このページの要点

京都府は高校生の留学支援が6本ある手厚い府ですが、入口は在籍校の設置者で3つに割れます。

  • 国・公・私立すべてに開いているのは「京の高校生『海外探Q留学』応援事業」1本。返済不要で、令和8年度は応募145名・採用100名。文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」の拠点形成支援事業として実施される
  • 府立高校生はこれに加えて5本の補助が使える。エディンバラ語学研修25万円/オーストラリア語学研修20万円/海外短期留学チャレンジ30万円/夢チャレンジ留学60万円(所得要件あり)/海外サテライト校55万円・60万円(いずれも上限)
  • 京都市立高校生は京都市の別制度が窓口。個人応募で上限30万円(経済的に困難と認められる場合は60万円)、グループ応募には人数で上限が増える加算式がある

京都府は、府の事業名に「高校生の海外留学日本一の実現事業」を掲げ、府立高校生の留学環境の日本一を目標に置いている府です。当サイトでこれまで扱った都道府県とくらべても、使える制度の本数は多いほうです。ただしそれがそのまま「どの家庭でも使える」という意味にはなりません。府立高校生向けに設計された5本は在籍が府立であることが前提で、私立・国立の生徒は対象外です。逆に、返済不要の奨学金として最も規模が大きい「海外探Q留学」は府内の国・公・私立と特別支援学校高等部に開かれています。京都市立高校生には、府とは別に京都市が同名の支援事業を持っています。さらにややこしいのが、京都府教育委員会の公式ページの掲載年度がそろっていないことです。令和6年度分のまま残っているページ、令和7年度分のページ、令和8年度分のページが同時に並んでいます。京都では「制度を探す」よりも、お子さんの在籍校がどの入口に当たるかを先に確定させるのが近道です。

【結論】京都府の留学支援は「3つの入口」に分かれる

POINT

「京都府の留学奨学金」を1つ探すのをやめて、①探Q留学(国公私立が対象の返済不要の奨学金)②府立高校生限定の補助5本+国内留学 ③京都市立高校生向けの京都市の制度、の3つを別々に当てはめるのが最短です。どの入口でも、手続きは在籍する高校を通すのが前提です(②と③は要項に「在学する高等学校を通じて」と明記、①は所属校へ問い合わせて応募するよう案内されています)。

最初に全体像を一枚で見てください。同じ「京都府の高校生の留学支援」でも、実施主体・対象になる生徒・支援の形・規模がまったく違います。とくに重要なのは対象になる生徒の列です。お子さんが府立高校に在籍しているなら①と②の両方が視野に入りますが、私立高校なら使えるのは原則として①だけ、京都市立高校なら③が主な窓口になります。どの入口に乗れるかで、用意できる金額が20万円台から80万円台まで変わります。

もう一つ、見落としやすい前提があります。判定するのはお住まいではなく、お子さんが在籍する高校です。①の探Q留学は対象を「京都府内の国・公・私立の高校生・特別支援学校高等部の生徒」、②はいずれも京都府立高校への在学を前提とし(エディンバラは「留学開始日時点で京都府立高等学校に在学する16歳以上であること」、サテライト校は「渡航時に、府立高校の第1学年または第2学年に在籍していること」など事業ごとに書き方が違います)、③は「京都市立高等学校に在学していること」と定めており、いずれも在学校を基準にしていて居住地の要件は書かれていません。したがって京都府内にお住まいでも、お子さんが大阪府や滋賀県の高校に通っている場合は京都府・京都市の制度の対象にはなりません。逆に府外にお住まいでも、京都府内の高校に在籍していれば①の対象になりえます。境界に当たるご家庭は、要項の対象の書き方と在籍校で最終確認してください。

京都府の高校生が使える留学支援の全体像(すべて2026年11月6日に各実施主体の公式ページ・要項で確認。金額はいずれも上限)

入口制度名実施主体対象になる生徒支援の形と規模応募の窓口
① 返済不要の奨学金京の高校生「海外探Q留学」応援事業京の高校生「海外探Q留学」推進協議会(京都府教育庁 教育共創室)京都府内の国・公・私立の高校生・特別支援学校高等部の生徒返済不要の奨学金(月額)+留学準備金。令和8年度は地域と期間に応じて27万〜83万円。応募145名・採用100名所属する高校に応募方法を問い合わせて応募(令和8年度の募集は終了)
② 府立限定(短期の語学研修)エディンバラ語学研修補助事業京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学し、留学開始日時点で16歳以上/英検準2級相当以上25万円を上限に、補助対象経費の2分の1。定員15名・約3週間在学する高等学校を通じて
② 府立限定(短期の語学研修)オーストラリア語学研修補助事業京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学していること20万円を上限に、補助対象経費の2分の1。定員25名・約2週間在学する高等学校を通じて
② 府立限定(自分で計画する短期)海外短期留学チャレンジ補助事業京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学していること30万円を上限に、補助対象経費の2分の1。定員10名・2週間以上6週間以内在学する高等学校を通じて
② 府立限定(所得要件つき)府立高校生夢チャレンジ留学支援事業京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学し、経済的に困難であると認められる場合に該当すること60万円を上限に、補助対象経費の実支払額。定員6名程度・2週間以上6週間以内在学する高等学校を通じて(所得に関する証明書類が必要)
② 府立限定(中期・単位認定あり)府立高校海外サテライト校事業京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学(評定平均4.0以上などの要件あり)。アメリカは府立嵯峨野高校の生徒に限定オーストラリアは55万円、アメリカは60万円を上限に、いずれも補助対象経費の2分の1。定員10名/1名在籍校を通じて(公式ページに提出書類・応募方法の記載がないため在籍校で確認)
② 府立限定(国内留学)京都府立高校生国内グローバル留学京都府教育委員会 高校教育課京都府立高校に在学し、校長の証明を受けていること参加費用は原則不要(食費と会場までの交通費は自己負担)。4日間・定員約100名在籍校を通じて(提出期限は「各校の定めるところによる」)
③ 京都市立の生徒市立高校生「海外探Q留学」支援事業京都市教育委員会 学校指導課京都市立高等学校に在学し、校長の証明を受けていること個人応募は30万円を上限に2分の1(経済的に困難と認められる場合は60万円を上限に実支払額)。募集5〜10名程度在学する高等学校を通じて
(参考)全国の制度トビタテ!留学JAPAN 高校生等 の全国枠 ほか文部科学省・日本学生支援機構ほか全国の高校生等(京都府内の学校という限定なし)月額奨学金+留学準備金など在籍高校等を通じて(詳細はトビタテの解説へ)

