このページの要点

北海道の高校生が使える海外留学支援は2本で、補助はいずれも航空券代の一部までです。

  • 柱①「高校生交換留学促進事業」=道立高校等の生徒が対象。カナダ・アルバータ州は補助上限15万円で支援枠20名、アメリカ・ハワイ州は5万円で7名、ニュージーランドは15万円で5名。参加費用そのものは実費
  • 柱②の高校生留学促進事業(留学支援金)=道内の国公私立が対象。文部科学省の国費高校生留学促進事業に基づき1人6万円。ただし学校単位での応募が原則で、評定平均値3.5以上などの成績要件がある
  • 検索上位に並ぶ「最大72万円」は北海道 地域みらい留学奨学金。道外または札幌市内に住民票がある中学3年生が、北海道の高校へ進学するための国内留学の奨学金で、海外留学には使えない

北海道の高校生の留学支援は、金額だけを見ると他の都道府県より小さく見えます。京都府の夢チャレンジ留学は上限60万円、兵庫県の高校生チャレンジ留学は上限50万円ですが、北海道の交換留学の補助は上限15万円です。これは北海道が留学に消極的だからではなく、支援の設計が、プログラムをまるごと用意して渡航費の一部を補助する型になっているためです。道が留学先・受入校・引率教員まで用意し、参加費用は保護者が実費で払い、そこへ航空券代の一部が乗ります。しかもその補助の原資には、ふるさと納税の寄附金が充てられています。この構造を知らずに「北海道の留学奨学金」を金額で探すと、使えるはずの制度を見落とします。さらに北海道では、お子さんの在籍校が道立かどうかで入口が完全に分かれます。道立高校等なら交換留学の4地域が視野に入り、市立・私立なら柱②と民間の奨学金が主な道筋になります。まず在籍校の設置者を確かめることが、北海道では最初の一手です。

【結論】北海道の留学支援は「道の2本柱+民間」で、入口は在籍校で割れる

POINT

「北海道の留学奨学金」を1つ探すのをやめて、①道立高校等限定の交換留学促進事業(4地域・補助は航空券代の一部)②国公私立に開かれた留学支援金(1人6万円・学校単位の応募)③民間のAFSどさんこ奨学金(60万円・2名)とトビタテ、の3つを別々に当てはめてください。どの入口でも、手続きは在籍する高校を通すのが前提です。

最初に全体像を一枚で見てください。同じ北海道の高校生の留学支援でも、実施主体・対象になる生徒・支援の形・規模がまったく違います。とくに重要なのは対象になる生徒の列です。お子さんが道立高校に在籍しているなら①と②の両方が視野に入りますが、市立・私立高校なら使えるのは原則として②と③になります。

もう一つ、見落としやすい前提があります。判定するのはお住まいだけではなく、お子さんが在籍する高校です。①の交換留学は参加対象を「道立高校1、2年生及び道立中等教育学校4、5年生」と定めており、居住地の要件は書かれていません。②の留学支援金は交付要綱が対象を「道内の国公私立の高等学校、中等教育学校(4年次から6年次まで)、特別支援学校高等部、高等専門学校(1年次から3年次まで)及び専修学校高等課程に在籍する生徒」と定めています。これに対して③のAFSどさんこ奨学金は「留学時、北海道内に在住、又は北海道内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者」と、在住と在籍のどちらでも対象になる書き方です。境界に当たるご家庭は、要項の対象の書き方と在籍校で最終確認してください。

北海道の高校生が使える留学支援の全体像(すべて2026年11月7日に各実施主体の公式ページ・要綱で確認。金額はいずれも上限)

入口制度名実施主体対象になる生徒支援の形と規模応募の窓口
① 派遣プログラム+渡航費補助高校生交換留学促進事業北海道教育委員会(高校教育課 国際交流係)道立高校1・2年生/道立中等教育学校4・5年生航空券代の一部補助。アルバータ15万円・ハワイ5万円・NZ15万円。参加費用は実費在籍校へ応募(道のページから書類を取得)
② 返済不要の留学支援金高校生留学促進事業(国費高校生留学促進事業に基づく)北海道教育委員会(文部科学省の補助)道内の国公私立の高校・中等教育学校4〜6年次・特別支援学校高等部・高専1〜3年次・専修学校高等課程1人6万円。保護者に対する給付学校単位での応募が原則。書類は校長を経由
③ 民間(北海道枠)AFSどさんこ奨学金AFS日本協会留学時に道内在住、または道内の高校・高専・専修学校高等課程在学者で経済的必要度の高い者60万円(参加費支援金50万円および留学準備金10万円)・2名AFS日本協会の年間派遣プログラムへの応募に合わせて申請
③ 民間・官民協働(全国枠)トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム【高校生等対象】文部科学省・官民協働日本の高校等に在籍する生徒返済不要の奨学金と留学準備金学校経由。②の留学支援金とは重複して受けられない
④ 市町村(札幌市)札幌市立高校生派遣事業(ポートランド市)札幌市・札幌国際プラザ札幌市立高校の生徒参加生徒の渡航費の一部補助(札幌国際プラザが寄附を募って充当。参加費・募集人数は公開ページに記載なし)在籍する市立高校へ確認
※ 海外留学には使えない北海道 地域みらい留学奨学金北洋銀行・地域・教育魅力化プラットフォーム道外または札幌市内に住民票がある2027年3月中学卒業予定者月額2万円・3年で最大72万円・40人程度2026年9月30日で応募締切(国内留学の奨学金)

この表に「ほっかいどう未来チャレンジ基金」を入れていないのは、同基金が高校生を対象にしていないためです。理由は後半の章で要項の文言とともに説明します。JASSOの自治体支援の一覧には北海道の制度として載っていますが、高校生のご家庭が応募できる制度ではありません。

まず切り分け|検索で出てくる「最大72万円」は国内留学の奨学金

POINT

「北海道 高校生 留学 奨学金」で最も目立つ72万円は、道外または札幌市内に住民票がある中学3年生が、北海道の高校へ進学するための奨学金です。北海道に住む高校生が海外へ出るときには使えません。ここを最初に切り分けないと、探す方向を1か月間違えます。

2026年に報じられた「北海道 地域みらい留学奨学金」は、北洋銀行がトップパートナーとして創設し、サツドラホールディングスがファウンディングパートナーとして参画、地域・教育魅力化プラットフォームが関連機関となっている給付型の奨学金です。リセマムの2026年9月7日の記事では、対象を「道外または札幌市内に住民票があり、2027年3月に中学校を卒業予定で、同年4月から北海道の地域みらい留学参画校への進学を希望する生徒」とし、給付は「月額2万円で、高校3年間で最大72万円」、募集人数は40人程度、応募締切は2026年9月30日、返済は不要と報じられています。

