留学費用は円安でいくら変わる?為替が効く費目・時期と、払うレートの仕組み
円安のニュースを見て、留学の費用がいくら増えるのか気になっている人向けの記事です。円安が費用のどこに、いつ、どう効くかという仕組みを説明します。「いつ払うのが得か」「いくら備えるべきか」の結論は出しません。為替の見通しも書きません。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1円安は数字が上がること。10,000ドルの費用は、2021年1月と2026年9月の月平均で換算すると約52万円の差が出た(為替だけの差・編集部算出)
- 2為替が効く時点は費目と事業者で違い、ニュースのレートと実際に払うレートは別物
- 3過去の実績の幅と手数料の例を知り、見積書とカード明細で確かめる点が分かる
1. 円安とは?10,000ドルの費用で見ると、2021年1月と比べて525,300円違う
一言でいうと、数字が上がるのが円安です。三菱UFJ銀行の説明では、1米ドル=100円が101円になると「円安」で、1米ドルに交換するのに1円多く支払う必要があります。
日本銀行の統計で、同じ10,000ドルの費用を月中平均のレート(東京市場・17時時点)で円に換算すると、次のとおりです。比較の起点を2021年1月にしたのは、その後に円安が大きく進む前の月だからです(同年10月の月中平均は113.09円)。
| 月 | 月中平均(円/ドル) |
|---|---|
| 2021年1月 | 103.7 |
| 2026年9月(統計の最新月) | 156.23 |
| 差 | 52.53 |
10,000ドルの費用に直すと、差は525,300円です。編集部算出で、式は (156.23−103.7)×10,000 です。月平均同士の比較で、為替だけの差です。実際に払うレートではありません(次の節以降で説明します)。
(出典: 日本銀行「主要時系列統計データ表 為替相場(東京インターバンク相場)(月次)」、取得2026-10-18・データは2026年9月分まで。三菱UFJ銀行「外貨預金で使う為替相場とは」)
2. 為替はどの費目に、いつ効くのか
為替が効くのは、外貨建てで金額が決まる支払いです。ただし「いつのレートで円にするか」は、払い方と事業者で違います。
| 費目・払い方 | 為替が効く時点 | 見るところ |
|---|---|---|
| 学校への学費を、留学会社を通して払う | 見積書・請求書を出した時点、または送金代行の換算時点(事業者ごとに決まり方が違う) | 見積書にレートの基準日と適用期限が書かれているか |
| 現地で毎月使う生活費(カード・現金) | 使うたび、または引き出すたび(カードは売上データが届いた日。次の節) | カード明細の換算レートと日付 |
費目の全体と見積もりの取り方は「留学費用の総額と内訳」で扱います。ここでは為替が効く時点だけを見ます。
JASSOは、留学あっせん業者と契約する前に確認する項目の一つとして、「追加経費や為替変動による支払い金額の変更」を挙げています。
事業者のレートの決め方は、約款を公開している2社の例でも違います。以下は、その社の規定です。他の事業者に当てはまるとは限りません。
- 留学スクエア: 学校への送金代行を依頼する場合、方式Aは請求書が届いた当日または翌日の銀行TTSレートで円に換算して請求します。方式Bは請求書発行日のTTSレートに3%を乗じたレートで、後日精算します。レートの適用期限は1週間で、1週間以内に入金が確認できなければ再計算して請求書を再発行します。方式Aは、期限内にレートが±1円を超えて動いた場合、期限を待たずその日のレートで再発行します。
- インウェブアウト留学センター: 同社経由で学校へ払う場合、見積書・請求書を作成した後にレートが変動しても、作成時のレートを適用します。
なお、現地の物価や賃金は為替とは別に動きます。この記事では扱いません。
(出典: JASSO「留学あっせん業者(留学エージェント)の利用について」、留学スクエア「為替レート適応方針」、インウェブアウト留学センター「各種申込規約」。後の2つは各社自身の約款で、その社の規定の例。取得2026-10-18)
3. ニュースの「1ドル=○円」と、実際に払うレートは別
報道で見る「1ドル=○円」は、実際にあなたが払うレートではありません。払う場面ごとに、適用されるレートが違います。
| どこで払うか | 適用されるレート | 上乗せ・条件 |
|---|---|---|
| 銀行(円を外貨に替える) | TTS(円貨を外貨にするときのレート) | 外貨を円に戻すときは TTB |