出典:①は京の高校生「海外探Q留学」応援事業の公式サイトと推進協議会「令和8年度 派遣留学生への支援内容」「令和8年度派遣留学生選考結果」(別紙1)、②は京都府教育委員会 高校改革推進室・高校教育課の「留学支援」および各事業ページ、③は京都市教育委員会「市立高校生『海外探Q留学』支援事業」(令和7年度実施要項)。いずれも2026年11月6日に確認しました。②の5本に掲載されている金額・定員・日程は、各ページが「令和7年度の情報です」と明示しているものです(海外サテライト校事業は「令和6年度分」)。金額・定員・時期は年度ごとに変わります。応募する年度の募集要項を必ずご自身で確認してください。

なぜ「京都府の留学奨学金」で検索しても出てこないのか

POINT

京都府の事業は、府のホームページではなく京都府教育委員会 高校教育課のブログ型サイトと、探Q留学の専用サイトに分かれて置かれています。制度名を知らないと辿り着けない構造です。

検索して全国向けのまとめ記事ばかりが出てくる理由には、ちゃんと構造があります。京都府の留学支援の一覧は `kyoto-be.ne.jp`(京都府教育委員会 高校改革推進室・高校教育課)の「留学支援」ページにまとまっていますが、これは奨学金のカテゴリではなく「よくある質問」のカテゴリに置かれています。一方、金額がもっとも大きい探Q留学は、同じ教育委員会の中でも教育共創室という別部署が運営する専用サイトにあります。府のホームページ(`pref.kyoto.jp`)側で「高校生の海外留学日本一の実現事業」というページも見つかりますが、こちらは企業版ふるさと納税の寄附先を紹介するページで、所管は総合政策環境部総合政策室、制度の応募要件や金額は書かれていません。つまり3つのドメインに3つの部署の情報が分かれているのが、見つけにくさの正体です。

もう一つの理由は、これらの事業がご家庭から直接応募できる形になっていないことです。②のうち語学研修2本(エディンバラ・オーストラリア)と自分で計画する2本(海外短期留学チャレンジ・夢チャレンジ留学)、および③は、応募書類の提出が「在学する高等学校を通じて」と要項に書かれています。残る海外サテライト校事業と国内グローバル留学は、提出書類や提出期限の案内はあるものの、この文言は見当たりませんでした。①の探Q留学は、取得できた公式ページに応募方法の逐語がありませんでしたが、府教委の留学支援一覧は事業一覧の案内として「興味のある方は、所属の学校まで応募方法等をお問い合わせの上、御応募ください。」と書いており、こちらも学校を通した手続きが前提です。校内の締切は各校が決めるため、府の公式ページに載っている応募期間(たとえば「令和7年4月上旬頃から下旬頃まで」)よりも早く締め切られることがあります。保護者が府庁や教育委員会に問い合わせるより先に、在籍校の担当の先生に聞くのが正しい順番になります。全国の自治体支援を横断して探す枠組みは自治体の高校生留学支援の探し方にまとめています。

避けたい

府のホームページで「留学 奨学金」を検索して見つからないので、京都府に制度はないと判断する

こうすればOK

京都府教育委員会(kyoto-be.ne.jp)の「留学支援」ページと、探Q留学の専用サイトの2か所を見る。制度の所管が府庁ではなく教育委員会である前提で探す

避けたい

公式ページの応募期間に間に合うよう、4月下旬に学校へ相談する

こうすればOK

校内締切は各校が決めるため公式の期間より早いことがある。前年度の冬から春休みのうちに在籍校へ「海外留学の支援制度に応募したい」と伝えておく

探Q留学:国公私立すべてが対象の返済不要の奨学金(27万〜83万円)

POINT

京都府内の高校生が使える制度のなかで、私立・国立の生徒にも開かれている唯一の本命です。京の高校生「海外探Q留学」応援事業は、文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」の拠点形成支援事業として実施される、返済不要の奨学金です。

公式サイトの説明はこうです。「京の高校生『海外探Q留学』応援事業とは、京都府内の国・公・私立の高校生・特別支援学校高等部の生徒が、返済不要の奨学金を一部受けて、海外で探究型の留学ができる制度です。文部科学省『トビタテ!留学JAPAN』の拠点形成支援事業として実施します。」——ここで押さえておきたいのは2点です。1つは対象が府立に限られていないこと。もう1つは、これが府の独自事業というよりトビタテの地域枠にあたる仕組みだということです。後者は、後で見るように「通りやすさ」に直結します。

名前のとおり、求められるのは語学研修ではなく探究活動です。自分で問い(クエスチョン)を立て、その問いを海外で確かめてくる計画を自分で作ります。語学学校のプログラムに申し込んで終わりという形にはならないので、応募を考えるなら高校の探究の授業や部活動で扱っているテーマを土台にするのが現実的です。

支援額は「奨学金(月額)」と「留学準備金」の2本立てです。奨学金は留学計画の実行にかかる現地活動費・授業料相当額に充てるもので、家計基準内なら月額120,000円または160,000円(留学先の国・地域によって異なる)、家計基準外は月額60,000円(留学先を問わず)。留学準備金は事前・事後研修参加のための交通費、渡航費、査証取得や予防接種などに充てるもので、アジア地域は210,000円、アジア地域以外は350,000円です。

