このページの要点
トビタテ!留学JAPAN高校生の最新倍率は、第11期(2026年度)で約3.6倍です(応募2,602人・採用718人、当サイト算出)。
- 最新の実数:文部科学省の公表(2026年6月4日)によると第11期は【高校生等対象】応募2,602名・採用718名、【拠点形成支援事業(地域枠)】応募651名・採用365名。地域枠の倍率は約1.8倍、合算すると約3.0倍です。
- 上がっている:全国枠の倍率は第9期 約2.7倍→第10期 約2.6倍→第11期 約3.6倍。採用が約720人で横ばいのまま、応募が前年度から4割増えました。第1期(2015年度)からの全推移(約1.7倍〜約4.0倍)も本文の表とグラフで公開しています。
- コースで差が大きい:第11期はSTEAM探究 約1.7倍、スポーツ・芸術探究 約2.9倍、社会課題探究 約4.6倍、マイ好奇心探究 約4.6倍。
- 第12期は枠が縮む:2026年10月公表の第12期(2027年度)募集要項では、支援予定人数が700人から600人に減りました。応募が第11期並みなら単純計算で4倍を超えます(あくまで仮定の試算)。
倍率を知りたい理由は「受かるかどうか」を見積もりたいからですが、トビタテの場合、全体倍率よりも枠の構造を見るほうが実用的です。第11期は応募者が前年度から4割増えており、全体としては厳しくなっています。一方で地域枠は約1.8倍、コース別ではSTEAM探究が約1.7倍と、どの枠に該当するかで景色が変わります。この記事では文部科学省の公表数値から倍率を算出し、期別の推移、コース別・都道府県別の倍率、第12期の募集枠、コース・日程・家計基準・期間という枠の構造、審査で重視される観点、そして落ちる計画の型までを整理します。
本記事の応募者数・採用者数は、文部科学省が2026年6月4日に公表した「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム【高校生等対象】【拠点形成支援事業】2026年度(第11期)派遣留学生を決定」とその別紙1(コース別・都道府県別の選考結果)、第9期の数値は2024年5月28日の同種の公表、枠の構造は第11期の募集要項、次期の枠は2026年10月1日公表の第12期(2027年度)募集要項(発行:文部科学省 官民協働海外留学創出プロジェクト/独立行政法人日本学生支援機構 グローバル人材育成部)にもとづきます(2026年10月時点)。本文の「機構」は、制度を運営する独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)を指します。倍率そのものは公式に公表されていないため、公表された応募者数と採用者数から当サイトが算出した参考値です。期ごとに応募状況・枠は変わるため、応募時は最新の公表資料でご確認ください。
第11期の実数で倍率を計算する
POINT
最新の第11期(2026年度)の倍率は、全国枠(高校生等対象)が約3.6倍(応募2,602名・採用718名)、地域枠(拠点形成支援事業)が約1.8倍(応募651名・採用365名)です。全国枠と地域枠では倍率が2倍近く違います。
第11期(2026年度)の応募・採用と倍率(倍率は公表値から当サイト算出)
| 枠 | 応募者数 | 採用者数 | 倍率(算出) |
|---|---|---|---|
| 【高校生等対象】=全国枠 | 2,602名 | 718名 | 約3.6倍 |
| 【拠点形成支援事業】=地域枠 | 651名 | 365名 | 約1.8倍 |
| 合計 | 3,253名 | 1,083名 | 約3.0倍 |
合計行の応募者数3,253名は、全国枠と地域枠の応募者数を当サイトが合算した値です。全国枠と地域枠の両方に応募した人がいれば重複して数えられている可能性があり、合算の倍率(約3.0倍)は目安として見てください。
全国枠(高校生等対象)の倍率の推移(倍率は公表値から当サイト算出)
| 区分 | 第9期(2024年度) | 第10期(2025年度) | 第11期(2026年度) |
|---|---|---|---|
| 応募者数 | 1,955名 | 1,886名 | 2,602名(約4割増) |
| 採用者数 | 716名 | 717名 | 718名(ほぼ横ばい) |
| 倍率(算出) | 約2.7倍 | 約2.6倍 | 約3.6倍 |
| 第一日程の倍率 | 約2.7倍(1,566/588) | 約2.6倍(1,519/588) | 約3.6倍(2,136/586) |
| 第二日程の倍率 | 約3.0倍(389/128) | 約2.8倍(367/129) | 約3.5倍(466/132) |
見るべきは「採用が増えていない」ことです。採用者数は第9期716名→第10期717名→第11期718名と、ほぼ同じ人数で推移しています。その中で第11期は応募が約4割増えたため、全国枠の倍率は約2.6倍から約3.6倍へ上がりました。合計採用者数が文部科学省の発表で「過去最多」の1,083名になったのは拠点形成支援事業の府県が加わったからで、全国枠の採用枠が広がったわけではありません。
つまり「採用が増えたから通りやすくなった」とは言えません。増えた分は拠点形成支援事業(令和7年度に採択された6府県)によるもので、全国枠だけを見れば競争は明確に強まっています。