つまりこれは、国内の別の地域の高校へ3年間通う国内留学の制度であり、海外留学の支援ではありません。制度の仕組みそのものは地域みらい留学の記事で扱っています。北海道に住んでいて海外留学を考えているご家庭にとっては、この72万円は検索結果のノイズになります。例外は札幌市内に住民票があるご家庭で、お子さんが中学3年生のときに道内の別の地域の高校へ進学する選択肢を検討する場合だけです。

この制度の募集人数は、リセマムの2026年5月28日の記事では25名程度、同じリセマムの2026年9月7日の記事では40人程度と記載が分かれています(道内参画校も38校と39校で異なります)。更新時点の違いによるものと考えられますが、当サイトでは確認日時点で新しい2026年9月7日の報道の数字を採用しました。公式サイトは当方のツールからアクセスできなかったため、最新の募集条件は地域みらい留学の公式サイトでご確認ください。

避けたい

最大72万円という見出しを見て、海外留学の資金計画に72万円を入れる

こうすればOK

72万円は道内の高校へ進学する国内留学の奨学金と理解し、海外留学は別枠で、道の交換留学(上限15万円)・留学支援金(6万円)・民間(AFSどさんこ60万円)から組み立てる

避けたい

北海道庁のサイトで「留学 奨学金」を検索して見つからないので、道に制度はないと判断する

こうすればOK

高校生向けの留学支援は北海道庁ではなく北海道教育委員会(dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp)の「国際交流関係事業」のページ群にある。所管が教育委員会である前提で探す

道の柱①高校生交換留学促進事業|4地域の派遣を金額・定員・応募実績で一覧

POINT

北海道教育委員会は平成6年度から交換留学を続けており、令和8年度はカナダ・アルバータ州、アメリカ・ハワイ州、アメリカ・マサチューセッツ州への派遣が公式ページに掲載されています。人数の記載がある地域では1地域あたり5〜20名の少人数で、応募は在籍校を通して行います。

この事業の特徴は、奨学金を配る制度ではなく、道が留学先・受入校・引率教員まで用意した派遣プログラムに、渡航費の一部補助が付くという形になっていることです。アルバータ州のハブページには「北海道とカナダ・アルバータ州の高校生がペアを組み、約2か月間(※)互いにパートナーの家でホームステイをしながら、パートナーの学校で授業や学校行事等に参加する事業です。平成6年度の事業開始以来、これまでに74校の道立高校等から、247名の生徒が参加してきました。」と書かれています。30年以上続いている事業です。

北海道の高校生交換留学促進事業(2026年11月7日に北海道教育委員会の各事業ページとJASSO「自治体による海外留学支援(資金面)の調査」で確認。補助額は上限)

派遣先期間の目安令和8年度の日程参加人数補助額の上限応募実績(R6・JASSO調査)
カナダ・アルバータ州約2か月間令和8年10月31日〜12月20日(募集は終了)道立高校等12校から17名15万円応募22名・支給19名
アメリカ・ハワイ州約10日間(現地のホームステイは1週間)令和9年1月10日〜21日7名5万円応募26名・支給6名
ニュージーランド約2週間(事業概要の記載。令和7年度の現地滞在は3月16日〜23日の約1週間)令和8年度分の掲載は確認日時点で見当たらない5名(令和7年度)15万円(令和7年度)応募5名・支給5名
アメリカ・マサチューセッツ州約10日間令和8年12月3日〜12月13日(予定)事業ページに記載なし事業ページに記載なしJASSO調査に記載なし(R8から追加)

数字の出どころが2種類あることに注意してください。表の「参加人数」は各事業ページに載っているその年度の実際の派遣人数で、「補助額の上限」と応募実績はJASSOの調査に対する北海道の回答です。JASSOの調査ではアルバータ州の支援枠が20名となっていますが、令和8年度の事業ページの参加人数は17名です。枠の数と実際に行く人数は一致しないことがあるため、応募年度の事業ページで人数を確認してください。

倍率は派遣先で大きく違う

応募実績の列を見てください。倍率が際立って高いのはアメリカ・ハワイ州だけです。令和6年度は26名の応募に対して支給が6名で、当サイトの算出では約4.3倍でした。一方でカナダ・アルバータ州は応募22名・支給19名(約1.2倍)、ニュージーランドは応募5名・支給5名で、応募した全員が支給を受けています。日程の長短だけで倍率が決まるわけではありません。ニュージーランドは現地滞在が約1週間と短いのに1.0倍で、ハワイ州より通りやすい入口でした。効いているのは支援枠の小ささ(ハワイ州は7名)と事業の知られ方の差だと考えられます(原典に理由の記載はなく、当サイトの推定です)。ニュージーランドは令和5年度に初めて派遣が始まった新しい事業です。志望先は日程の長さではなく、支援枠の人数と前年度の応募実績で見てください。

令和8年度のハワイ州の募集要項には、留学先が「ワイパフ高校(州立高校)」、渡航期間が「令和9年(2027年)1月10日(日)~21日(木)」、参加対象が「道立高校1、2年生及び道立中等教育学校4、5年生」、参加人数が「7名」と記載されています。ハブページによれば、ワイパフ高校は「1938年に設立された同校は、全校生徒数約2,800名、教員数約250名の大規模な学校」です。提出書類は出願書、承諾書、健康診断書で、健康診断書には「※R8.4.1以降に在籍校で実施した健康診断の結果の写しで代用可」との注記があります。

ニュージーランドのページは、確認日の2026年11月7日時点で令和7年度の事業に「【募集中】」の表示が残っていますが、記載されている現地滞在期間は「令和8年(2026年)3月16日~3月23日」で、すでに過去の日程です。令和8年度分の掲載は見当たりませんでした。ページの表示だけを見て募集中と判断せず、日程が未来かどうかを必ず暦で確かめてください(この記事では確認日を基準に「過去」と判定しています)。

「上限15万円」の意味|参加費用は実費で、補助は航空券代の一部

POINT

交換留学の募集要項は、参加費用を「航空券代他 実費」、補助金を「航空券代の一部補助(一人上限5万円)」と書き分けています。つまり上限額は支給される金額ではなく、航空券代に対する補助の天井です。留学費用の総額から補助を引いた差額が、ご家庭の負担になります。

ここが北海道の制度でいちばん誤解されるところです。京都府や兵庫県のように「上限60万円」「上限50万円」と書かれた制度は、補助対象経費に対して按分したり実支払額を出したりする設計で、留学費用の大きな部分をカバーすることがあります。これに対して北海道の交換留学の補助は、はっきりと航空券代に対するものだと書かれています。ハワイ州の上限5万円は、往復の航空券代の一部という位置づけです(補助の対象となる区間の定め方は応募要領で確認してください)。

北海道の交換留学で、補助が留学費用のどこに当たるかの整理(2026年11月7日時点の各事業ページの記載に基づく。金額は上限)