この2本を足した「支援金額パターン」が、令和8年度の資料に表として公表されています。ご家庭にとってはこれが実際に受け取れる金額の目安になります。縦が留学先の地域、横が留学期間です。

探Q留学 令和8年度の支援金額(奨学金+留学準備金/京の高校生「海外探Q留学」推進協議会「令和8年度 派遣留学生への支援内容」より転記)

留学先の地域家計の区分14日〜31日32日〜62日63日〜93日
北米・中近東・ヨーロッパ①家計基準内51万円67万円83万円
北米・中近東・ヨーロッパ①家計基準外41万円47万円53万円
大洋州・中南米・アフリカ・ヨーロッパ②家計基準内47万円59万円71万円
大洋州・中南米・アフリカ・ヨーロッパ②家計基準外41万円47万円53万円
シンガポール家計基準内37万円53万円69万円
シンガポール家計基準外27万円33万円39万円
アジア(シンガポールを除く)家計基準内33万円45万円57万円
アジア(シンガポールを除く)家計基準外27万円33万円39万円

表から読み取れることを3つ挙げます。1つめ、同じ期間でも留学先で最大26万円の差が出ます(63〜93日・家計基準内で、北米の83万円に対しアジアは57万円)。渡航費と物価を反映した設計なので、行き先を変えれば支援額も動きます。2つめ、期間が長いほど増えます。奨学金が月額で積まれる仕組みのためで、14〜31日と63〜93日では32万円差(北米・家計基準内)です。3つめ、家計基準外でも支援はゼロになりません。北米・大洋州などは期間にかかわらず41万〜53万円が出ます。所得で切り落とされる制度ではない、という点はご家庭にとって大きいはずです。

「家計基準外」の定義は資料に明記されています。「日本学生支援機構が実施する『第二種奨学金』に掲げる家計基準を満たさない者(例:給与所得者世帯・世帯人数3人:世帯年収1,113万円超え(目安))」。この1,113万円はあくまで世帯人数3人の給与所得者世帯の例として示された目安で、世帯人数や所得の種類で変わります。ご自身の家計がどちらの区分になるかは、必ず応募年度の募集要項で確認してください。また、資料自体に「必ず募集要項で詳細を確認してください。」「国・地域によって区分が異なる。」との注記が付いています。ヨーロッパ①とヨーロッパ②の線引きも要項側の定義に従ってください。

令和8年度の選考結果:145名が応募し100名が採用。コースで通りやすさが違う

POINT

探Q留学は全国枠のトビタテよりも通りやすいのが実情です。令和8年度は応募145名に対し採用100名。さらに選考結果を分解すると、選ぶコースによって倍率が1.0倍から約3.0倍まで分かれています。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。探Q留学はトビタテの拠点形成支援事業として実施されるため、京都府内の高校生には「全国の応募者と競い合う全国枠」とは別に、京都府の枠という入口が用意されていることになります。そして公表されている選考結果を見ると、この2つの入口で通りやすさがはっきり違います。当サイトで集計したトビタテ第11期の数字では、京都府の高校生の応募・採用は拠点形成支援事業の枠で145名→100名(約1.5倍)、全国枠では99名→28名(約3.5倍)でした(くわしくはトビタテ高校生の倍率に都道府県別の表があります)。京都府の高校生にとっては、同じ第11期の選考でありながら倍率が2倍以上違うことになります。

さらに、京都府が公表した令和8年度の選考結果(別紙1)には、コースごとの応募者数と採用者数が載っています。これを割ると、コース選択がそのまま通りやすさに効いていることが見えます。倍率は公表された応募・採用の人数から当サイトで算出したものです。

探Q留学 令和8年度派遣留学生 選考結果(応募・採用は京都府公表の別紙1より転記。倍率は当サイト算出)

コース・分野応募者数採用者数倍率(当サイト算出)
Ⅰ 京の高校生探究コース115名80名(うち7チーム・21名)約1.4倍
Ⅱ 全国共通探究コース(合計)30名20名約1.5倍
 ① STEAM1名1名1.0倍
 ② スポーツ・芸術6名2名約3.0倍
 ③ 社会課題11名8名約1.4倍
 ④ マイ好奇心探究12名9名約1.3倍
合計145名100名約1.5倍

採用者の8割(80名)は「京の高校生探究コース」で、ここが実質的な本流です。チームでの応募も通っていて、採用80名のうち7チーム・21名がチーム応募でした(応募側は9チーム・25名)。一方、全国共通探究コースのなかでは②スポーツ・芸術が6名の応募に対し採用2名=約3.0倍と、ほかのコースの2倍以上の厳しさです。逆に④マイ好奇心探究は12名→9名(約1.3倍)。応募者の少ない分野は母数が小さいので年度でぶれますが、「どのコースで出すか」は、計画の中身と同じくらい結果に効く変数です。コースの選び方は、在籍校の先生と要項を見ながら決めてください。

行き先の分布も公表されています。採用100名の渡航先は欧州42名(10カ国)・北米25名(2カ国)・大洋州18名(3カ国)・アジア13名(8カ国・地域)・中南米1名・アフリカ1名・中近東0名で、計25カ国・地域。欧州と北米で67名=全体の約3分の2を占めます。前の章の支援額表と重ねると、人気の行き先はそのまま支援額が高い区分(北米・ヨーロッパ①=最大83万円)でもあります。なお資料には「留学先国・地域が1カ国の派遣留学生は99名、2カ国の派遣留学生は1名」との注記があります。

確認ポイント:令和8年度の探Q留学は、京都府の公表資料で「トビタテ!留学JAPAN【拠点形成支援事業】(第11期)」として整理されています。全国枠との併願ができるかどうかは年度・プログラムごとに要項で定められているため、ここで断定はできません。応募する年度の募集要項で併願の可否を必ず確認してください。また、公式サイトには2026年11月6日時点で「2026年度の募集は終了しました。」と表示されています。次年度の募集時期・支援額・コース構成は、教育共創室の公式サイトと在籍校で確認してください。