ネット上で見かける「高校生は4倍前後」という数字は、出典が示されていないものが多く、学種や枠が揃っていないことがあります。とくに紛らわしいのが期の番号です。トビタテの期は学種ごとに別体系で、2026年度は高校生等対象が第11期、大学生等対象が第18期にあたります。実際、大学生等対象の直近の公表値(2025年度・第17期)は応募1,204名・採用268名・倍率約4.5倍(日本学生支援機構の2025年6月27日発表。大学生等は倍率そのものも公表されています)と、高校生とは水準も動き方も別物です。比較するときは「期・学種・枠(全国枠か地域枠か)」の3点を揃えてください。制度そのものの内容はトビタテ!留学JAPAN 高校生ガイドにまとめています。
各期の応募者数・採用者数は文部科学省の報道発表で期ごとに公表されています。本記事では第11期(2026年6月4日公表)と、そこに併記された前年度=第10期の数値、第9期(2024年5月28日公表)の数値、第10期のコース別・国公私立別の数値(2025年5月末公表の別紙)を使いました。第9期以前はコースの区分が現在と異なる(STEAM探究コースは未設置)ため、コース別の比較は第10期・第11期の2期で行っています。第8期以前の数値は、次章で扱う公式の実績一覧にもとづきます。倍率はいずれも公表値からの当サイト算出です。なお本文で触れる留学費用の目安(短期の総額30〜60万円など)は、当サイトの費用記事と同じレンジを用いています。
第1期からの倍率の推移——12年分の公式実数で見る
POINT
トビタテ公式サイトが2026年10月1日に更新した「第1〜11期における応募・採用実績一覧」から、2015年度の第1期以降の倍率をすべて計算できます。12年の歴史で倍率は約1.7倍〜約4.0倍の間で動いており、第11期の約3.6倍は歴史的に高い側の水準です。
【高校生コース】【高校生等対象】第1期からの応募・採用の全推移(トビタテ公式の実績一覧より。倍率は当サイト算出)
| 期(採用年度) | 応募者数 | 採用者数 | 倍率(算出) |
|---|---|---|---|
| 第1期(2015年) | 514名 | 303名 | 約1.7倍(最低。制度初年度) |
| 第2期(2016年) | 2,058名 | 511名 | 約4.0倍(過去最高) |
| 第3期(2017年) | 1,904名 | 501名 | 約3.8倍 |
| 第4期(2018年) | 2,099名 | 535名 | 約3.9倍 |
| 第5期(2019年) | 3,018名 | 835名 | 約3.6倍(応募者数は過去最多) |
| 第6期(2020年) | — | — | 公式一覧に記載なし(下の注記参照) |
| 第7期(2021年) | 1,419名 | 704名 | 約2.0倍(第2期以降では最低) |
| (2022年) | — | — | 公式一覧に記載なし(下の注記参照) |
| 第8期(2023年) | 2,238名 | 708名 | 約3.2倍 |
| 第9期(2024年) | 1,955名 | 716名 | 約2.7倍 |
| 第10期(2025年) | 1,886名 | 717名 | 約2.6倍 |
| 第11期(2026年) | 2,602名 | 718名 | 約3.6倍 |
この表とグラフは、トビタテ公式サイトの実績一覧を当サイトがテキストに起こし、応募者数÷採用者数を計算し直したものです。推移は3つの局面に分けられます。制度初年度だけ約1.7倍(認知が低かった第1期)、約3.6〜4.0倍で推移した第2〜5期(応募3,018名と過去最多を記録した第5期まで)、そして約2.0〜2.7倍まで下がった第7〜10期です。制度が軌道に乗った第2期以降では第7期の約2.0倍が最も低く、そこから第10期まで応募者数の減少が続きました。それが第11期で応募2,602名(前年度比約4割増)へ一気に反転し、倍率は第2〜5期の水準に戻りました。「いまのトビタテは、12年の歴史の中でも厳しい側の局面にある」——これが公式実数から言えることです。
応募が4割増えた理由を、文部科学省は説明していません。円安・物価高で留学費用の総額が上がり、返済不要の給付への関心が高まったこと、第2ステージ(2023〜2027年度)の広報が浸透してきたことなどが考えられますが、いずれも当サイトの推測です。確かなのは2つ。採用側の枠(約700人)はこの間ずっと増えていないこと、そして次の第12期は支援予定人数が600人へ減ることです(後述の第12期の章で詳しく扱います)。倍率が下がる材料は見当たらないため、「受かりやすかった第7〜10期はもう終わった」という前提で準備するのが安全です。
出典:トビタテ!留学JAPAN公式サイト「【高校生コース】・【高校生等対象】第1~11期における応募・採用実績一覧」(2026年10月1日更新)。公式ページでは期別の表が画像で掲載されているため、当サイトで全行を読み取ってテキストの表に起こし、公式一覧の倍率欄と「応募者数÷採用者数」の再計算が全行で一致することを確認しました。公式一覧には第6期(2020年)と2022年の行がなく、理由の注記もありません(第6期は新型コロナウイルスの感染拡大期、2022年は第1ステージから第2ステージへの移行期にあたります)。第7期は、公式の報道発表一覧に「2020年度」の発表として掲載されており、採用年度は2021年という変則日程でした。第1〜7期は旧「日本代表プログラム【高校生コース】」、第8期以降は「新・日本代表プログラム【高校生等対象】」で、コース構成や支援内容が異なります。倍率の水準を比べる際はこの制度変更に留意してください。
コース別・都道府県別に見た第11期の倍率
POINT