項目誰が払うか補助の対象か備考
航空券代保護者が実費対象(上限5万円または15万円まで)派遣先ごとに上限が違う
現地での滞在費ホームステイのため宿泊費は原則発生しない対象外(補助は航空券代のみ)受入家庭に支払う費用がある場合は要項で確認
海外旅行保険・パスポート・ビザ保護者が実費対象外(補助は航空券代のみ)柱②の留学支援金ではこれらが対象経費に明記されている
受入時の食費・生活費保護者が負担対象外(補助は航空券代のみ)相手国の生徒を受け入れる期間に発生する
小遣い・衣服代・通信費保護者が負担対象外(補助は航空券代のみ)柱②でも対象外として明示されている費目

そのうえで、補助額が小さいことには財源上の理由があります。北海道教育委員会の「留学する高校生のための寄附について」のページには「そこで、道教委では、道立高校生の海外留学をより一層促進するため、ふるさと納税の寄附金を活用した交換留学を実施することとしました。寄附金は、留学先への渡航費用の一部補助などとして活用させていただきます。」と書かれています。ニュージーランドの事業ページにも「今回の派遣事業は、地域企業、個人からのふるさと納税による寄附金を財源に、渡航費用の一部補助予定です。」とあります。札幌市立高校生のポートランド派遣も、札幌国際プラザが寄附を募って渡航費の一部に充てる形です。

寄附が財源なら、金額と定員は年度によって動きます。実際に同ページは「今後、オーストラリア・タスマニア州、中国・北京市及びロシア・サンクトペテルブルク市などに留学先を拡大するとともに、派遣人数を増やしていくために、ふるさと納税に一層の御支援をお願いします。」と書いており、拡大を前提にしています。前年度の金額や定員をそのまま前提にせず、応募する年度のページを見ることが北海道ではとくに重要です。留学費用そのものの相場は高校留学の費用で扱っています。

「交換」留学だから受け入れもセット|ホストファミリーになる前提

POINT

この事業は交換留学です。お子さんが行くだけでなく、相手国の生徒をご家庭でホストファミリーとして受け入れ、在籍校が受入校になります。費用の話より先に、ご家庭でこの条件を確認してください。

アルバータ州のハブページは、この点を事業の特色として説明しています。「本事業の特色の一つは、「交換」留学である点です。自分が留学するだけでなく、アルバータ州留学生をホストファミリーとして受け入れることで、家族全員、さらには学校全体や地域で国際交流の機会を得ることができ」と書かれています。ニュージーランドの事業ページはさらに明確で、「その他:留学生として決定された場合は、ニュージーランド側留学生が北海道に渡航する際受入家庭になるとともに、在籍校が受入校になります。」とあります。

受入の期間も要項に出ています。令和8年度のアルバータ州は、派遣が令和8年10月31日から12月20日まで、受入が令和9年1月30日から3月20日までです。つまり約2か月間お子さんが不在になり、その約1か月後から約2か月間、ご家庭に相手国の生徒が住むことになります。ハワイ州は派遣が令和9年1月10日から21日まで、受入が令和9年1月31日から2月7日までで、受入校は道立高校1校です(令和7年度の受入校は札幌国際情報高等学校)。

令和8年度の派遣と受入のスケジュール(2026年11月7日に北海道教育委員会の各事業ページで確認)

派遣先派遣期間(北海道→海外)受入期間(海外→北海道)受入の負担
カナダ・アルバータ州令和8年10月31日〜12月20日令和9年1月30日〜3月20日約2か月間の受入。ペアのパートナーを自宅で受け入れる
アメリカ・ハワイ州令和9年1月10日〜21日令和9年1月31日〜2月7日(約1週間)受入校は道立高校1校。受入校の生徒の家庭にホームステイ
ニュージーランド令和7年度は令和8年3月16日〜23日(終了済み)事業ページに期間の記載なし留学生として決定された場合、受入家庭になり在籍校が受入校になる

受入期間の食費や生活費は補助の対象として挙げられていません。寝室を用意できるか、受入期間に家族の予定が入っていないか、送り迎えができるかは、応募の前に家族で話しておく必要があります。北海道教育委員会はアルバータ州のページに「保護者向け事例集」と「よくある質問Q&A」、令和8年度のページには「Q&A (参加をお考えのみなさんへ)」を掲載しているので、応募前に目を通してください。交換留学そのものの仕組みは高校の交換留学で扱っています。

道の柱②高校生留学促進事業(留学支援金)|1人6万円・学校単位の応募

POINT

もう一つの柱は、道立以外の高校に通っていても対象になる制度です。北海道教育委員会が平成24年度から実施している「高校生留学促進事業」で、文部科学省の国費高校生留学促進事業に基づき、留学する生徒の保護者に1人6万円の留学支援金が給付されます。ただし応募は学校単位で、個人では申請できません。

制度の概要は、北海道教育委員会のページに「高校生等の留学機会を確保するため、留学する生徒の保護者に対し、留学費用の一部を留学支援金として給付します。」と書かれています。対象となるプログラムは「学校や地方公共団体、高校生の留学・交流を扱う民間団体等が主催する海外派遣プログラムに学校教育活動の一環として参加するものであり、原則10日以上1カ月未満(※出国~帰国を含む移動日数を除く)の留学期間であるもの」です。そして「派遣前の語学学習や目標設定、オリエンテーション及び帰国後のフォローアップを十分に行うことを条件とし、学校単位での応募としています」と明記されています。

ここが制度の実際の分岐点です。ご家庭が「この制度を使いたい」と思っても、お子さんの在籍校が道教委の公募に計画書を出していなければ、使う余地がありません。申請の流れは次のとおりです。

  1. 1毎年2月頃、北海道教育委員会から学校に対し、翌年度事業の公募について通知される(令和8年度の国の公募締切は「令和8年3月13日(金)10:00【電子メール】厳守」)
  2. 2申請を希望する学校が計画書を作成して北海道教育委員会へ提出する
  3. 3採択された場合、学校が支援対象生徒の選考を行う
  4. 4選考の結果、学校が推薦した生徒の中から、北海道教育委員会が予算の範囲内で最終的な支援対象生徒を決定する
  5. 5補助金の交付申請などの書類は、交付要綱第19により留学生が在籍する学校の校長を経由して提出する

したがって、保護者がまずやるべきことは制度を探すことではなく、在籍校に「来年度、国費高校生留学促進事業に応募する予定はありますか」と聞くことです。学校が海外派遣プログラムを持っている(姉妹校の語学研修など)場合は可能性があります。北海道教育委員会は過去の支援対象プログラムの例として「学校が主催する、海外姉妹校での語学研修プログラム(派遣生徒20名)」「市町村が主催する、海外姉妹都市の高校や大学での授業参加プログラム(派遣生徒2名)など」を挙げています。市町村が主催するプログラムも対象になりうる点は覚えておいてください。 もう一つ、校内での通りやすさに関わる上限があります。国の公募要領は「1プログラムにおける支援金の支給割当人数は、概ね20人以内とする。20人を超える場合も申請可能であるが、1プログラムにおける支援金は20人分を上限とする。」と定めています。つまり学校が30人を派遣しても、支援金が出るのは原則20人分までです(先に挙げた支援対象プログラムの例「派遣生徒20名」は、ちょうどこの上限の人数にあたります)。参加者が多いプログラムでは校内選考が入ります。