府立高校生だけが使える5本:20万円から60万円まで

POINT

お子さんが京都府立高校に在籍しているなら、探Q留学に加えてこの5本が視野に入ります。「決まったプログラムに参加する型」2本、「自分で計画する型」2本、「中期で単位認定まで取る型」1本に分かれます。

5本はそれぞれ狙いが違います。行き先と日程が決まっているパッケージに乗りたいならエディンバラとオーストラリア。自分で計画を立てたいなら海外短期留学チャレンジと夢チャレンジ留学。2か月(オーストラリア)から4〜5か月(アメリカ)現地校に通って単位認定まで取りたいなら海外サテライト校事業です。横に並べて比べてください。

府立高校生向けの5事業(京都府教育委員会 高校教育課の各事業ページより。「令和7年度の情報」として掲載されているもの。海外サテライト校事業は「令和6年度分」)

事業名行き先・期間補助の形定員特記する要件
エディンバラ語学研修補助事業イギリス・スコットランドのエディンバラ市(エディンバラカレッジ)/約3週間25万円を上限に、補助対象経費の2分の115名留学開始日時点で16歳以上/英検準2級相当以上の英語力。2人1組のホームステイ
オーストラリア語学研修補助事業南オーストラリア州・アデレード市(南オーストラリア州立高等学校)/約2週間20万円を上限に、補助対象経費の2分の125名英語力の要件は記載なし。ホームステイは1人1家庭
海外短期留学チャレンジ補助事業英語を公用語とする国または地域(自分で選ぶ)/2週間以上6週間以内30万円を上限に、補助対象経費の2分の110名週15時間以上の語学学習を2週間以上実施すること。所得要件なし
府立高校生夢チャレンジ留学支援事業英語を公用語とする国または地域(自分で選ぶ)/2週間以上6週間以内60万円を上限に、補助対象経費の実支払額6名程度経済的に困難であると認められる場合に該当すること(所得に関する証明書類が必要)
府立高校海外サテライト校事業(冬期オーストラリア中期留学)クイーンズランド州教育省が管轄する高等学校/約2か月55万円を上限に、補助対象経費の2分の110名渡航時に第1〜2学年/英検準2級相当以上を取得済み/前年度の全体の評定平均値4.0以上、外国語1科目と任意の得意分野1科目の平均評定値4.5以上
府立高校海外サテライト校事業(アメリカ中期留学)ジュピターハイスクール(フロリダ州)/公式ページの記載が4か月と5か月で分かれる(下記の注記)60万円を上限に、補助対象経費の2分の11名府立嵯峨野高等学校に在籍する生徒に限定(受入校の都合)/渡航時に第2〜3学年/評定の要件は上と同じ

この5本を見るときに、ご家庭が最初に確認してほしいのは要件の厳しさが金額と比例していないことです。もっとも金額が大きい夢チャレンジ留学(60万円)は、英語力や評定の要件がなく、代わりに経済的に困難であると認められることが条件です。つまり所得の面で条件に当てはまるご家庭にとっては、英検や評定で足切りされない最大の選択肢になります。逆に、評定平均4.0以上・外国語と得意科目の平均4.5以上という厳しい学力要件が並ぶのは海外サテライト校事業で、こちらは「お金を多く出す制度」ではなく「2か月以上現地校に通って単位をもらう制度」です。

海外サテライト校事業の価値は、金額よりも学校を休まずに済むことにあります。公式ページには「留学中は欠席扱いにならないので、3年間で卒業可能です。」「現地校での学習を『留学』として単位認定します。」と明記されています。中期留学で進級・卒業が遅れることを心配されるご家庭には、ここが一番大きな判断材料になるはずです。ただしアメリカ中期留学は定員1名・嵯峨野高校の生徒限定なので、実質的に選べるのはオーストラリア(定員10名)です。

確認ポイント(公式ページ内の食い違い):アメリカ中期留学の期間について、京都府教育委員会の「留学支援」一覧ページは「5か月(アメリカ)」と書いていますが、海外サテライト校事業の詳細ページは「8月上旬から12月下旬まで(約4か月)」と書いています。どちらも京都府教育委員会の公式ページですが、詳細ページは「令和6年度分の情報」、一覧ページは「令和7年度分の情報」として掲載されており、年度差なのか表記の違いなのかは公開情報では判断できません。渡航期間は進級・単位認定に直結するので、応募前に在籍校または高校教育課へ必ず確認してください(ページ上の問い合わせ先は京都府教育庁高校教育課振興係)。

「上限◯万円」を定額と読まない:2分の1按分で手残りが変わる

POINT

府立の5本のうち4本は「◯万円を上限に、補助対象経費の2分の1を補助」という書き方です。実際に受け取れるのは「上限額」と「経費の半額」の低いほうで、上限額だけを見て資金計画を立てると足りません。

ここは数十万円の差になるので、具体的に計算してみます。たとえば海外短期留学チャレンジ(上限30万円・2分の1)に、補助対象経費が40万円の計画で応募した場合。受け取れるのは40万円の半額=20万円です。上限の30万円には届きません。30万円を受け取るには補助対象経費が60万円以上必要になります。一方、夢チャレンジ留学は「60万円を上限に、補助対象経費の実支払額を補助」なので、同じ40万円の計画なら40万円が出ます。同じ留学計画でも、どの事業に通ったかで手残りが倍変わるわけです。

補助の計算例(補助対象経費が40万円・60万円の計画で、各事業から受け取れる額。各事業の要項の計算式に当サイトが数値を当てはめたもの)

事業名補助の式経費40万円のとき経費60万円のとき
オーストラリア語学研修20万円を上限に2分の120万円(40万÷2=20万)20万円(60万÷2=30万→上限で20万)
エディンバラ語学研修25万円を上限に2分の120万円(40万÷2=20万)25万円(60万÷2=30万→上限で25万)
海外短期留学チャレンジ30万円を上限に2分の120万円(40万÷2=20万)30万円(60万÷2=30万)
夢チャレンジ留学60万円を上限に実支払額40万円(全額)60万円(上限)
海外サテライト校(豪)55万円を上限に2分の120万円(40万÷2=20万)30万円(60万÷2=30万)