文部科学省の選考結果(別紙1)にはコース別・都道府県別の応募者数と採用者数が載っています。計算すると、コース別ではSTEAM探究の約1.7倍からマイ好奇心探究の約4.6倍まで開きがあり、倍率どうしを比べると約2.7倍の差です。
第11期(2026年度)コース別の応募・採用と倍率(倍率は公表値から当サイト算出)
| コース | 応募者数(第一+第二) | 採用者数(第一+第二) | 倍率(算出) |
|---|---|---|---|
| STEAM探究 | 266名(226+40) | 156名(130+26) | 約1.7倍 |
| スポーツ・芸術探究 | 410名(326+84) | 143名(115+28) | 約2.9倍 |
| 社会課題探究 | 736名(592+144) | 161名(130+31) | 約4.6倍 |
| マイ好奇心探究 | 1,190名(992+198) | 258名(211+47) | 約4.6倍 |
| 計 | 2,602名 | 718名 | 約3.6倍 |
差の原因は応募の偏りです。マイ好奇心探究には全応募者の約46%(1,190名)が集まった一方、採用は支援予定人数の250人前後にとどまりました。STEAM探究は応募266名に対して156名が採用されています。社会課題探究とマイ好奇心探究はどちらも約4.6倍ですが、小数第2位まで見るとそれぞれ約4.57倍・約4.61倍で、ほぼ同じ水準です。
ただし、この数字を見て「STEAMに出せば通りやすい」と考えるのは危険です。募集要項は、STEAM領域の内容やAI・IoT、理科・数学の見方を使う探究を含む計画はSTEAM探究コースに応募するよう求めており、コースは計画の中身で決まります。読み取れるのは「理系の問いを持つ計画なら、そのままSTEAMに出せばよい。無理に他コースへ寄せる理由はない」ということです。逆に、興味関心型の計画を無理にSTEAMへ寄せると、コースの定義と合わない計画と受け取られるおそれがあります(審査での扱いは公表されておらず、これは要項の書きぶりからの推測です)。
第10期と比べる——「穴場コース」は1年で縮んだ
コース別倍率の2期比較(第10期・第11期の選考結果別紙より当サイト算出)
| コース | 第10期(2025年度) | 第11期(2026年度) | 応募者数の変化 |
|---|---|---|---|
| STEAM探究 | 約1.2倍(応募117名・採用101名) | 約1.7倍(応募266名・採用156名) | 約2.3倍に急増 |
| スポーツ・芸術探究 | 約1.9倍(応募289名・採用156名) | 約2.9倍(応募410名・採用143名) | 約1.4倍 |
| 社会課題探究 | 約3.1倍(応募561名・採用179名) | 約4.6倍(応募736名・採用161名) | 約1.3倍 |
| マイ好奇心探究 | 約3.3倍(応募919名・採用281名) | 約4.6倍(応募1,190名・採用258名) | 約1.3倍 |
第10期のSTEAM探究は応募117名に対して採用101名、つまり約1.2倍で「ほぼ全入」に近い状態でした。それが第11期には応募が266名へ約2.3倍に増え、倍率は約1.7倍に上がっています。倍率の低いコースには翌期の応募が流れ込み、「穴場」は1年で縮む——この力学が公式の実数で確認できます。SNSや体験談で「STEAMは受かりやすい」と見かけても、それは前の期の話かもしれません。コース選びの大前提(計画の中身で決まる)を守ったうえで、参考にする数字は必ず最新の期のものにしてください。
国公立・私立、どの高校から受かっているのか
第11期 国公私立別の応募・採用(選考結果の別紙より。倍率は当サイト算出)
| 在籍校の設置形態 | 応募者数 | 採用者数 | 倍率(算出) |
|---|---|---|---|
| 国立 | 247名 | 121名 | 約2.0倍 |
| 公立 | 1,057名 | 285名 | 約3.7倍 |
| 私立 | 1,298名 | 312名 | 約4.2倍 |
| 計 | 2,602名 | 718名 | 約3.6倍 |
在籍校の設置形態で分けると、第11期は国立が約2.0倍、公立が約3.7倍、私立が約4.2倍でした。第10期も国立約1.8倍・公立約2.5倍・私立約3.0倍と同じ順で、国立が低め・私立が高めの傾向は2期連続です(理由は公表されていません。応募者の構成によるもので、設置形態が審査で考慮されるという情報はありません)。
「どの高校から受かっているのか」も、選考結果の別紙(学校別採用者数)で公表されています。第11期の採用718名の在籍校は428校。最多は市立札幌開成中等教育学校の19名、次いで市川高校(千葉県)の18名ですが、15名以上はこの2校だけです(拠点形成支援事業では福島県立福島高校の15名が最多)。718名を428校で割ると1校あたり平均1.7名で、採用の中心は1〜2名ずつの高校です。「トビタテに強い特定の高校」に通っていなくても不利にはなりません。審査が在籍校の名前ではなく本人の人物と計画で行われることは、後述の審査の章のとおりです。
第11期 全国枠の都道府県別 応募・採用(在籍校の所在地ベース/応募上位10都道府県+説明用の例・集計。倍率は当サイト算出)
| 都道府県 | 応募 | 採用 | 倍率 | 地域応援枠 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 386名 | 101名 | 約3.8倍 | 対象 |