対象になる生徒の範囲は、ウェブページと交付要綱で書き方が揃っていません。ページは中学校・義務教育学校7〜9年次・中等教育学校1〜6年次まで含む国の事業の範囲を示していますが、補助金交付要綱(令和8年10月21日一部改正)の第2は「高校生」を「道内の国公私立の高等学校、中等教育学校(4年次から6年次まで)、特別支援学校高等部、高等専門学校(1年次から3年次まで)及び専修学校高等課程に在籍する生徒」と定義しています。中学生のご家庭は、在籍校を通じて対象になるかを確認してください。

留学支援金の成績要件と対象経費|評定平均3.5・外国語4.0以上

POINT

留学支援金は返済不要ですが、国の公募要領に成績要件があります。全体の評定平均値3.5以上かつ外国語科目の評定値4.0以上、または外部試験で同等以上と認められることが条件です。応募できるかどうかは、ここで先に判定できます。

令和8年度の国費高校生留学促進事業公募要領は、支給対象者の資格として「a)成績要件:全体の評定平均値が3.5(7.0)以上、かつ、外国語科目の評定値が4.0(8.0)以上であること、若しくは、外部試験の結果等によりそれと同等程度以上の学力を有すると認められる者(括弧内は10段階評価)。」と定めています。もう一つの要件は「b)国費による留学生として、派遣されることに明確な目的意識を持ち、派遣終了後は、当該経験を生かし、より長期の留学や国際社会で活躍しようとする高い志を有すると認められる者(小論文や面接等により確認すること)。」です。校内選考では小論文や面接が行われることになります。

一方で、経済的な配慮も明文化されています。公募要領は都道府県への留意事項として「支援対象の派遣生の選定に際しては、高等学校等就学支援金の支給対象者を優先する等、経済的支援が真に必要な生徒への配慮を行うことを、都道府県の募集要項等に示している。」と求めています。成績要件を満たしたうえで、就学支援金の対象世帯が優先される設計です。

対象になる費用は、北海道の交付要綱と国の公募要領の両方に列挙されています。交換留学の「航空券代の一部」より範囲が広いことに注意してください。

留学支援金(1人6万円)の対象経費と対象外(2026年11月7日に北海道の補助金交付要綱と文部科学省の令和8年度公募要領で確認)

区分具体的な費目
対象になる国際航空運賃(1往復分)/自宅から出国する国際空港までの国内交通運賃(1往復分)/受入国の空港から派遣先までの国内交通運賃(1往復分)/空港税・燃油サーチャージ・出国手続諸費用/査証(ビザ)・旅券(パスポート)取得手続諸費用/プログラムに必要な研修費・施設利用費等/海外傷害保険料/宿泊費・ホームステイの場合ホストファミリーに支払う費用/これらの一部または全部を含むプログラム参加費。道の交付要綱はさらに「外国の正規の後期中等教育機関に納付する授業料、施設利用費等」と「寮費」を挙げている
対象にならないプログラム参加者となるための選考費用(受験料、受験会場までの交通費等)など派遣が決定する前に生じる費用/派遣先での小遣い・通学交通費・部活遠征費・通信諸費用・食費・衣服代・事前語学研修費用等/留学先での学業以外の私的活動に係る費用
支払いの時期令和8年度の事業では、生徒が令和7年度および令和8年度に支払った派遣費用が対象。北海道の交付要綱も「補助事業期間内(会計年度内)及びその前年度内に支払われた留学費用であれば、指令前着手を認め、補助対象経費とする。」と定めている
証拠書類支払いの事実を証拠書類で確認できるものに限る。プログラム参加費の場合は内訳を証する書類も必要。帳簿と書類は補助事業完了の年度の翌年度から5年間保存

実務として大事なのは、前年度に払った費用も対象になりうるという点です。春の出発に向けて前年の秋冬に航空券やプログラム参加費を払うケースは珍しくありません。領収書は捨てずに残してください。逆に、プログラムの選考を受けるための受験料や会場までの交通費は対象外です。

北海道の交付要綱は補助率を「定額」としており、ページにも金額の記載はありません。国の公募要領が積算で「留学支援金 60千円(1人当たり)」としているため、1人6万円が基礎になります。公募要領は都道府県による「一般歳入等からの予算措置による支援金の額の上積み」にも触れていますが、北海道が上積みしているかどうかは確認日時点の公開資料では判断できませんでした。逆に減る側の定めもあります。同要領は「派遣費用の総額が6万円を下回る場合」を除くとし、1プログラムの上限の範囲内で「1人当たりの額を減額し20人を超える生徒に支援することは差し支えない」としています。6万円は固定額ではなく、上下に動きうる基準額だと考えてください。実額は在籍校を通じて確認してください。

併給の線引き|交換留学の補助・留学支援金・トビタテは重ねられない

POINT

北海道の2本柱は同じ年度に両方は受けられません。留学支援金は一度受けた生徒が再度受けることもできません。さらに国の公募要領は、トビタテの奨学金を受ける生徒が留学支援金を重複して受けることを認めていません。資金計画を立てる前にこの線引きを確認してください。

北海道の制度をめぐる併給の線引き(2026年11月7日に北海道の補助金交付要綱と文部科学省の令和8年度公募要領で確認)

組み合わせ可否根拠の記載
交換留学促進事業補助金 + 留学支援金(同一年度)不可交付要綱第23「「高校生交換留学促進事業補助金」の交付を受けた者が、同一会計年度内において、本補助金の交付を受けることはできない。」
留学支援金を2回受ける不可交付要綱第23「過去に本事業の補助金の交付を受けた者が再度対象となることはできない。」。国の公募要領も「「国費高校生留学促進事業」で支援金を支給された生徒は、再度、当該派遣事業の対象となることはできない。」
留学支援金 + トビタテ【高校生等対象】不可国の公募要領「文部科学省が実施する「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム【高校生等対象】~」により奨学金を受ける生徒等は、本事業により重複して支給を受けることはできない。」
留学支援金 + 民間の奨学金原則可。ただし減額されることがある交付要綱第4(2)「他の民間団体等から奨学金等の給付を受けても差し支えない。ただし、それら給付された奨学金等と補助金の総額が、(1)の留学費用の総額を超える場合は、その超える額について、補助金の交付額を減額することとする。」

4行目の意味を具体化します。留学費用の総額が50万円で、民間の奨学金から48万円を受けたとすると、支援金6万円を足した54万円は総額50万円を4万円超えます。この超過分4万円が減額され、支援金は2万円になります。支援は留学費用の総額までしか積み上がらないという原則です。したがって、AFSどさんこ奨学金のような大きめの給付を受ける見込みがある場合、6万円の支援金は丸ごと乗らないことがあります。