表の1〜3行目と5行目を見比べると、経費が40万円の計画ではどの事業に通っても受け取れるのは20万円で、上限額の違い(20万/25万/30万/55万)は意味を持ちません。上限額が効いてくるのは経費が大きくなってからです。これは、ご家庭が自己負担額を見積もるときに効きます。経費40万円の計画なら、2分の1按分の事業に通っても残り20万円は自己負担です。くわえて、これらの補助が対象とするのは「補助対象経費」であり、何が対象に含まれるかは要項で定義されます。パスポート取得費や個人的な買い物などが対象外になることは珍しくありません。留学費用全体の内訳の考え方は高校留学の費用、どうしても足りないときの手段は高校留学の教育ローンにまとめています。

避けたい

「上限60万円」の事業に応募できたので、60万円は入ってくる前提で留学費用を組む

こうすればOK

「上限◯万円に、経費の2分の1」なら受け取れるのは半額まで。先に補助対象経費の見積もりを出し、その半額と上限額の低いほうを収入として計算する

避けたい

金額が大きい事業から順に応募先を決める

こうすればOK

要件(所得・英検・評定・在籍校)で応募できるものを先に絞る。所得要件に当てはまるなら、実支払額を見てくれる夢チャレンジ留学が手残りで有利になりうる

京都市立高校生は京都市の制度が窓口(府市協調)

POINT

お子さんが京都市立高校に在籍している場合は、京都市が持つ「市立高校生『海外探Q留学』支援事業」が窓口です。府の事業と名前が似ていますが、実施主体・要項・締切が別です。

京都市教育委員会の実施要項には、この事業の立ち位置がはっきり書かれています。「令和7年度より、長期休業中等(7月〜1月)を活用し、海外で探究活動を実践する市立高校生を対象に、留学に要する経費の一部を補助する市立高校生『海外探Q留学』支援事業を実施します。京都府教育委員会でも、令和6年度から同事業を実施しており、今後、府市協調でグローバルに活躍する人材の育成に取り組みます。」——つまり府が令和6年度に始めた取り組みに続いて、京都市も令和7年度から市立高校生向けに実施している形です(要項は「府市協調」で取り組むとしています)。中身も探究型で、語学研修ではありません。

補助額の設計は府の探Q留学とは別で、こちらは「経費の一部補助」型です。個人応募なら生徒1人につき30万円を上限に、補助対象経費の2分の1。経済的に困難と認められる対象者は60万円を上限に、補助対象経費の実支払額。府立の夢チャレンジ留学と同じく、所得の条件に当てはまるご家庭のほうが手厚くなる設計です。募集人数は5〜10名程度で、書類審査のうえ面接で内定します。

京都市の制度で特徴的なのはグループ応募が用意されていることです。2名なら1人につき30万円・2分の1。2名を超える場合は、要項の言葉で「生徒2名分の補助上限額60万円に、グループの人数が1名増えるごとに15万円を加算した額をグループの補助上限額とし、生徒1人につきグループの補助上限額をグループの人数で除した額を上限に、補助対象経費の2分の1を補助」と定められています。グループ人数の上限は設定されていません。式に当てはめると、3名なら上限75万円を3で割って1人25万円、4名なら90万円を4で割って1人22.5万円。人数が増えるとグループ全体の上限は増えますが、1人あたりの上限は下がります。

出典と確認ポイント:京都市教育委員会「市立高校生『海外探Q留学』支援事業」(ページ番号338704・2025年3月17日、令和7年度実施要項)。上記の金額・人数・期間は令和7年度の要項の記載です。令和7年度の応募期間は令和7年3月21日から5月12日までで、校内締切は各校の指示に従うこととされています。留学先は「応募時かつ活動時に外務省海外安全ホームページにおいて、危険情報レベルが1以下の全地域」、探究活動の期間は「1週間以上6週間以内を基本」とされています。府の探Q留学は対象を「京都府内の国・公・私立の高校生」と書いており、市立高校生がどちらの窓口で応募するのかは要項の年度によって変わりえます。在籍校にどちらで出すのかを確認してください。問い合わせ先は京都市教育委員会事務局指導部学校指導課 高校教育担当です。

海外に出る前の一歩:国内グローバル留学は参加費が原則不要

POINT

府立高校生向けに、4日間・参加費原則不要・定員約100名の国内留学プログラムがあります。令和8年度分として公開されている、数少ない「今年度の情報」のページです。ただし令和8年度の日程(2026年8月3〜6日)はすでに終了していますので、これから使うなら次年度以降が対象になります(令和9年度の実施予定は公式ページに記載がないため、在籍校でご確認ください)。

「京都府立高校生国内グローバル留学」は、国内にいながら留学体験をする4日間の研修です。公式ページの事業概要は「国内において留学につながる実践的な体験機会を府立高校生へ提供することにより、英語によるコミュニケーション能力の向上を図るとともに、異文化への理解を深めます」とあり、留学への関心を具体的な行動に結び付けることを狙いに置いています。海外留学を迷っている段階のご家庭にとっては、費用のリスクがほぼない試し方になります。

  • 日程:令和8年8月3日(月)〜8月6日(木)(初日は13時頃から、最終日は16時頃終了の予定)。この令和8年度の日程は終了済みです
  • 会場・宿泊:京都駅付近の施設。宿泊あり・宿泊なしを選択可能(宿泊を伴う参加者の上限は40名)
  • 定員:約100名(宿泊を伴う参加者40名、宿泊を伴わない参加者60名)
  • コース:①まずは体験!海外とつながるコース(定員50名)/②実践!留学にチャレンジするコース(定員50名)
  • 参加費用:「食費および会場までの交通費を除き、原則として参加費用は不要です。」
  • 応募要件:京都府立高校に在学し、校長から「学校生活に前向きに取り組んでおり、本研修に参加するにふさわしいと認められる」証明を受けること。提出期限は各校の定めるところによる