| 大阪府 | 183名 | 38名 | 約4.8倍 | 対象 |
| 神奈川県 | 147名 | 39名 | 約3.8倍 | 対象 |
| 北海道 | 144名 | 49名 | 約2.9倍 | 対象 |
| 福岡県 | 137名 | 26名 | 約5.3倍 | 設定なし(拠点形成支援事業の採択県) |
| 兵庫県 | 132名 | 36名 | 約3.7倍 | 対象 |
| 千葉県 | 123名 | 35名 | 約3.5倍 | 対象 |
| 広島県 | 101名 | 28名 | 約3.6倍 | 対象 |
| 京都府 | 99名 | 28名 | 約3.5倍 | 設定なし(拠点形成支援事業の採択県) |
| 愛知県 | 91名 | 17名 | 約5.4倍 | 対象 |
| (例)青森県 | 23名 | 10名 | 約2.3倍 | 対象 |
| (例)鳥取県 | 19名 | 8名 | 約2.4倍 | 対象 |
| (例)島根県 | 15名 | 6名 | 約2.5倍 | 対象 |
| (例)熊本県 | 25名 | 7名 | 約3.6倍 | 対象 |
| (集計)応募15人未満の8県計(岩手・秋田・山形・新潟・山梨・岐阜・佐賀・大分) | 67名 | 16名 | 約4.2倍 | 対象外(応募15人未満) |
第11期で地域応援枠が適用されたのは31都道府県です。応募者が15〜20人台の地域応援枠対象県(青森・福井・三重・鳥取・島根・香川・熊本)を見ると、多くは倍率2倍台でした(熊本県は約3.6倍)。第一日程の応募者の上位5人が優先採用される仕組みが効いていると考えられます。一方で、応募者が第一・第二日程の合計でも15人に届かない県には地域応援枠が設定されず(第11期は第二日程の枠に該当した県もありませんでした)、岩手県(応募7名)や山形県(応募10名)では採用が0名でした。拠点形成支援事業の採択県を除くと、こうした県は8県あり、合計は応募67名・採用16名(約4.2倍)と全国平均の約3.6倍より厳しい結果です。「応募者が少ない県ほど有利」とは言い切れず、効くのは第一日程の応募が15人以上で、かつ応募者がそれほど多くない県です(第一日程が15人未満でも、第一・第二日程の合計が15人以上なら第二日程の上位2人の枠があります)。なお、どの県が対象になるかはその期の応募者数で決まるため、応募前に知ることはできません。
福岡県のように拠点形成支援事業の採択県では全国枠に地域応援枠が設定されず、第11期の全国枠は約5.3倍でした(同県の地域枠は約2.9倍)。採択県に在籍している場合は、後述の「拠点形成支援事業(地域枠)に該当するかを先に確認する」の章で扱う地域枠の募集要項を先に確認するのが合理的です。
都道府県別の数値は「在籍校の所在地」をもとに集計されています(居住地ではありません)。表は応募者数の上位10都道府県に、地域応援枠の効き方を説明するための例(応募15〜20人台の県から4県)と、応募15人未満の8県の合計(別紙1の県別数値から当サイトが集計)を加えたものです。47都道府県すべての数値は文部科学省の公表資料(別紙1)で確認できます。
第12期(2027年度)は支援予定600人——倍率はどう動くか
POINT
2026年10月1日に公表された第12期の募集要項では、支援予定人数が第11期の700人から600人へ100人減りました。4コースすべてと両日程で枠が小さくなっています。
支援予定人数の比較(第11期・第12期の募集要項より)
| 区分 | 第11期(2026年度) | 第12期(2027年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| STEAM探究 | 160人 | 140人(第一115・第二25) | −20人 |
| スポーツ・芸術探究 | 140人 | 120人(第一100・第二20) | −20人 |
| マイ好奇心探究 | 250人 | 210人(第一175・第二35) | −40人 |
| 社会課題探究 | 150人 | 130人(第一110・第二20) | −20人 |
| 合計 | 700人(第一580・第二120) | 600人(第一500・第二100) | −100人 |
| ロング(125日以上) | 全体で20人程度 | 全体で20人程度 | 変わらず |
| 家計基準外 | 全体の1割程度が上限 | 全体の1割程度が上限 | 変わらず |
仮に第12期の応募者数が第11期と同じ2,602人で、採用が予定どおり600人だったとすると、単純計算の倍率は約4.3倍になります。ただしこれは前提を置いた試算であり、予測ではありません。応募者数は年によって増減しますし(第10期は前年度より減少)、募集要項には「採用人数は応募状況等により変動する場合があります」とあり、実際に第11期は支援予定700人に対して718人が採用されました。言えるのは「枠が約14%縮むので、応募が同程度なら全国枠の倍率は第11期より上がる方向」ということまでです。
第12期(2027年度)の応募期限と採否通知(募集要項より)
| 項目 | 第一日程(新高校2・3年生/新高校1年生) | 第二日程(新高校1年生のみ) |
|---|---|---|
| 在籍高校等から機構への応募申請期限 | 2027年1月21日 | 2027年4月21日 |
| 採否結果の通知 | 2027年4月下旬(予定) | 2027年5月下旬(予定) |