もう一つ、保護者として知っておくべき条件があります。交付要綱第23は「留学生の保護者は、留学生がその留学予定期間を満了できなかった場合、留学した期間や、既に支払われている補助金額を勘案した上で、文部科学省との協議により、補助金の一部又は全部を返納しなければならない場合がある。」と定めています。体調や家庭の事情で途中帰国した場合に返納の可能性があるということです。公募要領にも「派遣先国の状況から安全な派遣が困難と認められる場合は、支援金の支給を見合わせる」との記載があります。トビタテ側の保護者負担についてはトビタテの保護者負担額で扱っています。

避けたい

交換留学の補助15万円と留学支援金6万円を足して21万円の支援が受けられる前提で計画する

こうすればOK

同一年度にこの2つは併給できない。どちらか一方を選び、残りは民間の奨学金や返済不要の奨学金で埋めるか、教育ローンまで含めて組み立てる

避けたい

トビタテと留学支援金の両方に応募して、どちらも通ったら両方受け取る

こうすればOK

応募自体は別だが、トビタテで奨学金を受ける生徒は留学支援金を重複して受けられない。どちらを本命にするかを校内選考の前に決め、学校と共有しておく

道立以外の高校に在籍しているご家庭の選択肢|AFSどさんこ奨学金60万円ほか

POINT

交換留学促進事業は道立高校等の生徒に限られます。市立・私立に在籍しているご家庭の現実的な本命は、北海道枠を持つ民間の奨学金です。AFS日本協会の「AFSどさんこ奨学金」は60万円・2名です。ただし道の交換留学(1週間〜2か月)と金額を直接くらべないでください。こちらは1年間の派遣が対象で、参加費の規模がそもそも違います。

AFS日本協会の奨学金一覧(「【返済不要・給付型】高校留学のための奨学金一覧」)によれば、AFSどさんこ奨学金の対象は「留学時、北海道内に在住、又は北海道内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者」で、支援額は「60万円(参加費支援金50万円および留学準備金10万円)」、採用人数は2名です。在住でも在籍でも対象になりうる書き方なので、道内在住で道外の高校に通っているご家庭、逆に道外在住で道内の高校に通っているご家庭も視野に入ります。AFSの評判や実際の仕組みはAFS交換留学の評判で扱っています。

ここで「2名だけか」と判断しないでください。どさんこ奨学金は地域限定枠ですが、同じページの全国対象の奨学金も同じ応募で同時に申請できます。同ページは「プログラム参加者の1/3の約100名分の支給枠あり」「全額支給の奨学金あり」と書いています。 ただし3つの条件があります。①「以下に記載する「全国対象」「地域限定」の奨学金は、プログラムへの応募と同時に申し込みが必要です。応募完了後に奨学金のみの申請はできません。」――つまりプログラムに応募してから奨学金だけを後で申し込むことはできません。②「また、以下の奨学金は、年間派遣プログラムが対象です。セメスタープログラム、オーストラリア・ホームステイプログラムは対象外となります。」――対象は1年間の派遣で、短期は対象外です。③年間派遣プログラムの参加費は、道の1週間〜2か月の派遣とは規模がまったく違います。この記事で繰り返してきたとおり、金額の大小ではなく「参加費との差額」で見てください。60万円は年間派遣の参加費の一部です。 それでも併願先は用意してください。北海道教育委員会自身が「様々な留学支援制度・海外派遣プログラム」のページで、トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム【高校生コース】とJASSOの「海外留学支援制度(学部学位取得型)」を紹介しています。後者については「奨学金(月額12万円~32万円)及び新規採用者に対し、支援開始時に渡航支援金16 万円が支給される給付型の支援です。250 万円までは実費額を支給し、それを超える場合は、採用状況により予算の範囲内で追加支給される場合がありますが、各年度300 万円が上限です。」と説明されています。これは高校を卒業して直接海外大学へ進む進路のための制度で、海外大学進学を検討しているご家庭には高校留学より重要な選択肢になります。

AFS日本協会の奨学金のうち、北海道の高校生が同じ応募で申請できるもの(2026年11月7日に同協会の奨学金一覧で確認。いずれも返済不要の給付型で、対象は年間派遣プログラム)

奨学金区分金額人数対象者の要件(ページの記載)
AFSどさんこ奨学金地域限定(北海道)60万円(参加費支援金50万円および留学準備金10万円)2名留学時、北海道内に在住、又は北海道内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者
三菱商事高校生海外留学奨学金全国対象プログラム参加費全額(対象となる派遣先国の指定あり)50名学業・人物とも優秀で、国際相互理解、異文化体験に意欲があり、経済的に本奨学金がなければ留学が困難な者
JBS海外留学奨学金全国対象1人あたり200万円以内(米国・カナダ・スイス・NZは200万円、ほかは参加費全額)最大3名IT系国家資格又はマイクロソフト社の資格を取得していること(応募時に資格証明書を提出)
リジェネロン・サイエンス・スカラーシップ全国対象130万円5名理系志向でSTEM分野に強い関心または実績があり、学業・人物ともに優秀であること等
AFSボランティア奨学金全国対象50万円3名経済的必要度の高い者

民間の奨学金全体の地図は高校生の留学奨学金(民間)に、全国枠のトビタテの制度解説はトビタテ!留学JAPAN 高校生にまとめています。短期の留学を考えているご家庭は高校生の短期留学も見てください。北海道の交換留学の派遣先に合わせて国を調べたい場合は、カナダ高校留学とニュージーランド高校留学が参考になります。

「ほっかいどう未来チャレンジ基金」は高校生が使えるのか

POINT

結論は高等学校に在籍しているお子さんは対象になりません(道内の高等専門学校に在籍している場合だけは例外があり、後述します)。JASSOの自治体支援の一覧には北海道の制度として載っていますが、4コースすべてが令和8年4月1日現在で18歳以上であることを要件にしており、学生留学コースはさらに協議会加盟の大学等の正規課程に在籍する学生に限られます。検索でこの基金が出てきても、高校生のご家庭は時間を使わないでください。

ほっかいどう未来チャレンジ基金(北海道未来人財応援事業)は、北海道総合政策部国際局国際課が所管する4コースの助成制度です。コースは学生留学コース、スポーツコース、文化芸術コース、未来の匠コースで、公式ページはそれぞれを「オリンピック・パラリンピックなど世界の舞台で活躍できるアスリートの育成を目指す指導者向けコース」「美術、音楽、舞踊、演劇、舞台技術、映画などでの国際的な活躍を目指すアーティスト向けコース」「料理、製菓、木工、服飾、皮革製品など「つくる」で北海道ブランドを発信し、世界レベルでの活躍を目指す職人向けコース」と説明しています。