注目したいのは、公式ページに載っている令和7年度参加者のアンケート結果です。研修の満足度は「非常に満足及び満足 100%」。参加の動機の1位は「英語力を向上させたい(90%)」。成果の1位は「コミュニケーション能力の伸長(94%)」でした。そして進路の面でも数字が出ています。研修後に「短期留学したい」と答えたのが55%、「長期留学したい」が33%。さらに海外大学進学への興味関心は「ある+どちらかと言えばある」が46%です。4日間の国内研修でも、進路の選択肢として海外大学進学が視野に入る生徒が半数近くいる、ということになります。

ご家庭にとっての使い方は2通りあります。1つはお子さんの本気度を確かめる使い方。数十万円を投じる海外留学の前に、英語で4日間過ごしてみて続く気持ちがあるかを見ます。もう1つは探Q留学の準備として使う使い方。探Q留学は自分で問いを立てる計画が要るので、留学生とのディスカッションやロールプレイを経験しておくと、計画書を書く段階で手が止まりにくくなります。国内留学という選択肢全体の型は国内留学とはにまとめています。

公式ページの「年度」がそろっていない:保護者が確認する3点

POINT

京都府の留学支援のページは、令和6年度分・令和7年度分・令和8年度分が同時に並んでいます。金額や定員をそのまま来年の計画に使うと、ずれる可能性があります。

これは京都府の落ち度を指摘したいのではなく、ご家庭が事故を避けるために知っておくべき実務の話です。2026年11月6日時点で確認した掲載年度は次のとおりでした。府立5本の個別ページ(エディンバラ・オーストラリア・海外短期留学チャレンジ・夢チャレンジ)は更新表示が2025年4月18日で、本文に「※以下は、令和7年度の情報です。」と明記されています。海外サテライト校事業はさらに古く、更新表示が2024年11月29日で「※以下、令和6年度分の情報を掲載しています。」。一方、「留学支援」の一覧ページは2026年8月3日の更新表示ですが、本文は「※以下、令和7年度分の情報を掲載しています。」と書かれています。そして国内グローバル留学だけが「※以下は、令和8年度の情報です。」です。探Q留学の支援額表と選考結果は令和8年度のものです。

各ページが掲載している年度(2026年11月6日に当サイトが確認)

ページページの更新表示本文が掲載している年度
留学支援(一覧)2026.08.03令和7年度分
エディンバラ/オーストラリア語学研修2025.04.18令和7年度
海外短期留学チャレンジ/夢チャレンジ留学2025.04.18令和7年度
府立高校海外サテライト校事業2024.11.29令和6年度分
京都府立高校生国内グローバル留学2026.05.25令和8年度
探Q留学 派遣留学生への支援内容2026.03.26令和8年度
探Q留学 派遣留学生選考結果(別紙1)2026.06.13令和8年度

府立の各ページには「※詳細は4月1日以降に在学する高等学校までお問い合わせください。」という案内が共通で付いています。つまり府立5本の最新年度の条件は、4月以降に学校経由で出てくる前提です。ご家庭としては、公式ページの金額を「前年度はこうだった」という参考値として扱い、確定情報は在籍校から取るのが正しい運用になります。

確認ポイント(古い記事に注意):「京都府 高校生 留学」で検索すると、2013年4月24日公開の教育ニュース記事が今も上位に残っています。そこでは「府立高校生グローバルチャレンジ500事業」という名称のもとで、エディンバラ語学研修20名・短期留学70名程度・補助25万円と説明されています。しかし2026年11月6日時点で京都府教育委員会の留学支援の各ページを確認したところ、「グローバルチャレンジ500」という名称は1件も見当たりませんでした。現在のエディンバラ語学研修の定員は15名、海外短期留学チャレンジは定員10名・上限30万円で、13年前の記事の数字とは一致しません。当サイトでは当時の事業が終了したとまでは断定しませんが、この記事の数字を前提に資金計画や応募計画を立てるのは避けてください。

応募の実務:誰に・いつ・何を出すのか

POINT

どの入口でも、提出先は在学する高等学校です。ご家庭から府庁や教育委員会に直接申し込む形ではありません。山になるのは春の校内締切で、ここに間に合わせるには前年度の冬から動くことになります。

提出する書類(応募前に見積もりが要る)

まず提出物を把握してください。要項に書かれている書類は事業ごとに違いますが、共通しているのは応募用紙と応募理由書です。お子さんが書く部分が中心で、保護者が用意するのは所得に関する証明書類と費用の見積もりです。「留学に要する経費(概算)がわかる書類の写し」が要るということは、応募の前に留学プログラムの見積もりを取っておく必要があるという意味になります。ここが抜けていると締切に間に合いません。

応募時に要項が求めている書類(各事業の公式ページ・要項の記載より。年度により変わります)

事業名提出書類保護者が関わる部分
エディンバラ語学研修/オーストラリア語学研修応募用紙及び応募理由書英検の取得状況の確認(エディンバラは準2級相当以上)
海外短期留学チャレンジ応募用紙及び応募理由書/対象となる留学であること及び留学に要する経費(概算)がわかる書類の写し留学プログラムの見積もりの入手
府立高校生夢チャレンジ留学応募用紙及び応募理由書/経費(概算)がわかる書類の写し/所得に関する証明書類見積もりの入手と、所得証明の取得
京都府立高校生国内グローバル留学応募用紙(様式1)/応募理由書(様式2)日程の調整(令和8年度は8月3〜6日で終了済み)。参加費は原則不要だが、申込後のキャンセルには所定の手続きが必要
市立高校生「海外探Q留学」支援事業(京都市)応募用紙(様式1−1)/留学計画書(様式1−2)/留学に要する経費(概算)がわかる書類(経費の内訳が詳細に記載されたもの)見積もりの入手(内訳が詳細なものが求められる)
府立高校海外サテライト校事業公式ページに提出書類の記載がないため在籍校で確認英検の取得状況と前年度の評定の確認