上の日付は在籍高校から機構への期限で、生徒から学校への提出期限はそれより前に、学校ごとに設定されます。倍率が上がる方向の期ほど、締切直前に計画を詰める余裕はなくなります。秋のうちに在籍校の担当窓口へ応募の可否と校内締切を確認しておくのが現実的です。第12期の面接審査の日程・留学開始日の範囲と、採用後に家庭が立て替える額はトビタテ高校生の保護者負担額、留学計画書の設問ごとの字数と書く順番はトビタテの応募書類の書き方で整理しています。
確認ポイント:第12期の募集要項に「2027年度募集」として掲載されている拠点形成支援事業の府県は、群馬県・富山県・京都府・和歌山県・徳島県・福岡県の6府県です。第11期で地域枠の採用があった福島県・高知県は、この一覧に載っていません。両県の2027年度の扱い(地域枠の募集があるか、全国枠で地域応援枠の対象になりうるか)は、各県と機構の最新の案内で確認してください。
拠点形成支援事業(地域枠)に該当するかを先に確認する
POINT
対象の府県なら、第11期の倍率は府県により約1.5〜2.9倍(合算で約1.8倍)。同じ制度でありながら、住んでいる場所・通っている学校で採用可能性が変わります。まずここを確認してください。
拠点形成支援事業は、地域の産学官が協働して高校生等に留学機会を提供する取り組みで、令和5年度に始まりました。文部科学省の公表によれば、採択されたのは令和5年度が石川県・静岡県・滋賀県、令和6年度が福島県・高知県、令和7年度が群馬県・富山県・京都府・和歌山県・徳島県・福岡県です。第11期はこの枠で365名が採用されています(採用人数に計上されているのは令和6年度以降の8府県)。
全国枠と地域枠の違い
| 観点 | 全国枠(高校生等対象) | 地域枠(拠点形成支援事業) |
|---|---|---|
| 対象 | 全国の高校生等 | 採択された府県の高校生等(要件は各府県のプログラムの募集要項で定める) |
| 第11期の規模 | 応募2,602名・採用718名 | 応募651名・採用365名 |
| 倍率(算出) | 約3.6倍 | 約1.8倍 |
| 募集の窓口 | 在籍高校を通じて機構へ | 採択地域(各府県のプログラム)の募集要項に従う |
| 併願 | — | 全国枠との併願可否は各プログラムの募集要項で確認が必要 |
拠点形成支援事業の府県別 応募・採用(第11期/倍率は公表値から当サイト算出)
| 府県 | 応募 | 採用 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 京都府 | 145名 | 100名 | 約1.5倍 |
| 福島県 | 62名 | 42名 | 約1.5倍 |
| 富山県 | 78名 | 50名 | 約1.6倍 |
| 高知県 | 59名 | 32名 | 約1.8倍 |
| 群馬県 | 97名 | 50名 | 約1.9倍 |
| 和歌山県 | 41名 | 21名 | 約2.0倍 |
| 徳島県 | 112名 | 50名 | 約2.2倍 |
| 福岡県 | 57名 | 20名 | 約2.9倍 |
| 合計 | 651名 | 365名 | 約1.8倍 |
「地域枠なら1.8倍」は合算値です。実際には京都府の約1.5倍から福岡県の約2.9倍まで2倍近い幅があり、全国枠(約3.6倍)と大きく変わらない府県もあります。ご自身の府県の数字で見てください。機構は各地域の企業等の拠出額に応じて費用の2分の1を支援する仕組みで、府県ごとの採用人数は年度によって変わります。なお令和5年度に採択された石川県・静岡県・滋賀県は令和7年度で拠点形成支援事業としての支援が終了し(3県とも独自に事業を継続)、第11期の人数には計上されていません。また、第12期(2027年度)の募集要項に「2027年度募集」として載っている府県は6府県で、福島県・高知県は記載がありません(扱いは各県の案内で確認してください)。
対象地域にお住まいなら、まず採択地域(各府県のプログラム)の募集要項を確認するのが合理的です。募集要項でも「本制度との併願の可否について、各プログラムの募集要項を必ず確認してください。」と案内されています。対象外の地域の場合は、この差を織り込んだうえで全国枠に出すか、留学団体や自治体の奨学金を並行して検討します(高校生の留学奨学金ガイド)。
倍率は「どの枠で出すか」で変えられる
POINT
トビタテは単一の選考ではありません。コース・応募日程・家計基準・留学期間の4つで枠が細かく分かれており、全体の倍率より、この枠の構造のほうが結果を左右します。
枠の構造(第11期の例)
| 区分 | 枠の内訳 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| コース | マイ好奇心探究250人/STEAM探究160人/社会課題探究150人/スポーツ・芸術探究140人 | 枠の大小以上に、応募の集まり方で倍率が変わる(第11期はSTEAM約1.7倍〜マイ好奇心約4.6倍)。計画の中身に合うコースを選ぶのが前提だが、どのコースに該当しうるかは検討の余地がある |
| 在籍校の所在地(地域応援枠) | 都道府県別の応募者が第一日程で15人以上なら、その都道府県の第一日程応募者の上位5人を優先採用(第一日程が15人未満で第一・第二の合計が15人以上なら第二日程の上位2人)。拠点形成支援事業の採択県には設定なし | 第一日程の応募が15人以上で、かつ多すぎない都道府県の高校に在籍していると実質的に有利(第一・第二日程の合計でも15人未満の県には設定されない)。判定は居住地ではなく在籍高校の所在地 |
