満たすことを求めています。法政大学の派遣留学では、派遣先大学の要件は学部や留学先ごとに異なり、変更される可能性があるとされています。条件は大学・留学先ごとに違い、変わることがあるので、最新の募集要項で確かめます。
出発前に確かめたいのは次の3つです。
- 希望するプログラムに語学要件があるか、今の自分が届いているか
- 授業で英語をどの程度使うか(議論や発表があるか)
- 留学先に語学・学習面のサポートがあるか(留学先・在籍大学の案内で確かめる)
英語力が不安なときの考え方は、留学ガイドの「英語力が不安でも留学できる?」の項でも整理しています。
「英語が苦手だから行けない」と決める前に、どの留学なら参加できるのかを調べてみましょう。
ラグザスグループの独自取材より: Minaさんの場合
ラグザスグループのメディア GLOBAL進路ナビ(運営: 株式会社フォーティファイヴ)の独自取材で、2020年にアメリカのオレゴン大学へ留学したMinaさんは、語学学校を経ずに現地の学生と同じ授業を受けたと話しています。大学が定める語学力の基準は渡航前に満たしていましたが、留学中にいちばん苦労したのは英語のディスカッションだったそうです。そこで「この単語を調べておこう」「こう振られたら、こう答えよう」と先回りして準備し、授業の前には毎回しっかり時間をとって予習・復習もしていた、と取材で話しています。
基準を満たしていても、授業で困ることはあります。確かめるのは自信の有無より、参加条件と授業での英語の使い方です。
2. 現地で友達ができなかったら?
友達ができるかどうかは、出発前には分かりません。確かめられるのは、一人で困ったときの頼り先です。
留学先・在籍大学の案内で、留学生向けの交流の場(交流会・サークル等)や相談窓口があるかを確かめておくと、現地での選択肢が増えます。欧米では、たいていの大学にカウンセリングの担当部門があり、事前に調べておくとよいとされています。ただし一般的に日本語での診療はありません(「海外留学 健康の手引き」第五版)。たとえばオレゴン大学には、留学生向けの助言窓口(ISSS)があり、平日に対面とリモートで相談を受け付けています(University of Oregon ISSSのページ、2026年10月確認。2020年当時の運用と同じとは限りません)。
Minaさんは、授業を受けながら「とても孤独だと感じていました」と取材で話しています。そこで毎回自分から隣に座り、「ここに座ってもいい?」と声をかけるようにしたそうです(GLOBAL進路ナビの独自取材より)。これは一人の例で、誰にでも同じ方法が合うとは限りません。
「必ず友達ができるか」より、「一人で困ったときに行ける場所や頼れる人があるか」を確かめましょう。
3. ホームシックになったら留学は失敗?
異文化での生活では、焦りや不安、自信喪失を感じることは誰でも経験し、時間の経過とともに徐々に慣れていく、と「海外留学 健康の手引き」は説明しています。日本を恋しく思う気持ちが出てくること自体は、特別なことではありません。
Minaさんについても、日本を恋しく思う気持ちが少しずつ出てきた、と取材記事に書かれています(GLOBAL進路ナビの独自取材より)。
日本語で相談できる窓口として、外務省の海外安全ホームページは、孤独・孤立の相談窓口を案内しています。24時間365日・日本語・匿名で使えるチャット相談(運営は委託先のNPO法人)や、複数の窓口の一覧があります。一覧には有料のサービスを含むので、利用条件は外務省の案内ページで確かめてください。
現地での詳しい対処法は、この記事では扱いません。出発前に決めておくのは、つらくなったときに誰に話すかと、通院中なら主治医に相談したか、の2点です。留学中の病気やトラブルで、お金を誰が出すのかが不安なときは留学中の緊急時、お金は誰が出すかを見てください。
4. 費用・期間・帰国後が不安なとき
費用は金額で確かめる別の問いです。ここでは説明せず、総額と内訳は留学ガイドの「4. 費用を考える」の項で確かめてください。
期間は、「何か月行けるか」より「その期間で何を経験したいか」で考えると決めやすくなります。Minaさんの留学は、当初1年の予定がコロナ禍で約4か月に短縮されました。本人は「戻れるならやっぱり1年間行きたいですね」と取材で話しています(GLOBAL進路ナビの独自取材より)。これは2020年の個人の経験で、期間の目安ではありません。
帰国後や将来への影響が不安なときは、先に留学後の進路から考えると、留学の形が絞れます。留学後の進路から留学の形を決めるを見てください。
留学で得るものは人によって違います。Minaさんは、飛行機が飛ばなくなったときも、意味のよく分からない大学の手続きも、全部自分で調べるしかなかった経験から自立を挙げ、自分の考えを言葉にすることへの抵抗が少しずつなくなったと取材で話しています(GLOBAL進路ナビの独自取材より)。一人の変化であり、留学が成長を保証するわけではありません。
5. 不安があるなら、留学はやめたほうがいい?