逆算スケジュール(起点は公式の締切ではなく校内締切)

次に時期です。公表されている応募期間を並べると、春に集中していることがわかります。府立5本は「令和7年4月上旬頃から下旬頃まで」。京都市の事業は令和7年度が3月21日から5月12日まででした。ただしどちらも校内締切は各校が決めるため、公式の期間より早く閉まります。国内グローバル留学の提出期限も「各校の定めるところによる」です。だから逆算の起点は公式の締切ではなく、在籍校の先生に聞いた校内締切になります。

  1. 1前年度の冬(12〜2月):お子さんと行き先・時期・テーマの方向を決める。探Q留学を狙うなら、探究のテーマを学校の授業・部活動の延長で固めておく
  2. 22〜3月:在籍校の担当の先生に「海外留学の支援制度に応募したい」と伝え、校内締切と使える事業を確認する。並行して留学プログラムの見積もりを取る
  3. 33〜4月:所得に関する証明書類(夢チャレンジ留学に応募する場合)を用意。応募用紙・応募理由書をお子さんが作成し、学校に提出
  4. 44月1日以降:府立5本は詳細を4月1日以降に在学する高等学校へ問い合わせるよう案内されているため、確定した金額・定員・日程をここで受け取る
  5. 54〜5月:学校経由で提出。京都市の事業は書類審査のうえ面接がある
  6. 66月ごろ:採用の決定(探Q留学の令和8年度は6月13日に選考結果が公表された)
  7. 77月〜翌1月:渡航。府立の短期のうち自分で計画する2本(海外短期留学チャレンジ・夢チャレンジ留学)は令和7年7月1日から令和8年1月31日までの間の留学、京都市は令和7年7月19日以降に出発して令和8年1月30日までに帰国する留学が対象期間だった

問い合わせ先(公式ページに記載のもの):府立高校生向けの各事業は京都府教育庁高校教育課振興係(075-414-5859)。探Q留学は京都府教育庁指導部高校教育課 教育共創室企画連携係/京の高校生「海外探Q留学」推進協議会事務局(075-414-5907)。京都市立高校生向けの事業は京都市教育委員会事務局指導部学校指導課 高校教育担当(075-222-3811)。ただしいずれの制度も応募は在学する高等学校を通じて行うため、最初に相談する相手は在籍校の担当の先生です。

定員に入れなかったときの次の手

POINT

京都府の制度は定員が小さいものが多く、落選は十分に起こります。探Q留学でも45名が採用に至っていません。落ちた前提で次の手を決めておくと、お子さんの留学そのものを諦めずに済みます。

定員を並べると現実が見えます。エディンバラ15名、オーストラリア25名、海外短期留学チャレンジ10名、夢チャレンジ留学6名程度、海外サテライト校は豪10名・米1名、京都市の事業は5〜10名程度。探Q留学は採用100名と規模が大きいものの、令和8年度は145名が応募して45名が採用されていません。つまりどの入口も「応募すれば通る」ものではありません。

次の手は4方向あります。第一に、同じ年度内で別の事業に出す。府立高校生なら5本+探Q留学があり、要件と締切が別なので、1つに落ちても残りが残っていることがあります(併願の可否は要項で確認してください)。第二に、全国の制度に広げる。トビタテの全国枠や民間の奨学金は京都府の制度とは別の選考です。第三に、計画を短くして自己負担で行く。2週間の語学研修なら補助なしでも総額を抑えられる場合があります。第四に、翌年度に出し直す。高1で落ちても高2で再挑戦できる事業があり、その1年を国内グローバル留学(参加費原則不要。令和8年度の日程は終了済みで、次年度以降の実施は在籍校で確認)や探究テーマの深掘りに使えば、応募書類の質はむしろ上がります。

避けたい

本命の1本だけに応募し、落ちた時点で留学そのものを諦める

こうすればOK

応募前に「落ちたらどうするか」を決めておく。同年度の別事業・全国制度・計画の短縮・翌年度の再挑戦の4方向から、ご家庭が許容できる順番を先に並べる

避けたい

補助が出る前提で航空券やプログラムの申込金を先に払ってしまう

こうすればOK

採用の決定時期(探Q留学の令和8年度は6月)とキャンセル規定を確認し、不採用でも引き返せる範囲で手続きを進める

応募前に確認する7点

どの入口に乗るかが決まったら、この順番で潰してください。

チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。

向いているご家庭・慎重に考えたいご家庭

POINT

京都府の制度は「自分で計画を立てられるお子さん」に手厚い設計です。逆に、行き先も中身も決まったパッケージに安く乗りたいというニーズには、定員が小さく競争になります。

向いているのは、第一に府立高校に在籍していて、自分でテーマを持っているお子さんのご家庭です。探Q留学(採用100名)と府立5本の両方に手が届き、しかも探究テーマがあれば探Q留学の本流である京の高校生探究コース(採用80名・約1.4倍)が狙えます。第二に、所得の面で「経済的に困難」の条件に当てはまるご家庭です。夢チャレンジ留学(60万円・実支払額)と探Q留学の家計基準内(最大83万円)はいずれも手残りが大きくなります。とくに夢チャレンジ留学は、応募要件が「京都府立高等学校に在学していること」と「経済的に困難であると認められる場合に該当すること」の2つで、英検や評定の要件が書かれていません(探Q留学の応募要件は、取得できた公式ページでは確認できなかったため募集要項でご確認ください)。第三に、費用のリスクを抑えて試したいご家庭には国内グローバル留学(参加費原則不要)があります。

慎重に考えたいのは、第一に私立・国立高校に在籍しているご家庭です。府立限定の5本は使えないため、京都府の制度としては探Q留学が事実上の一本道になります。探Q留学の募集が終わっている時期なら、民間の奨学金や全国枠のトビタテまで視野を広げてください。第二に、パッケージ型の語学研修を安く使いたいご家庭です。エディンバラ(15名)とオーストラリア(25名)は定員があり、しかも2分の1按分なので自己負担は経費の半分残ります。第三に、学年の途中で長く抜けたくないご家庭です。単位認定まで用意されている海外サテライト校事業はオーストラリアが定員10名、アメリカは定員1名・嵯峨野高校限定という狭さで、評定の要件もあります。