| クレジットカード(三井住友カードの例) | 国際提携組織が指定するレート | 海外事務処理手数料が加わる。換算されるのは売上データが決済センターに届いた時点で、使った日ではない(ご利用日から2〜4日後が目安。店の手続き状況で変わる) |
| 留学会社(約款の例) | 事業者ごとに決まり方が違う | 留学スクエア: 送金代行を頼む場合の「当社送金レート」は、米ドルでTTSから2.0円引いたレートで請求額を計算する。インウェブアウト: TTSレート+4.0円(米ドル表示の換算) |
留学会社の2社の例は、決め方が会社ごとに違うことを示すだけです。「上乗せが一般的」という意味ではありません。通貨や支払い方法が変わると別の条件になるため、自分の見積書で確かめてください。
(出典: 三菱UFJ銀行「外貨預金で使う為替相場とは」、三井住友カード「海外でのご利用にあたって」、留学スクエア「為替レート適応方針」、インウェブアウト留学センター「各種申込規約」。取得2026-10-18)
4. 手数料がいくらかかるか(カード・送金・両替の差)
手数料は社ごと、行ごとに違います。次の数字はいずれも1社・1行の例です。
| 場面 | 例 | 条件 |
|---|---|---|
| カードの海外事務処理手数料 | 3.63%(消費税等を含む)。100,000円分の外貨ショッピングで3,630円の上乗せ(編集部算出・100,000×3.63%) | 三井住友カードのVisa・Mastercard。2024年11月1日以降に同社へ到着した売上から。他社・他ブランドは別の料率 |
| 海外向け送金の仕向送金手数料 | インターネット: 在外支店・現地法人あて2,500円、他行あて3,000円。店頭窓口: 7,000円 | 三菱UFJ銀行・個人。円建て送金などでは、これに加えて送金金額の0.050%(最低2,500円)がかかる。支払銀行・経由銀行の手数料が別にかかることがある |
| 両替の差の例(銀行で円を外貨に替える) | TTBがTTSより円高に設定されている。米ドルで1ドルにつき通常2円(インターネットバンキングは50銭) | 三菱UFJ銀行の外貨預金の説明(2022年7月1日現在の表記)。両替の差がどれだけあるかを見る例で、備え方の紹介ではない |
カードのキャッシングなど、緊急時の引き出しや立て替えの扱いは「留学中の緊急時、お金は誰が出すか」で扱っています。
(出典: 三井住友カード「海外でのご利用にあたって」「外貨でのショッピングご利用に伴う海外事務処理手数料改定のご案内」、三菱UFJ銀行「外為手数料(個人のお客さま)」「外貨預金で使う為替相場とは」。取得2026-10-18)
5. 為替の動きは読めるのか:過去の実績で幅を見る
為替がこの先どう動くかは、この記事では述べません。代わりに、過去の月中平均が実際にどれだけ動いたかを見ます。10,000ドルの費用で換算した差は、すべて編集部算出で、為替だけの差です。
| 期間 | 月中平均(円/ドル) | 変化・幅 |
|---|---|---|
| 12か月で上がった例: 2021年10月→2022年10月 | 113.09→147.16 | +34.07 |
| 12か月で下がった例: 2024年6月→2025年6月 | 157.9→144.47 | −13.43 |
| 直近12か月(2025年10月〜2026年9月)の最大と最小 | 162.45(2026年7月)と151.32(2025年10月) | 10,000ドルの費用で111,300円の幅 |
2026年9月の1か月の中だけでも、月中最高値160.39円と最安値152.9円で、10,000ドルなら74,900円の幅がありました。2つの12か月の例は、2020年1月以降の12か月差で最大の上昇と最大の下落です(編集部確認)。過去の実績で、将来を示すものではありません。
備えの置き方の考え方として、予算を複数のレートで試算する方法があります。たとえば直近12か月の最小151.32円、最新月156.23円、最大162.45円という3つのレートを置いて、見積もりの円換算を並べます。10,000ドルの費用なら、最大と最小の差は111,300円です(編集部算出)。
どのレートまで見ておくかの公的な基準は見つかりませんでした。「○%上乗せ」のような目安もここでは示しません。自分の支払い時期と不足額は、「留学資金の支払い時期の試算ツール」で入力して確かめられます。
(出典: 日本銀行「主要時系列統計データ表 為替相場(東京インターバンク相場)(月次)」、取得2026-10-18。留学スクエア「為替レート適応方針」)
6. 円安の影響を減らしたいときに、次に見るもの
この記事は仕組みの説明までです。次に何を見るかは、迷っている点で決まります。