不安があること自体は、行かない理由にも行く理由にもなりません。無理に今日決める必要もありません。今の状態ごとに、行く・準備を続ける・今回は見送るの目安と次の一手を整理します。
| 今の状態 | 出口の目安 | 次に調べること |
|---|---|---|
| 参加条件(語学要件など)に届いていない | 準備を続ける、または条件の違うプログラムを探す | 希望するプログラムの語学要件と、届くまでに必要な準備 |
| 目的が曖昧 | 準備を続ける | 留学で経験したいことを書き出す。進路から決めるなら留学後の進路から留学の形を決める |
| 現地生活が想像できない | 準備を続ける | 留学先の相談窓口と、一人になったときの頼り先 |
| 通院中、またはつらさが続いている | 決める前に主治医・専門家に相談する | 主治医に、海外渡航しても大丈夫か、滞在中の注意、薬はどうするかを聞く |
| 条件も目的も整理できた | 行く | プログラムの比較と申込条件の確認 |
| 費用が決まらない | 準備を続ける、または今回は見送る | 期間・国別の総額と、出せる額。見送る場合は「何が条件なら行けるか」を1つ書いておく |
留学ではなく、海外の大学に進むかどうかで迷っているなら、海外生活そのものが自分に合うかを確かめる8つ目の問いから考えてみてください。
ラグザスグループの独自取材: 実際に留学した人は、どうだった?
一人の経験として、GLOBAL進路ナビが行った、Minaさんへの独自取材を紹介します。2020年に大学2年生でアメリカのオレゴン大学へ留学したMinaさんの話です。学部必修の1年留学でしたが、コロナ禍で約4か月に短縮されました。第一希望はオーストラリアのゴールドコーストで、コロナ禍で行き先が変わった結果、オレゴンになったそうです。滞在先はホームステイで、70歳前後の夫婦の家に中国からの留学生も同居していた、といった暮らしの様子も読めます。
取材・制作: GLOBAL進路ナビ(運営: 株式会社フォーティファイヴ/ラグザスグループ)・2026年9月25日公開
取材で、Minaさんは「不安を全部解消してから行こうとすると、遅いと思うんです」「不安はあっても、一回行ってみよう、くらいの感覚でいい」と話しています。これは本人の意見で、この記事の結論ではありません。この記事では、行く・準備を続ける・今回は見送るのどれも妥当な出口だと考えます。
2020年・コロナ禍の留学について、一人に話を聞いた取材です。現在の入学条件や渡航事情を示すものではなく、留学生全体の傾向でもありません。
まとめ|留学の不安を、次に調べることへ変える
「行くか、やめるか」の二択で考えなくても大丈夫です。確かめられる不安は調べて減らし、現地でしか分からない不安は、頼り先があるかで判断します。行く・準備を続ける・今回は見送るのどれでも構いません。今日、全部決めなくてよいので、いま迷っている理由を1つ具体的にしてみてください。
次にやること
出典
- GLOBAL進路ナビ(運営: 株式会社フォーティファイヴ/ラグザスグループ)によるMinaさんへの独自取材記事「Minaさん|オレゴン留学で知った「自立」のかたち|留学体験談」(2026年9月25日公開。取材日の記載なし)
- JASSO 海外留学情報サイト「はじめての留学」(2026年1月22日更新)
- 東北大学グローバルラーニングセンター「交換留学」
- 法政大学グローバル教育センター「春学期派遣留学制度・募集要項」(2026年4月20日現在)
- 全国大学保健管理協会 国際連携委員会 編「海外留学 健康の手引き」第五版(2025年4月。JASSO 海外留学情報サイト掲載の PDF)
- 外務省 海外安全ホームページ「孤独・孤立及びDV、性的被害等それに付随する問題でお悩みの方へ」
- University of Oregon, International Student & Scholar Services「Current International Students」
- ラグザス株式会社「会社概要」(グループ会社一覧)