| 応募日程 | 第一日程580人(応募2,136名・採用586名=約3.6倍)/第二日程120人(応募466名・採用132名=約3.5倍)※倍率は当サイト算出 | 枠の大きさは5倍近く違うが、第11期の倍率はほぼ同じ(第9期・第10期は第二日程がやや高い)。日程選びは有利・不利ではなく、準備期間と選考方式(第二日程は書面審査での足切りがなく、全員が書面・面接の総合審査を受ける)で決める |
| 家計基準 | 家計基準外は支援予定人数全体の1割程度が上限 | 所得が基準を超える家庭は、枠が約1割に限られ支給額も月6万円相当に下がる |
| 留学期間 | 125日以上(ロング)は全体で20人程度 | 1学期以上の長期計画は枠が極端に小さい。短めの計画のほうが枠は大きい |
「地域応援枠」は倍率の話でほとんど語られませんが、構造としての効き方が大きい仕組みです。要は、第一日程の応募が15人以上の都道府県ではその都道府県の第一日程応募者の上位5人に入れば優先して採用される設計です。全国2,602人の中で上位718人を狙うのと、都道府県内の第一日程応募者の中で上位5人を狙うのは、まったく違う勝負になります。
また、第二日程は枠が120人しかないため「不利」と書かれることがありますが、第11期の公表値から計算すると第一日程が約3.6倍、第二日程が約3.5倍で、第11期は日程による倍率の差がほとんどありませんでした(応募者数も枠に比例して少ないためです)。ただし第9期は約2.7倍対約3.0倍、第10期は約2.6倍対約2.8倍で、第二日程がやや高い期もあります。いずれにしても大きな差ではないため、新高校1年生の日程選びは「どちらが通りやすいか」ではなく、「書面審査での足切りがなく全員が書面・面接の総合審査を受ける第二日程(5月)まで準備期間を取るか、3月の第一日程で早く勝負するか」という設計の問題になります。
この表から実務的な結論が2つ出ます。1つは、長期留学をトビタテ前提で設計するのは危険だということ。ロングの枠は20人程度で、1年間の留学資金をこの制度に依存するのは現実的ではありません。もう1つは、新高校1年生には日程の選択肢があるという点です。第二日程は枠が小さい代わりに、書面審査での足切りがなく応募者全員が書面・面接の総合審査を受けます。書面で落ちるのが不安か、準備期間が足りないか、で選び方が変わります。
避けたい
「倍率3.6倍だから3人に2人は落ちる」と全体の数字だけで判断する
こうすればOK
自分が出す枠(地域枠か全国枠か、コース、日程、家計基準の内外、期間)で見る。同じ制度内で条件がかなり違う
避けたい
枠が大きいコースに計画を無理に寄せる
こうすればOK
計画の中身とコースの定義が合っているかを優先する。要項はSTEAM領域の計画を他コースに出さないよう明記しており、ずれた応募は評価されにくい
避けたい
1年間の留学費用をトビタテで賄う前提で計画する
こうすればOK
ロングの枠は全体で20人程度。長期は交換留学団体の奨学金や自治体の派遣も並行して検討する
審査で見られるのは「人物」——倍率対策の方向が変わる
POINT
募集要項は審査を「人物」と「計画」の2観点で行い、人物の観点をより重視すると明記しています。つまり点数を積み上げる対策とは方向が違います。
成績や語学試験のスコアは応募の必須要件になっていません。人物の観点として挙げられているのは、多様な価値観を柔軟に取り入れる意欲、社会に貢献しようとする志、好奇心を原動力に新たな価値を創造する力、探究心を持って視野を広げる姿勢、失敗を恐れず挑戦し続ける気持ち、リーダーシップ、多様な人々と対話し協働する姿勢です。計画の観点は、目的と学びたいことが明確か、目的に対して留学先・期間・探究活動の内容が適切か、成果を将来と社会にどう還元するかの3点です。
保護者が関わる際に注意したいのは、大人が計画書を整えるほど「人物」が見えにくくなることです。第一日程では書面審査の通過者が面接審査(個人面接)に進み、第二日程は応募者全員が書面審査と面接審査をあわせた総合審査を受けます。面接で問われるのは本人の言葉なので、書面と本人の言葉が一致していないほうがむしろ不利になります。保護者の役割は、テーマを一緒に探すこと、学校との連絡を支えること、必要書類(家計基準の判定に使う課税証明書など)を用意することに置くのが現実的です。
「書類審査でどのくらい落とされるのか」もよく聞かれる質問ですが、書面審査の通過者数・通過率は公表されていません。公表されているのは期ごとの応募者数と採用者数だけで、段階別の通過率は計算できません。分かっているのは選考の構造です。第一日程は書面審査の通過者だけが面接審査(個人面接)に進むのに対し、第二日程は応募者全員が書面と面接をあわせた総合審査を受けます。「書面だけで落ちる」ことを避けたい新高校1年生にとっては、第二日程を選ぶこと自体が選考設計の一つになります。
選考・審査に関する問い合わせや採否結果の理由には一切回答されないと募集要項に明記されています。不採用の原因を公式に確認する手段はないため、次に出す場合は自分たちで計画を見直す必要があります。
倍率の前に落ちる——形式要件で外れる計画
POINT
内容の優劣以前に、要件を外した計画は対象になりません。とくに「受入先機関」の定義は誤解が多いポイントです。
第11期の募集要項では、受入先機関として認められない例が列挙されています。日本に所在する法人・団体(海外事務所は可)、滞在先(ホームステイ先・寮・ホテル)、留学あっせん業者(留学エージェント・旅行代理店・現地ツアー会社等。ただし留学計画の活動内容がその業者の業務・活動に関するものである場合のみ可)、個人(親戚・知り合い・教師宅等。個人経営の事業に関する活動なら可)です。加えて、機構がエージェントやその留学プログラムを公認・認定することはないと明記されており、要件を満たすかの確認は応募者側の責任になります。