決定的なのは年齢要件です。スポーツ・文化芸術・未来の匠の3コース共通の令和8年度実施要項は「(1)令和8年(2026 年)4月1 日現在の年齢が満18 歳以上満39 歳以下であること」と定めています。そして学生留学コースは別建ての募集要項で定められており、そちらの派遣留学生の要件も「(5)令和8年(2026 年)4月1日現在の年齢が18 歳以上30 歳以下である学生」です。つまり4コースすべてが18歳以上を要件にしています。 加えて学生留学コースは、対象を「(1)本協議会に加盟している北海道の大学等において、卒業又は学位取得を目的とした正規の課程に在籍する学生で、留学終了後、在籍大学等で学業を継続又は学位を取得する学生」と定め、公式ページも「※申請書類は在籍大学を通して提出することとなっていますので、ご注意ください。」と案内しています。当サイトで協議会の構成大学等一覧(令和8年3月1日現在)を全数確認したところ、大学30校・短期大学6校・専修学校(専門課程)3校・高等専門学校4校で、高等学校は含まれていませんでした。

なお、基金そのものの実績は公表されています。公式ページの表によれば、応募者数はH29の18名からR8の29名まで推移し累計163名、助成者数は累計70名です。R8は応募29名に対して助成9名で、当サイトの算出では約3.2倍でした。支援内容はJASSOの調査に「渡航費:渡航先ごとに定額支給(アジア地域 10 万円、その他地域 20 万円)」「現地滞在費:滞在先ごとに定額支給(甲地区 16 万円/月、乙地区 12 万円/月)」「研修費:滞在先における授業等を10/10 支給(上限30 万円)」と記載されており、大学生以降の進路としては有力です。お子さんが道内の大学へ進んだあとに使える制度として覚えておく価値はあります。

高等専門学校に在籍しているお子さんだけは線の引き方に注意してください。協議会の構成校には旭川・釧路・苫小牧・函館の工業高等専門学校が入っているため、高専の学生は「大学等に在籍する学生」に当たりえます。ただし学生留学コースの募集要項は、在籍大学等の要件として「本協議会に加盟する大学、短期大学、高等専門学校(第3年次以上で専攻科を含む。)、専修学校」と定めており、高専1〜2年次は在籍校の要件で外れます。加えて年齢要件(令和8年4月1日現在18歳以上)があるため、高専3年次も4月1日時点で18歳以上である必要があります。高専4〜5年次か、高専3年次で4月1日時点に18歳以上なら、在籍校に応募できるかを確認する価値があります。

JASSOの「自治体による海外留学支援(資金面)の調査」に北海道の高校生留学促進事業(留学支援金)が載っていないのは、この調査が国費高校生留学促進事業を除外しているためです。逆に、高校生が対象ではない未来人財応援事業は載っています。一覧に載っている=高校生が使える、ではありません。全国の自治体支援を同じ観点で見比べたいときは自治体の高校生留学支援をご覧ください。

北海道の留学支援カレンダー|締切から逆算して動く

POINT

北海道の制度は秋〜冬出発が中心で、学校を通した手続きがその前年度の2月から動き始めます。校内締切は公式ページの日程より早いことがあるため、前年度の冬のうちに在籍校へ相談しておくのが現実的です。

北海道の高校生留学支援の年間の動き(令和8年度の実際の日程から構成。2026年11月7日時点の各公式ページの記載に基づく)

時期柱②留学支援金(学校単位)柱①交換留学促進事業(在籍校へ応募)
前年度の2月頃北海道教育委員会から学校へ翌年度事業の公募が通知されるご家庭は在籍校に次年度の実施予定と校内締切を確認する
前年度の3月中旬国の公募(事業計画書)締切は令和8年3月13日10:00(電子メール厳守)—
4〜5月学校が採択されたら校内で支援対象生徒の選考(小論文・面接等)交換留学の応募締切は公式ページに記載がない。令和8年度のページ更新はマサチューセッツ州が8月、ハワイ州が10月で、掲載時期は年度・地域で動く。在籍校に受付期間を確認する
5月中旬頃都道府県の補助金交付申請書等の締切—
夏〜秋学校のプログラム出発に合わせて手続きアルバータ州の派遣(令和8年は10月31日出発)
12月〜翌1月—マサチューセッツ州(令和8年12月3日〜13日予定)、ハワイ州(令和9年1月10日〜21日)
1〜3月—相手国の生徒を受け入れる期間(アルバータは令和9年1月30日〜3月20日)
年度末実績報告は完了日から30日以内または当該年度の2月20日のいずれか早い日まで—

この表から読み取れる実務上の要点は2つです。1つ目は、柱②が使えるかどうかは、学校が前年度の3月までに動いているかで決まること。4月になってから保護者が動いても、その年度は間に合いません。2つ目は、柱①は秋から冬の出発が中心で、受入が年明けに来ること。受験学年との重なりを考えると、道立高校の1年生の秋から2年生の冬までが現実的な参加の窓です。参加対象が「道立高校1、2年生及び道立中等教育学校4、5年生」と定められているのも、この時間軸と対応しています。

準備の全体像は高校留学の準備にまとめています。保険の考え方は高校生の留学保険をご覧ください。

対象外・落選だったときの次の手|道内の「疑似留学」と少人数プログラム

POINT

定員が5〜20名の制度ばかりなので、落選は十分あり得ます。北海道教育委員会は道内でできる疑似留学と、団体が主催する少人数の派遣プログラムをページで案内しています。ただしこの2つで対象がはっきり違います。疑似留学は道立高校等の生徒限定で、交換留学に落選したご家庭向けです。市立・私立に在籍していて最初から交換留学の対象外だったご家庭は、後半の団体プログラムを見てください。

道内の大学でできる疑似留学(Hokkaido Study Abroad Program)

まず「Hokkaido Study Abroad Program」です。こちらも対象は道立高校等の生徒です(引用のとおり、派遣・受入のどちらも「道立高校等」と書かれています)。市立・私立に在籍しているご家庭は、次の団体プログラムやトビタテをご覧ください。北海道教育委員会のページには「北海道教育委員会では、平成30年度から道内大学と連携して「Hokkaido Study Abroad Program」を実施しています。本事業では、留学生の道立高校等への派遣・交流事業と道立高校等の生徒の道内大学への派遣・交流事業を行うことで、高校生等と外国人留学生による疑似留学の機会を創出しています。令和8年度は、北海学園大学、北星学園大学、北海道大学、北海道教育大学函館校、北海道教育大学釧路校と連携して実施します。」と書かれています。令和8年度の北海学園大学会場は令和8年6月15日に実施され、募集生徒数は「道立高校(中等教育学校後期課程)に在籍中の生徒30名」でした。渡航費がかからないため、海外留学の前段として、あるいは留学を迷っている段階で英語を使う場として使えます。