最後に、奨学金や補助を当てても自己負担はゼロにはならないことを押さえておいてください。探Q留学は返済不要の奨学金ですが、支援額は「奨学金+留学準備金」として設計された定額で、留学費用の総額をまるごと賄うものではありません。府立の補助は原則2分の1按分です。どちらも、まず留学計画の総額を見積もり、そこから支援額を引いた残りをご家庭で用意できるかを先に確かめるのが順番になります。

まとめ:在籍校の設置者を確かめることから始める

京都府は、府立高校生向けの留学支援を5本と国内留学を1本持ち、さらに国・公・私立に開かれた返済不要の奨学金(探Q留学)を持つ、全国でも手厚い側の府です。令和8年度の探Q留学は応募145名に対し採用100名で、全国枠のトビタテ(京都府の高校生は約3.5倍)よりも通りやすい入口になっています。一方で、府立限定の5本は在籍が府立であることが前提で、京都市立には京都市の別制度があります。だから最初にやることは制度探しではなく、お子さんの在籍校の設置者を確かめて入口を1つに絞ることです。そのうえで、補助が2分の1按分か実支払額かを要項で確認し、自己負担額を計算してください。公式ページの掲載年度がそろっていないため、確定情報は4月以降に在籍校から取るのが安全です。全国の自治体支援と見比べたいときは自治体の高校生留学支援の探し方、奨学金全体の地図は高校生の留学奨学金をご覧ください。

Q.私立高校に通っています。京都府の留学支援は使えますか。

京の高校生「海外探Q留学」応援事業は、公式サイトで対象を「京都府内の国・公・私立の高校生・特別支援学校高等部の生徒」と明記しているため、私立高校の生徒も対象です。一方、エディンバラ語学研修・オーストラリア語学研修・海外短期留学チャレンジ・夢チャレンジ留学・海外サテライト校事業・国内グローバル留学の6本は、いずれも応募要件が京都府立高校への在学を前提にしているため私立高校の生徒は対象外です(海外サテライト校事業は「渡航時に、府立高校の第1学年または第2学年に在籍していること」、アメリカ中期留学はさらに府立嵯峨野高等学校の生徒に限定と書かれています)。探Q留学の募集が終わっている時期であれば、民間の奨学金や全国枠のトビタテまで視野を広げてください。

Q.探Q留学はどれくらい通りますか。全国枠のトビタテとどちらが有利ですか。

京都府が公表した令和8年度の選考結果では、応募145名に対し採用100名で、当サイトの算出では約1.5倍です。当サイトが集計したトビタテ第11期の都道府県別の数字では、京都府の高校生の全国枠は99名→28名(約3.5倍)でした。数字のうえでは探Q留学のほうが通りやすい入口です(トビタテ高校生の倍率に表があります)。ただし併願できるかどうかは年度・プログラムごとに要項で定められているため、応募年度の募集要項で必ず確認してください。

Q.「30万円を上限に、補助対象経費の2分の1を補助」とは、いくらもらえるということですか。

上限額と「補助対象経費の半額」の低いほうが支給されます。補助対象経費が40万円なら半額の20万円、60万円なら半額の30万円で上限に届きます。80万円の計画でも上限の30万円までです。つまりこの事業では、経費が60万円に届かないうちは上限の30万円には達しません。一般化すると、補助対象経費がその事業の上限額の2倍に届かないうちは、上限額まで受け取れないということです。上限額の大小が効いてくるのは経費がそこを超えてからで、たとえば経費50万円なら、上限20万円のオーストラリア語学研修は20万円、上限25万円以上の事業は半額の25万円になります。なお「60万円を上限に、補助対象経費の実支払額を補助」と書かれている府立高校生夢チャレンジ留学支援事業は按分がなく、経費が40万円なら40万円が出ます(所得要件があります)。

Q.京都市立高校の生徒は、府と市のどちらに応募するのですか。

京都市教育委員会は「市立高校生『海外探Q留学』支援事業」を令和7年度から実施しており、応募要件は「京都市立高等学校に在学していること」です。応募は在学する高等学校を通じて行います。一方で府の探Q留学は対象を「京都府内の国・公・私立の高校生」と書いており、年度によって窓口の整理が変わりえます。京都市の要項には「府市協調」で取り組むとの記載があるため、どちらの要項で応募するのかは在籍校に確認するのが確実です。

Q.留学で学校を休むと、進級や卒業に影響しますか。

府立高校海外サテライト校事業については、京都府教育委員会の公式ページに「留学中は欠席扱いにならないので、3年間で卒業可能です。」「現地校での学習を『留学』として単位認定します。」と明記されています。中期留学でも3年間で卒業できる設計です。ただし同事業はオーストラリアが定員10名、アメリカは定員1名・府立嵯峨野高等学校の生徒限定で、評定平均値などの要件もあります。ほかの事業(2週間〜6週間の短期や探Q留学)について単位認定や出欠の扱いは事業ページに記載がないため、在籍校に確認してください。

Q.いつから動けばいいですか。締切はいつですか。

府立の5本は、公式ページでは「令和7年4月上旬頃から下旬頃まで」が応募期間とされ、「※詳細は4月1日以降に在学する高等学校までお問い合わせください。」と案内されています。京都市の事業は令和7年度が3月21日から5月12日まででした。いずれも校内の締切は各校が決めるため、公式ページの期間より早く締め切られることがあります。春の校内締切に間に合わせるには、前年度の冬から春休みのうちに在籍校へ相談しておくのが現実的です。探Q留学は2026年11月6日時点で「2026年度の募集は終了しました。」と表示されており、次年度の日程は教育共創室の公式サイトで確認してください。