- 1語学学習だけの計画になっていないか:要項は「語学学習のみを行う計画は、支援の対象外」と明記している。語学学習が認められるのは、留学全体の準備過程または補助的な位置づけとして計画の一部に含まれる場合だけ。探究の「問い」が計画の中心にあるかを最初に確認する
- 2受入先機関が要件を満たしているか:活動する場所(大学・研究機関・企業・NPO・現地校など)を受入先機関にする。滞在先は不可。留学あっせん業者も原則不可(留学計画の活動内容がその業者の業務・活動に関するものである場合のみ可)
- 3活動日で日数を数えているか:留学期間は受入先機関で活動した日で数え、出国日・移動日・帰国日は含まない。14日を下回ると対象外になりうる
- 4活動を証明できるか:受入先機関が発行する修了証明書等で活動を証明する必要がある
- 5形式要件を満たしているか:卒業を目的とした課程に在籍、査証を確実に取得し得る、過去に採用されていない、併給の上限を超えない
- 6渡航先の危険情報レベルを確認したか:受入先機関の所在地が外務省「海外安全ホームページ」の危険情報・感染症危険情報でレベル2(不要不急の渡航は止めてください)以上の地域は対象外。応募時点でレベル2以上でも選考には差し支えないが、留学開始時点または留学中にレベル2以上になると原則として奨学金の支給対象外になる
- 7校内の締切に間に合っているか:応募申請期限後は差替え・訂正が一切できない
この形式要件のチェックは、倍率を1%改善する工夫より確実に効きます。応募実務の詳細と対象外になる費目は返済不要の留学奨学金でいくら残るかでも扱っています。留学計画書の設問ごとの字数と書く順番はトビタテの応募書類の書き方で整理しました。
不採用だったときに家計をどう動かすか
POINT
採否が出るのは渡航年の春です。「落ちたら白紙」にしないための分岐を、応募の時点で決めておくのが実務です。
第11期では採否結果の通知が4月下旬〜5月下旬、留学開始が7月10日以降でした。ここで計画が止まると、準備期間をそのまま失います。3つの方向のどれを取るかを先に決めておけば、通知が来た日から動けます。
不採用時の3つの分岐
| 方向 | 具体策 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 総額を下げて実行する | 期間を短くする/費用の安い国に変える/交換留学に切り替える | 短期なら総額30〜60万円が目安。長期は交換留学のほうが総額を抑えやすい |
| 別の給付型に切り替える | 留学団体の奨学金(プログラム選考と一体)、自治体の制度 | 派遣プログラムの募集時期に間に合うか。在住・在籍要件を満たすか |
| 借入で埋めて実行する | 国の教育ローン(3か月以上の留学で450万円以内)など | 返済は保護者の家計から。大学進学の費用と重ならないか |
もう一つ現実的な選択は、次の期に出し直すことです。採用歴による応募の制限は、過去に派遣留学生として採用された人だけが対象です。ただし応募できるのは、その期の募集要項が定める学年(第12期なら2027年4月に高校等の第1〜3学年に在籍する生徒等)などの要件を満たす人に限られます。たとえば新高校3年生として応募して不採用だった場合、翌年度は高校を卒業しているため次の期の対象学年から外れます。新高校1年生として第二日程で応募した場合、翌年は新高校2年生として第一日程(12月〜1月に申請・3月に面接)での応募になり、締切が約3か月早まります。新高校2年生で不採用だった場合は、翌年も新高校3年生として同じ第一日程で再応募できます(新高校2・3年生は第一日程のみ。募集要項の「10.スケジュール」)。費用全体の見積りは高校留学の費用ガイド、短期の相場は高校生の短期留学ガイドで確認できます。
まとめ
トビタテ!留学JAPAN(高校生等対象)第11期の倍率は、公表された応募者数と採用者数から計算すると全国枠が約3.6倍、地域枠(拠点形成支援事業)が約1.8倍、合算で約3.0倍です。全国枠の応募は前年度から約4割増えており、第1期からの推移(約1.7倍〜約4.0倍)で見ても高い側の水準に戻りました。コース別ではSTEAM探究の約1.7倍からマイ好奇心探究の約4.6倍まで差があり、次の第12期(2027年度)は支援予定人数が700人から600人に減ります。ただしこの制度は単一の選考ではなく、コース(第11期は250人〜140人、第12期は210人〜120人)・応募日程(第11期は第一580人/第二120人)・家計基準(基準外は全体の1割程度が上限)・留学期間(125日以上は全体で20人程度)で枠が分かれています。したがって「倍率が高いから諦める」でも「4倍なら大丈夫」でもなく、自分が出す枠を選び、形式要件を外さないことが実務になります。審査は人物を重視するため、保護者が計画書を仕上げるより、テーマ探しと学校との連携、書類の準備に力を割くほうが効果的です。制度の全体像はトビタテ!留学JAPAN 高校生ガイドをご覧ください。
応募前の最終チェック(7項目)
倍率を気にする前に、ここを外すと計画ごと対象外になります。募集要項の形式要件をご家庭で自己点検してください。
チェックはこの画面の中だけの表示で、保存も送信もされません。
Q.トビタテ(高校生)の倍率は結局どのくらいですか?