団体が主催する少人数の派遣プログラム

次に、北海道教育委員会が「例年、北海道教育委員会から道内の高校等へお知らせをしている、各種団体の海外派遣プログラムを紹介します。」として挙げているプログラム群です。

北海道教育委員会が道内の高校等へ案内している海外派遣プログラム(2026年11月7日に同委員会「様々な留学支援制度・海外派遣プログラム」のページで確認)

プログラム実施主体期間参加対象募集人数
日韓高校生交流(派遣)事業独立行政法人国立青少年教育振興機構4泊5日第二外国語として韓国語を履修している高校生(原則第2学年)30名
道産子ロサンゼルス・ホームステイ・プログラム南加道産子会(南カリフォルニア北海道人会)春休み期間中の8日前後道内の公立高校、私立高校、国立工業高等専門学校、通信制高校、民間の相談・指導施設に在籍する18歳以下の生徒であり、過去に海外留学経験がない者1名(同一学校からの応募生徒数については上限なし)
済州国際青少年フォーラムページの記載は「大韓民国・清州特別自治道」(道内窓口は北海道国際交流・協力総合センター)。見出しと本文で表記が揺れている5日間10月現在道内の高校に在籍する者最大4名
AIG高校生外交官渡米プログラムAIG高校生外交官プログラム実行委員会7月中旬出国、7月下旬帰国7月現在高等学校2学年又は3学年に在籍している者公式ページの記載は「男女各10名 計16名」

ただし日数に注意してください。柱②の留学支援金は対象プログラムを「原則10日以上1カ月未満」としているため、日韓高校生交流(4泊5日)・済州国際青少年フォーラム(5日間)・道産子ロサンゼルス(8日前後)は日数が届かず、6万円の支援金と組み合わせられない可能性が高いです。資金計画を組むときは、プログラムの日数を先に確かめてください。 そのうえで注目してほしいのは、道産子ロサンゼルス・ホームステイ・プログラムの参加対象です。公立・私立の高校に加えて通信制高校と「民間の相談・指導施設」に在籍する生徒まで含んでいます。道立高校に限られる交換留学や、学校単位での応募が前提の留学支援金ではこぼれてしまうご家庭に開かれた、北海道でほぼ唯一の入口です。募集人数が1名であることは厳しい条件ですが、通信制高校から留学する選択肢、不登校から高校留学へという進路を考えているご家庭は、在籍校から案内が来ていないか確かめてみてください。

AIG高校生外交官渡米プログラムについては、北海道教育委員会のページの募集人数が「男女各10名 計16名」となっており、計算が合いません(公式ページの記載どおり引用しています)。応募を検討する場合は、プログラム自体の公式サイトで最新の募集人数を確認してください。済州国際青少年フォーラムも、同ページが見出しで「済州」、本文で「清州特別自治道」と表記しており、派遣先の表記が揺れています。

単位認定と進路への影響|校長判断で学校により異なる

POINT

北海道教育委員会は、留学中の単位認定が各学校の校長の判断であり、学校によって扱いが違うと明言しています。「留学扱い」になるか「休学扱い」になるかで、進級や卒業の見通しが変わります。費用より先に、ここを在籍校に確認してください。

「留学を希望するみなさんへ」のページには、「この単位認定の判断は各学校の校長に委ねられており、学校により取扱が異なるものです。」と書かれています。そのうえで「留学を考えている高校生の皆さんは、必ず、事前に、在籍校によく相談するとともに、留学先の高校の学習内容などを十分に確認するようにしてください。」と案内しています。さらに「高校生が留学する際の留学期間の扱いについて、「留学扱い」とするケースのほか、「休学扱いする」とするケースもあり、帰国してからの進級や卒業に関連するため」と、2つの扱いがあることを明示しています。

そしてもう一つ、保護者にとって見落としがちな案内があります。「また、高校在学中の留学を考えている中学生の皆さんは、出願前に、志望校ではどのような取扱いとしているのか、情報収集をしておくと良いでしょう。」という一文です。つまり高校受験の志望校選びの時点で、その高校が留学をどう扱うかを調べておくことが推奨されています。中学3年生のご家庭なら、学校説明会で「在学中に長期留学した場合、単位認定と進級はどうなりますか」と聞いておく価値があります。単位認定の仕組みは高校留学の単位と留学の単位認定がある高校で詳しく扱っています。

なお、交換留学促進事業の派遣期間は、アルバータ州が約2か月間、ハワイ州が約10日間(渡航は令和9年1月10日〜21日。ハブページの「1週間ホームステイ」は現地滞在の目安で、R8事業ページの「約1週間」はハワイ州の生徒を北海道で受け入れる期間です)、マサチューセッツ州が約10日間です。2か月間となるアルバータ州は欠席日数が桁違いに大きいため、単位認定の扱いを事前に在籍校と詰めておく必要があります。

公式ページの鮮度に注意|年度表記と実際の日程がずれている箇所

POINT

北海道の留学支援は公式ページが事業ごとに分かれており、更新時期がそろっていません。「令和8年度」と書かれていても日程が過去になっているページ、募集中の表示が残っているページがあります。年度表記ではなく暦の日付で判定してください。

確認日(2026年11月7日)時点で鮮度に注意が必要な箇所

ページ・制度ページの表示確認日時点の実際
高校生交換留学促進事業:ニュージーランド令和7年度の事業に「【募集中】」の表示。現地滞在期間は令和8年3月16日〜23日記載の日程は過去。令和8年度分の掲載は見当たらない
留学する高校生のための寄附について「現在、カナダ・アルバータ州、アメリカ・ハワイ州、ニュージーランドの3地域と交換留学を行っています。」令和8年度はアメリカ・マサチューセッツ州への派遣も実施されている(R8の事業ページあり)
高校生交換留学促進事業:カナダ・アルバータ州(R8)「今年度の募集は終了しました。」令和8年10月31日に17名が出発済み。次の機会は令和9年度
ほっかいどう未来チャレンジ基金 第9期生の募集募集期間は令和8年4月1日〜5月11日募集期間は終了。次は第10期の募集を待つ(高校生は対象外)
高校生交換留学促進事業:マサチューセッツ州(R8)・ハワイ州(R8)応募要領と様式は掲載されているが、応募締切の記載がない派遣は2026年12月3日(マサチューセッツ)と2027年1月10日(ハワイ)。確認日時点で校内選考が終わっている可能性が高いが、公式に締切の記載がないため断定できない。在籍校に受付期間を確認する
北海道 地域みらい留学奨学金報道の募集人数が25名程度(リセマム 2026年5月28日・参画校38校)と40人程度(同 2026年9月7日・参画校39校)で異なる応募締切の2026年9月30日は経過済み。2028年4月進学分は公式サイトで確認

確実な情報を取る方法は決まっています。在籍校の担任または国際交流担当の先生に聞くことです。柱①も柱②も、案内と書類の提出は在籍校を経由する設計になっているため、学校には最新の通知が届いています。北海道教育委員会の高校教育課 国際交流係(電話011-206-6078)に直接問い合わせることもできますが、個別の応募可否は在籍校の扱いに左右されるため、まず学校に聞くほうが早いです。

【まとめ】北海道で最初にやること

北海道の高校生留学支援は、金額の大きさで他県と比べると小さく見えますが、それは設計が違うためです。道は留学先・受入校・引率教員まで用意した派遣プログラムを4地域に持ち、そこへ航空券代の一部(上限5万円または15万円)を補助します。これとは別に、国公私立に開かれた1人6万円の留学支援金があり、こちらは学校単位での応募が前提で評定平均値3.5以上などの成績要件があります。60万円級の給付が欲しいなら、民間のAFSどさんこ奨学金(2名)か全国枠のトビタテが現実的な候補です。そして検索で最も目立つ「最大72万円」は、道内の高校へ進学する国内留学の奨学金で、海外留学には使えません。

だから最初にやることは制度探しではなく、お子さんの在籍校の設置者を確かめて入口を絞ること、そして在籍校に「次年度、海外留学の支援制度に応募したい」と伝えることの2つです。道立高校等なら交換留学の4地域、市立・私立なら柱②と民間が主な道筋になります。柱②は前年度の3月までに学校が動いていないと使えないため、相談は早いほど有利です。あわせて、途中帰国時の返納の可能性、相手国の生徒を受け入れる負担、単位認定が校長判断であることまで含めて、ご家庭で確認してください。全国の自治体支援と見比べたいときは自治体の高校生留学支援の探し方、奨学金全体の地図は高校生の留学奨学金、同じ観点で整理した他県の記事は京都府と愛知県をご覧ください。

Q.私立高校に通っています。北海道の留学支援は使えますか。

交換留学促進事業は参加対象を「道立高校1、2年生及び道立中等教育学校4、5年生」と定めているため、私立高校の生徒は対象外です。一方、高校生留学促進事業の留学支援金は、補助金交付要綱が対象を「道内の国公私立の高等学校、中等教育学校(4年次から6年次まで)、特別支援学校高等部、高等専門学校(1年次から3年次まで)及び専修学校高等課程に在籍する生徒」と定めているため、私立高校の生徒も対象です。ただし学校単位での応募が原則なので、在籍校が道教委の公募に申請しているかどうかで決まります。民間では、AFS日本協会のAFSどさんこ奨学金が「留学時、北海道内に在住、又は北海道内の高等学校・高等専門学校・専修学校高等課程在学者で、経済的必要度の高い者」を対象にしており、60万円・2名です。全国枠のトビタテも視野に入れてください。

Q.「補助金:航空券代の一部補助(一人上限5万円)」とは、いくらもらえるということですか。

航空券代に対する補助の上限が5万円という意味で、留学費用の総額に対する割合ではありません。募集要項は参加費用を「航空券代他 実費」と書いており、航空券代やその他の費用は保護者が実費で支払います。そこへ航空券代の一部として最大5万円が補助されます。したがって上限5万円のハワイ州の場合、自己負担は、参加費用の実費から最大5万円を引いた額になります。実費の額は年度や便によって変わるため、応募年度の要項と在籍校からの案内で確認してください。上限が15万円のアルバータ州とニュージーランドでも、考え方は同じです。

Q.交換留学に応募したら、わが家でも外国の生徒を受け入れないといけないのですか。

はい、この事業は交換留学なので受け入れが前提です。ニュージーランドの事業ページには「留学生として決定された場合は、ニュージーランド側留学生が北海道に渡航する際受入家庭になるとともに、在籍校が受入校になります。」と明記されています。アルバータ州のハブページも、自分が留学するだけでなくアルバータ州留学生をホストファミリーとして受け入れることを事業の特色として説明しています。令和8年度のアルバータ州は派遣が令和8年10月31日から12月20日まで、受入が令和9年1月30日から3月20日までで、受入期間も約2か月間です。受入期間の食費や生活費は補助の対象として挙げられていません。寝室の用意や家族の予定を含めて、応募前にご家庭で確認してください。

Q.留学支援金の6万円は、どうすれば申請できますか。保護者が直接申し込めますか。

保護者が直接申し込む制度ではありません。北海道教育委員会のページは「学校単位での応募としています」と明記しており、毎年2月頃に道教委から学校へ翌年度事業の公募が通知され、申請を希望する学校が計画書を提出し、採択された学校が校内で支援対象生徒を選考し、学校が推薦した生徒の中から道教委が予算の範囲内で決定する流れです。補助金交付要綱の第19は、提出書類を「留学生が在籍する学校の校長を経由しなければならない」と定めています。したがって保護者がやるべきことは、在籍校に「来年度、国費高校生留学促進事業に応募する予定はありますか」と確認することです。学校が姉妹校の語学研修などの海外派遣プログラムを持っていれば可能性があります。

Q.「ほっかいどう未来チャレンジ基金」は高校生でも応募できますか。

高等学校に在籍しているお子さんは対象になりません。4コースすべてが令和8年4月1日現在で18歳以上であることを要件にしています。スポーツ・文化芸術・未来の匠の3コース共通の令和8年度実施要項は「令和8年(2026 年)4月1 日現在の年齢が満18 歳以上満39 歳以下であること」、別建ての学生留学コース募集要項は「令和8年(2026 年)4月1日現在の年齢が18 歳以上30 歳以下である学生」と定めています。さらに学生留学コースは「本協議会に加盟している北海道の大学等において、卒業又は学位取得を目的とした正規の課程に在籍する学生」に限られ、当サイトで構成大学等一覧(令和8年3月1日現在)を全数確認したところ大学30校・短期大学6校・専修学校(専門課程)3校・高等専門学校4校で、高等学校は含まれていませんでした。例外的に検討の余地があるのは道内の高等専門学校に在籍していて、4月1日時点で18歳以上のお子さんだけです。JASSOの自治体支援の一覧には北海道の制度として掲載されていますが、高校生のご家庭が応募できる制度ではありません。お子さんが道内の大学へ進んだあとに使える制度として覚えておいてください。

Q.いつから動けばいいですか。締切はいつですか。

柱②の留学支援金は、前年度の2月頃に道教委から学校へ公募が通知され、国の公募(事業計画書)締切は令和8年度の場合「令和8年3月13日(金)10:00【電子メール】厳守」でした。つまり4月になってから保護者が動いても、その年度には間に合いません。前年度の冬のうちに在籍校へ相談してください。柱①の交換留学は出発が秋から冬に集まっており、令和8年度はアルバータ州が10月31日出発(募集は終了)、マサチューセッツ州が12月3日〜13日予定、ハワイ州が令和9年1月10日〜21日です。募集書類は各事業ページに掲載されますが、校内締切は学校が決めるため公式ページの期間より早いことがあります。在籍校に提出方法と受付期間を必ず問い合わせてください。