第11期(2026年度)の公表値から計算すると、【高校生等対象】は応募2,602名・採用718名で約3.6倍、【拠点形成支援事業(地域枠)】は応募651名・採用365名で約1.8倍、合算では約3.0倍です。倍率は公式に公表されていないため、公表された応募・採用者数からの算出値です。期ごとに変わるため最新の公表資料で確認してください。
Q.倍率は上がっているのですか?
全国枠では上がっています。文部科学省の公表によると【高校生等対象】の応募者は前年度の1,886名から第11期の2,602名へと約4割増加し、採用者数(第9期716名・第10期717名・第11期718名)がほぼ横ばいのため、倍率は約2.7倍・約2.6倍から約3.6倍になりました。第1期(2015年度)からの通算では約1.7倍〜約4.0倍のレンジで動いており、第11期の約3.6倍は歴史的に高い側の水準です。第12期は支援予定人数が600人に減るため、応募が同程度なら上がる方向です。一方で採用者の合計は地域枠(拠点形成支援事業)の拡大により1,083名と、文部科学省の発表で「過去最多」になっています。「採用が増えた」と「全国枠が厳しくなった」は同時に起きているため、枠を分けて見る必要があります。
Q.どのコースが受かりやすいですか?
第11期の公表値から計算すると、STEAM探究が約1.7倍(応募266名・採用156名)、スポーツ・芸術探究が約2.9倍(410名・143名)、社会課題探究が約4.6倍(736名・161名)、マイ好奇心探究が約4.6倍(1,190名・258名)でした。第12期の支援予定人数はSTEAM140人/スポーツ・芸術120人/マイ好奇心210人/社会課題130人です。ただし倍率や枠の大小でコースを選ぶのは本末転倒です。募集要項はSTEAM領域の計画を他コースに出さないよう明記しており、計画の内容とコースの定義が合っていることが前提になります。なお第10期のSTEAM探究は約1.2倍(応募117名・採用101名)でしたが、第11期は応募が約2.3倍に増えて約1.7倍になりました。倍率の低いコースには翌期の応募が集まりやすく、「穴場」は長続きしない点にも注意してください。まず計画を固め、それが当てはまるコースを選んでください。
Q.所得が高いと受かりませんか?
応募自体は可能ですが、家計基準を超える場合の採用は支援予定人数全体の1割程度が上限とされ(第11期の支援予定700名なら70人前後、第12期の600名なら60人前後という計算になります。要項は割合のみの記載で、実数は当サイト算出)、支給額も月6万円相当に下がります。家計基準はJASSOの第二種奨学金(予約採用)の基準に沿って在籍高校が判定します。枠が限られる前提で、留学団体や自治体の奨学金も並行して検討するのが現実的です。
Q.1年間の留学だと通りにくいのですか?
枠が非常に小さいのが実情です。第11期・第12期とも、留学期間125日以上の「ロング」の計画は支援予定人数全体のうち20人程度の採用予定とされています(第11期の実際の採用は20人)。1年間の留学資金をトビタテに依存する計画は現実的ではないため、交換留学団体の奨学金や自治体の派遣プログラムを主軸に据えることをおすすめします。
Q.不採用の理由は教えてもらえますか?
教えてもらえません。募集要項には、選考・審査にかかる問い合わせおよび採否結果の理由については一切お答えできないと明記されています。なお採用歴による応募の制限は過去に採用された人だけなので、不採用だった人は次の期にも応募できます。ただし在籍学年などの要件は各期の募集要項で確認が必要で、たとえば新高校3年生として応募した人は、次の期には対象学年から外れます。次に出す場合は、要件の充足(語学学習のみでないか・受入先機関・活動日数・危険情報レベル)と計画の明確さを自分たちで点検することになります。採否通知は渡航年の春なので、不採用時の代替案を応募時点で決めておいてください。
Q.書類審査ではどのくらい落とされますか?
書面審査の通過者数・通過率は公表されておらず、計算できません。公表されているのは期ごとの応募者数と採用者数だけです(第11期は応募2,602名・採用718名)。選考の構造として、第一日程は書面審査の通過者だけが面接審査に進み、第二日程は応募者全員が書面と面接をあわせた総合審査を受けます。書面だけで不合格になることを避けたい新高校1年生は、第二日程の利用も含めて日程を設計してください。









